(・・・案外簡単だったにゃー)
帰り道。土御門元春は若干ニヤつきながら歩いていた。
魔術師うんぬんは本当だが、上条に語って聞かせたほど、
深刻な話ではなかった。
むしろ、放っておいても問題ないレベルであった。
なのに、彼が幻想殺しの少年を、
サッカーに誘った理由とは。
(カミやんにも、たまには息抜きが必要ぜよ。
たまには何か、熱中できるものがあっても、罰はあたんないとおもうにゃー)
帰り道。土御門元春は若干ニヤつきながら歩いていた。
魔術師うんぬんは本当だが、上条に語って聞かせたほど、
深刻な話ではなかった。
むしろ、放っておいても問題ないレベルであった。
なのに、彼が幻想殺しの少年を、
サッカーに誘った理由とは。
(カミやんにも、たまには息抜きが必要ぜよ。
たまには何か、熱中できるものがあっても、罰はあたんないとおもうにゃー)
翌日、放課後。
上条は土御門に連れられて、サッカー部の部室へと向かっていた・・のだが。
「おい土御門。なんでこいつもつれてきたんだ?」
隣には、「どんなカワイイマネージャーさんがおるんかなー?」
と期待に胸を膨らませている青髪ピアスが。
「いやー。サッカー部って今部員が八人しかいないらしくてにゃー。
もう一人連れてかないと試合に出れないらしいから」
と土御門。
マネージャーの人ごめんなさい、と上条が思ったところで、
(・・マネージャーは厳しい子がたった一人らしいぜい♪)
と、土御門が青髪ピアスには聞こえないように、
上条には聞こえるようにつぶやいた。
上条は土御門に連れられて、サッカー部の部室へと向かっていた・・のだが。
「おい土御門。なんでこいつもつれてきたんだ?」
隣には、「どんなカワイイマネージャーさんがおるんかなー?」
と期待に胸を膨らませている青髪ピアスが。
「いやー。サッカー部って今部員が八人しかいないらしくてにゃー。
もう一人連れてかないと試合に出れないらしいから」
と土御門。
マネージャーの人ごめんなさい、と上条が思ったところで、
(・・マネージャーは厳しい子がたった一人らしいぜい♪)
と、土御門が青髪ピアスには聞こえないように、
上条には聞こえるようにつぶやいた。
とりあえず、自己紹介をした上条達は、
副キャプテンだと言う不良っぽい先輩、
飛鷹征矢(とびたかせいや)と練習風景を眺めていた。
「っつーか、もうすぐ大会だってのに、
俺達みたいな初心者がいて大丈夫ですかね?」
「・・・最初から出られないよりずっとマシだ」
なんというか、そこらで女性をナンパしてるやつらと違い、
この飛鷹という先輩は、いたってクールだった。
「ポクにいわせれば、カミやんは実力よりその不幸体質の方が心配やけどね」 なぁっ!と上条が文句の一つでも言おうとしたところで、
「あぶなーい!」と言う声。
そちらを振り返ると、蹴り損ねた(ただし威力はありそうな)
サッカーボールが向かって来ていた。
ふこーだー!と叫ぼうとしたその時ーー
飛鷹の蹴りが空を裂いた。
副キャプテンだと言う不良っぽい先輩、
飛鷹征矢(とびたかせいや)と練習風景を眺めていた。
「っつーか、もうすぐ大会だってのに、
俺達みたいな初心者がいて大丈夫ですかね?」
「・・・最初から出られないよりずっとマシだ」
なんというか、そこらで女性をナンパしてるやつらと違い、
この飛鷹という先輩は、いたってクールだった。
「ポクにいわせれば、カミやんは実力よりその不幸体質の方が心配やけどね」 なぁっ!と上条が文句の一つでも言おうとしたところで、
「あぶなーい!」と言う声。
そちらを振り返ると、蹴り損ねた(ただし威力はありそうな)
サッカーボールが向かって来ていた。
ふこーだー!と叫ぼうとしたその時ーー
飛鷹の蹴りが空を裂いた。
「なんだ・・今の?」
飛鷹は空を薙払うように蹴りをはなった。
足はボールに当たってはいなかった。なのに、
ボールの勢いが、威力が、「死んだ」。
「まるでーー」上条は自分の右手に目を向ける。
その視線に気づいたのか、
「ちがうちがう。カミやんの幻想殺しほど、たいしたもんじゃないぜい。
あれは蹴りの威力で真空に似た状態をつくって、
球の威力を殺してるらしいにゃー」
と、土御門が気楽に解説してくる。
「蹴りの威力で真空って、あの人最強のストライカーじゃねぇか!」
上条が呟くと、飛鷹にはどうやら聞こえたらしく
「・・俺のポジションはDFだ。」
と教えてくれた。
「マジっすか?おい青髪、このサッカー部結構レベル高いぞついてーーー」
いけんのか、と言おうとして、
スポーツドリンクとタオルの入ったカゴを持った
女の子に話しかけている青髪ピアスが目に入った。
飛鷹は空を薙払うように蹴りをはなった。
足はボールに当たってはいなかった。なのに、
ボールの勢いが、威力が、「死んだ」。
「まるでーー」上条は自分の右手に目を向ける。
その視線に気づいたのか、
「ちがうちがう。カミやんの幻想殺しほど、たいしたもんじゃないぜい。
あれは蹴りの威力で真空に似た状態をつくって、
球の威力を殺してるらしいにゃー」
と、土御門が気楽に解説してくる。
「蹴りの威力で真空って、あの人最強のストライカーじゃねぇか!」
上条が呟くと、飛鷹にはどうやら聞こえたらしく
「・・俺のポジションはDFだ。」
と教えてくれた。
「マジっすか?おい青髪、このサッカー部結構レベル高いぞついてーーー」
いけんのか、と言おうとして、
スポーツドリンクとタオルの入ったカゴを持った
女の子に話しかけている青髪ピアスが目に入った。
「・・・何してんだアイツ」
あれはおそらくどこかのクラブのマネージャーだ。
さっさと解放してやってクラブの人達のところへ
行かせてやれ、と思っていると、
マネージャー風女の子の目元がピクピクと動いている。
あ、イラついてる、と思ったところで、彼女の雰囲気
が誰かに似ていることに気づいた。
(あー。吹寄みたいな感じなのかな?)
吹寄制理。
実質クラスを引っ張っている、健康系通販グッズ好き巨乳少女である。
(ん?)
上条の脳裏に、さっきの土御門の言葉がよぎる。
(マネージャーは厳しい子一人らしいぜい)
まさか、と思った瞬間、
転がっていたサッカーボールを女の子が蹴り上げ、青髪ピアスの体が宙を舞った。
あれはおそらくどこかのクラブのマネージャーだ。
さっさと解放してやってクラブの人達のところへ
行かせてやれ、と思っていると、
マネージャー風女の子の目元がピクピクと動いている。
あ、イラついてる、と思ったところで、彼女の雰囲気
が誰かに似ていることに気づいた。
(あー。吹寄みたいな感じなのかな?)
吹寄制理。
実質クラスを引っ張っている、健康系通販グッズ好き巨乳少女である。
(ん?)
上条の脳裏に、さっきの土御門の言葉がよぎる。
(マネージャーは厳しい子一人らしいぜい)
まさか、と思った瞬間、
転がっていたサッカーボールを女の子が蹴り上げ、青髪ピアスの体が宙を舞った。
彼女の名前は八神玲奈と言うらしい。やはりサッカー部のマネージャーだった。
「ふうん。新入部員がくるってのは本当だったのか。
まぁ、こっちとしては助かるが。部員の名前は覚えた?」
「いや・・それがにゃー・・」
土御門が答えようとして言葉に詰まる。
上条達は自己紹介したものの、部員の皆さんは
ろくに会話もせずに、飛鷹に三人をまかせて練習に戻ってしまったのだ。
そのことを伝えると、彼女ははぁ、とため息をつき、
息を大きく吸い、
「このサッカー馬鹿ども!
新人の世話ぐらいちゃんとやれー!!」
と、クールな飛鷹がギョッとするくらいの大音量で叫んだ。
「ふうん。新入部員がくるってのは本当だったのか。
まぁ、こっちとしては助かるが。部員の名前は覚えた?」
「いや・・それがにゃー・・」
土御門が答えようとして言葉に詰まる。
上条達は自己紹介したものの、部員の皆さんは
ろくに会話もせずに、飛鷹に三人をまかせて練習に戻ってしまったのだ。
そのことを伝えると、彼女ははぁ、とため息をつき、
息を大きく吸い、
「このサッカー馬鹿ども!
新人の世話ぐらいちゃんとやれー!!」
と、クールな飛鷹がギョッとするくらいの大音量で叫んだ。
かくして、上条達三人はチームのキャプテンと基礎練習をすることとなった。
「ごめんね。
別にほったらかしにするつもりは無かったんだけど・・・」
自身を「基山 ヒロト」と名乗ったキャプテンは、申し訳なさそうに言った。
ちなみにこの人がエースストライカーらしい。
「本当は僕らの練習を見てもらって、
気に入ったら入ってもらおうとおもってたんだけど・・・。」
気に入ったらも何も、魔術師の野望を止めるために
ここに来た上条としては、断る理由がない。
もちろん入部します、と言いかけたところで
「あんな美人マネージャーさんがおるのに断る
理由なんてあらへん!」
となんか無駄な決意をした青髪ピアスが
無駄にデカイ声で宣言した。
「・・・動機はアレだけど、入ってくれるならこちらとしてもうれしいよ。」
キャプテンは苦笑いしながら歓迎する。と、
「あれ?でも子萌先生はどーすんだにゃー?」
と、土御門がこれまた無駄な話をふる。
「せやから、あの子は・・・
鑑賞用にでも・・・」
このあと、青髪は二度目の空中落下を体験することとなる。
「ごめんね。
別にほったらかしにするつもりは無かったんだけど・・・」
自身を「基山 ヒロト」と名乗ったキャプテンは、申し訳なさそうに言った。
ちなみにこの人がエースストライカーらしい。
「本当は僕らの練習を見てもらって、
気に入ったら入ってもらおうとおもってたんだけど・・・。」
気に入ったらも何も、魔術師の野望を止めるために
ここに来た上条としては、断る理由がない。
もちろん入部します、と言いかけたところで
「あんな美人マネージャーさんがおるのに断る
理由なんてあらへん!」
となんか無駄な決意をした青髪ピアスが
無駄にデカイ声で宣言した。
「・・・動機はアレだけど、入ってくれるならこちらとしてもうれしいよ。」
キャプテンは苦笑いしながら歓迎する。と、
「あれ?でも子萌先生はどーすんだにゃー?」
と、土御門がこれまた無駄な話をふる。
「せやから、あの子は・・・
鑑賞用にでも・・・」
このあと、青髪は二度目の空中落下を体験することとなる。
ごめん長くて省略されまくってる
「・・・よし。部員の名前は全員覚えた。」
今は練習の間の休憩時間である。
キャプテン、土御門、青髪との基礎練習を終えた上条は、
他の部員の名前と姿、ポジションが一致するよう、何度も確認を続けていた。
(あのポニーテールの人がMFの緑川リュウジ、
なんか暗いひとはFWの闇野カゲト、
あのゴツいマスクの人はDFの石平半蔵、
細身で背の高い、同じくDFの土門飛鳥、
あのちょっとかっこよさげなのがMFの一ノ瀬一哉、
あのメガネかけてんのが目金一斗、DF
今は練習の間の休憩時間である。
キャプテン、土御門、青髪との基礎練習を終えた上条は、
他の部員の名前と姿、ポジションが一致するよう、何度も確認を続けていた。
(あのポニーテールの人がMFの緑川リュウジ、
なんか暗いひとはFWの闇野カゲト、
あのゴツいマスクの人はDFの石平半蔵、
細身で背の高い、同じくDFの土門飛鳥、
あのちょっとかっこよさげなのがMFの一ノ瀬一哉、
あのメガネかけてんのが目金一斗、DF
- っと)
(よし。先輩ばかりだけど、なんとかやっていけそうだ。)
少し安心した上条だったが、
(・・・なんか忘れてるような?)
そう、何か。部活以外のことで、魔術師以外のことで・・
「・・魔術師?」
「にゃー。ところでカミやーん。
部活で帰りいつもより遅くなるけど、
禁書目録には言ってあるのかにゃー?」
「ぬわーっ!やべぇ!絶対帰ったらカミクダカレルー!」
少し安心した上条だったが、
(・・・なんか忘れてるような?)
そう、何か。部活以外のことで、魔術師以外のことで・・
「・・魔術師?」
「にゃー。ところでカミやーん。
部活で帰りいつもより遅くなるけど、
禁書目録には言ってあるのかにゃー?」
「ぬわーっ!やべぇ!絶対帰ったらカミクダカレルー!」
とある少年が、食いしん坊師スターに
おびえているころ。
ーー学園都市某所。
一方通行は、電話の主ーー
上からの言葉に苛立っていた。
「なンでオレが球蹴りなンざしなきゃなンねェンだよ。」
「だから言ったでしょう。
このサッカー大会に乗じて混乱を
起こそうとする輩を潰すためだと」
「だからなンでオレがイチイチ行かなきゃなンねェのかッて聞いてンだよ。
そンなもン他のヤツ等に行かしゃいだろ」
おびえているころ。
ーー学園都市某所。
一方通行は、電話の主ーー
上からの言葉に苛立っていた。
「なンでオレが球蹴りなンざしなきゃなンねェンだよ。」
「だから言ったでしょう。
このサッカー大会に乗じて混乱を
起こそうとする輩を潰すためだと」
「だからなンでオレがイチイチ行かなきゃなンねェのかッて聞いてンだよ。
そンなもン他のヤツ等に行かしゃいだろ」
「土御門元春は別のルートで情報を見つけたため単独行動、
海原光貴は顔の事があるため出場不可、
結標淡希はそもそも女性のため出場不可。
動けるのはあなただけ、というわけです」
「・・・チッ」
「まぁ汚れじゃない仕事だと思って気楽にやってください」
そう言い残して電話は切れた。
海原光貴は顔の事があるため出場不可、
結標淡希はそもそも女性のため出場不可。
動けるのはあなただけ、というわけです」
「・・・チッ」
「まぁ汚れじゃない仕事だと思って気楽にやってください」
そう言い残して電話は切れた。
ーーまた、一方通行とは別の場所。
「ーーフン。上からの命令とは言え、あんなくだらねぇ事しなきゃならねぇのか・・・」
不満を漏らしたのは、学園都市に七人しかいないレベル5ーーー
未元物質・垣根帝督は
「<サッカー>、か」
とだけ呟いた。
「ーーフン。上からの命令とは言え、あんなくだらねぇ事しなきゃならねぇのか・・・」
不満を漏らしたのは、学園都市に七人しかいないレベル5ーーー
未元物質・垣根帝督は
「<サッカー>、か」
とだけ呟いた。