とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

11~20

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匿名ユーザー

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■11~親友
「久しぶりだなカミやん」


「久しぶりだな土御門。
ところで、俺は男にストーキングされる趣味はないんだけどな。」
一瞬にして安堵に包まれたため、自然と軽口が出る。

「にゃー。俺はカミやんがステキな場所に
積極的にエスコートしてくれてるように感じたぜよ。」
軽口でお返しがくる。二人の関係は相変わらずのようにみえた。


「で、今回の厄介事はなんだ?」

複雑な笑みを浮かべながら尋ねる。
そもそも、こんな迂遠な方法で接触してきたということは、
それなりに理由があるのだろう。
土御門は、無駄なことはしない。
それはかつて一緒にいた親友である上条が一番よく知っている。

「ふっ、しばらく見ない間に随分と察しがよくなったな。
時間がないから、短刀直入に言わせてもらうぜよ。お前は、命を狙われている。」


■12~シナリオ

「なるほど、学園都市内にも戦争を起こした奴がいる、
ってことでいいのか?」

事もなげに答える。上条は、今や多大な影響力を持つ人物であり、
それが故に上条の命を狙う者もいる。その者らの大半の目的は戦争である。
他方金髪グラサンの男は、命を狙われていると言われて顔色一つ変えない
上条の返答に少し驚いたが、続ける。

「そういうことだ。学園都市内で交渉者であるお前が殺さされることは、
学園都市からの開戦の表明になるからな。」

「で、どんな奴らなんだ?」

「簡単に言うと学園都市の暗部の上位組織、
つまり闇の部分を担なってる者達だ。
まあ、かくいう俺もグループという暗部に所属しているわけだが。」
言うと同時に意味深にニヤリと笑う。


■13~信頼
「で、お前は、今回は暗部としてではなく、
土御門元春として、動いてるってわけか。」


「カミやん・・。可愛いげのない奴になっちゃったにゃー。
まあ俺としても戦争は避けたいからな。
 親友として、一緒に行動してやりたいとこなんだが、
立場上それはできない。こうやって接触できたのもカミやんが、
監視カメラのない廃ビルに誘ってくれたからだ。
俺ができるのは、この忠告だけだ。
 じゃあな。気をつけろよ。 」


       ・・・
「ありがとう。お前も気をつけろよ土御門。」
男は後ろを向いて手を振り去って行った。

上条は土御門という男をよく知っている。
たぶん今回も、上条の知らないところで、上条のために動いていてくれている
のであろう。忠告自体も上条にとって、とても有難いものだった。
漠然と命を狙われる可能性は常に考慮している上条だが、
具体的にその事実を認識できるということは、その後のきわどい場面での
対応が大きく異なる。

(土御門の奴、俺が廃ビルに入ることまで計算して尾行してやがったな。)
「まったく。かなわねぇなアイツには。」


■14~再び
廃ビルを出た後、しばらく上条は学園都市の思い出の場所を散策していた。
本当は昨日しようと思っていたところだったのだが、
かつて、茶髪の少女と行った遊園地にまた一緒に行ってみたい
という気持ちに駆られたため、今日改めて散策をしている。
丁度見慣れたファミレスを通りがけた時、
見慣れた顔の茶髪の少女に声を掛けられた。

(今日は確か平日だよなー。なんでコイツ私服なんだ?)

「ちょっと何嫌らしい目で人の事見てんのよ。」

「いいい、いやいや、御坂の私服姿なんて、珍しいなと思ってさ。ハハ」

「ふーん。まあいいわ。アンタ今から暇ある?」

「ん?まあ暇っちゃ暇だけど、」

「そう、じゃあ今から一緒にご飯食べない?」

「俺も腹減ってるから丁度いいな。行こうぜ。」
(コイツ昨日のこと全く気にする素振りないのな。まあその方が俺としてもいいか)


■15~違和感
二人は目の前のファミレスに入って食事をとることにした。
たわいのない話をして盛り上がったが、上条はどこか違和感を感じていた。
深い悲しさが瞳の奥に宿っているのは昨日も同じだったが、
昨日の少女には、例の告白の後も迷いの色が見えていた。
あの迷いは一生解決しない、そんな迷いだ。
しかし、今日の少女には、迷いの色はなく、代わりに強い決意の色が見える。
それも、昨日、今日決断したといったものではない。
ずっと前に決めた、決して揺るがない、そういう種類のものだ。

(なんだってんだ?いったい。思いすごしか。)


■16~またデート!?
「で、アンタこれから何か予定あるの?」

「予定つーほどでもないけど、ちょっと一人で都市の散策しようかなと。」

「じゃあ私もついてこっかな」

「え?」

「何?嫌なわけ?こんな可愛い子と一緒に歩ける機会めったにないわよ?」

「自分で言うかよ・・」
(正直俺と一緒にいると危ないんだけど、
ここで断ったら変に怪しんで尾行しかねない奴だからなー。
いや待てよ、昨日も一緒にいたわけだし、
暗部とやらも、それは知っているだろう。
それなら、いっそのこと一緒に行動して守ってやった方がいいかもな。)

「アンタなんか変な事考えてる?」

「いやいや、とっても嬉しい限りです美琴様。ぜひ御一緒させて下さい。」

「何よ。変な奴。」


■17レス目~デートはおしまい

その後、二人は日が暮れるまで散策した。
そして、上条が最後の目的地である、川原についた時に、ふと少女に声をかけた。


「ところでさ、



お前、誰なんだ?」


「へっ?」


■18 疑問
「振舞い、特に歩き方が一般人のそれじゃない。
俺の知ってる御坂は、ちょっと乱暴で、ビリビリすっけど、
普通の女の子だ。」

上条の言う通り、この少女は歩く時に全く音が出ない。
確かに、人が歩く時に出る音というのはそれほど大きいものでなく、
静かに歩く人もいるだろうが、この少女のそれは、全く音がないのである。
そして、上条がその異変に気付いたのは、土御門に尾行されたことと、
忠告のおかげといってもいい。
もちろん、上条自身の洞察力もその一端を担ってはいるのであるが、
短時間で異変をかぎつけられたのは、
プロである土御門に尾行されていた事実によって、
同じような者を選別する機会を与えられたことが大きい。


女の瞳が一瞬どこか寂しげなものに変わった。
上条も気付かないほんの一瞬。  

「へー。なるほどねー。御坂ミコト様の新しい一面発見て感じ?」

「そういう意味じゃなく、お前は俺の知ってる御坂とは別人なんだろ?」

「冗談よ。じゃあさ、お願いを聞いてくれたらその疑問解決してあげる。」

「お願い?」


■19~少女のお願い

「うん。  死んで?」   
邪悪な笑顔が表出し、上条は背筋を凍らせた。

少女は右手から何かを弾き、光弾が走った。
人はそれをレールガンと呼ぶ。
しかし、上条は右手をかざしてそれを打ち消している。

「くっ」
(レールガンっ!?まさか、御坂なのか?いや、)
考えがまとまらない内に女の声が聞こえてきた。

「やっぱお願い聞いてくれないのかぁ~。
じゃあ「殺す」しかないわね。」


上条の頭部に左拳の三連打がくる。
それを右手と左手で交互に受け流した後、
右の脇バラに迫る後ろ回し蹴りを、足を上げてカットする。
その瞬間全身に痺れがはしり、わずか一瞬だが、動きが止まる。
それを好機と見たか、続けざまに蹴った足を戻しつつ反動を利用した
前回し蹴りが右の上段にくる。
それを左肘と右手で受けるが、あまりの衝撃に少しよろめく。

少女の技は人を壊すものとして完成されていた。

(早い!しかも、この技のキレと威力、
特にあの回し蹴りは食らったらマズイ。
たぶん一撃で意識を駆られることになる。)

「以外とやるのねー。しかも幻想殺し左手でもできるんだ。
でもその程度なら、私に殺される選択肢しかないみたいね♪」


少女の打撃は電撃でコーティングされている。
その威力は、電撃だけを放つよりも弱いものであるが、
普通の者ならば、一撃で意識を失い、場合によっては死に至るレベルである。
上条は、幻想殺しを持つ性質のためか、異能による力の耐性に強いため、
一つ二つ受けても意識を飛ばすことはない。
だが、何発ももらえば、神経をやられ死に至る可能性も高い。
加えて、打撃自体の威力も非常に高い。


■20~戦闘
「俺を殺す・・、戦争を起こす目的は何だ?」
ふいに上条が聞く。

「ふふふ。目的なんてないわ。
でも強いて言うなら戦争を起こす自体が目的。そんなとこかな。」


上条は、これ以上話を聞く事は不可能と考え、
動き出すとともに左のフックパンチ、右のストレオート、
左のストレートを連続して放つが、二つガートされ、
最後の一つにカウンターを合わされ、動きが止まる。

(前蹴りが腹に来るっ)

両手でガートし、足を掴もうとするが、足はすでに引かれ、
頭を少し下げた顔面に飛びひざ蹴りがくる。
それも両手でガートしたが、瞬間、両手を握った拳が背中に振り降ろされる。
上条が膝をついたところで、右の回し蹴りが襲ってきた。
これはしっかりガートしたが、威力に押され完全に地面にはいつくばった。
 女は手を振りあげて真下に降ろした。
その瞬間凄まじい落雷が落ちるが、上条はうつ伏せから仰向けに反転し、
右手で打ち消す。

(やろう躊躇なく殺しにきやがる)

女にとっては、体術の行使は、正面からでは異能が効かない
上条を殺すための一過程にすぎず、
上条が意識を失った瞬間、異能の力でとどめを刺すつもりであろう。


上条が体制を整える隙を与えないまま、女は走って
上条の頭をサッカボールキックに似た右の前蹴りを試みる。

(チャンスかっ)

上条は右手で肩上まで受け流し、女の足両足が一瞬浮いたところを
カウンターの拳を入れようとするが、女は体が浮いた刹那、
バスケでいうフェイダウェイシュートさながらの体制から
左足を振り上げ、女の硬い靴のつま先が上条の溝落ちにささる。

この蹴りは、カウンターをとりにいった上条の体重も乗り、
決め手の一打となった。
上条はフラフラと今にも崩れおちそうになっている。
そこにダメ押しの左のハイキックを受けて、完全に意識を失った。

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