とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-238

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匿名ユーザー

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「紹介?」
上条が、疑問を口にする。
「はい。一人一人の名前、写真、性別、サイド…これをもとに、所属している組織や能力名、得意な魔術、個人の戦闘能力などなどを紹介させてもらいます」
「オイオイ。そりゃ、本人たちに了承は得てンのかァ?」
一方通行(アクセラレータ)が、まともな意見を述べる。
「いいえ。なので、この場で了承を得たいのですが…反論がある方は、ご自由にどうぞ」
そんな事を機械が言ってくるが、先程のことも含め、何かいえるはずはない。
「では、皆様の了承を得た、という方向で話を進めますが、よろしいでしょうか?」
なんかもうみんな疲れたような表情を浮かべる中、機械だけが淡々と喋っている。
「了承を得た、とみなしました。よって、個人の紹介に入らせてもらいます」
もう勝手にしてくれ、と全員の表情が語っていた。



「…以上で、主要人物の紹介を終わらせてもらいます」
突然部屋に現れた、巨大モニターで説明していた機械が、唐突にそんな事を言った。
今機械が言ったとおり、紹介したのは主要人物。上条や一方通行(アクセラレータ)、インデックスや美琴、神裂とかだ。
(自分も含まれているのか、上条にはよく分からないが)そんなポピュラーな人間を知らない者はいないらしく、上条にいたってはもう寝かけていた。
「それでは、次からは組織となっているものを紹介させてもらいます」
機械がそう言うと、次にモニターに写ったのは天草式の一同だった。
「天草式十字凄教の皆様です。魔術サイド所属、イギリス清教の必要悪の教会(ネセサリウス)の傘下にあります」
組織になると、主要人物の顔しか写さないらしい。
最初に神裂、次に建宮、最後に五和が写った後は、3人くらいまとめて写った写真がスクロールされていた。
「総員は50名程度。現在では神裂火織がリーダーを務めています。副リーダーとなるのは建宮斎字。そのほかの戦闘能力は、あまり差がないものと見ています。神裂火織がリーダーを務める前、副リーダーであった五和に関しては、通常戦闘要員のトップ、という扱いです」
組織図が今度はモニターに写った。簡単な上下関係を表しているものらしい。
「では次に、元アニェーゼ部隊の皆様です」
巡るましく変わっていくモニター。
それに写ったのは、三つ網のシスターだった。
「魔術サイド所属、以前はローマ清教傘下でしたが、『法の書』事件後はイギリス清教に入りました」
アニェーゼの写真が写し終わると、早くも集団写真が写されていく。
「リーダーとなるのは、アニぇーゼ=サンクティス。そのほかは役職が振られているだけです」
役職が振られている、という言葉を聞いた上条は、じゃあこの写真もそれが関係してるのか…?とか考える。
「総員は250名に上ります。戦闘方法は個人によって違いが見受けられます」
その言葉が終わるとともに、やはり写真も切り替えられる。
次に写ったのは、見慣れた少女。
「次は、組織、とはいえないのですが…」
唐突に、機械が口ごもる。
まぁ、仕方がないだろう。
馬鹿正直に、「クローンの皆様の紹介です」なんて言えないだろうから。
「…団体名のようなものも決まっておりません。通称、『妹達(シスターズ)』と呼ばれています」
無理矢理に話を進めていく機械。
そのモニターに写ったのは、最初は美琴。次に妹達(シスターズ)が集まっている写真が映し出される。
「科学サイドに所属。総員は1万弱。各自の能力は、異能力者(レベル2)、強能力者(レベル3)程度の電撃使い(エレクトロマスター)。『欠陥電気(レディオノイズ)』で通っています」
紹介されているはずの御坂妹の表情は、一つも変わっていない。
「リーダーのようなものも存在していません。変わり、『安全装置』としての役目を持ったものは1名います」
そう機械が言った後に映し出されたのは、笑顔満点な打ち止め(ラストオーダー)だった。通常時なら結構騒ぐだろうが、打ち止め(ラストオーダー)は寝ていた。
美琴が何か突っかかってくるか、と思っていた上条は、特に美琴がアクションを興さないのを見て少し驚く。
「…今更、何言ったって仕方ないでしょ」
上条の視線に気づいた美琴が、小声で言った。


「では次に、残った科学サイドの者を紹介させてもらいます」
無理矢理妹達(シスターズ)の話を終わらせた機械が言った。

「葛城妖夜。男性。長点上機学園2年、超能力者(レベル5)の第6位」
映し出されたのは、長点上機の制服を着て、以外にかしこまっている妖夜だった。
「能力は、学園都市内で3人しか所持していない『肉体変化(メタモルフォーゼ)』。自分の肉体を好きなように変化させる能力です。基盤(データ)があれば、原子から作り変えることも可能、といわれています」
「ハッ。そこまで大層な能力じゃねぇよ」
妖夜が、右手をひらひら振りながらいうが、やはり機械は無視して続ける。
「削板軍覇。男性。長点上機学園3年、超能力者(レベル5)の第7位」
と、次に映し出されたのは、妖夜と同じ制服を着ているが、きついのか第2ボタンまであけている軍覇だった。
「能力は、おそらく念動力関連であると思われる『念動砲弾(アタッククラッシュ)』。その存在はいまだ詳しくは解明できていません。そして、世界最大の『原石』が持つ能力でもあります」
「…原石?」
説明を適当に聞いていて、うつらうつらとしていた軍覇が唐突に言った。
「って?自分のことじゃねぇのかよ」
隣に座っている妖夜が、突っ込みを入れる。さっきの紹介だと妖夜のほうが年下のはずだが、おそらく年齢ではなく能力で上下関係が成立しているのだろう。
「…さっぱりだな」
自分のことを言っているとは思えないほど、あっさりという軍覇。
「原石については、あまり研究が進んでいないのでこの場での発言は控えさせてもらいます」
機械はそう言ってごまかしたが、上条は直感的に違うな、と感じた。
「そして次は…この場には居合わせておりませんが」
と、機械がそこまで言ったところで、
「この私が、自分のことを説明されているのにその場にいない、なんて状況を作るとお思いで?」
という声が聞こえた。
直後、
ドゴッ!と、
美琴が何かを殴り飛ばした音が響いた。
「…さ、さすがお姉様…わたしの『空間移動(テレポート)』を予想していたのですわね」
「…こんな公衆の場でも、あんたはあんたのまんまななのね…」
美琴が、ハァ、とため息をつきながら、立ち上がった反動で倒れた椅子を戻しながら席に座る。
「…白井か」
「御機嫌よう殿方さん。まさかとは思いますが、こんな公衆の場でもお姉様にちょっかいを出す、なんてことはしていませんわよね?」
美琴に殴られたのにもかかわらず、ダメージを感じさせない仕草で立ち上がりつつ言う黒子。
「申し訳ございません。昨日の戦闘にかかわった風紀委員(ジャッジメント)として、事情を話しておりました」
みなに頭を下げる黒子。こういうところはお嬢様って感じがするのにな…、と上条は思う。
「では、本人も来ましたので…」
「あ、ちょ、まつんだにゃー!この際この俺も登場させてもらうぜい!!」
「…まさか」
黒子が椅子に座ったのを見計らった機械が話を続けようとしたところで、妙な口調の男の声が部屋の外から響いた。それに上条は、頭を抱える。
「土御門元春様のご登場だにゃーッ!」
全く場の雰囲気を呼んでいない声が響き、『バーン!』という効果音つきで一人の男が部屋に入ってくる。
「…」
なぜか、全員がその男を冷たい視線で見つめる。
「…何故?何故にそんな視線?俺のことを知らない人はともかく、『グループ』の奴とか五和とか、そしてカミやんとかは少しは突っ込んでくれないと困るんですが?」
ヒーローの登場シーンのようなポーズを決めたまま、カチコチに固まって汗を流し始めた土御門が言うが、もちろん誰も突っ込んでくれない。
「…すみません僕が悪かったです…」
土御門がなぜか謝り、顔を思いっきり俯けたまま…アステカの魔術師の隣に向かう。
「あ、あれ?お前、何でそこなの?」
いい加減かわいそうになってきたので、上条がとりあえず土御門に言葉を投げる。
「…カミやん…やっぱりカミやんだけが俺を救ってくれるんだにゃー…」
涙を流しそうな表情で言う土御門。上条の質問には答えずに席についてしまった。
「そのことについては…多分、こいつが説明してくれる」
突然、それまでの口調と表情を切り替えて機械の方に言う土御門。
「土御門元春の紹介は後にさせてもらいます。まずは、白井黒子の紹介にさせてもらいます」
そう機械が言い、モニターには黒子の写真が写った。



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