とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-747

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匿名ユーザー

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ねえ、あんたの言ってる「幸せな世界」って何よ。
自分が傷ついても、他が無事ならそれでいいの?
……ふざけないでよ。
私のキモチを踏みにじっといてそれはないでしょうがっ
私は、アンタをこんな風にしたあのピアス野郎を許さない。

私の初恋を返せ
アンタを想い続けてた、時間を返せ
上条当麻を、私に返せ


少女の神に願う時、一人の高校生が現れる。

「い、いったいどうなっているんだ?」





少年の手術を担当していた冥土帰しが首を横に振る。
それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。
まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。
次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。
金髪アロハの少年はその場を立ち去り、
吸血殺しはその場に倒れこむ。
少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、
とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、
何かしらで顔を拭っていた。
そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、
動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。
(嘘よね。う、嘘なのよね?)



「お姉さま……」
状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。
まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。
次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。
吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。
そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。
その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。
(よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね)
白井黒子は考えた。
美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。
美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。
いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。
それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。



その場に居合わせた佐天涙子は白井以上に驚愕していた。
美琴が涙を流している。
それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。
どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。
裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。
というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。
(と、当麻さん?)
佐天が驚いたのにはわけがあった。
同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。
それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。
最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。
それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。
(今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない)
佐天涙子は走りだす。
ここが病院だということも忘れて。



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