とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 8-920

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匿名ユーザー

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午後七時。
帰宅した上条は、案の定お腹を空かせたインデックスに
頭を噛まれることとなった。
ご飯を今すぐ作ると言うと、
「そんなに待てないんだよ!」
とまた噛みついてきそうな顔で睨まれたので、
今二人は近所のファミレスで注文の品を待っている。
「でも、どうしてとうまは急に帰りが遅くなるまでサッカーしよう、なんておもったの?」
うっ、と上条は少し戸惑った。
帰りが遅くなった事についてはそこまで考えが至らなかったからなのだが、
何故サッカーをしようとおもったか、について正直に言うわけにはいかない。
「魔術師を倒すためだ」
なんて言ったら、自分も戦う、なんて言い出しかねない。
なので、
「あー、それはな、まあ少しぐらい青春してみたいなーと、ふと思ったわけで。
なんか俺って、学校生活の楽しみってやつを味わってない気がしてさ」
とそれっぽい嘘でごまかした。すると
「あんだけいろんな人にちょっかい出して、せいしゅんしてないなんて贅沢すぎかも。」
インデックスの睨みがキツくなると同時にボソボソとした声が聞こえた。


「ん?なんか言ったか?」
インデックスの噛みつきと言う名の不幸が上条に襲いかかるーー寸前、
熱々のパスタと言う名の別の不幸が上条の頭に降り懸かった。


「・・・なんだって?」
携帯電話を手に驚いた声を出しているのは、土御門元春。
一応ここでは、「必要悪の教会の魔術師」としておく。
「だから、あまりモタモタしてられなくなった、といってるんだ」




電話の相手は、ステイル=マグヌス。
こちらも必要悪の教会の魔術師だ。
「やつらの計画は学園都市でのサッカー大会決勝戦の日に実行されるらしい。
どんなものかは不明だけどね。」
「違う、そっちじゃなくて」
土御門は、計画についてではなく、
「首謀者が学園都市の人間ってのは本当なのか!?」
犯人の素性に驚いていた。
「何度も言わせないでくれ。学園都市の人間なのは確かだ・・・
科学の最先端である場所の、刑務所を脱獄したというのもね」
ありえない。
学園都市の科学技術は半端ではない。
ましてや犯罪者を管理する刑務所となれば、一流のセキュリティを
何重にも仕掛けているはずだ。それが破られたとなると、
「協力者がいるな。それもとびきり腕のいい技術者が」
「そうかもね。しかし土御門、どうして自分で調べない?こういうのは君のーー」
土御門は無視して電話を切った。仕事の愚痴ならいつでも聞ける。
(ーー科学者が魔術を利用して何をするつもりだ?
      • 最悪、「グループ」が出てくる事態になりかねないな)
土御門の懸案事項が一つ増える。
それがすでに最悪の形で実行されている事を、彼は知らない。


上条当麻は困っていた。
今日も帰りが遅くなると伝えて寮をでた上条だったが、
本格的に晩ご飯の心配をしたインデックスが昼休みに学校まできてしまったのだ。
そんなこんなで、今上条は職員室で小萌先生に説教をくらっている。ちなみにインデックスは小萌先生にお金をもらって学食を食べに行っている。
「まったく上条ちゃんは!シスターちゃんが学校に来ちゃったのはこれで二回目なのですよ!
ちょっとは反省するのですー!」
「いやアイツが来ちまったのはアイツの責任であって俺のせいじょないと思うのですがー!」
「あの子の責任は保護者である上条ちゃんの責任なのです!
そこんとこちゃんと自覚を持ってください!」
と、上条が若干ピンチになったところで、
「小萌せんせー。サッカー部の監督みつかりましたー?」
と、サッカー部の緑川リュウジが職員室に入ってきた。




「緑川さん!」
「あ、上条。どしたのこんなとこで・・と、それは後にしよう。小萌先生」
すると小萌先生は何の話か理解したようで、
「あー。監督の件ですねー。先生はそっちのコネは皆無なので、
体育の黄泉川先生くらいしか引き受けてくれる人がいなかったのですよー。
とりあえずあと一回勝てば本戦なので、それまでにはいい人を・・」
「いやいや!無理して探してもらわなくても大丈夫ですよ!
黄泉川先生なら、ちゃんと指導してくれそうだし」
どうやら、監督をしてくれる人を探していたらしい。上条はとりあえず会話に入ることにした。
「あと一回勝てばって、部員八人でトーナメントかちあがってるんですか?」
「一応他の部の人に助っ人に入ってもらってたけどね。
それに、トーナメントじゃなくて総当たりだよ」
「総当たり?」
「そう。全学区からランダムに五チームずつグループわけされて、
そのグループの上位二チームが本戦のトーナメントに出場できる」


と言っても、学園都市にはたくさん学校があるので、本戦に出る学校も結構多いんですよー、
と小萌先生が付け加える。
「この総当たり戦は基本的に三回勝てば本戦だから、残り二戦中一回でも勝てばいいってワケ」
ふぅん、と納得する上条。案外自分の学校の事も知らないもんだ、と思っていた
ところで、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。


今日の練習はハードにする。放課後、キャプテンのヒロトはそう告げた。
だが、
「・・・なんでこうなってんだ・・」
上条は何十発ものシュートを受けてヘロヘロになっていた。

きっかけは、キャプテンのこの一言だった。
「明日の試合に向けて今日の練習はハードにする・・・
んだけど、君たち三人はどこのポジションにつきたい?」
「ボクはどこでもかまへんよ。」
「俺もどこでも結構だにゃー。運動には自信あるし。ただ・・・」
土御門は上条の方を見て、
「カミやんはGKできまりだにゃー。」


「なんで?」
俺がGKやっても失点しまくりだぞ、と告げると
土御門は上条にだけ聞こえないよう、部員達に向かって何かを呟いた。
すると、「マジで!?」「ヒュー、そりゃすげぇ」「ズズズッ・・」という
声が聞こえてきた。いったいなんだろう、と上条が疑問に思っていると、
「ヒロト!闇野!」と、マネージャーの八神が部員二人を呼び寄せ、上条から距離をあける。
「・・・試してみよう」
という台詞とともに、不気味な笑顔で。
「いくぞ上条!!」
いきなり攻撃宣言を受けた上条は、八神のほうへ向き直る。
両者(と言っても向こうは三人だが)の距離は20メートルほど。


と、八神が地面を思い切りダン!と踏みつけた。
それを合図に、ヒロトと闇野が上条に向かって駆け出しーー
ー八神の周りに、五匹ほどの宇宙服を着たペンギンが出現した。
「食らえ!」 八神は叫ぶと同時、ボールを上条へ向けて、いや、
正確には上条の方へ走っていた二人の間へ放った。宇宙服を着たペンギンも、
ロケットのように飛んできている。
そしてーー八神が蹴ったボールをヒロトと闇野が同時に蹴り、さらに加速させた。
「「「スペースペンギン!!」」」
飛鷹に助けてもらったときより、はるかに威力の高いシュートが上条にせまる。
「っ!?やばい・・・!!」
上条はとっさに右手を前に突き出しーーー
ぽす、と。上条の手に当たったボールは、力なく足元へ落ちた。
幻想殺し。上条当麻の右手に宿る、神様の奇跡ですら打ち消す力。
それは、超次元サッカーの必殺技でも、例外ではなかった。
「どうやらホントらしいね、土御門くんの言っていることは・・・
うちのチームのキーパーは、決まりだ。」


こうして、上条は正式にGKとなって・・・ひたすら必殺シュートを受ける羽目になった。
「もう一本行くぞ!」
「もう勘弁してください!!」










試合当日。
上条はインデックスを小萌先生に預け、試合会場に来ていた。
本当に俺みたいな初心者がいて大丈夫だろうか、という心配はあったが・・・
(いや。ここまできたらできることをやるだけだ。
魔術師を止めるためには、勝ち進むしかないんだから。)

土御門元春も、同じく決意を固めていた。
(・・ほんの遊びのつもりだったが、少しでも今は情報が欲しい。
誰が何をしようとしているのか、それを突き止めるための、な)


選手控え室。
上条達は、八神から相手チームについての話を聞いていた。
「やつらのフォーメーションは3トップの攻撃型だ。
FWは武方三兄弟。なかなかてごわいぞ。・・・それと、
DFの西垣にも気をつけろ」
「その西垣ってやつ、有名なのか?」
サッカーについてはルールぐらいしか知らない上条の疑問に、
「俺と一ノ瀬の幼なじみだよ」
と、(自称)ファンタジスタ、土門飛鳥が答えた。
「・・・そろそろ時間だ。グラウンドに移動しよう」
キャプテンの言葉で、全員が移動する。
いよいよ、試合が始まる。

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