学園都市のとある学区のとある病院。
そこに来る患者には不思議な人間が多かった。
例をあげれば、一万人を殺した『一方通行』だとか。
とある少女のクローン、『打ち止め』だとか。
そこに来る患者には不思議な人間が多かった。
例をあげれば、一万人を殺した『一方通行』だとか。
とある少女のクローン、『打ち止め』だとか。
ある日その病院に『常連』がやって来る。
そこに入院している一〇〇三二号という少女はその『常連』である少年に会いに行く。
そこに入院している一〇〇三二号という少女はその『常連』である少年に会いに行く。
「またですか、とミサカは溜息をつきます」
「な、なんだよっ」
「それで今度はどこの美少女を助けてきたのですか、とミサカは確認をとります」
「それ決定事項!?」
「な、なんだよっ」
「それで今度はどこの美少女を助けてきたのですか、とミサカは確認をとります」
「それ決定事項!?」
上条当麻というまたも怪我をして運びこまれたのである。
その少年から御坂妹と呼ばれるミサカ一〇〇三二号は無表情ながら呆れた様子。
その少年から御坂妹と呼ばれるミサカ一〇〇三二号は無表情ながら呆れた様子。
「今回は違うっ!今日はだれかが捨てた缶コーヒーをふんで階段下まで転げ落ちただけだっ!」
そうなのだが、しかし。
「ミサカ二〇〇〇一号から『あの人に助けてもらった~ってミサカはミサカは~』
という報告が届いています、とミサカは真実を告げます」
「うっ!?」
という報告が届いています、とミサカは真実を告げます」
「うっ!?」
缶コーヒーを踏んでもまだ体勢は立て直せそうだったのだ。
すぐそばで打ち止めが同じく転びそうでなければ。
それで打ち止めの手を引っ張って階段とは反対方向に倒し。
代わりに自分が落ちたと。
すぐそばで打ち止めが同じく転びそうでなければ。
それで打ち止めの手を引っ張って階段とは反対方向に倒し。
代わりに自分が落ちたと。
「まったく、あなたは雑草のようにどこでも根を張るのですね、という本音をかみ殺しつつ、ミサカは笑顔でごまかしました」
「なにもごまかせてないだろ、それっ!」
「なにもごまかせてないだろ、それっ!」
騒ぐ少年を見つめ、御坂妹は溜息をつく。
(どうして誰も彼もこの少年を好きなのでしょうか、とミサカは――)
この少年は誰の心にだって根を張ってしまう。まるで雑草のように。
ミサカの敵は、多い。
(どうして誰も彼もこの少年を好きなのでしょうか、とミサカは――)
この少年は誰の心にだって根を張ってしまう。まるで雑草のように。
ミサカの敵は、多い。
病院は騒ぎ声が絶えない。
カエル顔の医者は苦笑して人を助け続ける。
カエル顔の医者は苦笑して人を助け続ける。