とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-403

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匿名ユーザー

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これはとある不幸な少年と自らを禁書目録と名乗る少女が出会う数年前の話


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イタリア最大の都市、ローマ。
その巨大な都市の中心部から少し外れた住宅街にアニェーゼ=サンクティスは居た。

「パパ!早くしないと遅れちまいますよ!」
「分かった分かった、今行くから待ってろって」

家からなかなか出てこない父を急かす少女、アニェーゼは緑のワンピースに履くのが難しいと評判の「チョピン」と呼ばれる細長いサンダルのような
靴を履いていた。それを器用に履きこなしながらさらに父を急かす。

「せっかく、パパが休みとったのに出発時刻に1時間以上遅れるなんて.....、やっぱり今日はやめにしませんか?」
「わ、分かった!分かったから頼むから今日は付き合ってくれ!」
「分かりました。六十秒数えますからそれまでに来なかった場合は家のソファで寝そべりながらのTVタイムに移行します。はい、い~ち、」
「よ、よし。たった今準備が完了した。じゃぁ、出発しようか」
「(....ちっ、間に合っちまいましたか)」
「おい、実の父親にその言い方は無いんじゃないか!?」
「まぁ、もういいからさっさと行きましょう。こんなことしてても時間の無駄ですから」
「そうだな。じゃぁ出発だ」

今日は休日だった。休日といっても神父である父が「たまには娘と一日過ごそう!」とかいって、半ば無理やり仕事を休んで無理やり作った休
日であるのだが。

「で、結局どこ行くんでしたっけ?かなりいきなり誘われたので出かける理由をまだ聞いてないんですが」
父の運転する日本製の軽自動車の助手席に座りながら、アニェーゼは質問する。
「いやぁ、最近は我が愛娘と過ごす時間が少なくなったな、と思ってな。たまには一緒の外でご飯で食べようかと」
アニェーゼの目が少し細くなる。
「.....ほかには?」
「あとショッピングとか。お前に新しい服でも買ってやろうかと」
「まだあるでしょう?」
この時、アニェーゼの顔は完全に疑心暗鬼を表していたが、父は気づかずに素で答えた。
「ん?まぁ、あとは夜は二人でホテルでも借りて親子の愛を育もうかと思」
「それ以上言うと法に引っかかりそうなんでよしてください。小学4年の娘を狙うなんてどうゆう神経してんですか、このロリコン野郎」
「あ、アニェーゼ、そんな言葉どこで覚えた!?」
「ママに教わりました。あと、パパには気をつけなさいと」
「カテリナめ、娘にそんなこと教えこませるなんてどういう神経してるんだ....」
「あなたは絶対に人のこと言えませんが」

親子が車内コントを繰り広げているうちに父の行きつけ(自称)の高そうなレストランに到着した。
「ほんとは適当に町を見回ってから来ようと思ったんだけどな。予想以上に時間が詰めてきたから先にご飯食べちゃおうか」

そしてアニェーゼの父が店に入ろうとしたとき、

「ママは待たなくていいんですか?」

後ろからアニェーゼの質問が飛んできた。

その言葉に父は少しだけ眉間に皺を寄せた。
「....何度も言わせるな。カテリナは来ない」
「冗談ですよ。絶対にありえないことを望むほど私は子供ではねぇですから。家の玄関で一時間以上待ってたせいで腹はすかすかなんです。早く入り
ましょう」
「....そうだな」
その言葉に父も同意して二人は店に入っていった。


アニェーゼ=サンクティスが母親に会うということは彼女の言う通り『絶対』にありえなかった。
たとえ、彼女が神だったとしても。


(そうですよ。私はまだ未練がましく『待つ』なんて言ってるんですか)


殺された母親に会うのは何をどう考えても不可能だったからだ。


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