とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

21~30

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匿名ユーザー

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■21~トドメ                   

                    ・・・・・
「まあ、こんなもんか。それじゃあサヨナラとうまくん」

期待ハズレとでもいうような眼差しを向けて
女はポケットからパチンコ玉を取り出し、指ではじく準備をした

凄まじい音とともに閃光が走った。
ただそれは上条に向けられた者ではなく、女に向けられたものだった。


■22~命がけ
「ソイツから離なれなさい!!!」
光の発信源に制服を着た茶髪の少女が立って叫んでいた。

「ふふ。おもしろいじゃない。」

「何がおもしろいっての?」
怒りをあらわに叫ぶ。

「100パーセントの確率で勝てないと分かりつつ、
好きな男のために戦いを挑む女。
どっかの漫画みたいな話ね。
確かアンタもレベル5だったっけ?
でもさ、こんな話前に誰かから聞かされなかった?
 視力検査と一緒、レベル5までしかないだけで、
同じレベル5でも雲泥の差があるってことを。」

    ・・・・・・・・
「ふん。フルチューニングっていう名前は大層そうだけど、
性能がいいのはその口だけみたいね。
どうでもいいことをよくしゃべるだけあって、頭は悪そうね。」
制服の少女は不敵に笑う。

しかし、勝てないことは分かっていた。同じ系統の能力者同士、
それもレベル5同士であれば、電撃による攻撃はお互い効かない。
従って、勝負を分けるのは、電磁砲の威力ということになるのだが・・・。

制服の少女は一瞬、倒れている上条を見た。

(例え私がここで死んだとしても、あなたは私が必ず守ります。)
その少女の目に強い決意が宿った。


■23~レベル5対レベル5
「挑発してるつもり?ふふふ。おもしろい。
私の目をソッチに向けたくて必死なのね。正直自分と同じ顔の
人間を殺すのは趣味じゃないんだけど、そういうことなら、
死んでもらおうかな。」

電撃の応酬が始まった。制服の少女の電撃は
やはり相手にはまったく効かないようであった。
他方、制服の少女の誤算は、効かないと思っていた相手の電撃
を受けた腕に痺れが走っていることだ。

(これは思っていた以上に力の差がある!?)

女を上条から少し引き離したので、電撃による攻撃をやめ、
砂鉄を剣にして操作して放つ。
しかし、操作したはずの砂鉄の剣は逆に制服の少女に襲い掛かる。
(くっ!)

転がりながらそれをよける、もう一度砂鉄の剣に干渉して、ただの砂鉄に戻す。
 相手の女はその間にパチンコ球をポケットから一つとり出し、
弾じいた。閃光が走る。

制服の少女は磁気を操作し、スレスレで回避し、
お返しにコインを弾き砲弾を放つが、この閃光はあらぬ方向にそれる。


■24レス目~実力の差
「ね、分かったでしょ?無理よね。あなたの砲弾は私に当る可能性すらない
 けど、私の砲弾は、すぐにあなたを捉えるわよ。力の差って残酷よね。」

女は、もうさっさと終わらせたいといった顔をして、
両手でポケットからとれるだけの球をすくい、とった球全てを上に投げた。

「まさか、まずっ」

そう制服の少女が言い終わる前に光を帯びた無数の砲弾が飛んできた。
逃げ場はない。周りの磁気を操作して回避しようとするが、
威力が強すぎて方向を簡単には変えられない。



■25~強がり
「へー以外としぶといわね。」
女は笑っている。

「たいしたことないわね。」
制服の少女も笑いながら返す。
だが、わき腹から大量の血が出ており、その笑みには力がない。

(一発カスっちゃったか。)

「たいしたもんよアンタは」
女はそういって、確実にとどめをさそうと、近づく。


■26~目覚め
上条は今朝と同じ夢を見ていた。少年と少女の夢。
そして、少年と少女が別れた後の、その後の少女のとても悲しい夢。
夢の途中、無数の砲弾の音に目が覚める。
だが、今度はその夢をはっきり覚えていた。


「やめろよ。」

「あら、お目醒めのようね。もたもたしすぎたかしら。
コッチかたづけてからいくから待ってなさい」

上条が目を覚ましたのを確認し、
ギリギリのところで意識を保っていた制服の少女の意識は途絶えた。

「やめろって言ってんだろ!!」
怒声を放つが、女は動じない。

「学園都市が、世界が憎いか?」
ピクッと女の動きが止まる。

「正直俺も今じゃあ世界がステキで希望で満ち溢れてるなんて気持ちは
持ち合わせちゃいねぇし、理不尽だと想うことも、死ぬほど辛い思いもして、
憎みたくなるときもあった。そして俺よりもお前は辛い想いをしてきたのも
分かった。お前がそんなふうになっちまうのも仕方ないのかもしれない。でもな、
こんな世界でも価値のあるものは星の数ほどあるんだ。それを理由もなく潰しち
まうってんじゃあよ、奴らとやってことはかわんねぇじゃねーか。
そんなこともわかんなくなっちまったのかよミコトー!!!」

女の表情が険しいものになる。さっきまでのふざけていた表情はもはや微塵もない。

「確かにこの世界は腐ってる部分もあるかもしれねぇ。
でもな、まんざら捨てたもんでもない。もしお前がこの世界は
破壊するためのみにしか価値を見出せない、他に少しの用途のないものだって
考えてるなら、
俺が今からその幻想、ぶち壊す!!!」

女は何も言わずに向かってきた。


■27~覚悟の一撃
上条は冷静にこれまでの戦況を分析していた。
(攻撃に対するあの反応速度からして、俺の先制攻撃は当らない。
かといって単純にカウンターをとりにいったら、あのざまだ。
長びいても着実にダメージがたまって負ける。
アイツのフィニッシュブローはあの廻し蹴り、そして、
それに至るまでの一連の攻撃は態勢を崩し蹴りを入れるためのもの。
あえて、それをもらい、
廻し蹴りにカウンターを合わせる機会を作るしかないな。
骨の数本はくれてやる。)

上下のコンビネーションが来る。これを全てもらうと、
相手に狙いがバレる可能性がある。あくまで、自然にもらって、
体制を崩すフリをする必要がある。もっとも演技などしなくても、
受け続ければさばきれずに、体制は崩されてしまうのであるが、
自分でタイミングを作るというのがかんじんなのだ。

上条は左肘で、顔面へのショートフックを受け返し
脇へのフックを右肘で受け、さらに次々とせまる
打撃をさばいていくが、一つの打撃を選んで受け損なう、
バキッっという音ともにアバラが折れ、
折れた骨が肺に刺さり上条の動きが止まる。

(ぐっ!!)

そこに蹴りがくるが、


(これは繋ぎのケリだ。そして次に本名がくる!)

半端に受けて体制を崩す。それをみて女は体を捻る予備動作をする。
(ここだっ!) 併せて上条も体を捻る。二つの足が交差する。

バシッ!!と音がなった。


■28~決着

女の右足が上条の顔に届くよりも早く、上条の右足が女の顔を捉えた。
女は崩れ落ち、その場に倒れた。


「はぁ、はぁ、クソお!!」
上条は行き場のない怒りを地面にぶつけたが、
自分を助けてくれた制服の少女の事を思い出し我に帰る。

(アイツは大丈夫か?)

その時パシュッと音が聞え、三人の人影が現れた。
その中に金髪グラサン男がいる事を確認し、安堵したが、
一人の結標と呼ばれる女が、さっきまで戦っていた少女と、
制服の少女をテレポートさせ、最後に自分も消えた。

「待てっ!」

そう言って少しよろめく上条を見て金髪の男が声を発した。

「大丈夫だ、カミやん。くわしい話はこの女が話してくれる。」

「この子は?」

「まあ、それも含めて本人から聞いてくれ。俺はまだやる事があるからまたな。」
そう言って、金髪の男は去って行った。


■29~サルベージ
しばらく呆然としていると、女の方から口を開いた。
「始めまして上条当麻。私は、メンタルアウトと呼ばれています。」

「メンタルアウト・・、かつての学園都市五位の能力者の通称か。」

「はい。あなたは、一部、御琴の事情を知ったみたいですね、」

「ああ、ミコトの蹴りがきっかけでな。そうか、お前心が読めるのか・・」


以下は、上条が見たものと、メンタルアウトの説明を合わせたものだ。


■30レス目「少年と少女の出会い」

上条は、ハイキックをもらって倒れた後、とある少女とある小さな少年の
夢を見ていた。
少年は、不幸を引き寄せる体質のせいで、両親を除く周りの者から
忌み嫌われていた。そんな少年が屈折しなかったのも一重に両親の
愛情があったからではあるが、それでも小さな少年にとって
その現実は耐え難いものであり、日に日に少年の心は蝕まれていった。

そんなある日のとある公園で少年は一人の少女に出会った。
少女は自販機でジュースを買おうとしているのだが、
背が低くてジャンプしてもコインを入れられないようだ。
見かねてその少女より少し背の高い少年が代わりにジュースを買ってやると
少女はとても可愛い笑顔でお礼を言った。
その後も、度々その公園で二人は偶然会うようになり仲良くなった。

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