とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-794

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匿名ユーザー

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鼓膜を突き破る爆音と共に神裂の身体が十m後方へ吹き飛ばされる。
「上条当麻!! 『原石』を連れて早くこの場から離れてください!!」
人の気配が全く無いロンドン市外に灰煙が巻き上がった。
「おい!! まさか、こっちもばれてたってのか!?」
上条は言われた通りに黒髪蒼眼の少女と共に灰煙からできるだけ距離を取る。
黒髪蒼眼の少女、つまり綾狩 優李は状況を飲み込むことが出来ない。
「あの、今のは一体……?」
「黙って逃げるぞ! 走れ綾狩!」

上条達が走りだしたのを確認して神裂は灰煙の向うの敵を見据える。
少し経って『敵』の陰が視界に侵入した。
恐らくは若い少年。右手には杖、頭の辺りからはイヤホンのようなコードが伸びていた。
上条と綾狩はすでに建物の影に身を潜めている。あるいはそのまま遠くへ逃げている最中かもしれない。
それでも構わない。『聖人』である自分を吹き飛ばす威力の攻撃を放つ目の前の『敵』と上条当麻を
戦わせる訳にはいかない。むしろ、遠くへ逃げてしまった方が安全だろう。
神裂は目を細め、腰の刀『七天七刀』へと手を伸ばす。そして、敵の少年へ言葉を掛けた。

「さて、あなたは魔術師ですか? だったら手加減できる保障はありませんが」



(……ターゲットは連れてかれたか。つくづく面倒くせェな)

一方通行は学園都市上層部より『原石』接触、及び回収の任務を与えられていた。
超音速旅客機に乗り、ロンドンへ落下して、邪魔する雑魚を二〇人弱ぶち殺してまでして
見つけた、ターゲット及び『原石』はいきなり現れた露出狂女とその仲間によりどこかへ
連れて行かれた。露出狂女は時間稼ぎに残ったようだが、肝心の『原石』はもう一人の男(顔はよく
見えなかったが、仕草や言動などから男性と推測)によりこの場から逃げていった。

一方通行はいい加減終わらせたいと思った仕事が引き伸ばされることに不満を抱き、
とりあえず目の前の露出狂に当たる事にした。

一方通行は一回息を吐き、首筋の電極を「ON」の状態にしたまま、女へ殺意を向けた。

「俺の癪に障る度胸は認めるが、それが死亡フラグだってのは気づいてねェみたいだな」


「さて、あなたは魔術師ですか? だったら手加減できる保障はありませんが」
「俺の癪に障る度胸は認めるが、それが死亡フラグだってのは気づいてねェみたいだな」

二人の声が重なり、戦闘が始まる。

学園都市最強の能力者『一方通行(アクセラレータ)』
世界に二〇と居ない神に選ばれし者、『聖人』神裂 火織


双方が、双方の世界で最強と呼ばれる二人による、
想像を絶する闘いが始まった。



(くっそ……何がどうなってるんだ……)
上条は『原石』の少女を連れ、灰煙の中を走り抜けていた。
その少年の後ろの走る『原石』の少女は上条に手を引かれ、全速力で逃走しながら
この場で一番頼れる人物へ質問する。

「あの……さっきの衝撃は何なんですか? カンザキさんもあっちに残っちゃ
いましたし……」
「説明は後だ!! とりあえず逃げろ!!」
「はぁ……?」
『原石』の少女はこの状況に似合わない能天気顔でとりあえず納得した。

神裂は安全な仕事だと言っていた。土御門もそれに付いて肯定した。
上条はそれを聞いてインデックスを日本に置いて来てまでイギリスにやって来た訳だ。

だが、

(この状況はどう見ても安全じゃねぇだろ!!)

なんと言うか、騙された気分だ。等の土御門は今さっきどこかへ消えてしまったし、
なんかよく解らん襲撃者に出くわしたし、あの二人(神裂&土御門)は本気で訴えて
やろうと思う。

と、その時、また後ろから爆発音が聞こえてきた。恐らく神裂と襲撃者が戦闘でも
しているのだろう。

(くっそ…..何がどうなってるんだ……)
上条はもう一度繰り返した。



二つの怪物は目を合わせたまま、静止していた。

一方通行、神裂 火織。

その状態が四秒ほど続いた時、神裂の七天七刀が下段から振り上げられ戦闘が始まった。
神裂の初撃は単純。長刀で目の前の敵を切りつけ、反応を窺う。
少年は動かない。動こうともしない。ガキンッという金属音が鳴り、神裂の身体がまたも
二m程後方へ弾かれた。

(斬り付けが効かない……!? 自身の硬度を高める術式……いや、それにしては……)
違和感が有った。硬い物を斬り付けたと言うよりは、『攻撃がそのまま自分に返ってきた』
ような奇妙な違和感が。
神裂は体勢を立て直し敵を見据える。まだ少年は動こうとしない。
もう一度七天七刀を構えなおし、斬撃を繰り出そうとした所で、

「めんどくせェ……」

少年が動いた。だが、それは神裂に対してただ一方的に直進するだけの『攻撃』だった。
武器すら持たない少年に対し神裂は疑問符を思う浮かべながらも、とりあえず刀で防御体勢
に入ったが、

「単調だな、おい。油断してるとぶっ殺すぞ」

直進してきた少年に神裂の刀が触れた途端、神裂の体が右側に飛ばされた。


(……!!? なっ……!?)
十m程度飛ばされた神裂は慌てて受身を取り、着地するが、少年はすでに
次の攻撃に入っている。
少年が右足で地べたを蹴った。ただそれだけなのに、神裂の足元のレンガ道
が破裂し神裂へ襲い掛かる。凄まじい勢いの石の破片に圧され数㎝浮いたと思ったら、
目の前にはの白髪の少年が立っていて、こちらへ隠し持っていた銃を向けていた。

「おッせえな。亀が立てついてンじャねえよ」

実際には神裂の行動も速かった。だがそれを上回る速度で少年が動いていただけだ。
それも『聖人』の神裂ですら追いつけない速度で。
「くっ……」
思わず声が漏れる。自分の戦闘力に多少の自身を持っていた神裂はあまりにも圧倒的な
闘いに劣等感を憶えた。


恐らく、強弱を決めたのは決断力の差。

神裂は相手の様子を窺いながら、慎重に攻撃していった。
対して少年は、初撃で相手を封じ、一気に決めに掛かった。

安全性を考慮しストッパーの付いた練習用の射撃銃と、相手を倒すためだけに作られた
戦闘用ライフル。どちらが強いかなど火を見るより明らかだった。

(このままでは勝てない……)
神裂は七天七刀に手を伸ばし、大きく振り上げる。
(あまり、名乗りたくは無かったのですが……)

神裂の周りにはいつの間にか無数のワイヤーが張り巡らされ、彼女はその中心に立っていた。

「……salvere000(救われぬものに救いの手を)!!!!」


怪物達の戦闘は本番を迎える。


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