とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-375

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匿名ユーザー

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「だから、いい加減離してって!私は10万3000冊の魔道書の原典をまるまる記憶している禁書目録だよ!?戦力になれないとでも思うの!?」
「はい、とミサカは少しあきれながらもそっけなく即答します」
御坂妹の腕の中でぎゃーわーぎゃーわーわめくインデックスを相手するのに、いい加減疲れてきた御坂妹が言う。
「あなた自身は魔力を持っていないはずです、とミサカは当然の事実を確認します」
「ぐぅっ…」
「もし持っているのなら、その10万3000冊とやらを使ってとっくに私の腕から逃げることが十分可能ですからね、とミサカは少し見下した感じの口調で発言します」
「…うう」
「結果を言うと、あなたは私の腕の中でじっとしていればいいのです、とミサカは事実を突きつけます」
「…」
もはや何も言わなくなったインデックス。
「…」
沈黙が流れる。御坂妹の少し荒い息遣いと、軽いイメージを受けるタタタッ、という音だけが聞こえる。
が、唐突に。
「!?」
インデックスの体が、ビクン!と震えた。
「?どうしましたか、とみ―――」
「止まって!」
御坂妹の声は、緊張したインデックスの声によりかき消される。
「前から、魔力が感じられる!しかも、結構でか…い…?って、え…この魔力…?」
途中からインデックスの言葉が、疑問形に変わる。
「この魔力…もしかして」
「あなたはいったい、何が言いたいのですか、とミサカは不機嫌になりながらも質問します」
と、インデックスの止まれ、という言葉をまるっきり無視して走り続ける御坂妹が言う。
「…あ、やっぱり止まって」
少し考え込むような表情を見せたインデックスが、緊張の糸を紐解きながら言う。
「多分、あの魔術師たちは仲間だよ」
「・・・ミサカは、いまだ魔術、などと言う言葉は認められない、と感じているのですが、とミサカは――――――」
「…ですから、あれは魔力を感知させないための魔術であって――――」
「そんな高等魔術を、複数同時に扱える魔術師がいるのかな?まぁ、『あの子』が人並みに魔力を持てば可能―――っと?」
御坂妹の言葉をさえぎった何者かが、こちらに気づいたように焦点をあわせてくる。
「!?インデ、ックス…?」
長い髪をポニーテールにし、ジーンズの片方を太股の根元辺りからばっさりと切って、なにより腰のベルトにむやみに長い―――見るからに2mはあると思われる―――日本刀をさしている、というパッと見いろんな意味で警察行きになりそうな女性が驚きの声をあらわす。
「…あれは、確かフィアンマ戦のときにいた…」
2mを越す長身の男が言う。その男は、髪は真っ赤、口には煙草、耳にはピアス、右目の下にはバーコードマークの刺青、両手の指10本には銀色の指輪、といういかにも神父から離れた格好をしている。だが、彼はれっきとした神父だ。さらに、ルーンを若干14歳で極めた天才魔術師でもある。
彼らは目を合わせ、そして、

「                      」


「おっ…おまえなぁぁぁぁっ!!」
上条が美琴が超電磁方(レールガン)を打ってできた穴から逃げるように全力疾走しながら、後ろにいる美琴に言い放つ。
「これくらい、予想できなかったのか!?あっちは8人!こっちは3人!!はいどう考えても狙い撃ちですねあなたのハート(心臓)を嫌な方な意味で狙い撃ちですね分かります!!!」
「うっ…うっさいわねっ!!カッときちゃったのよ!」
「学園都市第3位が少しくらいカッときたからって能力暴発するんじゃねぇぇぇぇ!!?」
「お姉様…黒子の為に、後先ためらわずに、こんなことを…」
「黒子。今はあんたにかまってやれるほど余裕ないんだけど」
「ッ!?わ、私は相手にしないというのに、この殿方はお相手するんですの!?」
「ばっ、ちがっ――――」
「ええい黙ってろ!だからお前らが喋ると緊張感がなくなるわ!!状況理解してますか!?」
うっ、と美琴が小さくうめき、ふん、と黒子がそっぽを向く。
「とりあえず、ある程度の攻撃は俺が防ぐ。その間にあいつら(超能力者)が戦いづらい地形にでもしてろ!!」
それに美琴たちが反応する前に、

「そんなに甘くはないんだけどなぁ~」

突然、上条の目の前に14、15歳くらいの少年が現れて、言葉を発した。
「ッ!?」
とっさに上条が条件反射で後ろへ飛ぶ。
「それくらいの距離をとったくらいで、僕ら(超能力者)は攻略できないよ~?」
なぜか間延びした口調で言う少年。
「あなた…空間移動(テレポート)使いですわね」
「そうだけど~?だから…」
少年が言葉を続けようとした時、
バチィッ!!!
と、その少年めがけてまったく容赦のない雷撃が襲った。
だが、美琴の能力は強大すぎるゆえ、攻撃する際、前兆のように音が響く。それを感じ取った少年は、何食わぬ顔で美琴の後ろに空間移動する。
「いきなり攻撃~?超能力者(レベル5)って、そんなに安っぽ―――」
だが、またもや少年の言葉の途中で美琴は体中から電撃を発する。やはり少年はあっさり回避するが。
「…お姉様」
黒子がつぶやく。
「…こいつは、あた―――」
「私にやらせてください、お姉様」
黒子が、『美琴の発言を遮ってまで』、言葉を発した。
「…?ちょ、黒――――」
「座標はここから北北西に47m。いいですわね?」
「へぇ~。怠慢はろうっての?」
そう少年が言ったときには、もう彼はいなかった。
「…お姉様」
黒子が、美琴のほうを振り返らずに言う。
「…私に任せて下さいな」
そういう黒子の声は、どこか震えていた。
「…」
美琴は黙る。
と、そこで突然、会話の中に入れていなかった上条が発言する。
「美琴」
ただそれだけ。それだけで何が伝わるのか。
だが、美琴は上条のほうをチラッと向く。そして、黒子の方に向き直る。
「黒子」
「なんですの、お姉様?」
「…分かってるわよね?」
「…私が、『そんな風』になるとでも?」
彼女の背中しか見えていないが、少し黒子が笑ったように見えた。
「私は死にませんわよ、お姉様」
そういって、彼女はその空間からいなくなった。


「…」
二人っきりになった上条と美琴。
なんか、途方もなく触れづらいこの空気は何ですか…、と上条は嘆いている最中である。
と、突然に。
「…あ~あ」
美琴が目をつぶって空を見上げ(建物はもう80%近く崩壊している)、吹っ切れたような笑みを浮かべて言う。
「黒子の奴…本当に、死んだら承知しないわよ…」
学園都市第3位の声が、考えられないほど弱弱しく聞こえた。
「…って事で!」
場の空気を変えるように、美琴が上条のほうを向く。
「あいつのことだから、私たちが向かっても空間移動(テレポート)で場所移動されてどうにもならないでしょうから…私たちは私たちでどうにかするわよ」
「それには全面的に賛成する上条さんですが…」
と、そこで一回言葉を切る。
「どうにかするって…具体的に何をどうするんだよ?」
この発言をした上条は、正直まともに美琴が答えられるとは思っていなかった。
「とりあえず、こっちからはちょっかい出しちゃだめね。今全力で叩かれちゃ、生きてられる可能性は限りなく低いし。まぁ、こっちに来た相手は私が適当にあしらうから、あんたはそのサポートをやって」
だが、美琴の発言は思ったいたものとはまったく違った。
「…超能力者(レベル5)ともなると、実戦経験も豊富なのか?」
「あんたほどじゃないけどね。一般人よりは遥かに多いわよ」
美琴が疲れたような笑みを浮かべながら言う。
「しっかし…」
上条が、思案気な顔を浮かべて言う。
「それにしちゃ、攻撃が少なすぎねぇか?」
「…」
これには美琴も答えられない。
「どう考えてもあっちの方が有利なんだ。こっちには一方通行(アクセラレータ)がいるとしても、俺らを潰すにはわけないはずだろ?何ですぐに潰さないんだろうな?」
「…」
やはり沈黙。
分からないのだ。相手の目的も、戦力も、能力も、何もかも。
こんな状態で、「何で相手は動かないのか」なんて聞かれても、読心能力(サイコメトリー)を持ってる能力者でもない限り、答えることは出来ないだろう。
と、そのとき。
ビュオオオ、と風が吹く音がした。
と、そう思った次の瞬間には、
「う、ぉおおっ!?」
「きゃぁっ!?」
上条と美琴の体が中に浮いていた。

「なっ…」
上条が条件反射のように右手を振り回す。
その右手には異能の力なら何でも問答無用で打ち消す『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が宿っている。ただの風が人間の体を浮かすことなど中々考えられないため、能力者の仕業だと思ったのだろう。
だが、焦る上条たちに、

『馬鹿野郎がッ!!おとなしくしてやがれッ!!』

一方通行(アクセラレータ)の叫び声が、どこからか聞こえてきた。
「?こ、これ、一方通行(アクセラレータ)の能力でやるの?」
美琴が不思議そうな顔をしながら言う。自分の体が宙に浮いているのにパニックなどに陥らないのは、やはり戦闘経験が豊富だからなのだろう。
しかし、その上条たちを不安の中に落とすようなことが起こった。

突然、そこら中からいきなり炎が現れた。

「は…?」
突然のことにうまく反応できていない上条。美琴にいたっては発言も出来ない状況だ。
だが、すぐに上条の頭のスイッチが切り替わる。
「くそっ!また能力者かよ!?」
そう上条が叫び、それにより美琴が事態を受け入れる。
「発火能力(パイロキネシス)!?でも、どうやったのよっ!?」
今度は少しあわてる美琴。
対照的に、上条が冷静に思考し、叫ぶ。
「一方通行(アクセラレータ)!この空気のベクトル(向き)を俺のところだけ戻せ!!」
今は上空5mくらいのところに浮いている上条。もし一方通行(アクセラレータ)の能力が解かれたなら、右手(イマジンブレイカー)を下に向けて地面に着地するつもりだった。」
だが、一向に上条の体が重力により落下する気配はない。
「お、おい!一方通行(アクセラレータ)――――ッ!?」
大気を操っているはずの能力者の名を叫ぶ上条の前で、明らかに炎の威力が上がった。

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