(反射……ですか)
神裂は眼前に居る白髪の少年のスキルを、こう分析した。
彼女の攻撃は少年に当てた瞬間に二倍の威力で返ってきた。そして、少年の身体や服まで
も傷一つ付いていない。それらから導き出せる解はこれしかない。と、神裂は判断したのだ。
(しかし、少年が私に触れた瞬間に体が真横に吹き飛ばされた、というのは、どのようなカラクリが......?)
彼女の攻撃は少年に当てた瞬間に二倍の威力で返ってきた。そして、少年の身体や服まで
も傷一つ付いていない。それらから導き出せる解はこれしかない。と、神裂は判断したのだ。
(しかし、少年が私に触れた瞬間に体が真横に吹き飛ばされた、というのは、どのようなカラクリが......?)
神裂が自身の洞察力を限界まで振り絞り考察を続ける。勝法、方法、検討、イメージ、実行準備......
神裂はこれらを約一秒で終え、七天七刀に手を伸ばす。
神裂はこれらを約一秒で終え、七天七刀に手を伸ばす。
「……唯閃」
キィィィンという金属音のような騒音が鳴り響き、無数のワイヤーと共に必殺の斬撃が繰り出せれた。
だが、『聖人』神裂 火織の奥義は少年に触れた瞬間に奇妙な音と共に弾き返され、神裂の体勢が大幅に崩れる。
だが、『聖人』神裂 火織の奥義は少年に触れた瞬間に奇妙な音と共に弾き返され、神裂の体勢が大幅に崩れる。
(……ここまでは大方予想通り)
二回、三回と安定したバウンドを繰り返し、目を細めながら再び刀へと触れる。もう一度だけ斬撃を繰り出して
様子を見てみるかと懸念した所で、
二回、三回と安定したバウンドを繰り返し、目を細めながら再び刀へと触れる。もう一度だけ斬撃を繰り出して
様子を見てみるかと懸念した所で、
少年の足元から音速を超えた無数の瓦礫が神裂へ襲い掛かった。
(…….っ!!!?)
とっさの防衛本能で急所は避けたももの、左手足に瓦礫の破片が肉を抉るようにめり込んできた。いくら
『聖人』とは言え、人肉を契り落す勢いの物体をまともに受ければ、ただの傷では済まされない。
とっさの防衛本能で急所は避けたももの、左手足に瓦礫の破片が肉を抉るようにめり込んできた。いくら
『聖人』とは言え、人肉を契り落す勢いの物体をまともに受ければ、ただの傷では済まされない。
(こんな、不規則な魔術は見たことが無い......しかし、この動きはどこかで聞いたことが......まさか!?)
神裂は疑問を払拭するために、立ちあがり、口を開いた。
神裂は使い物にならなくなった左手足を引きずりながら、少年と真っ直ぐ目を合わせ、ただ見据えて、こう言った。
「ベクトル変換の能力者『一方通行』…。学園都市ですか」
「だから、なンだッてンだ。俺はさッき連れてかれた女に用があンだよ。雑魚はすッこンでてくれねェか?」
「……学園都市とは共同任務と聞いていたのですが」
「だから、なンだッてンだ。俺はさッき連れてかれた女に用があンだよ。雑魚はすッこンでてくれねェか?」
「……学園都市とは共同任務と聞いていたのですが」
一方通行は下らなさそうに口を質問に答えた。その顔には疲れは無く、むしろ余裕の雰囲気が窺える。
「……あァ、ッてことは、お前が『外部の協力者』か。海原の野郎も嘘だけは吐かねェな」
「と、いう事は、私は貴方を『味方』として見ても良いと言うことですか?」
「勝手にしろ。俺は女を追う」
「追うも何も、彼女を連れて行ったのは私の仲間です。貴方とも一戦交えたと聞いていますが」
「あァ? 俺と?」
「ええ、無能力者ながら貴方に勝利したという話です」
「……あァ、ッてことは、お前が『外部の協力者』か。海原の野郎も嘘だけは吐かねェな」
「と、いう事は、私は貴方を『味方』として見ても良いと言うことですか?」
「勝手にしろ。俺は女を追う」
「追うも何も、彼女を連れて行ったのは私の仲間です。貴方とも一戦交えたと聞いていますが」
「あァ? 俺と?」
「ええ、無能力者ながら貴方に勝利したという話です」
一方通行は、ばつの悪そうな顔をして目を逸らしたのち、忌々しそうな声で愚痴を吐いた。
「上条か……」
「はい。とにかく『原石』の少女は我々が保護しました。目的は達成できたと思うので、貴方はもう日本に
帰ってもよろしいかと」
「……なるほどな。俺がわざわざイギリスは来たのは丸ッきり無駄骨だッたて訳か」
「はい。とにかく『原石』の少女は我々が保護しました。目的は達成できたと思うので、貴方はもう日本に
帰ってもよろしいかと」
「……なるほどな。俺がわざわざイギリスは来たのは丸ッきり無駄骨だッたて訳か」
「残念ですが、そうなりますね」
一方通行は、一回だけ息を吐いて、頭を掻いて、神裂を睨みつけた。
「だれがそンな胡散臭い『協力者』なンぞ信じるか。別にお前が俺を味方だと思うなら好きにすりャ良いが、
生憎、俺はそう簡単に人を信じられるほどお人好しでも無ェンだよ」
生憎、俺はそう簡単に人を信じられるほどお人好しでも無ェンだよ」
そうですか、と神裂は穏やかな顔で返したが、
「…では、ここを通す訳にはいきません」
その目は穏やかでは無かった。神裂も目の前の少年には不信感を抱いており、自分に協力する気が無いと言う
なら、道を空ける訳にはいかないのだ。
「…では、ここを通す訳にはいきません」
その目は穏やかでは無かった。神裂も目の前の少年には不信感を抱いており、自分に協力する気が無いと言う
なら、道を空ける訳にはいかないのだ。
「その体で何が出来るッてンだ?」
「安心してください。殺す気はありませんから。」
「安心してください。殺す気はありませんから。」
その言葉を聞いた一方通行の顔がさらに凶悪に歪み、
「お前はつくづく癪に障るクソ野郎だな」
そして再び、戦闘が始まった。