今日もまた、学園都市に雷鳴が響き渡る。
人一人くらいならあっさり丸焦げにしてしまいそうな電撃をあっさりと右手で打ち消した無能力者は、ビルの陰に隠れ息を潜めていた。
表通りからはなんだか派手な音がバチンバチン鳴ってるし、追いかけてくる靴音がドンガンギンゴンガン! とか聞こえてきて気付かれたらマジで死ぬっぽい。
「ああっ、そこ――!!」
(きっ、気付かれたー!!)
「そこの人、頭ツンツンにした馬鹿見ませんでしたか!?」
「ふむ、頭ツンツンしている馬鹿ならさっきここを通っていったが?」
そこか待ってろよあのうすらトンカチー!! と上条の隠れているすぐそばを御坂さんが走りぬけていくっぽい。御坂さん的にはうすら○○が流行なんだろうか。
(た、助かったー……?)
御坂の電撃が遠ざかっている事を確認し、そろそろと顔を上げる。
「いやー、助かりましたー……ってうぉああぁ!?」
「折角助けてやったというのに、うぉああぁ!? とはご挨拶だな?」
「バードウェイ!? また何かトンデモ魔法騒動に巻き込まれるの俺!?」
「いや、そうではなくてな、」手に提げていた紙袋を掲げ、「妹が、学園都市でしか売ってない……えー、なんだ? 何か複雑な部品が欲しいと言っていたものでな」
ようはおつかいだ、と肩をすくめる。
しかし今ここにいるということは学園都市のセキュリティーを破ったという事で、また何か怪しい術式でも使ったのだろう。おつかいなんかでそんなことしていいのだろうか。
「……でも、じゃあなんで助けてくれたんだ? 事情も分からないだろうし」
「何、大したことはしてないよ」と笑い、「雑草を踏まれないように庇っただけだ」
「また雑草!? 姫神も五和も御坂もミサカも黒子も風斬も小萌先生もアンタも! どうして俺が雑草なんだよ!」
「ふむ、ぴったりだと思うが」
とバードウェイは取り合わない。なんだか少し悲しくなってくる上条さんである。「それより雑草くん、さっきの女の子が近づいてくるようだけど?」
「うわ、騙された事に気付いたかチクショウ! あと雑草じゃないからなぁぁぁー!!」
そんな捨て台詞を吐いてどこかに去っていく上条に手を振りながら、バードウェイは小さく呟く。
「あいにく、キミは雑草だよ。私は雑草を踏むのが好きだが――他人に踏まれるのは我慢なら無いんだ」
――とある少年を巡る、魔術師と超電磁砲の戦いが今始まる――!?
(始まりません)
人一人くらいならあっさり丸焦げにしてしまいそうな電撃をあっさりと右手で打ち消した無能力者は、ビルの陰に隠れ息を潜めていた。
表通りからはなんだか派手な音がバチンバチン鳴ってるし、追いかけてくる靴音がドンガンギンゴンガン! とか聞こえてきて気付かれたらマジで死ぬっぽい。
「ああっ、そこ――!!」
(きっ、気付かれたー!!)
「そこの人、頭ツンツンにした馬鹿見ませんでしたか!?」
「ふむ、頭ツンツンしている馬鹿ならさっきここを通っていったが?」
そこか待ってろよあのうすらトンカチー!! と上条の隠れているすぐそばを御坂さんが走りぬけていくっぽい。御坂さん的にはうすら○○が流行なんだろうか。
(た、助かったー……?)
御坂の電撃が遠ざかっている事を確認し、そろそろと顔を上げる。
「いやー、助かりましたー……ってうぉああぁ!?」
「折角助けてやったというのに、うぉああぁ!? とはご挨拶だな?」
「バードウェイ!? また何かトンデモ魔法騒動に巻き込まれるの俺!?」
「いや、そうではなくてな、」手に提げていた紙袋を掲げ、「妹が、学園都市でしか売ってない……えー、なんだ? 何か複雑な部品が欲しいと言っていたものでな」
ようはおつかいだ、と肩をすくめる。
しかし今ここにいるということは学園都市のセキュリティーを破ったという事で、また何か怪しい術式でも使ったのだろう。おつかいなんかでそんなことしていいのだろうか。
「……でも、じゃあなんで助けてくれたんだ? 事情も分からないだろうし」
「何、大したことはしてないよ」と笑い、「雑草を踏まれないように庇っただけだ」
「また雑草!? 姫神も五和も御坂もミサカも黒子も風斬も小萌先生もアンタも! どうして俺が雑草なんだよ!」
「ふむ、ぴったりだと思うが」
とバードウェイは取り合わない。なんだか少し悲しくなってくる上条さんである。「それより雑草くん、さっきの女の子が近づいてくるようだけど?」
「うわ、騙された事に気付いたかチクショウ! あと雑草じゃないからなぁぁぁー!!」
そんな捨て台詞を吐いてどこかに去っていく上条に手を振りながら、バードウェイは小さく呟く。
「あいにく、キミは雑草だよ。私は雑草を踏むのが好きだが――他人に踏まれるのは我慢なら無いんだ」
――とある少年を巡る、魔術師と超電磁砲の戦いが今始まる――!?
(始まりません)