ねえ、あんたの言ってる「幸せな世界」って何よ。
自分が傷ついても、他が無事ならそれでいいの?
……ふざけないでよ。
私のキモチを踏みにじっといてそれはないでしょうがっ
私は、アンタをこんな風にしたあのピアス野郎を許さない。
自分が傷ついても、他が無事ならそれでいいの?
……ふざけないでよ。
私のキモチを踏みにじっといてそれはないでしょうがっ
私は、アンタをこんな風にしたあのピアス野郎を許さない。
私の初恋を返せ
アンタを想い続けてた、時間を返せ
上条当麻を、私に返せ
アンタを想い続けてた、時間を返せ
上条当麻を、私に返せ
少女の神に願う時、一人の高校生が現れる。
「い、いったいどうなっているんだ?」
少年の手術を担当していた冥土帰しが首を横に振る。
それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。
まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。
次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。
金髪アロハの少年はその場を立ち去り、
吸血殺しはその場に倒れこむ。
少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、
とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、
何かしらで顔を拭っていた。
そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、
動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。
(嘘よね。う、嘘なのよね?)
それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。
まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。
次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。
金髪アロハの少年はその場を立ち去り、
吸血殺しはその場に倒れこむ。
少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、
とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、
何かしらで顔を拭っていた。
そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、
動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。
(嘘よね。う、嘘なのよね?)
「お姉さま……」
状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。
まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。
次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。
吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。
そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。
その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。
(よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね)
白井黒子は考えた。
美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。
美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。
いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。
それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。
状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。
まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。
次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。
吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。
そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。
その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。
(よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね)
白井黒子は考えた。
美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。
美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。
いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。
それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。
その場に居合わせた佐天涙子は白井以上に驚愕していた。
美琴が涙を流している。
それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。
どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。
裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。
というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。
(と、当麻さん?)
佐天が驚いたのにはわけがあった。
同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。
それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。
最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。
それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。
(今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない)
佐天涙子は走りだす。
ここが病院だということも忘れて。
美琴が涙を流している。
それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。
どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。
裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。
というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。
(と、当麻さん?)
佐天が驚いたのにはわけがあった。
同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。
それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。
最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。
それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。
(今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない)
佐天涙子は走りだす。
ここが病院だということも忘れて。