当麻が電話をしているころ中では、
「じゃあ俺が適当に選んどくぞ~」
カタログを持った浜面は慣れた手つきで電話をしていると
「にゃー!酒はどこぜよ!?」
「あぁ…キッチンにあると思うぞ」
電話をする手を止めた浜面が答えるとビュンッ!目にも止まらぬ速さで土御門はキッチンへ向かった。
「みさかもお酒飲みた~い!!ってみさかはみさかはおねだりしてみたり!!」
「てめェは未成年だろうがァ」
「ぶ~ケチ~!ってみさかはみさかはぐうたれてみる!」
「こらこら未成年の飲酒は体に毒なんですよ~」
打ち止めと一方通行の話を聞いていた小萌は先生らしくしたのだが
「あなたに言われても説得力無いんだけど…ってみさかはみさかはすごく的確なことを言ってみたり」
逆効果であった、が周りを和ませることには成功した。
「いや~こうしてみんなで飲むのは楽しいね…」
「病院の同僚と一緒に飲んだりはしないんですか?」
笑顔で語るカエル顔の医者に吹寄は尋ねた。
「僕はもうあの病院では働いてないんだよ」
「そうなんですか?」
「にゃー!コップがないぜよ!!」
キッチンの方から土御門が両手に酒瓶を持って叫んできた。
「棚に置いてあんだろォ?」
一方通行が面倒くさそうに答えたが、
「どこぜよ~?」
「…チッ」
コップを見つけられない土御門に舌打ちをしつつ、一方通行はキッチンの方へと向かった。
一方通行が行ったのを確認した吹寄は、隣の小萌先生に、
「先生、気になってたんだけど…一方通行って、あの?」
「そうですよ、学園都市第一位のアクセラレータちゃんですっ!」
「へぇー、あれが…なぜそんな有名人が上条と?」
「彼もまた上条君の患者なんだよ」
答えた子萌先生ではなく、カエル顔の医者だった。
「彼も?」
「あぁ…彼は昔ある事件で脳に深い傷を負ってねぇ…ある処置のおかげで私生活には問題なかったが、能力はまともに使えなくなってね、
その時担当したのは僕だったけど…僕ではどうしようもなかった」
そん場に居た吹寄や姫神、青髪は、ただ黙って昔のことを悲しそうに語るカエル顔の医者の話を聞いていた。
「彼が傷を負ってから数年たった、ある日そこの先生が上条君に脳科学を教えてほしいと言われてね…彼とはもともと面識もあったし、
僕はOKしたんだ…上条君は本当に熱心に脳科学について学んだんだ…ほんの一年ほどで脳科学だけなら医大卒業程度までの知識は身に着けていた
そして、一通り脳科学を学んだ彼に私は医学を教えたんだ…」
「…なぜあいつは脳科学を?」
「……さぁね…だけど…『助けたい人がいる』っと言っていたな…だからある程度脳科学を学んだら医学も学ぶつもりだったらしい」
「助けたい人って…一方通行のことですか?」
「さぁね…まぁ、何にせよ彼が助けたんだけどね」
「じゃあ俺が適当に選んどくぞ~」
カタログを持った浜面は慣れた手つきで電話をしていると
「にゃー!酒はどこぜよ!?」
「あぁ…キッチンにあると思うぞ」
電話をする手を止めた浜面が答えるとビュンッ!目にも止まらぬ速さで土御門はキッチンへ向かった。
「みさかもお酒飲みた~い!!ってみさかはみさかはおねだりしてみたり!!」
「てめェは未成年だろうがァ」
「ぶ~ケチ~!ってみさかはみさかはぐうたれてみる!」
「こらこら未成年の飲酒は体に毒なんですよ~」
打ち止めと一方通行の話を聞いていた小萌は先生らしくしたのだが
「あなたに言われても説得力無いんだけど…ってみさかはみさかはすごく的確なことを言ってみたり」
逆効果であった、が周りを和ませることには成功した。
「いや~こうしてみんなで飲むのは楽しいね…」
「病院の同僚と一緒に飲んだりはしないんですか?」
笑顔で語るカエル顔の医者に吹寄は尋ねた。
「僕はもうあの病院では働いてないんだよ」
「そうなんですか?」
「にゃー!コップがないぜよ!!」
キッチンの方から土御門が両手に酒瓶を持って叫んできた。
「棚に置いてあんだろォ?」
一方通行が面倒くさそうに答えたが、
「どこぜよ~?」
「…チッ」
コップを見つけられない土御門に舌打ちをしつつ、一方通行はキッチンの方へと向かった。
一方通行が行ったのを確認した吹寄は、隣の小萌先生に、
「先生、気になってたんだけど…一方通行って、あの?」
「そうですよ、学園都市第一位のアクセラレータちゃんですっ!」
「へぇー、あれが…なぜそんな有名人が上条と?」
「彼もまた上条君の患者なんだよ」
答えた子萌先生ではなく、カエル顔の医者だった。
「彼も?」
「あぁ…彼は昔ある事件で脳に深い傷を負ってねぇ…ある処置のおかげで私生活には問題なかったが、能力はまともに使えなくなってね、
その時担当したのは僕だったけど…僕ではどうしようもなかった」
そん場に居た吹寄や姫神、青髪は、ただ黙って昔のことを悲しそうに語るカエル顔の医者の話を聞いていた。
「彼が傷を負ってから数年たった、ある日そこの先生が上条君に脳科学を教えてほしいと言われてね…彼とはもともと面識もあったし、
僕はOKしたんだ…上条君は本当に熱心に脳科学について学んだんだ…ほんの一年ほどで脳科学だけなら医大卒業程度までの知識は身に着けていた
そして、一通り脳科学を学んだ彼に私は医学を教えたんだ…」
「…なぜあいつは脳科学を?」
「……さぁね…だけど…『助けたい人がいる』っと言っていたな…だからある程度脳科学を学んだら医学も学ぶつもりだったらしい」
「助けたい人って…一方通行のことですか?」
「さぁね…まぁ、何にせよ彼が助けたんだけどね」
「彼が僕のもとに来てから3年ほどたった…彼は医学を学ぶ傍ら『脳組織の再生』の研究に取り組んでいてね…
かなり難しいものだったけど…彼は成功したんだよ」
そこまで話すと小萌先生がソファーに立って騒ぎ始めた。
「上条ちゃんはホントにすごいんですよ~!学会でも注目されたすごい発見だったんですっ!!……でも」
子萌先生はそこまで言うと急におとなしくなってしまった。
「何かあったんですか?」
「上条ちゃんは…」
「彼はその研究成果を学会で発表しなかったんだよ…」
静かになった小萌先生のかわりにカエル顔の医者が説明した。
「…え?どうしてですか!?すごい発見だったんじゃ!?」
「あぁ学会で発表すれば…もしかしたら教授になれたかも知れない…」
「ならっ!?」
「彼は研究データをすべて僕に渡してね…自分の替わりに発表してくれと言って彼はイギリスに行ってしまった」
「…どうしてあいつは?」
「さぁね…イギリスに行く頃には彼はもう立派な医者だったし、僕は特別止めなかった」
吹寄が釈然としないと顔をしたが、そこに小萌先生が寂そうに付け加えた。
「私も一回上条ちゃんを問い詰めたことがあるんです…でも結局、理由を話してくれませんでした」
「なにを考えているんだか…あいつは」
「まぁ、彼は教授なんてものに興味がない子だったからね…それにその発見で得た利益…まぁお金とかはちゃんと受け取ってくれたから、
もし、それもいらないなんて言われたら、さすがに困っただろうね…」
吹寄はただただ呆れ果てていた。昔から当麻に向上心というものがないとは思っていたが、それが今でも続いているのか思うと
もはや呆れるしかない。
「彼がイギリスに行って1,2年ほどたってから、彼女の…あぁ滝壺君がここに戻ってくるのに上条君も付き添いで来てね
そこで久しぶりに会ったぐらいだね…いろいろ聞いたよ…国境なき医師団に入ったこともそこで聞いた
心配する気持ちもあったが、なにより彼が立派になって帰ってくるのが嬉しくてね……まぁ元気そうでよかったよ」
カエル顔の医者は、まるで親が子を心配するような顔で淡々と語った。
かなり難しいものだったけど…彼は成功したんだよ」
そこまで話すと小萌先生がソファーに立って騒ぎ始めた。
「上条ちゃんはホントにすごいんですよ~!学会でも注目されたすごい発見だったんですっ!!……でも」
子萌先生はそこまで言うと急におとなしくなってしまった。
「何かあったんですか?」
「上条ちゃんは…」
「彼はその研究成果を学会で発表しなかったんだよ…」
静かになった小萌先生のかわりにカエル顔の医者が説明した。
「…え?どうしてですか!?すごい発見だったんじゃ!?」
「あぁ学会で発表すれば…もしかしたら教授になれたかも知れない…」
「ならっ!?」
「彼は研究データをすべて僕に渡してね…自分の替わりに発表してくれと言って彼はイギリスに行ってしまった」
「…どうしてあいつは?」
「さぁね…イギリスに行く頃には彼はもう立派な医者だったし、僕は特別止めなかった」
吹寄が釈然としないと顔をしたが、そこに小萌先生が寂そうに付け加えた。
「私も一回上条ちゃんを問い詰めたことがあるんです…でも結局、理由を話してくれませんでした」
「なにを考えているんだか…あいつは」
「まぁ、彼は教授なんてものに興味がない子だったからね…それにその発見で得た利益…まぁお金とかはちゃんと受け取ってくれたから、
もし、それもいらないなんて言われたら、さすがに困っただろうね…」
吹寄はただただ呆れ果てていた。昔から当麻に向上心というものがないとは思っていたが、それが今でも続いているのか思うと
もはや呆れるしかない。
「彼がイギリスに行って1,2年ほどたってから、彼女の…あぁ滝壺君がここに戻ってくるのに上条君も付き添いで来てね
そこで久しぶりに会ったぐらいだね…いろいろ聞いたよ…国境なき医師団に入ったこともそこで聞いた
心配する気持ちもあったが、なにより彼が立派になって帰ってくるのが嬉しくてね……まぁ元気そうでよかったよ」
カエル顔の医者は、まるで親が子を心配するような顔で淡々と語った。
5年前、御坂の高校の卒業式が行われる少し前
当麻の研究室にて
当麻の研究室にて
「荷物は…こんなもんか…」
「上条ちゃん!!」
「んっ?あぁ先生!ご無沙汰してます」
「ご無沙汰してます、じゃないです~!!一体何を考えているんですか!?」
「あぁちょっとイギリスに用が」
「そっちじゃないです!!研究のことです!!」
「あぁ…別にいいじゃないですか」
「良くないです!!あれを発表すれば上条ちゃんの学園都市での地位は確実なものになっていたはずなのにっ!!」
「そんな怒んなくても…」
「ウゥゥゥゥゥッ」
「いやっ!泣かないでくださいよ!」
「ウゥゥッ、上条ちゃんは大バカ者です~折角学園都市のみんなが上条ちゃんを認めてくれるチャンスだったのに…」
「…別に俺は地位が欲しかった訳じゃないですし…でも無駄じゃないですよ、ちゃんと研究分の給料は貰いますから」
「グスッ、上条ちゃんはお金が欲しかったんですか?」
「……いいえ…もっと別のものが欲しかったんですけど…」
「別のもの?」
「もしかしたら、この研究で手に入るかと思ったんですけど…ダメでした」
「………これからどうするんですか?」
「とりあえずイギリスに…会いたい人がいるんです」
「会いたい人?シスターちゃんですか?」
「えぇ…ちょっと確かめたいことがあって」
「上条ちゃんもやっと誰かと結ばれる気になったんですかっ!?」
「……………期待を裏切って悪いですけど、ただ研究に付き合ってもらうだけです」
「上条ちゃん!!」
「んっ?あぁ先生!ご無沙汰してます」
「ご無沙汰してます、じゃないです~!!一体何を考えているんですか!?」
「あぁちょっとイギリスに用が」
「そっちじゃないです!!研究のことです!!」
「あぁ…別にいいじゃないですか」
「良くないです!!あれを発表すれば上条ちゃんの学園都市での地位は確実なものになっていたはずなのにっ!!」
「そんな怒んなくても…」
「ウゥゥゥゥゥッ」
「いやっ!泣かないでくださいよ!」
「ウゥゥッ、上条ちゃんは大バカ者です~折角学園都市のみんなが上条ちゃんを認めてくれるチャンスだったのに…」
「…別に俺は地位が欲しかった訳じゃないですし…でも無駄じゃないですよ、ちゃんと研究分の給料は貰いますから」
「グスッ、上条ちゃんはお金が欲しかったんですか?」
「……いいえ…もっと別のものが欲しかったんですけど…」
「別のもの?」
「もしかしたら、この研究で手に入るかと思ったんですけど…ダメでした」
「………これからどうするんですか?」
「とりあえずイギリスに…会いたい人がいるんです」
「会いたい人?シスターちゃんですか?」
「えぇ…ちょっと確かめたいことがあって」
「上条ちゃんもやっと誰かと結ばれる気になったんですかっ!?」
「……………期待を裏切って悪いですけど、ただ研究に付き合ってもらうだけです」
「にゃー!!みんなで飲むぜよ!!」
酒とコップを持った土御門が上機嫌にやってきた。
「ほらほら~どんどんいくぜよ!!」
土御門は適当にコップを配ると、テーブルの上に酒を並べていった。
「焼酎、日本酒、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ウォッカ…うっひょ~たまらんぜよ!!」
当麻の趣味かどうかは分からないが酒は様々な種類があった。
「うお~カミやんのやつ!すごいやん!!」
「上条君ってお酒好きなんだ…」
「あぁ彼は結構いける口だよ」
みな、それぞれが飲みたいものをコップに注いでいき飲み始めると、
「おっ!やってるな~」
ベランダから電話を終えた当麻が部屋の中に入ってきた。
「俺も何か飲むか…」
当麻は適当に近くの酒瓶をとって、近くにあったコップに注いで飲み始めた。
「にゃー、どんどん飲むぜよ!」
「いや~姫やん!ここは人目につかないから酔って脱いじゃったりしてもええで~!」
「黙れ青髪!!」
吹寄による本日3度目の顔面パンチ
「上条君…このままじゃ私脱いじゃうかも」
「いや姫神!なんのカミングアウト!?」
「みなさんお酒はほどほどにですよ~」
「滝壺君は飲んじゃだめだよ…医者として見逃せないからね…」
「残念…」
「お腹の子に悪いからダメだぞ…」
「まぁまぁ滝壺さん…産んだ後に超飲み明かしましょう」
「ほら!もう始まっちゃてるよってみさかはみさかは急かしてみる!」
「めんどくせェなァ」
それぞれの楽しみ方でそれぞれの夜を迎える。
酒とコップを持った土御門が上機嫌にやってきた。
「ほらほら~どんどんいくぜよ!!」
土御門は適当にコップを配ると、テーブルの上に酒を並べていった。
「焼酎、日本酒、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ウォッカ…うっひょ~たまらんぜよ!!」
当麻の趣味かどうかは分からないが酒は様々な種類があった。
「うお~カミやんのやつ!すごいやん!!」
「上条君ってお酒好きなんだ…」
「あぁ彼は結構いける口だよ」
みな、それぞれが飲みたいものをコップに注いでいき飲み始めると、
「おっ!やってるな~」
ベランダから電話を終えた当麻が部屋の中に入ってきた。
「俺も何か飲むか…」
当麻は適当に近くの酒瓶をとって、近くにあったコップに注いで飲み始めた。
「にゃー、どんどん飲むぜよ!」
「いや~姫やん!ここは人目につかないから酔って脱いじゃったりしてもええで~!」
「黙れ青髪!!」
吹寄による本日3度目の顔面パンチ
「上条君…このままじゃ私脱いじゃうかも」
「いや姫神!なんのカミングアウト!?」
「みなさんお酒はほどほどにですよ~」
「滝壺君は飲んじゃだめだよ…医者として見逃せないからね…」
「残念…」
「お腹の子に悪いからダメだぞ…」
「まぁまぁ滝壺さん…産んだ後に超飲み明かしましょう」
「ほら!もう始まっちゃてるよってみさかはみさかは急かしてみる!」
「めんどくせェなァ」
それぞれの楽しみ方でそれぞれの夜を迎える。