「とにかく、どっか座ろうぜ…立ち続けるのは妊婦に悪い」
吹寄達4人がそれぞれ自己紹介をすると、当麻から提案してきた。
「「「「妊婦?」」」」
「あぁ…滝壺いやっ、今は理后の方がいいか」
「別にどっちでもいいけど…」
「…妊娠してたんですか」
「えぇ…だからここに来たんです」
当麻の提案に従って、どこか座る場所を探していると3人が座れるほどのベンチを見つけた。
座ったのは、優先順位に従って妊婦の滝壺とその膝の上に座った子供に女性の吹寄と姫神である。
男達は、全員立ちである。3人が座った後、
「たくっ!久しぶりに会ったて言うのに挨拶があれか?」
と当麻はようやく不満をぶつけることが出来た。
「いや~ホンマにすまんかったな~」
「てっきりカミやんフラグの犠牲者かと思ってぜよ」
「でもあれは仕方ないかも…」
「そうよ!貴様の日頃の行いが悪い!」
誤解も解け、全然悪くないことが分かっているのにまだ続く酷い言われように思わず
「不幸だ…」
お決まりのセリフを当麻が呟くと、フッと笑いながら
「おもしろい友達だね」
と滝壺が当麻に話しかけた。それを見ていた滝壺の隣にいる吹寄が話しかけた。
「あのー上条とはどういった……」
「イギリスで会ったんだよ」
滝壺が答える前に当麻が答えた。
「イギリスで?」
「あぁ…滝壺と滝壺の旦那は学園都市の出身でな、特に旦那の方とはちょっとした知り合いでな…
向こうで世話したり世話になったりしたんだよ」
「ほとんど私たちの方がお世話になってるんだけど…」
申し訳なさそうな顔をしながら滝壺が答えたが、実はこの話は少し嘘が混じっている。本当は学園都市を追われた浜面たちと
第三次世界大戦時にロシアで出会い、訳を知った当麻がイギリスに住めるようにいろいろ手伝ってくれたのである。
しかし、そんなことを友達に言えるわけもないので当麻は少し嘘を交えながら説明した。ちなみに土御門は大体の事情はしっている。
嘘と事実を混ぜながら話した分、その話に違和感を感じさせないことに成功した。
事実その話を3人は信じて、今度は姫神の方から質問をしてきた。
「イギリスで暮らしてるんですか?」
「えぇ…かみじょうにいろいろ助けてもらいながら…」
「ならどうして学園都市に戻ってきたんや?」
「滝壺は大能力者なんだよ」
答えたのは滝壺ではなく当麻の方であったが4人は驚いて滝壺を見つめた。
「なっ!?」
「レベル4ってホンマかいな!?」
滝壺は照れ臭そうにしながらコクリと頷いた。
「だからだよ、イギリスの病院じゃあ何かあった時に能力者の対応できないから、学園都市じゃないと子供が産めないんだよ
だから、付き添いとして俺も来たんだよ…この病院では昔働いてたし、何よりここは俺も滝壺も世話になったからな」
「上条君ここで働いてたの?」
「あぁ救命救急の方でな、まぁ師匠がいたからって言うのが主な理由だけど…」
吹寄達4人がそれぞれ自己紹介をすると、当麻から提案してきた。
「「「「妊婦?」」」」
「あぁ…滝壺いやっ、今は理后の方がいいか」
「別にどっちでもいいけど…」
「…妊娠してたんですか」
「えぇ…だからここに来たんです」
当麻の提案に従って、どこか座る場所を探していると3人が座れるほどのベンチを見つけた。
座ったのは、優先順位に従って妊婦の滝壺とその膝の上に座った子供に女性の吹寄と姫神である。
男達は、全員立ちである。3人が座った後、
「たくっ!久しぶりに会ったて言うのに挨拶があれか?」
と当麻はようやく不満をぶつけることが出来た。
「いや~ホンマにすまんかったな~」
「てっきりカミやんフラグの犠牲者かと思ってぜよ」
「でもあれは仕方ないかも…」
「そうよ!貴様の日頃の行いが悪い!」
誤解も解け、全然悪くないことが分かっているのにまだ続く酷い言われように思わず
「不幸だ…」
お決まりのセリフを当麻が呟くと、フッと笑いながら
「おもしろい友達だね」
と滝壺が当麻に話しかけた。それを見ていた滝壺の隣にいる吹寄が話しかけた。
「あのー上条とはどういった……」
「イギリスで会ったんだよ」
滝壺が答える前に当麻が答えた。
「イギリスで?」
「あぁ…滝壺と滝壺の旦那は学園都市の出身でな、特に旦那の方とはちょっとした知り合いでな…
向こうで世話したり世話になったりしたんだよ」
「ほとんど私たちの方がお世話になってるんだけど…」
申し訳なさそうな顔をしながら滝壺が答えたが、実はこの話は少し嘘が混じっている。本当は学園都市を追われた浜面たちと
第三次世界大戦時にロシアで出会い、訳を知った当麻がイギリスに住めるようにいろいろ手伝ってくれたのである。
しかし、そんなことを友達に言えるわけもないので当麻は少し嘘を交えながら説明した。ちなみに土御門は大体の事情はしっている。
嘘と事実を混ぜながら話した分、その話に違和感を感じさせないことに成功した。
事実その話を3人は信じて、今度は姫神の方から質問をしてきた。
「イギリスで暮らしてるんですか?」
「えぇ…かみじょうにいろいろ助けてもらいながら…」
「ならどうして学園都市に戻ってきたんや?」
「滝壺は大能力者なんだよ」
答えたのは滝壺ではなく当麻の方であったが4人は驚いて滝壺を見つめた。
「なっ!?」
「レベル4ってホンマかいな!?」
滝壺は照れ臭そうにしながらコクリと頷いた。
「だからだよ、イギリスの病院じゃあ何かあった時に能力者の対応できないから、学園都市じゃないと子供が産めないんだよ
だから、付き添いとして俺も来たんだよ…この病院では昔働いてたし、何よりここは俺も滝壺も世話になったからな」
「上条君ここで働いてたの?」
「あぁ救命救急の方でな、まぁ師匠がいたからって言うのが主な理由だけど…」
当麻がいろいろと話していると滝壺の膝の上にのっている子供がヘクチュッとくしゃみをした。
それを見た滝壺がカーディガンに付いているポケットからハンカチを取り出して鼻を拭った。
そのテキパキとした対応を見た当麻は
「もうお母さんなんだな…滝壺は」
「たまには会いに来てくれればいいのに…とうまも喜ぶから」
子供を撫でながら当麻にそう提案していると、青髪があることに気付いた
「そういや、とうまってカミやんの…」
「えぇ…かみじょうの名前を貰ったんです」
「なんでよりによってこいつの名前を?」
「おいコラ吹寄!俺の名前をつけたのは両親だ!謝れ!俺はいいから両親に謝れ!」
当麻のツッコミに滝壺はフフッと笑いながら
「この子が生まれる時にも、かみじょうにはいろいろとお世話に…だから…」
「でももっといい名前があると思うけどにゃー」
「お前ら…全国の「とうまさん」に謝る覚悟あんだろうな?」
ふつふつ怒り蓄える当麻であったが、そんな当麻を笑いながらみる子供を見て、一回はぁーっと溜息をついて落ち着かせた
「俺だって他の名前の方がいいだろうと思ったよ…まぁ名前なんて好きなようにすればいいと思ったけど、
こいつが浜面…あぁ滝壺の旦那のことな…がこいつを「こら!とうま!」って言ってしかるとこを見ると異常なまでに腹が立つ」
と滝壺の膝の上にのる子供の頭を撫でながら、うすっらと笑みを浮かべて語っていると
「あっ!いたいた!!上条先生!!」
病院の方から何やら可愛らしいナースが当麻達に近づいてきた。それを見た当麻は
「すまん…ちょっと外すぞ」
みんなから離れてナースの方に近づいて行った。
「どうかした?」
「いやー507号室の患者さんの薬の量、これでいいですかぁ?」
カルテらしき物を渡された当麻はペラペラとめくりながら、
「507号室って俺の担当じゃないよな…たしか北沢先生じゃ…」
「えーっと、その~先生がどこにもいなくて…」
「そうか…う~ん、多分いいと思うけど…北沢先生には確認取っといてね」
「は~い!」
元気のいい声と可愛い笑顔を向けてナースは去って行った。
「まったく…他の先生は何をやってんだか…他の患者まで面倒見切れな…」
愚痴をこぼしながらみんなのもとに戻ると、そこには目に見えるほどの怒りのオーラを溜めた四天王が立ちつくしていた。
「えっ!?なに?」
「貴様と言う奴は…」
「どこに居てもその体質は変わらんようやな~」
「そして…相も変わらず鈍感で…」
「カミやん…覚悟するぜよ…」
「いやっ!?なに急に!?」
修羅場を迎えた当麻を見ているとうまに滝壺が
「見ちゃだめだよ~とうま」
と言いながら優しく両手で目隠しをした。
「ここにきて優しいお母さん!?」
それを見た滝壺がカーディガンに付いているポケットからハンカチを取り出して鼻を拭った。
そのテキパキとした対応を見た当麻は
「もうお母さんなんだな…滝壺は」
「たまには会いに来てくれればいいのに…とうまも喜ぶから」
子供を撫でながら当麻にそう提案していると、青髪があることに気付いた
「そういや、とうまってカミやんの…」
「えぇ…かみじょうの名前を貰ったんです」
「なんでよりによってこいつの名前を?」
「おいコラ吹寄!俺の名前をつけたのは両親だ!謝れ!俺はいいから両親に謝れ!」
当麻のツッコミに滝壺はフフッと笑いながら
「この子が生まれる時にも、かみじょうにはいろいろとお世話に…だから…」
「でももっといい名前があると思うけどにゃー」
「お前ら…全国の「とうまさん」に謝る覚悟あんだろうな?」
ふつふつ怒り蓄える当麻であったが、そんな当麻を笑いながらみる子供を見て、一回はぁーっと溜息をついて落ち着かせた
「俺だって他の名前の方がいいだろうと思ったよ…まぁ名前なんて好きなようにすればいいと思ったけど、
こいつが浜面…あぁ滝壺の旦那のことな…がこいつを「こら!とうま!」って言ってしかるとこを見ると異常なまでに腹が立つ」
と滝壺の膝の上にのる子供の頭を撫でながら、うすっらと笑みを浮かべて語っていると
「あっ!いたいた!!上条先生!!」
病院の方から何やら可愛らしいナースが当麻達に近づいてきた。それを見た当麻は
「すまん…ちょっと外すぞ」
みんなから離れてナースの方に近づいて行った。
「どうかした?」
「いやー507号室の患者さんの薬の量、これでいいですかぁ?」
カルテらしき物を渡された当麻はペラペラとめくりながら、
「507号室って俺の担当じゃないよな…たしか北沢先生じゃ…」
「えーっと、その~先生がどこにもいなくて…」
「そうか…う~ん、多分いいと思うけど…北沢先生には確認取っといてね」
「は~い!」
元気のいい声と可愛い笑顔を向けてナースは去って行った。
「まったく…他の先生は何をやってんだか…他の患者まで面倒見切れな…」
愚痴をこぼしながらみんなのもとに戻ると、そこには目に見えるほどの怒りのオーラを溜めた四天王が立ちつくしていた。
「えっ!?なに?」
「貴様と言う奴は…」
「どこに居てもその体質は変わらんようやな~」
「そして…相も変わらず鈍感で…」
「カミやん…覚悟するぜよ…」
「いやっ!?なに急に!?」
修羅場を迎えた当麻を見ているとうまに滝壺が
「見ちゃだめだよ~とうま」
と言いながら優しく両手で目隠しをした。
「ここにきて優しいお母さん!?」
「なんで…こんな目に…」
四天王の猛攻を何とか受けきった当麻はぶつぶつと文句を言っていた。
「大丈夫だよ…かみじょう…私はそんなかみじょうを応援してる」
「応援じゃなくて助けてくれ」
最もな意見をもらす当麻を見ていた吹寄は、先ほどのナースが尋ねてきたことと当麻の着ている白衣を見て、あらためて
「貴様は…本当に医者になったんだな」
「……じゃなかったら、こんな格好しない」
「いや~でも実際に見てみると…なんやろね~」
「……変か?」
「いいや、似合ってるぜい…上条…先生」
そう言われて当麻は、何やら恥ずかしそうに頭をかいた。そんな当麻を見ながら姫神は質問をしてきた。
「昔って言ったけど…今はどこで?」
「…いろいろ…いろんな国に行った」
「…いろんな国?」
ぽつりと続けて言った姫神に滝壺が答えた。
「国境なき医師団に参加してるんですよ」
「えっ!?」
「国境なき医師団て…ホンマかいな!?カミやん!?」
国境なき医師団、それは貧困地域や第三世界、紛争地域を中心に活動している団体で災害や紛争に際し、
どこよりも早く現地入りする緊急医療援助を得意とする医師団である。災害時だけでなく紛争地域でも活躍する彼らであるが
戦場の中で治療する彼ら自身も命の危険にさらされている。
「まぁな…ずっと働いてた訳じゃないけど…何年か参加してた」
「今はどうしてるぜよ?」
「たまに参加したりしてるけど…こうして戻ってくる時もある」
当麻は普通の声で話しているが、その表情は少し悲しそうな顔をしていた。
実際に国境なき医師団の働くところを見たことはないが、それがどれだけ大変で悲しいものかは吹寄達も多少は知っているつもりだった。
そして、当麻自身も大変で悲しい思いをしたのだろうと、その表情で理解した。少しの間、静寂に包まれたがそこに滝壺が
「好い加減…結婚したら」
などと提案してきた。4人は思わずナッと言いたげな顔をしたが、当麻の
「俺と結婚したいなんて言う物好きがいなくてね」
と言うセリフに4人は再び怒りのオーラを溜めたが
「それに家族なんてできたら…こんな仕事できない」
続けて言った言葉に4人の怒りのオーラは弱くなっていった。4人は黙っていたが
「逆だよ…家族ができたら死ねないでしょ?」
滝壺の言葉に当麻は一瞬考えさせられるような顔をしたが、フッと笑って
「俺は、浜面みたいにはなれないさ…」
と、ここにいない滝壺の旦那の名前を出して否定したが
「なれるよ…だって」
「…だって?」
「かみじょうは…はまづらのヒーローだもん」
と滝壺は男なら誰でも目を惹かれそうな笑顔で答えた。
四天王の猛攻を何とか受けきった当麻はぶつぶつと文句を言っていた。
「大丈夫だよ…かみじょう…私はそんなかみじょうを応援してる」
「応援じゃなくて助けてくれ」
最もな意見をもらす当麻を見ていた吹寄は、先ほどのナースが尋ねてきたことと当麻の着ている白衣を見て、あらためて
「貴様は…本当に医者になったんだな」
「……じゃなかったら、こんな格好しない」
「いや~でも実際に見てみると…なんやろね~」
「……変か?」
「いいや、似合ってるぜい…上条…先生」
そう言われて当麻は、何やら恥ずかしそうに頭をかいた。そんな当麻を見ながら姫神は質問をしてきた。
「昔って言ったけど…今はどこで?」
「…いろいろ…いろんな国に行った」
「…いろんな国?」
ぽつりと続けて言った姫神に滝壺が答えた。
「国境なき医師団に参加してるんですよ」
「えっ!?」
「国境なき医師団て…ホンマかいな!?カミやん!?」
国境なき医師団、それは貧困地域や第三世界、紛争地域を中心に活動している団体で災害や紛争に際し、
どこよりも早く現地入りする緊急医療援助を得意とする医師団である。災害時だけでなく紛争地域でも活躍する彼らであるが
戦場の中で治療する彼ら自身も命の危険にさらされている。
「まぁな…ずっと働いてた訳じゃないけど…何年か参加してた」
「今はどうしてるぜよ?」
「たまに参加したりしてるけど…こうして戻ってくる時もある」
当麻は普通の声で話しているが、その表情は少し悲しそうな顔をしていた。
実際に国境なき医師団の働くところを見たことはないが、それがどれだけ大変で悲しいものかは吹寄達も多少は知っているつもりだった。
そして、当麻自身も大変で悲しい思いをしたのだろうと、その表情で理解した。少しの間、静寂に包まれたがそこに滝壺が
「好い加減…結婚したら」
などと提案してきた。4人は思わずナッと言いたげな顔をしたが、当麻の
「俺と結婚したいなんて言う物好きがいなくてね」
と言うセリフに4人は再び怒りのオーラを溜めたが
「それに家族なんてできたら…こんな仕事できない」
続けて言った言葉に4人の怒りのオーラは弱くなっていった。4人は黙っていたが
「逆だよ…家族ができたら死ねないでしょ?」
滝壺の言葉に当麻は一瞬考えさせられるような顔をしたが、フッと笑って
「俺は、浜面みたいにはなれないさ…」
と、ここにいない滝壺の旦那の名前を出して否定したが
「なれるよ…だって」
「…だって?」
「かみじょうは…はまづらのヒーローだもん」
と滝壺は男なら誰でも目を惹かれそうな笑顔で答えた。