昨晩の雷電の事を知らない当麻は補修が終わった後、昨日と同じく表通りから外れた店を訪れていた。店と言っても今いるのは地下のバーチャルルームで、
昨日当麻が迫り来る数十名の悪人から一人の少女を助け出す(正確には助けられなかったが)トレーニングをした場所であり、
その他にも色々と稽古をつけてもらう時は大抵そこであるが、今回は違った。雷電に「旦那」と呼ばれている男に言われて
ただ広い何もない白い部屋で、待っていると、普段使うエレベーターの向かいにあるエレベーターが動き出した。
そのエレベーターは普段使うよりも大きく、車が2台は入るほどのスペースがあるが、旦那が言うにはかなり古く
いつも使うエレベーターの2倍近くの時間をくうので、あまり使うところを見た事がなかった。
ゴゴゴォォっといかにも昔のエレベーターですと言っているような音を出して、時間をかけて下りてきた。
扉が開くと中には、一台の車があった。車ゆっくりとエレベーターから出てきた。車はおそらくポルシェかフェラーリだろう、
当麻は車に詳しくないが、雷電に見せられた漫画、映画などに出てくる有名俳優が、かっこよく乗り回す車と、どこか同じように思えた。
当麻の近くまで来ると車から、どう見てもその車の持ち主には似合わない、作業着を着た男が出てきた。
昨日当麻が迫り来る数十名の悪人から一人の少女を助け出す(正確には助けられなかったが)トレーニングをした場所であり、
その他にも色々と稽古をつけてもらう時は大抵そこであるが、今回は違った。雷電に「旦那」と呼ばれている男に言われて
ただ広い何もない白い部屋で、待っていると、普段使うエレベーターの向かいにあるエレベーターが動き出した。
そのエレベーターは普段使うよりも大きく、車が2台は入るほどのスペースがあるが、旦那が言うにはかなり古く
いつも使うエレベーターの2倍近くの時間をくうので、あまり使うところを見た事がなかった。
ゴゴゴォォっといかにも昔のエレベーターですと言っているような音を出して、時間をかけて下りてきた。
扉が開くと中には、一台の車があった。車ゆっくりとエレベーターから出てきた。車はおそらくポルシェかフェラーリだろう、
当麻は車に詳しくないが、雷電に見せられた漫画、映画などに出てくる有名俳優が、かっこよく乗り回す車と、どこか同じように思えた。
当麻の近くまで来ると車から、どう見てもその車の持ち主には似合わない、作業着を着た男が出てきた。
「どうだ!!」
「あぁ…かっこいいな…」
「そうだろう!!そうだろう!!だけどなぁ…それだけじゃねぇんだ!!」
「あぁ…かっこいいな…」
「そうだろう!!そうだろう!!だけどなぁ…それだけじゃねぇんだ!!」
車からある程度離れて、車に向かって叫んだ。
「ハロ!!バトルモードだ!!」
当麻の目の前に止まっていた車が、ガシャン!ガシャン!と激しい音で形を変えていき、二足歩行のロボットへと変わった。
目の前で起きたことに当麻は、ポロリと本音をこぼした。
目の前で起きたことに当麻は、ポロリと本音をこぼした。
「ウオォ…すげぇ」
「だろうな!」
「だろうな!」
急に映画の世界にでも入ったような気分になり、ただ呆然と立ち尽くす当麻に旦那は説明を続けた。
「右手にはガトリング砲に左手にはミサイルもついている」
「…なるほど…派手だな……」
「変形ロボットは男のロマンだ!!武器も派手にいくべきだ!!」
「そうか……ハロって?」
「そりゃコイツの…いや、正確にはコイツの頭の名前か」
「ハロって!?昨日の!?」
「そうだ…もともと変形ロボット自体は、もうかなり前に完成していたんだ…が!こいつを動かす知能が完成してなかった
そこで登場したのが…」
「あのハロのマガイ物か?」
「見た目は、まぁいいとして、重要なのは中身だ………もういいぞ」
「…なるほど…派手だな……」
「変形ロボットは男のロマンだ!!武器も派手にいくべきだ!!」
「そうか……ハロって?」
「そりゃコイツの…いや、正確にはコイツの頭の名前か」
「ハロって!?昨日の!?」
「そうだ…もともと変形ロボット自体は、もうかなり前に完成していたんだ…が!こいつを動かす知能が完成してなかった
そこで登場したのが…」
「あのハロのマガイ物か?」
「見た目は、まぁいいとして、重要なのは中身だ………もういいぞ」
旦那の言葉を合図にまた変形していき、武器をつけた手と立っていた足を綺麗しまい元の車へと形を変えた。
「すごいのよく分かったが…コレどうすんだ?」
「どう使うかはお前が決めろ…お前のだからな」
「はぁ!?」
「どう使うかはお前が決めろ…お前のだからな」
「はぁ!?」
言っている事の意味が分からなかった、皆さんご存知、上条当麻は不幸な人間である。宝くじから福引まで何一つ当たった事はない
それが急に高級車を、しかも、今、世界中どこを探しても見つからない変形機能もついている。それをタダでくれると言ってきているのだ。
それが急に高級車を、しかも、今、世界中どこを探しても見つからない変形機能もついている。それをタダでくれると言ってきているのだ。
「なんで俺!?」
「俺はこんな高級車乗らんし、雷電はバイクにゾッコン状態、珠理ちゃんはあまり外出はしない…だったらお前ぐらいしかいないだろ」
「…………………」
「なんだ!?感動で言葉がないか!」
「…………あっ…いや…いいです荷物になるから」
「俺はこんな高級車乗らんし、雷電はバイクにゾッコン状態、珠理ちゃんはあまり外出はしない…だったらお前ぐらいしかいないだろ」
「…………………」
「なんだ!?感動で言葉がないか!」
「…………あっ…いや…いいです荷物になるから」
すごく丁寧に断ると当麻は何時ものエレベーターへと向かった。が、
「いや!?待てェェェい!!!」
「…何だよ?」
「いや!?お前がなに!?お前にやるって言ってんじゃん!!」
「いや…だから…荷物になるから…」
「だから何!?その理由!!主婦か!お前は!?」
「学生です」
「すんなり返すな!!例えたのが恥ずかしいだろ!!!」
「…何だよ?」
「いや!?お前がなに!?お前にやるって言ってんじゃん!!」
「いや…だから…荷物になるから…」
「だから何!?その理由!!主婦か!お前は!?」
「学生です」
「すんなり返すな!!例えたのが恥ずかしいだろ!!!」
50代とは思えぬ激しいツッコミを入れる旦那だったが、当麻自体かなり乗り気じゃない。
「だって俺、免許持ってないし」
「ふっ…そんな事か!これは、ハロを取り付けることによって!!自動操縦が可能だ!!だから免許もいらん!!」
「いや…例えそうだとしても…俺、捕まんじゃねぇ?…それに置くとこがねぇし」
「ここに置いときゃいいだろ!」
「いやぁ……そうだけど」
「なんだ!?このデザインが気に入らないのか!?」
「デザインって言うか…」
「なんだ!?」
「…………俺、トランスフォーマーよりもビーストウォーズの方が好きなんだ」
「……ちなみに俺は千葉繁が好きだ」
「じゃあ、受け取れねぇな…俺…子安派だから」
「どうでもいいわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「ふっ…そんな事か!これは、ハロを取り付けることによって!!自動操縦が可能だ!!だから免許もいらん!!」
「いや…例えそうだとしても…俺、捕まんじゃねぇ?…それに置くとこがねぇし」
「ここに置いときゃいいだろ!」
「いやぁ……そうだけど」
「なんだ!?このデザインが気に入らないのか!?」
「デザインって言うか…」
「なんだ!?」
「…………俺、トランスフォーマーよりもビーストウォーズの方が好きなんだ」
「……ちなみに俺は千葉繁が好きだ」
「じゃあ、受け取れねぇな…俺…子安派だから」
「どうでもいいわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
心の底から、どうでも良かった・・・・・・
旦那の説得の末、なんとか当麻は受け取る事を了承してくれ、車を地下に置いたまま二人は店に戻った。正確には、もう一体いるが
「最初は、ただのパクリだと思ったけど…ハロってすごいんだな」
「…結局ハロでいくのか?あんなに雷電と熱い討論したのに」
「あぁ、もうめんどくさいから、いいや………なぁ雷電から連絡ないのか?」
「お前んとこにないなら、俺んとこにあるわけねぇだろ…」
「…結局ハロでいくのか?あんなに雷電と熱い討論したのに」
「あぁ、もうめんどくさいから、いいや………なぁ雷電から連絡ないのか?」
「お前んとこにないなら、俺んとこにあるわけねぇだろ…」
旦那の言葉を聞いて、取りあえず自分の携帯を開き連絡がないか確認するが、やはり、何もなかった。
そして当麻は、記憶を失ってから、雷電との付き合いで一番気になっている事があった。
そして当麻は、記憶を失ってから、雷電との付き合いで一番気になっている事があった。
「なぁじいさん…雷電は一体…何してんだろうな」
「知るか…そんなこと」
「俺、分かんねぇんだよ…あいつが一体何をしたいのか」
「はっ!人の考えている事が一々分かるのは、精神系能力者だけだろ!」
「かもな…でも俺は友達なんだろ?あいつの」
「……なんだろってなんだよ…ダチはダチだろ」
「だって…俺は…」
「知るか…そんなこと」
「俺、分かんねぇんだよ…あいつが一体何をしたいのか」
「はっ!人の考えている事が一々分かるのは、精神系能力者だけだろ!」
「かもな…でも俺は友達なんだろ?あいつの」
「……なんだろってなんだよ…ダチはダチだろ」
「だって…俺は…」
下を向く当麻の声はどんどん小さくなった。
「記憶のことなら言ってるなら俺に言うな」
「…俺は……前の俺を知らない…前の俺は雷電のことをよく知っていたのか?」
「………同じだ」
「えっ?」
「同じように俺に聞いてきたよ、あいつの事を」
「知らなかったのか?俺は…」
「あぁ俺も教えなかった………口止めされてた、あいつに……時が来るまではな…だが、そろそろだな」
「そろそろ?」
「…俺は……前の俺を知らない…前の俺は雷電のことをよく知っていたのか?」
「………同じだ」
「えっ?」
「同じように俺に聞いてきたよ、あいつの事を」
「知らなかったのか?俺は…」
「あぁ俺も教えなかった………口止めされてた、あいつに……時が来るまではな…だが、そろそろだな」
「そろそろ?」
旦那は、散らかってる作業台の上から一つのアタッシュケースを取り出し、当麻に手渡し、告げた。
「あの車もコレも、まだ完成してない物もあるが…すべてあいつに頼まれお前の為に作ったものだ」
「俺に…どうして?」
「もう時間がない…あいつには」
「俺に…どうして?」
「もう時間がない…あいつには」
とある施設である女性が働いていた、彼女は名は、テレスティーナ、MAR(先進状況救助隊)の隊長であり、人命救助のスペシャリストだ。
今も彼女は、ある実験によって目覚める事のない子供達の為に働いている、表向きには、であるが
(必要な物はすべて揃った…あとは、子供達を運ぶだけ)
今も彼女は、ある実験によって目覚める事のない子供達の為に働いている、表向きには、であるが
(必要な物はすべて揃った…あとは、子供達を運ぶだけ)
「運び出せ!」
部下達からの返事を受け取る前にトレーラーの荷台に乗り、中に設置された機械を確認をしていると、開けっ放しの荷台の扉が急に閉じ
中は稼働中の機械のモニターなどの光だけの暗い個室へとなった。
中は稼働中の機械のモニターなどの光だけの暗い個室へとなった。
「久しぶりだな」
テレスティーナは反射的に隠していた銃を声をする方へ向けた。暗いので相手の顔を見る事は出来なかったが、
それ以前に、銃を向けた腕を掴んまれ、もう片方の手で首を絞められてしまい、相手を確認するという行動もさせて貰えなかった。
それ以前に、銃を向けた腕を掴んまれ、もう片方の手で首を絞められてしまい、相手を確認するという行動もさせて貰えなかった。
「くはっ!!お前は!?」
「忘れたか?…この俺を?」
「忘れたか?…この俺を?」
わずかにあるモニターの光によって、漸く相手の顔を見る事ができた。昔見た、銀色の髪の毛を
「っ!?ディック…マーティン!!」
「何年ぶりだぁ?とっくに死んだと思ってたが…」
「なぜ!?」
「血は争そえんってやつかな…ろくでもないことしてるらしいな…」
「私を…殺しにっ!?」
「テメェなんかに興味はねぇ…あのクソジジイはどこにいる」
「なっ!?やつは…木原幻生は…死んだ!!」
「何年ぶりだぁ?とっくに死んだと思ってたが…」
「なぜ!?」
「血は争そえんってやつかな…ろくでもないことしてるらしいな…」
「私を…殺しにっ!?」
「テメェなんかに興味はねぇ…あのクソジジイはどこにいる」
「なっ!?やつは…木原幻生は…死んだ!!」
それを聞いた途端、雷電は、テレスティーナの背中を機械に叩きつけた。
「がはっ!!知らない!!……私は!知らない!!」
「なら……見させてもらう…」
「なら……見させてもらう…」
雷電がテレスティーナに顔を近づけたると、両者はまったく動かなくなった。まるで、彼ら2人の時間が止まったように、
2人は、互いを見つめたまま動かなくなり、暫くすると、テレスティーナの方から動き出した。
2人は、互いを見つめたまま動かなくなり、暫くすると、テレスティーナの方から動き出した。
「はぁあぁあ!!…はぁはぁ…なんだ…今のは?」
「なるほど…な」
「なるほど…な」
テレスティーナの首を絞めている手を放して、倒れるテレスティーナに目もくれず立ち去ろうとした。
「なぜ………今になって?」
「……俺もとっくに死んでいると思っていた…だが違った…あいつは生きて……続けていたんだ…実験を」
「続け…る?」
「…………木山に会わなきゃ…気付きもしなかっただろうな…」
「私を殺さないのか?」
「お前を裁くのは俺じゃない…それに相応しい奴が現れる」
「……俺もとっくに死んでいると思っていた…だが違った…あいつは生きて……続けていたんだ…実験を」
「続け…る?」
「…………木山に会わなきゃ…気付きもしなかっただろうな…」
「私を殺さないのか?」
「お前を裁くのは俺じゃない…それに相応しい奴が現れる」
それだけ伝えると雷電は、トレーラーから出て行った、倒れているテレスティーナに何の興味もないというように、
突如起こった出来事に唖然としていたが、すぐにやるべき事を確認し部下達に子供たちの移送を急がせた。
突如起こった出来事に唖然としていたが、すぐにやるべき事を確認し部下達に子供たちの移送を急がせた。
先ほどテレスティーナを問い詰めたトレーラーから一キロも離れていない、人気のない路地で雷電は、苦しんでいた。
「ガハッ!!オハッ!!」
口からだらだらと唾が出て咳をする。
(さすがにアレを使うのは…ヤバイか……無理をしすぎたな…)
(さすがにアレを使うのは…ヤバイか……無理をしすぎたな…)
「ウハッ!!アァッ!!」
体に走る激痛に耐えながら、雷電は、壁に凭れ、誰に伝えたいのか分からない小さい声で呟いた。
「頼む……もう少しだけ…もう少しだけ……力を貸してくれ………『アリア』」