とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-636

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匿名ユーザー

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とにかく、お花少女のおかげ?で、最悪の事態は、回避することが出来た。おかしな真似を出来ないように雷電は銃を取り上げた。

「で…どうすりゃいいんだ?」
「……」

雷電の問いに木山は、答えようとしない。今度は、頭に花をのせている少女が尋ねた。

「どうすれば、アレを止めることができますか?」
「……それを私に聞くのかい?今の私が何を言っても信用できない…」

と木山がそこまで言うと、花をのせた少女が、グイッと木山に顔を近づけて言った。

「いいえ…木山先生は嘘はつきませんから」

少女の一言に木山は、ただ呆然とした。しばらくして、

「本当に…根拠もなく人を信用をする人間が多くて困る………あれは『幻想御手』のネットワークが生み出した
 怪物だ…ネットワークを破壊すれば止まるかもしれない…」
「あっ!ありがとうございます!!」

少女はそう言うと走ってその場から離れていった。少女を見送った2人は、

「…まったく…参るな…」
「……よかったじゃねぇか…お前は、自分を信じてくれる…おそらく最後の存在を裏切らずに済んだんだぞ」

2人は、何をするわけでもなく、ただ向かい合っているだけだった、が不意に木山が尋ねてきた。

「…お前は、何もしないのか?」
「俺の出る幕は、ねぇだろ…」
「…ずいぶんと信頼しているな」
「…別に…ただ…さっきのお譲ちゃんも3位ちゃんも、いずれは、この街を背負っていく存在だ…
 今、その子達が必死に解決しようとしている…それをいちいち横からチャチャ入れるほど、俺は老いぼれちゃいねぇよ…」
「………その割には、随分とガイヤメモリに関わっているじゃないか…」
「アレは、俺の罪の証だ…それを今を生きる子供達に背負わせてくない…お前もそうだろ?」
「………………」
「今、あの子達が築き上げているものをお前が壊すと言うなら…例えどんな理由が有ろうと、俺が絶対に止める!」
「……やはり、変わったな…お前は…」
「俺もそう思う…でも…そう思わせてくれる奴に出会えたんだ…バカだけどな」

2人から離れたところでレベル5とバケモノの争う音はさらに激しくなった。
自分が生み出したバケモノとそれと戦うレベル5、そんな戦いを見守っている木山に雷電が告げた。

「ガイアメモリが俺の罪の証なら、あれは、お前の罪の証だ…あの子にばかり任せていいのか?」
「…ふっ…先ほどいちいちチャチャ入れないと言ったのは、お前だろ…」
「この事と俺は、あまり関係ないだろ?今回は特別サービスだ……お前が蒔いた種だ、自分で何とかしろ…」
「…………やれやれ」

そう言い残し、木山は、よろよろと立ってレベル5の戦いの場へと近づいていった。
(さて…俺は俺に出来ることをっと…)
雷電もまた、木山の友として、大人として、やるべきことを決めた。

木山から渡されていた『幻想御手』をアンイストールする治療用プログラムを持って、ジャッジメント初春飾利は、
アンチスキルが持つ様々なデータ、情報を送られてくる、もしくは、送る設備を備えてある車を目指して階段を駆け上がっていた。
(早く…御坂さんが引き付けてくれてる間に)
急がなければ、と考えていると、突如バケモノが放ったエネルギー体が、初春が上っている階段に向かってきた。

「はっ!!」

あと少しで当たると言うところで、目の前に鎧の男が現れ、迫り来るエネルギー体に蹴りを加えた。
バゴンッ!と大きな音と共に、エネルギー体の起動は変わって道路から数百メートル離れたところで爆発した。
突然の助っ人に驚いていると、鎧の男が叫んだ。

「早行け!!お譲ちゃんっ!!!」
「…あっ!はい!!ありがとうございました!!」

お礼をいい、階段を上がっていく初春を見送り、闇雲に攻撃するバケモノを見て、ただ呟いた。

「まったく、女の子は傷つけちゃいけないよって母ちゃんから習わなかったのか…」

と小言を呟いていると、続けて第2波と3波が迫ってきた。

雷電は、木山が渡した治療用プログラムで、『幻想御手』をアンイストールするまで、バケモノの攻撃や戦いで飛んでくる岩を
自分の能力で防ぎ続けることに決めた。レベル5とバケモノの戦いも気になるが、あれだけ偉そうな事を言っておいて、
今更、手伝いに行くのも、恥ずかしかった。何より、あのレベル5の少女を信じていることは、事実だった。
そのまま攻撃を防いでいると、今までの攻撃よりもどこか弱くなっていることに気付いた。
原子力発電所でレベル5と戦っているバケモノを見ると、今までのような動きも見せず、ドンドン大きくなっていった体も
ピタリと成長が止まり、何やら苦しんでいる様にも見える。
(やっと、アンイストールしたか…)
ここまで来ればあとは、時間の問題である。弱った状態で、あのレベル5に勝つことは不可能である。
あとは止めを刺すだけだろう、雷電は、原子力発電所から少し離れた道路から、バケモノの最後の姿をみとっていた。

「美坂さん!!」

と自分が立っている所から少し離れた所に見慣れた少女が心配そうにレベル5の方を見ていた。
そんな少女に雷電は、ただ一言だけ告げた。

「大丈夫だ……」
「えっ!?……でも…」
「……あんな闇雲に力を振るうことしか出来ない獣にやられるほど…あの3位ちゃんは弱くないよ…」

そう言った、次の瞬間ドゴォォォォォン!と凄まじい音で放たれた『超電磁砲』によって、バケモノは、跡形もなく消し飛んだ。

「やったぁ!!」

そう喜ぶ少女の隣で、雷電は、ひしひしとその身に感じていた。
(こりゃ…本当に世代交代の時代なのかもな…まったく、まだ20代なのに、こうも若い子達の力を感じるとは…)
そう考えながら、雷電は、成長していく子供達に、ただただ感動していた。

一万もの脳をリンクすることで出来た悲しき化け物の姿は完璧に消えて、あたりは、車の通らない静かな道路へと元に戻っていた。

「さてと…帰るか…」

あたりで気を失っているアンチスキルが目を覚ます前にその場から離れようとしたが、

「あっ!あの!!」
「ん?」

後ろから少女の声がしてきたので雷電は振り返った。

「あっ!ありがとうございました!!」

丁寧にお辞儀をして、御礼を言ってきたので雷電は照れてしまった。が、取り合えず冷静を装った。

「ふっ…まぁ俺よりも…あの三位ちゃんと木山の奴にいいな…俺は大したことはしてねぇよ…」
「でも!」
「あぁ…そうだ!ならお礼として、俺に会ったことは誰にも言わないでくれ…」
「え?」
「いろいろあってね…それを守ってくれたら、俺はうれしい…」
「………はい」
「よかった…じゃ」
「あっ!ちょっと待って下さい!!」

今度こそ行こうとしたが、少女は、また呼び止め近づいてきた。

「腕を…」

少女に言われ見てみると、先ほどの戦いでついたであろう傷が右腕にあった。
少女は、近づくとポケットからハンカチを怪我をしている腕に巻いてくれた。

「あまり…上手じゃないんですけど…」
「………いいさ…ありがとう…」

まるで漫画の様な光景だが、やられた本人(雷電)は、仮面で見れないが実はかなり喜んでいる。が、
取り合えず大人の対応か、どうかは、分からないが取り合えずあまり喋らないことにした。

「…洗って返すよ」
「あっ!いえっ!そんな気にしなくても…」
「いやっ…ちゃんと返すよ……そうだ!木山に伝言を…」
「木山…先生に?」
「あぁ…『負けんなよ』って伝えてくれ」
「…分かりました」

何たいしてなのかは、少女は聞いてこなかった。しかし、実際に聞かれてもあまり話したい内容でもないので、
聞いてくれない方が雷電にとっては、都合がよかった。

「じゃあね…」

その言葉と同時に、その奇妙なコスプレと言われがちな鎧を着た男の姿が一瞬で消えた。

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