とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

2-04

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だれでも歓迎! 編集
(19)

上条達は13学区とある小学校の近くにある公園の芝生に座っていた。
ヒヨコに嫌われ落ち込む御坂美琴と御坂妹をようやくここまで連れてきたのだ。
4人のスーツは既にノーマルモードであり他人が見ても不審がられることはない。

これからどうしたものかと上条が思案していると御坂美琴が不意に立ち上がった。
そして公園の通路に設置されているジュースの自動販売機へと歩いていく。
自販機の前に立った御坂美琴はいきなり雄叫びをあげた。

「常盤台中学内伝!おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法!!」

そして「ちぇいさーっ」という掛け声と共に御坂美琴の回し蹴りが自販機に炸裂した。

「こら!御坂、自販機に八つ当たりするんじゃない!」

回し蹴りを喰らった自販機からはガコンッ!と何かが落ちる音がした。
出てきたものをマジマジと眺めた御坂美琴は「アンタにあげるわ」と言って
『黒豆サイダー』と書かれた缶ジュースを上条に放り投げてきた。

「なんだよ、これは?」

上条を無視して御坂美琴は「やっぱりこの方が良いかな?」などと言って今度は掌を自販
機に押し当てた。
そして掌から火花を散らせると自販機がガコン、ガコン、ガコンッと3度悲鳴を上げた。
御坂美琴は自販機が吐き出した同じデザインの缶ジュースの1本を手に取った。

「『スクリュードライバーショット』ねえ。初めてだけど炭酸系かな?まっ、いっか!」

御坂美琴はそう言って一口飲んでみた。

「あ!美味しいわ。これ。なんか梅酒のソーダ割りみたい」
「子供がアルコールなんか飲んじゃいけません!」
「大丈夫よ。ホラ!缶にもちゃんとノンアルコールって書いてあるんだから」
「なら良いけど」
「じゃあ、あなた達もこれで良いでしょ?」

投げられた缶ジュースを反射的に受け取った御坂妹と姫神秋沙も言われるままそれを一口
飲んでみた。

「ほんと。美味しい。このジュース」
「確かにこれはクセになりそうです、とミサカもお姉様に完全同意します」
「任務も意外とあっさり終わったし、良い天気だし、出てきたジュースは大当たりだし
 なんだか気分良いわーっ!」
「ヒヨコには嫌われたけどな……」
「人がせっかくそのことを忘れようとしてんのになんてこと言うのよ!」
「だからって俺一人『黒豆サイダー』かよ」

上条のぼやきに御坂美琴は残りのジュースを一気に飲み干すと上条を睨み付けた。

「ぬぁによ~っ!この美琴っさんのプレゼントに文句があんの!?
 アンタは『ガラナ青汁』とか『イチゴおでん』の方が良かった訳?」
「おまえは酔っぱらい親父か?まったく。はいはい。文句はございませんよ」
「だったらその投げやりな返事は何なぬぉよぉっ!」

御坂美琴が怒ったように顔を赤くして上条の元へ歩いてくる。
ところが上条の1m手前で何故か足がもつれてしまった。
御坂美琴は両手を回してバランスを取ろうとしたが堪えきれずそのまま上条の方に倒れていく。
上条は御坂美琴の両肩をとっさに両手で支えたものの御坂美琴の勢いに負けて一緒に後ろ
に倒れてしまう。
それでも両腕と腹筋を使って御坂美琴が顔面から地面に激突するのを防ぐことはできた。

しかしその結果不幸(?)な出来事が二人を襲った。
上条は御坂美琴の両肩を支える両腕を曲げることで衝撃を吸収しようとした。
となれば御坂美琴の顔が上条の顔の真上に落ちてくるのは必然である。

その時、御坂美琴は倒れながらも何故か目を閉じなかった。
あと50cm。(え、えっ!?)
あと30cm。(顔が近づいて……)
あと10cm。(あ────)
あと1cm。(──って、あれっ?止まっちゃった)

超至近距離で上条と見つめ合う御坂美琴は倒れかけた時から瞬きをしていない。
瞬きをした瞬間にこの状況が夢のように消え去りそうな気がしたからなのだが
当の本人は自分が瞬きしていないことにも気付いていない。

(間近で見るとコイツのマツゲって意外と長いんだ。
 あと1cm落ちてたらコイツとキッ……キスしちゃってたわね。きっと
 ……たった1cmなのに……ってなに残念がってんのよ。私は!
 私のファーストキスはそんなに安くないのよ。
 だから私はホッとしてるだけなの!
 …………でもなんでコイツまでホッとした顔してるわけ?
 私とキスするのがそんなに嫌だったの?……なんか……むかつくわね。
 アンタが嫌でもね。私がちょっと首の力を緩めたらキスしちゃうのよ。私達。
 そのことに気付いてる?ふふっ。
 …………って馬鹿みたい!私とコイツにそんなことある訳無いのに……)


(20)

事実、激突直前で御坂美琴を止めることができた上条はホッと一安心していた。
そのせいで御坂美琴の耳にかかっていた髪がファサッと落ちて頬をくすぐった時おもわず
御坂美琴を支える両腕の力が抜けてしまった。
その結果御坂美琴の唇は上条の唇の上に落下してしまったのだ。

( (えっ、えっ、え──────────っ!))

御坂美琴の柔らかい唇の感触に目を丸くする上条の目の前で、御坂美琴のビックリした顔
が一気に赤くなった。
衝撃的な出来事の発生にパニくった二人は身動き一つできない。
しかし上条の吐息が御坂美琴の唇をくすぐると御坂美琴は身体をビクンとさせて上条の
上から飛び退いた。
御坂美琴は芝生の上にペタリと座り込むと唇に手を当てたまま固まってしまった。

(アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
 アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
 以下20回繰り返し)

御坂美琴の唇の感触に放心していた上条が我に返っても御坂美琴は固まったままだった。
上条は恐る恐る御坂美琴に声をかけた。

「あのーっ、御坂さん。先ほどはなんといいましょうか……
 上条さんはあなた様をお助けようと精一杯頑張ったのであります。
 お怒りはごもっともですがそこの所を考慮して頂けませんでしょうか?
 あれはただただ不幸な偶然が重なったせいでありまして…………
 あのーっ、御坂さん。もしもーし!」

上条の呼びかけにまだ放心中の御坂美琴が消え入りそうな声でポツリっと呟いた。

「……ファーストキス……」
「えっ、いま何と?」
「私のファーストキスだった……」

御坂美琴の告白に上条は一瞬で土下座体勢に移った。

「スマン。御坂」
「……………………」
「悪かった。この通り。でも俺だって初めてだったんだぞ」
「えっ?そうにゃの?」
「でもそんなのは慰めにもならないな。俺が悪かった。本当に済まない」
「そうじゃないの。そうじゃなくて、なんて言うか、ちゃんとした雰囲気で……えーっと」

美麻美琴がモジモジながら小声でゴニョゴニョ言っているが土下座中の上条には聞こえていない。
そうしている間に御坂妹が上条へ近寄ってきた。

「当麻さん、当麻さん、とミサカは当麻さんの肩をツンツンと指でつついたりしてーっ」

肩をつつかれた上条が土下座体勢のまま横を向くと目の前に御坂妹のローファーがあった。
「どうした?御坂妹」と視線を上げかけた上条は途中で言葉を詰まらせた。
超ローアングルから御坂妹を見上げる上条からはストライプ模様のパンツが丸見えだった。
正確にはパンツの模様をしたスーツの一部なのだが純情少年上条当麻には同じだった。
赤らめた顔をぶるんぶるんと振ると上条は急いで立ちあがった。

「発汗量と心拍数ならびに体表面温度の上昇が確認されますがどうかなされましたか?
 とミサカは疑問を投げかけます。…………?どうして目を逸らすのですか?
 とミサカは視線の先に回り込みあなたの顔を真っ直ぐ見つめながら問いかけます」
「なんでもない。なんでもない。それよりお前こそ顔が赤いぞ。どうした御坂妹?」
「それはこういう事です、とミサカはストレートに態度で示します」

御坂妹は上条の両肩に手を乗せて背伸びするとその唇を上条当麻の唇に「チュッ」と押し
当てた。

上条の唇に重なる御坂妹の唇はとても柔らかくそして滑らかだった。
しかも御坂妹の吐息が漏れるとリップの柑橘系の香りが上条当麻の鼻腔をくすぐる。
先ほどの御坂美琴とのキスも衝撃的だったが不幸な(?)偶然が重なった事故と割り切れた。
しかし今回のキスは明らかに御坂妹がしてきたのだ。
上条は一体これはどういうことなのかと考えようとしたが唇に押しつけられた御坂妹の唇
の感触に全神経が集中してしまい思考は空転するだけだった。

「なっ、何してんのよ?アンタ!」

突然の出来事に口をパクパクさせていた御坂美琴はようやく声を上げることができた。
その声にようやく上条から唇を離した御坂妹は御坂美琴に向き直った。

「お姉様。キスはそれをする意思があって初めて成り立つものです
 とミサカは重要な点を指摘します。
 ですからお姉様のはただの事故であり到底キスと呼べるものではありません
 とミサカはミサカのキスこそが当麻さんのファーストキスであることをここに高らかに
 宣言しちゃいます」
「ちょっとアンタ!横から出てきて何言ってんの!」
「ですからミサカと当麻さんのファーストキスについて……」
「だから、ぬぁに自分勝手なこと言ってんの!」


(21)

事故とはいえ御坂美琴とキスしただけでも十分衝撃的であったのに、御坂妹からも熱烈な
キスを受けた上条の心臓はドックンドックンと激しく脈打ち、血が上ってしまった頭は思
考能力が著しく低下していた。
そのため上条は遺伝子レベルで瓜二つの美少女達の言い争いをただボーッと眺めていた。
そんな上条は後ろから姫神秋沙に声を掛けられてようやく我に返ることができた。

「上条君。ちょっと。良いかな?」
「ああ。なんだ?ひめがむぃ……………………」

上条の返事は姫神の唇によって遮られてしまった。
本日三度目のキスという衝撃に加えて、姫神秋沙が両手で上条の両頬を押さえていたため
上条は身動き一つできなかった。
例え身動きできたとしても姫神秋沙の唇の生暖かさとその唇から漏れる甘い吐息そして
クチュッと音を立て混ざりあう二人の唾液を介して唇がこすれ合う感触に思考はパンク
寸前、というか既にパンクしていたので上条は動かなかっただろう。

「「あ──────っ!」」

御坂美琴と御坂妹が揃って声をあげたが上条にはずっと遠くからの声のように聞こえていた。
たっぷり10秒は濃厚な口づけを交わしたあと姫神秋沙はゆっくり唇を離す。
二人の唇を繋ぐように糸を引く唾液が千切れても姫神秋沙は上条の両頬から手を離さない。
上目遣いで上条を見つめる紅潮した姫神秋沙の顔は淫靡な雰囲気さえ漂わせていた。
一方の上条も姫神秋沙の濡れた唇からどうしても視線を外すことができない。
上条の心臓は既に破裂寸前でありこれ以上何かあれば上条当麻は死んでしまうだろう。

その濡れた唇が再び動き始めたとき、御坂美琴と御坂妹の叫び声が公園に響いた。

「「ちょっと、秋沙(あなた)!何してんの!」」

詰め寄る御坂美琴と御坂妹に姫神秋沙は上条から手を離すと教師が生徒に諭すように言い放つ。

「ふっ、キスというものは両者の合意の上で成立するの。
 だから、御坂さんのも妹さんのも所詮キスにはあたらないということ。
 つまり、あなた達どちらが上条君のファーストキスかなんていう争いは不毛なのよ」
「なっ、なによ!あなたのは合意の上だって言うの!?」
「ええ!私が『(キスして)良いかな?』って尋ねたら上条君は『ああ』っていったもの。
 だから私のが正真正銘上条君のファーストキスなのよ!」
「ちょっと、アンタ!ホントに合意の上だったの?」

御坂美琴の怒声混じりの質問にようやく上条は金縛り状態から抜け出すことができた。
しかし思考回路は未だろくに動いていない。

「…………へっ?いっ、いや、姫神に呼びかけられたから俺はただ返事をしただけで……」
「ほーら、ご覧なさい!あなたのも私達と同じじゃない。
 ということは、やっぱり私のがコイツのファーストキスなのよ!」

「じゃあ、こう考えましょう。
 全員が同じことをしたということは、言い換えれば誰もしていないのと同じこと」
「えっ?まあ、そう言ってもいいの…………かな?」
「だったら、次に上条君がするキスこそ真のファーストキスってこと」
「そっ、それはそうかもね」
「なるほどそういうことですね。ふふふっ、とミサカも相槌を打ちます」

グリンと顔を向けた3人の美少女に見つめられた上条は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。

「皆さん、これは一体…………」
「「「つまり、早い者勝ち!」」」

後ずさろうとした上条に3人の美少女が襲いかかり上条は一瞬のうちに押し倒されてしまった。
上条の腹を跨ぐように両膝を着き上条の両肩を押さえる御坂美琴、そして右手を押さえる
姫神秋沙と左手を押さえる御坂妹に上条は動きを完全に封じられてしまった。

「みっ、皆さん。いっ、一体どうなされたのですか?」
「「「観念なさい!上条当麻。ふふふふふっ……………………」」」

そう言う美少女達が揃って瞼を閉じたかと思うと突然ヘナヘナと上条にしなだれてきた。
自身に降りかかる不幸(?)に固く目を閉じていた上条が恐る恐るその目を開けると
御坂美琴が上条の胸板に頬を擦りよせて幸せそうに眠っていた。
そして姫神秋沙と御坂妹も上条の左右の上腕に頬を乗せてスースーと寝息をたてていた。

3人の美少女に覆い被さられているこの状況は男子たるもの生涯に一度は体験したい夢の
シチュエーションである。
しかし彼女達が目を覚ました後の修羅場を考えると上条にこの状況を楽しむ余裕などなく
どうしたら身の安全を確保できるものかと必死に思考を巡らせていた。


(22)

2分後、上条の考えがまとまらないうちに御坂美琴が目を覚ましてしまった。
自分が頬を擦りよせているものが自分の枕と違うことに気付いた御坂美琴が(ここどこ?)
って感じで顔を上げると超至近距離に上条当麻の顔があった。
目が合った瞬間に引きつった顔の上条から「やあ」と声をかけられても御坂美琴は状況が
理解できなかった。

パチパチと二度瞬きした後、御坂美琴の顔は瞬間湯沸かし器のように一瞬で真っ赤に茹で
上がってしまった。
御坂美琴は慌てて上条の胸に置いていた両手を突っ張って上体を起こしたが、今度は自分
が腰を降ろしている場所が上条の股間の真上であることに気付くと耳の先まで真っ赤にし
て一動作で上条から1mも飛び退いた。
右腕で胸をガードし左手でスカートの前を押さえている御坂美琴の顔は赤を通り越して深
紅である。

「わっ!わっ、なっ、なんで……あっ、アンタ……」

完全に動揺している御坂美琴は言葉が上手く出てこない。

「アンタ!一体私に何したの!?」
「バカ野郎!逆だろうが…………って、お前憶えてないのか?」
「えっ?確かジュースを飲んだら妙に気分が良くて。
 それで、つまずいたひょうしにアンタの方に倒れ込んだのよね…………って、
 なんでそんな一瞬の間にその二人に腕枕なんかしてんのよ!アンタはーっ!!」
「待て!御坂。お前ホントに憶えてないのか?」
「それ以外に何かあるの?」
「いや、憶えてないならそれで良い」

なにか良く判らないが御坂美琴は何も憶えていないようだった。
そうしているうちに姫神秋沙が目を覚ました。

「あれ?どうしてこんな所で寝てるのかしら?……って上条君!ごっ、ごめんなさい!」

そう言って姫神秋沙は起きあがると、赤らめた顔を隠すように両手を頬に当てて呟いた。

「私。一体どうしてたのかしら?」
「ってことは姫神も何も憶えてないのか?」
「えっ、私もってどういうこと?」
「いや、それならそれで良いんだ。気にするな!」

最後に目を覚ましたのは御坂妹であった。

「あれ?上条さんがミサカを腕枕しています。そうかこれは夢なのですね
 とミサカは独り言を呟きます。
 でもこれが夢ならミサカが何をしても許されるのですね。
 ならばミサカは当麻さんにお目覚めのキスをしましょう
 とミサカは自分自身に確認をとりミサカの唇を当麻さんの唇に近づけます」
「アンタ!いつまでも寝ぼけてんの!」

御坂美琴にペシッと頭をはたかれたミサカは御坂美琴の姿を確認したもののまだ寝ぼけていた。

「お姉様はミサカの夢にまで出てきてミサカの邪魔をするのですね、とミサカは空気を
 読めないお姉様に悪態をつきます。
 夢に出てくるお姉様なんかにミサカは負けません、と改めて当麻さんにキスを……」
「いい加減になさい!!」

怒りモードの御坂美琴は御坂妹に最大電圧の雷撃の槍を放った。
その横に寝ている上条のことはとりあえず無視して。
上条はとっさに右手をかざして何とか雷撃の槍を打ち消すことができた。

「こっ、こら!御坂。お前今俺ごと焼こうとしただろう!?」
「アンタがそんなところでいつまでも寝てるからいけないのよ!」
「お前なぁ…………」
「おや、お姉様。おはようございます。一体どうなされたのですか?とミサカはなぜか
 怒りモード全開のお姉様にキョトンとした顔で問いかけます」
「お・は・よ・う!どうでも良いから早く起き上がりなさい!」
「現実のお姉様も夢の中のお姉様と同じようにお怒りなのは何故でしょう?
 とミサカは素朴な疑問を独り言のように呟きます」

御坂妹が起きあがり上条はようやく身体の自由を手に入れることができた。
上条は固まってしまった関節を伸ばすために一旦大きく延びをする。
そしておもむろに起きあがると御坂美琴達が飲んでいた缶ジュースを拾い上げた。
上条が見た空き缶に書かれた「ノンアルコール」の文字の下には小さな注意書きがあった。

「本飲料にはアルコールは含まれておりませんが微量の酩酊成分が含まれております。
 本飲料を摂取することによって高揚した気分が経験できます。ただし体質によっては
 アルコールを摂取したような状態になりますが10分程度で元に戻ります。
 お子様でも安心して飲めます」と書かれてあった。

注意書きを読み終えた上条は持っていたアルミ缶を思わず握りつぶしてしまい、
未だキョトンとしている3人の美少女にこう言い放った。

「お前達、もう二度とコイツは飲むんじゃねえぞ!」


(23)

学園都市の某ビル内秘密戦隊RAILAR(レイラ)司令室にて

「諸君!ご苦労だった、ってミサカはミサカは皆の活躍を褒め讃えたりして」
「まあ今回の事件は意外と簡単だったからな。その分それ以外で大変な目に遭ったけどな」
「で、ラストオーダーこれでお終いなの?」
「なんのこと?お姉様、ってミサカはミサカはお姉様の真意が分からず問い直してみる」
「ほら、今朝あなたが言ってたでしょ!私達の勝負のことよ」

「ああ、そのことね、とミサカはミサカは納得してみる。
 ジャカジャカジャーン、ってミサカはミサカはドラムロールの口真似をして気分を盛り
 上げたところで成績を発表してみる。レッド(御坂美琴)7ポイント、ブルー(ミサカ
 10032号)5ポイント、巫女さん(姫神秋沙)9ポイント、ブラック(上条当麻)
 4ポイントなのーっ」

悔しがる御坂美琴と無表情ながら何やらブツブツ文句を言っている御坂妹の横で姫神秋沙
は小さくガッツポーズをしていた。

「ふふっ、私の勝ちね。じゃあ上条君来週二人っきりでどこ行こうか?」

勝利宣言した姫神秋沙にラストオーダーが待ったをかけた。

「ちょっと待って!これはただの中間報告なのって、ミサカはミサカは勝利に酔いしれる
 あなたに冷や水をぶっかけてみたりして」

「「「「えっ!?」」」」

「秘密戦隊RAILAR(レイラ)の活躍で秘密結社シキサクマアの陰謀は叩きつぶされた。
 しかし、学園都市を狙う悪の組織シキサクマアが滅んだわけではない。
 戦え!秘密戦隊RAILAR(レイラ)よ! 
 学園都市の平和を守れるのは君達しかいない!
 ってミサカはミサカは次回予告風にまとめてみたりして」

「って、おい!まだ続くんかい!!」

上条のツッコミに総司令(ラストオーダー)は胸を張って宣言した。

「当たり前なの。秘密結社シキサクマアからは次の犯行予告ビデオが届いているの。
 学園都市を狙う悪の組織が存在する限り秘密戦隊RAILAR(レイラ)は戦い続けるの。
 ってミサカはミサカは流れるような仕草で犯行予告ビデオを再生してみたり」

すると壁が開いて出てきた巨大モニターに例のごとく口元を隠したツンツンした黒髪の男が
「うわっはっはっはーーーーっ!」と高笑いする姿が映し出された。

< To be continued. >


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