「では、青髪ちゃんが犯人なんですね?」
「はい。そうなります」
親船が上条の担任である月詠小萌に告げた。
美人のエゴだろうか、彼女にはとても情報が集まっている。
「その青髪って子は学園都市を抜け出して、現在逃亡中だそうです」
親船がそういうと、小萌はさらに落ち込んでしまう。
自分の教え子が殺人を犯したのだから、当然だ。
ましてや、被害者も自分の教え子なのである。
「とりあえず、クラスのみんなにはまだ、告げないほうがいいと思います。みなさん、ショックを受けると思うので」
親船が言ったことは、最善の事だろう。
しかし、小萌は首を横に振る。
「そんなこと、できるわけないじゃないです。私、涙を抑えるのが一番苦手なのですよ。すぐにバレてしまいます」
「そういうことじゃありません」
親船はしっかりとした目つきで小萌に告げた。
「死だ人を生き返らせる能力。そんな能力だってあるんです」
「はい。そうなります」
親船が上条の担任である月詠小萌に告げた。
美人のエゴだろうか、彼女にはとても情報が集まっている。
「その青髪って子は学園都市を抜け出して、現在逃亡中だそうです」
親船がそういうと、小萌はさらに落ち込んでしまう。
自分の教え子が殺人を犯したのだから、当然だ。
ましてや、被害者も自分の教え子なのである。
「とりあえず、クラスのみんなにはまだ、告げないほうがいいと思います。みなさん、ショックを受けると思うので」
親船が言ったことは、最善の事だろう。
しかし、小萌は首を横に振る。
「そんなこと、できるわけないじゃないです。私、涙を抑えるのが一番苦手なのですよ。すぐにバレてしまいます」
「そういうことじゃありません」
親船はしっかりとした目つきで小萌に告げた。
「死だ人を生き返らせる能力。そんな能力だってあるんです」
「ふむ、興味深いねそれは」
ステイル=マグヌスはとあるビルの屋上でタバコをふかしながら座り込んでいた。
ちなみにこれは親船と小萌の会話を聞いて出た言葉だ。
(アークショップは、そのことを知っているから、言わなかったのだろう)
カエル顔の医者は、上条がまだ死んでも生き返らせる人間がいると、イギリス清教側にだけ伝えていたのだ。
(そうでなければ、インデックスはイギリスに連れていかれてただろうしね)
ステイルは上条当麻が死ぬことで、あの少女の周りの世界が失われることが、何よりも恐かった。
(あの子の悲しい顔は、もう見たくない)
ステイルは横に居る神裂、そして土御門のほうを向いた。
「……ま、まだ完全に死んでいないのですか?」
「神裂、まさかアークショップからの電報をまだ見ていないのか?」
ステイルは呆れたように自分の同僚を見た。
「だって……あの時は気が動転してて…………」
「そ、そーだぜ、ねーちん。き、気づいてなかったのかよ」
「お前もだろ、土御門」
冷静になれていたのはステイルただ一人だった。
(もう、僕は知らん)
あとは、上条当麻の生命力にかけるだけだ、と。
ステイルは十字架を握った。
ステイル=マグヌスはとあるビルの屋上でタバコをふかしながら座り込んでいた。
ちなみにこれは親船と小萌の会話を聞いて出た言葉だ。
(アークショップは、そのことを知っているから、言わなかったのだろう)
カエル顔の医者は、上条がまだ死んでも生き返らせる人間がいると、イギリス清教側にだけ伝えていたのだ。
(そうでなければ、インデックスはイギリスに連れていかれてただろうしね)
ステイルは上条当麻が死ぬことで、あの少女の周りの世界が失われることが、何よりも恐かった。
(あの子の悲しい顔は、もう見たくない)
ステイルは横に居る神裂、そして土御門のほうを向いた。
「……ま、まだ完全に死んでいないのですか?」
「神裂、まさかアークショップからの電報をまだ見ていないのか?」
ステイルは呆れたように自分の同僚を見た。
「だって……あの時は気が動転してて…………」
「そ、そーだぜ、ねーちん。き、気づいてなかったのかよ」
「お前もだろ、土御門」
冷静になれていたのはステイルただ一人だった。
(もう、僕は知らん)
あとは、上条当麻の生命力にかけるだけだ、と。
ステイルは十字架を握った。
第七学区の常盤台中学の寮の前、頭に髪飾りを付けた少女、初春飾利はある人を待っていた。
もとはと言えば、友人である佐天涙子に進められて一度、観覧したブログに何度か出入りしていた時に、そこのブログ主がコメントの返事をくれたことが始まりだった。
その相手は、文の使い方からして男だと推測した初春は、ブログ主に会いたいと思っていた。
美琴に想い人がいるのはわかってるし、(百合な黒子は除外)佐天にも恋人が出来たようで、初春は取り残された感があったのだ。
それに、遠距離恋愛になれたら素敵だな、というメルヘンチックな思考回路を持つ彼女にとって、外部の人との恋には、興味があったようだ。
そして、待ち人と同い年ぐらいの人が目の前を通り過ぎていこうとした。
その男性は、初春が知っている美琴の想い人に似ていた。
「えっと、そうだ。カミジョーさんだ。すみませーん」
初春は白井の言葉を思い出し、とっさにその言葉が出た。
しかし、その男性は、
「えっ、俺?俺は上条じゃないんだけど……」
と困惑しきった様子だった。
ちなみに初春は名前が出てきているのに、美琴や白井が風紀委員の仕事に来ないのが、まだわからない。
「あっ、人違いでした。すみません」
「いえいえ、いいですよ。ってうわあぁぁ、猫じゃねえか」
その男性は猫を見たとたんに逃げ出した。
「うーん、見たところ猫にトラウマがあるのでしょうか……」
まあいいです、と初春は正面を向く。
「あっ、初春さんですね」
やっと初春が待っていた男性が来たようだが、その男性の様子がおかしい。
「何も聞かないで。一緒に逃げてください」
「はは、はいぃぃぃぃ?」
初春は手をひかれて走り出す。
もとはと言えば、友人である佐天涙子に進められて一度、観覧したブログに何度か出入りしていた時に、そこのブログ主がコメントの返事をくれたことが始まりだった。
その相手は、文の使い方からして男だと推測した初春は、ブログ主に会いたいと思っていた。
美琴に想い人がいるのはわかってるし、(百合な黒子は除外)佐天にも恋人が出来たようで、初春は取り残された感があったのだ。
それに、遠距離恋愛になれたら素敵だな、というメルヘンチックな思考回路を持つ彼女にとって、外部の人との恋には、興味があったようだ。
そして、待ち人と同い年ぐらいの人が目の前を通り過ぎていこうとした。
その男性は、初春が知っている美琴の想い人に似ていた。
「えっと、そうだ。カミジョーさんだ。すみませーん」
初春は白井の言葉を思い出し、とっさにその言葉が出た。
しかし、その男性は、
「えっ、俺?俺は上条じゃないんだけど……」
と困惑しきった様子だった。
ちなみに初春は名前が出てきているのに、美琴や白井が風紀委員の仕事に来ないのが、まだわからない。
「あっ、人違いでした。すみません」
「いえいえ、いいですよ。ってうわあぁぁ、猫じゃねえか」
その男性は猫を見たとたんに逃げ出した。
「うーん、見たところ猫にトラウマがあるのでしょうか……」
まあいいです、と初春は正面を向く。
「あっ、初春さんですね」
やっと初春が待っていた男性が来たようだが、その男性の様子がおかしい。
「何も聞かないで。一緒に逃げてください」
「はは、はいぃぃぃぃ?」
初春は手をひかれて走り出す。
「やはりこの街に来ていたのですか。厄介なことにしてくれましたね。貴方がここに来ることで、彼女が超能力者の存在を知ってしまった場合、我々の世界にも超能力者が現れてしまうでしょう。もっとも、彼女が退屈することはないと思いますが」
一方通行、超電磁砲。二人の超能力者が戦意を失った今、ローマ正教およびロシア成教からすると、攻撃のチャンスとなる。
そしてロシア成教先鋒部隊が学園都市のすぐそこまで迫っていた。
その中の一人、サーシャ・クロイツェフは複雑な思いに心を奪われていた。
(私は、ロシア成教のエージェント)
先鋒部隊のエース。
(学園都市とイギリス清教は敵)
もう、戦争へと突入してもおかしくない状況である。
(ローマ正教が神の右席を失ったように、学園都市も幻想殺しを失った)
彼女は幻想殺しを復活させるために、学園都市内の再生能力を持つ人間を集めに集めていることを知らない。
(ロシア、ローマ側からすると。いや、ロシア側からするとこれはチャンス)
第二部隊は現在、日本では北方領土と呼ばれているあたりで待機中だ。
(しかし、問題はイギリス清教がどう動くかでしょう)
おそらく、まだ動いては来ないと思われる。
(先制攻撃でたたみかけるなら、今がチャンス)
幻想殺しの治療に最大の力を注ぐ学園都市は、警備員や風紀委員の救護係までを幻想殺しの治療へと向かわせた。
ここを逃せば、またあの鉄壁の守備で食い止められてしまう。
なのに、
(ためらってしまう、この感情は何なのでしょう)
サーシャは悩む。
まだ13歳のお年頃な女の子にとってそれは何という感情なのか。
エージェントの彼女にはわからなかった。
そしてロシア成教先鋒部隊が学園都市のすぐそこまで迫っていた。
その中の一人、サーシャ・クロイツェフは複雑な思いに心を奪われていた。
(私は、ロシア成教のエージェント)
先鋒部隊のエース。
(学園都市とイギリス清教は敵)
もう、戦争へと突入してもおかしくない状況である。
(ローマ正教が神の右席を失ったように、学園都市も幻想殺しを失った)
彼女は幻想殺しを復活させるために、学園都市内の再生能力を持つ人間を集めに集めていることを知らない。
(ロシア、ローマ側からすると。いや、ロシア側からするとこれはチャンス)
第二部隊は現在、日本では北方領土と呼ばれているあたりで待機中だ。
(しかし、問題はイギリス清教がどう動くかでしょう)
おそらく、まだ動いては来ないと思われる。
(先制攻撃でたたみかけるなら、今がチャンス)
幻想殺しの治療に最大の力を注ぐ学園都市は、警備員や風紀委員の救護係までを幻想殺しの治療へと向かわせた。
ここを逃せば、またあの鉄壁の守備で食い止められてしまう。
なのに、
(ためらってしまう、この感情は何なのでしょう)
サーシャは悩む。
まだ13歳のお年頃な女の子にとってそれは何という感情なのか。
エージェントの彼女にはわからなかった。
「あのバカ。本当に周りを考えずに動くんだから」
「で、でも熱中しすぎてた私たちにも非があると思うんですが……」
「…………私は、そうは思わない……………………」
「あーもう、行くわよ」
女性三人組。ロシア成教先鋒部隊を通り越して、学園都市へと向かう。
「で、でも熱中しすぎてた私たちにも非があると思うんですが……」
「…………私は、そうは思わない……………………」
「あーもう、行くわよ」
女性三人組。ロシア成教先鋒部隊を通り越して、学園都市へと向かう。