とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-326

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匿名ユーザー

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10時。
「それでは、これより親船最中先生の講演会、『学園都市の子どもたちのために』を始めさせていただきたいと思います」
司会の言葉が終わると、隣の部屋から親船がその姿を現し用意された教壇に立った。
聴衆は親船を拍手で迎える。
親船は軽く右手を上げてそれに応えると、早速講演会を開始した。
講演時間は1時間。
講演会としては短い方だろうが、親船は同じような講演会を頻繁に行っていた。
より多くの人々に訴えかけるためには、長い時間をとってくどくどと演説するよりも、短い講演を何度も行った方が効果的だと考えているからだ。
マイクを通して聴衆に語りかける親船は、直前まで自分が命を狙われていたことも、その危機が4人の少女達によって取り除かれたことも知らない。
――そして、その4人の少女達の中の1人が直面することになる、これから1時間に渡る戦いについても。

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10時15分。
「また佐天さんは待ち合わせ場所にいませんし」
初春飾利は佐天との待ち合わせ場所であるリニモの駅前にいた。
待ち合わせは10時だったのだが、佐天は姿を現さない。
電話をかけてもやはりと言うべきか、繋がらない。
「まだ絹旗さんのことを追いかけてるんですかね。あー、もしかしたらこの前みたいにそのまま絹旗さんと遊んでるのかも」
自由奔放な親友のことを思い、溜め息をつく初春。
取り敢えずもう少しくらい待ってあげよう、と寛容な態度でその場に留まる初春。
「しかし、絹旗最愛さんですか。やっぱりそんな名前をどっかで見たことあると思うんですけどねぇ」
暇を持て余した初春は佐天が追いかけていったという少女について思考する。
「どこでしたかねぇ。うーん」
顎に手をあてて考え込む初春。
「『聞いた』じゃなくて『見た』覚えがあるってことは、もしかして資料か何かで…………!?」
はっ、と目を見開いて初春は動きを止めた。
そして数秒の後、何かを思い出した初春は待ち合わせ場所からどこかへと駆け出した。


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同刻。
「っしょ、と」
絹旗は周りからかき集めた布きれや発泡スチロールで即席のベッドを作り上げると、その上に佐天を横たえた。
絹旗がいるのはコンクリートで作られた建物の中。
狙撃手の潜伏していたアパートと同様、今は使われなくなった施設のようだ。
サッカーコートの半分程の面積を持つ二階建ての建物で、一階部分は吹き抜けになっている。
どうやら一階部分は何台もの大型トラックを収容するためのガレージとして使われていたようで、実際トラックのタイヤ痕がコンクリートの床に刻まれていた。
そしてこの二階部分はトラックで運んできた積み荷を保管しておくための場所、ということだろう。
そこら中に梱包用のシートや発泡スチロールが転がっていたり、鉄パイプを組み合わせた棚のようなものも残っているのはその名残か。
さらに、同様の施設が道路に沿って十棟余り間隔をおいて建てられているのことも考慮すると、昔はかなり流通業で栄えていたのだろう。
街の中心に拠点が移ったせいか、今では道路を走る車も少なく、コンクリート一色で塗り固められた風景の中で事故の衝撃緩和のために道路の両脇に並べられている大量の水を入れた合成繊維のバルーンが、その青色を主張しているだけであったが。
また、絹旗が選んだ建物の一階部分には、おそらく移転の際に破棄されたのを纏めてあるのだろう、他の建物と違い大小様々な大きさの中身の入っていない輸送用コンテナが転がっていた。
万が一戦闘になった際、壁や或いは投げつけて武器に出来ると考えたためである。

「さて、取りあえず切り抜けられたようですけど……これから超どうしましょうかね」
この建物群は、『街』をリニモの駅を中心とする円形と見たとき、その円周上に存在したボロアパートから円周を丁度1/4周したあたりに存在している。
これだけ離れれば流石に暗部の下位組織がうろうろしていることもないだろう。

また、走っている途中に麦野から電話がかかってきたが、無視した。
おそらく別の場所でナビゲートしていた滝壺と合流した後、絹旗の不在に気づいて掛けてきたのだろう。
しかし下手な嘘を吐いて感づかれでもしたらことだし、無視を決め込めば何かしらのトラブルに巻き込まれていると勝手に解釈するだろう。
麦野の性格からして、連絡が取れないからとわざわざ探しに来ることも無いはずだ。
そもそもが今回の作戦である。
滝壺に索敵させ、フレンダに退路を断たせ、絹旗を囮にし、自分はトドメを刺す。
他人に苦労を押しつけ、自分が一番良い格好をする(絹旗としては代われと言われてやりたい仕事でもないが)。
無論銃弾は能力を使って防いだので怪我はないのだが、それでも撃たれるために自ら銃口の前に立つというのはいい気分はしない。
そうした自分本位な(或いは学園都市特有の高位能力者イコール偉いという)考え方を持っている麦野のことだ。
他者の為に動くなど、それこそ『自分が殺さなくては気が済まない人間を殺すため』くらいだろう。

兎に角、これで下部組織からも麦野達からも逃れられたと思っていいだろう。
だが、問題はまだ残っている。
「佐天さんが目を覚ましてから事情を説明するというのも、超気まずいですね。だれか人を呼んで保護して頂きましょうか」
そう思い、超失礼します、と小さく告げて佐天のスカートのポケットをまさぐる絹旗。
案の定、そこから携帯電話が出てきた。
ディスプレイを覗くと、
「超着信がありますね。麦野からのコールに混じって聞こえなかったんでしょうか」
初春飾利なる人物からメールや電話着信の履歴が多数あった。
確か、と絹旗は記憶を遡る。
その名前は、以前佐天と雑談していた時に何度か耳にした覚えがある。
アメリカへの広域社会見学でも一緒だったという佐天の友人の名前だ。
もしかしたら今日はその初春と待ち合わせでもしていたのかもしれない。
「兎に角、この初春さんに電話してここまで引き取りに来させればいいですね。ぎりぎりまで陰で超見張っておいて、無事に渡ったのを確認したら『アイテム』に連絡を入れて超合流しましょう」
誰に聞かせるでもなく口に出し、その通りの行動を起こそうとする。
だが、佐天の携帯で着信履歴から初春の番号を選択したところで手が止まった。
(初春さんに連絡して、佐天さんを引き渡してしまったら……もう二度と佐天さんには会えないんですね)
これだけのことに巻き込んでしまったのだ。
今回のことを説明しないままこれからも同じ態度で付き合う、なんて出来ないだろう。
だからと言って、あれは映画の撮影だったんですよ超スタントだったんです、と言って納得してくれる訳もない。


いっそのこと、本当のことを告げてしまおうか。

そもそも流れに逆らうと言ったって、やったことは佐天を抱えて長距離を走っただけ。
この程度で逆らったことに、現状を打破する原動力を得られたことになるのだろうか。
佐天に本当のことを話し、そしてこれからも友達として付き合えたならば――その時こそ真に前進出来るのではないだろうか。

「……超無理ですね」

実は私、学園都市の暗部で人殺しをするのを仕事にしているんですよ。
そんなことを告げたら、間違いなく佐天は離れていってしまうだろう。
どうせもう会えなくなるのなら、最後に彼女の恐怖する顔を見てから別れるというのは嫌だった。
「超仕方ないですね……私なんかに付き合っていれば、それだけ暗部の事件に巻き込まれる危険も超増えますし。実際、今日も私のことを追いかけてきてあの現場に超辿り着いたんでしょうし」
そんな言い訳を口にしながら、絹旗は今度こそ通話ボタンを押そうとし――

「――!?」

カツンッ、と階下に響く足音に気づいた。

(そんな!追っ手!?どうして……)

だが、考えている隙はないようだ。
足音は明確な意志を持って絹旗達のいる二階を目指している。
(せめて階下で……ここで戦うわけには超いきません!)
絹旗は念のため自分と佐天の携帯を手早くマナーモードに設定すると、出来るだけ気配を消しながら階段に向かう。
搬出入を効率よく行うためだろう、この建物には両端に一つずつ、計二つの階段が設置されている。
絹旗は迷わず足音が向かっている階段を選んだ。
反対の階段から降りればコンテナを陰にして近づき、後方から奇襲をかけられるかも知れないが、その隙に二階に上がられたのでは話にならない。
そして、階下に辿り着いた絹旗の目の前に現れたのは――
「ここに髪の長い中学生位の少女がいるはずだ。彼女を渡せ」
赤色のセーラー服を着た、一人の少女だった。


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佐天を連れ去った暗部の構成員がショチトルの目の前に現れた。
ということは、この上に佐天涙子がいると見て間違いないだろう。

ショチトルと佐天とにはちょっとした交流があった。
アメリカの学芸都市での、世界の警察と『翼ある者の帰還』との衝突。
『翼ある者の帰還』の一員として戦いに身を投じていたショチトルは、巻き込まれ、生命の危機に瀕していた佐天を救い出した。
そもそも佐天を巻き込んでしまったのはショチトルであると言えなくもないが、佐天の何にでも首を突っ込む性格にも原因の一端はあるためお互い様だろう。

そして、その戦いの際、佐天達を救うために犯した命令違反の為に、ショチトルはアメリカの洋上から学園都市まで飛ばされることになった。
その時、或いは再び佐天達に会えるのではと考えもしたが――
(こんな再会を望んだ覚えはないぞ!全く、世話をかけさせるな、大馬鹿野郎が!)
内心で罵倒の言葉を浮かべつつ、しかしショチトルは迷わず佐天を追いかけていた。
佐天涙子という一般人を――世界の闇から守るために。

「ここに髪の長い中学生位の少女がいるはずだ。彼女を渡せ」

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間違いない。
暗部組織の追っ手だ。
『事件』を目撃した佐天涙子を抹消しに来たのだ。
絹旗は眼前のセーラー服の少女――ショチトルをそう断定する。
てっきり来るとしても黒服の屈強なエージェントでも現れるのではと思っていたので予想外ではあったが、決して楽観視は出来ない。
そもそも自分だって『ちょっと超能力が使えるだけ』のか弱い少女なのだ。
学園都市においては、武器と戦闘技術を持った大人のエージェントより、超能力を持った学生エージェントの方が厄介な場合もある。
警戒を解かないままに、絹旗は要求を蹴る。
「超知りませんね、ここには私とあなたしかいませんよ。例えいたとしても、あなたに渡す気は超ありません」
「シラをきるつもりか。ならば力づくで通してもらう」
「どうぞどうぞ。――出来るものなら、ですが!」
言葉と同時に絹旗は大きく踏み込み、ショチトルに拳を叩き込む。
が、ショチトルは直前に気づき、ガードを展開した。
絹旗の拳は少女の展開した『ソレ』に見事に阻まれた。
「何ですかソレ。超趣味悪いですよ」
ショチトルは何時の間にかその手に奇妙な形状の大振りの刀剣を持っていて、その刀身を以て絹旗の拳を受け止めたのである。
(さっきまでは超ありませんでしたよね…超隠しておけるサイズでもありませんし、超能力?)
――いや、
(そう判断するのは超早計ですね。学園都市の技術なら飛び出しナイフならぬ飛び出しサーベルくらい超簡単に作れそうですから)
数瞬でそう思考すると、絹旗は何時でも引けるように体勢を調整しながら二撃目を放つ。
ショチトルはそれも刀身で阻むと、その剣で絹旗に斬りかかって来た。
「――っ!」
絹旗は辛うじてそれを避ける。
或いは能力で防ぐことも出来たかもしれないが、自動防御という、切り札とも言える手の内を明かすのはまだだ早いと判断したのだ。
だが、
「わっ、とっ――」
続いて放たれる二斬目。
絹旗はそれを先程の攻撃より更にギリギリのところでかわす。
(超――しまったです!)
絹旗は己の失策に気づいた。
ショチトルの使う刀剣はその身体に不釣り合いな程大きい。
故に攻撃範囲が大きく、避けようと思うとかなり距離を取る必要がある。
しかし。
壁や武器に使えると思っていたコンテナ群。
それが逆に絹旗の動きを制限してしまうのだ。
絹旗の目から見て、ショチトルの剣捌きは決して『使い手』と言っていいほど巧いものではなかった。
絹旗の腕なら、或いは素手でも剣をはたき落とすくらいは出来ただろう。
だが、絹旗は周囲のコンテナに行動を制限され、思うように身動きが取れない。
そのため絹旗はショチトルの繰り出す剣の連撃を後ろへ、左右へとよけ続けるしか出来ない。
防戦一方。
絹旗はショチトルに完全に押されていたのだ。
(多人数で来たんでしたら、うまく隠れつつ投げつけつつ逃げられるかと思ったんですが……超上手く行きませんね。近接戦闘ではこっちが超不利です)
故に、絹旗は
(だったら遠距離攻撃を仕掛けるまでです。コンテナを投げつけて、あの超変な剣ごと吹き飛ばします。もしかしたら能力持ちかもしれませんが、だとしてもこっちの攻撃を防ごうとすればその能力の片鱗くらい見られるでしょう)
散乱しているコンテナの中から、ダンボール箱程の大きさのものを掴んだ。
そう、

『武器を手に取ってしまった』。


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奇妙な形状の大剣――マクアフティルを振るい、絹旗を追いつめていたショチトルも、しかし内心で焦りを感じていた。
(こいつ、なんて馬鹿力なんだ!?)
先程刀身で絹旗の拳を受け止めた時から、両腕には鈍い痺れが続いている。
とてもその細腕から繰り出される力とは思えないが、学園都市には超能力というものがある。
おそらく筋力を増強するような能力を使っているのだろう、とショチトルはあたりをつけた。
(クソ……今はマクアフティルのリーチの長さで優勢を保っているが、戦闘力では間違いなく私よりこいつの方が上だ。機動性でも負けているから、トドメも刺せない。こっちが消耗してきたら一気に形勢を逆転させられる)
そして、何より厄介なのは相手が徒手空拳であることだ(無論、ショチトルの預かり知らぬところで窒素を纏ってはいるのだが)。
これではショチトルの所持している『原典』の能力を発揮できない。
(どうする……)
勝負に出るか、或いは一度体勢を立て直すか。
ショチトルが次の選択肢を迷っていると、
(――!)
絹旗が散乱しているコンテナの一つを手に取った。
ショチトルはそれを口に薄く笑みを浮かべながら見る。
(よし!これで……)
絹旗は手に持ったコンテナをまるで野球ボールか何かのように片手で軽々と持ち上げると、大きく振りかぶった。
「馬鹿め…」
思わず口をついて出た言葉とともに、ショチトルは術式を発動させた。

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「ん……」
佐天涙子は目を覚ました。
「あれ?私、何でこんなところにいるんだろ?」
四方をコンクリートに囲まれた倉庫のような場所。
佐天は自分がそこに設けられた簡素なベッドの上に横になっていることに気づいた。
「あ、携帯」
すぐそばに落ちていた携帯を手に取る佐天。
するとディスプレイには初春から多数のメールや電話の着信があったことが表示されていた。
「確か、初春と待ち合わせしてて……」
ディスプレイで時間を確認すると、10時20分。
既に待ち合わせ時間をとっくに過ぎてしまっている。
どうしてこんな時間まで寝ていたのかに思考を移し、
「そしたら絹旗が…………絹旗っ!」
佐天は気絶する直前の状況を思い出した。
「絹旗はどこに……!?」
立ち上がった佐天は下方から響く戟音に気づいた。
何かと何かが激しくぶつかり合う音だ。
「もしかして、絹旗?」
佐天は初春に連絡することも忘れて携帯を適当にポケットに突っ込む。
そしてそばに転がっていた鉄パイプを手に取ると、近い方の階段――絹旗が降りていったのとは逆の階段から階下へ駆けていった。


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「……やっぱりです」
初春は眼前のディスプレイに映し出された情報を見て呟く。
ここは『街』の一角にあるネットカフェ。
アミューズメント施設やショッピングモールしかない街にあっても繁盛しないのでは、と思っていたが、映画の上映時間までの暇やボーリングの待ち時間を潰すために結構な人数が個室を占領していた。
初春の見ている画面に映っているのは、風紀委員177支部の自分のパソコンに保存してあるとある秘密ファイル。
その内容は、書庫に登録されている学生のデータの中で、不明瞭な点のある人物を抜粋したものである。
事件の捜査で何度か書庫を覗いたことのある初春だが、そのデータに不備のある学生が何人もいた。
そんなデータを秘密裏に纏めたのがこのファイルである。
半分は捜査の助けになることを期待して、もう半分は好奇心から集めた資料だったが――
「ありました、絹旗最愛」
風斬氷華という、名簿には登録されていても授業への出席記録がない少女の次の項。
そこに絹旗最愛という名前があった。
置き去りであり、学園都市内の施設に預けられていおり、後別の施設に移されたらしいが、その別の施設が明らかになっていない。
また『空力使い/レベル3』という能力値に上書きされ、『窒素装甲/レベル4』と記述されているのもおかしな話だ。
まるで能力の性質が変わってしまっている。
「やっぱり、絹旗さんには何かある……」
初春飾利も学園都市の闇にはいくつか触れてきた。
幻想御手や乱雑解放――そして9月30日の夜の記憶がないことも何かの事件に関係しているはずだ。
絹旗、そして彼女と一緒にいるであろう佐天。
もしかしたら彼女達も現在進行形で学園都市の闇に巻き込まれているのかもしれない。
それを確認する術はないのか。
そう思い、ネットの海を――一般人がネットサーフィンをするのとはまるで違う次元で『泳ぐ』初春。
初春の操るパソコンのディスプレイには、学園都市の機密情報が次々に浮かび上がっていく。
そのどれもが警備員に補導されても文句は言えないほどの機密である。
しかし、その中に初春の目的とする情報はない。
「こんなちゃっちいパソコンじゃ、学園都市の深部に潜って絹旗さん達の現状を調べることなんてできません。どこか専用の施設を経由しないと……!」
そして、初春は見つけた。

block_

そんな名前の組織が、『どう考えても学園都市の重要施設をハッキングするしか使い道がない』装備一式を抱えていたのだ。
ざっと調べてみたが、その組織には学園都市のハッキングをする権限などなく、どころか逆に学園都市を守る側の組織であるようだ。

謀反。

その言葉を脳内で再生した後、初春は『block』の装備を中継に使うことを決めた。
初春が学園都市の深部に潜りこめば、やがては間違いなく上層部にそのことがバレるだろう。
そして『block』は謂われのない罪で疑われることになる。
だが、実際にどこかをハッキングする準備を進めているのだから、初春の行動は『block』の謀反を上層部に知らしめることに繋がる。
『block』とネカフェのパソコンとの間のアクセスにダミーを仕込み、上層部でも『block』からネカフェのパソコンまでは辿れないように防壁を張ってから、初春は学園都市の深部へと突入した。


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