突然現れた巨大な影に目の前で母親が吹き飛ばされた。
それだけがアニェーゼの記憶に残る殺人風景。
分かったのは巨大な『何か』が自分の母親を容赦なく吹き飛ばしたこと。
そして、その母親が死んだ事。
母を殺した『何か』の正体は分からない。分かりたくもない。
三秒以上宙を舞った母親は、アニェーゼが駆け寄ったときには顔を体もぐちゃぐちゃで、
生きているのが不思議なくらいだった。
それだけがアニェーゼの記憶に残る殺人風景。
分かったのは巨大な『何か』が自分の母親を容赦なく吹き飛ばしたこと。
そして、その母親が死んだ事。
母を殺した『何か』の正体は分からない。分かりたくもない。
三秒以上宙を舞った母親は、アニェーゼが駆け寄ったときには顔を体もぐちゃぐちゃで、
生きているのが不思議なくらいだった。
そして、そんな寿命が数分ほどの母親が、
絶望の表情で自分を見る娘に放った最期の言葉は…….
絶望の表情で自分を見る娘に放った最期の言葉は…….
「? おい、アニェーゼ。どうしたんだそんなにぼーっとして。食欲無いのか?」
「え、あ、はい。ちょっと考え事を」
アニェーゼの座るテーブルには生ハムとレタスを盛り付けた料理がのっている。が、アニェーゼはそれにまったく手をつけていない。店員さんもちょっと心配そうな目でみている。
「大好きな生ハムサラダを差し置いて、いったいどんな重大な考え事なんだ?」
なんでもありませんよ、と一蹴してアニェーゼは目の前の食料を約十秒で平らげた。
「え、あ、はい。ちょっと考え事を」
アニェーゼの座るテーブルには生ハムとレタスを盛り付けた料理がのっている。が、アニェーゼはそれにまったく手をつけていない。店員さんもちょっと心配そうな目でみている。
「大好きな生ハムサラダを差し置いて、いったいどんな重大な考え事なんだ?」
なんでもありませんよ、と一蹴してアニェーゼは目の前の食料を約十秒で平らげた。
食事が終わればショッピングだ!、という無駄に嬉しそうな父の声を横に日本製の軽自動車が走り出す。三十分ぐらいして、これもまた父の行き着け(自称)のお洒落な感じの洋服屋に到着した。
「さて、アニェーゼ、どんな服がほしい?なんでも良いぞ。高い服でも今日は奮発して何でも買ってやる」
「そうですか。じゃぁ….」
「アニェーゼにはやっぱり今着ているようなワンピースが一番似合うと思うんだが….いや、でもやはりこのフリル付きのスカートも見過ごせない。いや、あえて半袖Gパンのボーイッシュスタイルも…..」
「私の服を買うのに私の意見は聞く気ないんですか?」
「こっちのスカート長めのワンピースでお嬢様風味を出すというのはどうだ?いや、だがあえてこっちの超ミニスカで色気を出すというのは…..小学4年生が色っぽいというのもギャップ的にはありなのでは…..!?」
アニェーゼはかなり引きつった笑顔で商品案内をする女の店員さんを助けるため父の背中を思いっきりぶん殴った。父が床にうずくまって何かを訴えながら蠢いていたが無視して自分に似合いそうな服を勝手に選び出すと、さっきより爽やかな笑顔の女性店員が嬉しそうな顔で赤色のワンピースを進めてきた。
アニェーゼがそれ着てみると自分が思っていたより似合っていたようで店員さんが一番キラキラした顔をしていた。
(まぁ、自分の進めたものが認められるってのは嬉しいもんですよね)
アニェーゼは床に倒れている父をたたき起こして「これにしました」と言って赤いワンピースをさっさとレジに運ばせた。
父はワンピースの値札に付いている「0」の多さに仰天していたようだが、「や、約束だから」といって固い財布の紐をぶった切って涙目でワンピースを購入した。
「さて、アニェーゼ、どんな服がほしい?なんでも良いぞ。高い服でも今日は奮発して何でも買ってやる」
「そうですか。じゃぁ….」
「アニェーゼにはやっぱり今着ているようなワンピースが一番似合うと思うんだが….いや、でもやはりこのフリル付きのスカートも見過ごせない。いや、あえて半袖Gパンのボーイッシュスタイルも…..」
「私の服を買うのに私の意見は聞く気ないんですか?」
「こっちのスカート長めのワンピースでお嬢様風味を出すというのはどうだ?いや、だがあえてこっちの超ミニスカで色気を出すというのは…..小学4年生が色っぽいというのもギャップ的にはありなのでは…..!?」
アニェーゼはかなり引きつった笑顔で商品案内をする女の店員さんを助けるため父の背中を思いっきりぶん殴った。父が床にうずくまって何かを訴えながら蠢いていたが無視して自分に似合いそうな服を勝手に選び出すと、さっきより爽やかな笑顔の女性店員が嬉しそうな顔で赤色のワンピースを進めてきた。
アニェーゼがそれ着てみると自分が思っていたより似合っていたようで店員さんが一番キラキラした顔をしていた。
(まぁ、自分の進めたものが認められるってのは嬉しいもんですよね)
アニェーゼは床に倒れている父をたたき起こして「これにしました」と言って赤いワンピースをさっさとレジに運ばせた。
父はワンピースの値札に付いている「0」の多さに仰天していたようだが、「や、約束だから」といって固い財布の紐をぶった切って涙目でワンピースを購入した。
「すまん、アニェーゼ。ちょっとお手洗いいってくる」
店を出て次の店行こーとか言っていた父は今居た洋服屋にトイレが無い事を知り少し離れた公衆トイレを使用することにしたようだ。
ちなみに父が『トイレ』のことを『お手洗い』と言っているのは教育のためらしい。実際意味は無いのだが。
待ってますからさっさと行ってきてください、というアニェーゼの意見に全面賛成なアニェーゼの父はダッシュで公衆トイレに駆け込んだ。
次はどこいくんだろーなーとか適当なことを考えていると、
店を出て次の店行こーとか言っていた父は今居た洋服屋にトイレが無い事を知り少し離れた公衆トイレを使用することにしたようだ。
ちなみに父が『トイレ』のことを『お手洗い』と言っているのは教育のためらしい。実際意味は無いのだが。
待ってますからさっさと行ってきてください、というアニェーゼの意見に全面賛成なアニェーゼの父はダッシュで公衆トイレに駆け込んだ。
次はどこいくんだろーなーとか適当なことを考えていると、
突如、父が入っていった公衆トイレから発砲音が聞こえた。
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