とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅰ
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅰ
「もう~♪いくつね~ると♪和尚が2~♪」
たまに間違った日本文化を学んだ外国人がいるがコイツもそうなのだろうか?と疑問に持ちたくなる。炬燵に入り寝ころんでいるのは許そう。寝ころんでミカンを食べているのもまあ、許そう。だが何故こいつは頭にタオルを巻き下着で炬燵に入りクーラーをガンガンに利かせているのだろう?おまけに歌詞もなにが違う気がする。
「ローラ、色々と突っ込みを入れたいけどまずは一つ。この船の鍵を持ってないはずのお前が俺の留守中に堂々と入り込んでいるのは何故だ?」
ローラと呼ばれたのは見た目18,9歳くらいの美少女だ。金髪碧眼でその髪はタオルで巻きけれない程長く宝石みたいな美しさを持っている。そんな彼女が答えた質問の回答は…
「うむ。もうじきクリスマスなのよ。なので教会の仕事が山積みなりけりでただいま逃亡中なりにつきよ♪」
とりあえず。聖人の力で殴っとこう。
場所はイギリスの首都ロンドンから南へ60キロ程離れたブライトン。観光地として有名な港町から約10キロ程離れたケルト海沖である。そこにドーム状の形をした物体が回遊していた。元は学園都市が開発した火星での居住を目的に作られた『宇宙の箱船(スペースノア)』を改良したもので水空移動可能な居住兼移動手段である。この『宇宙の箱船』で世界中を移動している少年だがここ二週間はブライトンの近くに回遊していた。
「本気で殴らなくともよかろうに。で、ここ数日どこに行ってたの?久しぶりに遊びに来たりなのに…。おかげで学園都市最新の三日で出来る究極美容法を体感中なのよ」
ほらほらと何やら得体のしれないアイテムをみせるローラ
「……。それはアレイスターのお歳暮か?てか最大主教(アークビショップ)が無断で三日もロンドンを離れていいのか!?」
「無断ではないにつき。きちんと置手紙していたるの」
ほらほらと何やら得体のしれないアイテムをみせるローラ
「……。それはアレイスターのお歳暮か?てか最大主教(アークビショップ)が無断で三日もロンドンを離れていいのか!?」
「無断ではないにつき。きちんと置手紙していたるの」
少女の様な笑みだが侮ってはいけない。そもそもこの『宇宙での箱船』には魔術による完璧な千錠をしていたのだ。それが奇麗に解除されている。
ローラ=スチュアート。イギリス清教の最大主教で『必要悪の教会(ネセサリウス)』のトップ。つまりはイギリスを代表する三派閥の一つである清教派のトップである。教会の者なら知らぬ者はいないだろう。しかしこの少年との関係はあまり知る者はいない。
ローラ=スチュアート。イギリス清教の最大主教で『必要悪の教会(ネセサリウス)』のトップ。つまりはイギリスを代表する三派閥の一つである清教派のトップである。教会の者なら知らぬ者はいないだろう。しかしこの少年との関係はあまり知る者はいない。
「はぁー今のローラの側近に同情するよ。俺がいた頃はこんな事しなかったのに」
「それはそうでしょうに。逃げ出さぬよう椅子に縛り付けられもし解こうならロウが全身にかけられるように仕組まれてたりであったし。今思うと私に恨みでもあったかしら?」
「それはそうでしょうに。逃げ出さぬよう椅子に縛り付けられもし解こうならロウが全身にかけられるように仕組まれてたりであったし。今思うと私に恨みでもあったかしら?」
少なくともこの場の雰囲気の感じは強い絆を感じとれた。
「貴方達はどんな関係なの?」
声がした玄関の方をみれば一人の女性がいた。黒髪の方眼鏡の知的な印象を受ける女性で古い魔術師の家系…という事にして欲しいらしい。少年の知り合いの一人だ。ついでにローラとも知り合いである。
「リメリア!これまた珍しい。あんたが来るなんて初めてじゃないか?」
リメリアと呼ばれた女性はローラを一瞥しローラは特に表情の変化を見せなかった。
「君に頼んだ物を取りに来ただけよ」
味気ないようだが彼女はいつもそんな感じだ。来ていたコートを脱ぐと炬燵に足を入れる。ふとローラの下着姿をもう一度見ると…。
「お邪魔だったかしら?これからお楽しみだった?」
「ちがーう!!!!!!断じてない!!」
「そ、そんな私は主に誓いを立てたる身なりてにつきよ!いくらその若い身が欲望に塗れていても叶える事は出来ぬのよ!!しかし、ここは身をもって浄化させるのが最大主教の役目なのかしら!?」
「ちがーう!!!!!!断じてない!!」
「そ、そんな私は主に誓いを立てたる身なりてにつきよ!いくらその若い身が欲望に塗れていても叶える事は出来ぬのよ!!しかし、ここは身をもって浄化させるのが最大主教の役目なのかしら!?」
とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅱ
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅱ
「ローラ!お前は黙ってろ!!バカみたいな日本語で馬鹿みたいな事を言うな!!」
「馬鹿なみたい!?それはどういう意味なるかしら!?」
その言葉に脹れ顔になるローラ。どうでもいいとばかりにリメリアは先を促す。
「依頼品を貰ったらすぐに出でいくから安心しなさい」
「だから違う!!それと悪いが依頼品はまだ出来てない。途中で無茶な注文をしたせいで時間がかかりそうだ。悪いがひと月ばかし待ってくれ。あぁ、急用なら使い捨てのやつなら今日中に出来るけど?」
「そう。なら別に急がなくていいわ。だた最初の期限が今日だったから来ただけよ。こちらこそ無茶な注文してごめんなさいね。ならひと月後にまた来るわ」
コートを取り早々と帰宅準備をするリメリア。それをローラが引き留めようとする。
「おやもう帰るのかしら?もっとゆっくりとすればよかろうに。それとも自分が信じし者すら疑うほどになりたるかしら?」
「あなた程、私は暇ではないですから。どうぞ続きを楽しまれたらいかかです?」
「だから違うって…。ローラも何噛みついているんだ?」
「馬鹿なみたい!?それはどういう意味なるかしら!?」
その言葉に脹れ顔になるローラ。どうでもいいとばかりにリメリアは先を促す。
「依頼品を貰ったらすぐに出でいくから安心しなさい」
「だから違う!!それと悪いが依頼品はまだ出来てない。途中で無茶な注文をしたせいで時間がかかりそうだ。悪いがひと月ばかし待ってくれ。あぁ、急用なら使い捨てのやつなら今日中に出来るけど?」
「そう。なら別に急がなくていいわ。だた最初の期限が今日だったから来ただけよ。こちらこそ無茶な注文してごめんなさいね。ならひと月後にまた来るわ」
コートを取り早々と帰宅準備をするリメリア。それをローラが引き留めようとする。
「おやもう帰るのかしら?もっとゆっくりとすればよかろうに。それとも自分が信じし者すら疑うほどになりたるかしら?」
「あなた程、私は暇ではないですから。どうぞ続きを楽しまれたらいかかです?」
「だから違うって…。ローラも何噛みついているんだ?」
詳しくは知らんが二人は仲は悪くはないはず。派閥間で何かあったのだろうか?
「何にもなしたるよ。それより私はお腹がペコペコなのよ。何か作ってほしいいし」
「繋がりを考えて言葉を言えよ…。我がまま過ぎるぞローラ」
「繋がりを考えて言葉を言えよ…。我がまま過ぎるぞローラ」
いつまでも変わらぬこの少女を羨ましく思う。ローラは自分の為に動き、自分の為に生きていている。他から見ればその行動は善悪どちらか分からないかもしれないがローラはそんな事を考える人間ではない。
「リメリアも食べていけば?」
「遠慮します。今日はペットはお留守番してますから」
「遠慮します。今日はペットはお留守番してますから」
この人も変わらない。彼女は他人から食べ物を貰う際にはペットに毒見をさせるのだ。
「あぁ、それとそこのお嬢さん。なにやら港で妙にエロい格好のウエスタンルックのサムライガールがいたけど貴女の連れでは?じゃ仲良くね」
その言葉にローラが青ざめる。その顔に満足しリメリアは帰っていく。
「やばい!すぐにここに結界を張るたるよ!神裂が早くにここに辿りつくとは思わぬし!」
「カンザキ…神裂…神裂火織か。インデックスの今年のパートナーだった元天草十字の女教皇(プリエステル)。一撃必殺の極東の聖人か」
「のんきな事を言いし場合ではないのよ!!」
「いや気分的にはリボン付けて差し出したいけど」
「カンザキ…神裂…神裂火織か。インデックスの今年のパートナーだった元天草十字の女教皇(プリエステル)。一撃必殺の極東の聖人か」
「のんきな事を言いし場合ではないのよ!!」
「いや気分的にはリボン付けて差し出したいけど」
正直邪魔なので引き取ってもらいたい。しかし同じ聖人、しかも同郷の日本人そしてインデックスの元パートナーという点で興味はある。世界で数少ない聖人と戦える機会などそうそう無い。
「少し運動してくるか」
「おお!珍しくやる気を出しておるし。ふふふ神裂め。いつもいつも正論ばかし言いしその口を塞いてくれるわ!!行け私の自由を守る為に!!」
「おお!珍しくやる気を出しておるし。ふふふ神裂め。いつもいつも正論ばかし言いしその口を塞いてくれるわ!!行け私の自由を守る為に!!」
何やら日頃のストレスがあるらしいが正論と言っている時点でローラの方に問題があると思うのだが。
昔から変わらないローラに呆れると『宇宙の箱船』が大きく揺れた。震度8でも衝撃を受け止める構造の箱船を揺らす程の衝撃。神裂火織(聖人)に違いないだろう。
昔から変わらないローラに呆れると『宇宙の箱船』が大きく揺れた。震度8でも衝撃を受け止める構造の箱船を揺らす程の衝撃。神裂火織(聖人)に違いないだろう。
「き、来た!一応にこれは学園都市の物と知りし上の攻撃か!?よほど怒っておるのかしら?」
「そりゃあ三日も行方不明じゃキレるわ。その間の仕事に対するクレームは側近に全部くるんだから」
「そりゃあ三日も行方不明じゃキレるわ。その間の仕事に対するクレームは側近に全部くるんだから」
さすがに壊されるわけにはいかないので少年は表に出る。その顔は少しにやけている。何だかんだで戦う事が好きなのだ。
とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅲ
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅲ
「出来なさい最大主教!居るのは解ってます。三日も政務からにげるとは貴女には清教派のトップとしての自覚がないのですか?出で来なければこちらから向かいます。この扉を力ずくで破らせていただきます」
二メートルを超える日本刀を構える。彼女の心情は一撃必殺。先の攻撃は挨拶代りだか今度は違う。
「唯閃!!」
長身の刃から衝撃が走る。走るとはそのままの意味だ。海面を衝撃が走り『宇宙の箱船』に向かう。その時箱船から何者かが現れた。最大主教ではない見知らぬ少年だった。
「おっと」
少年は何と素手で衝撃を受け止めそして完全に威力を殺している。
「唯閃!!」
長身の刃から衝撃が走る。走るとはそのままの意味だ。海面を衝撃が走り『宇宙の箱船』に向かう。その時箱船から何者かが現れた。最大主教ではない見知らぬ少年だった。
「おっと」
少年は何と素手で衝撃を受け止めそして完全に威力を殺している。
「すごい技だな。聖人の力を最大限引き出している。元々聖人ってのは神の子に身体的特徴がにているから肉体強化が基本になり易いけど技の強化をここまで出来るとは脱帽だな。しかし、こんな危険な技を学園都市所属の艦に繰り出すとはイギリス清教は戦争でもしたいのかな?」
「…っう!学園都市傘下の乗り物ですか。ならば逆にお聞きしたい。何故その学園都市の物に我らが最大主教が乗っているのです?とぼけでも無駄ですよ。その船に乗っているのは確認が取れてます。最大主教の魔力(マナ)を検索班が調べた結果この場所から出ているとの事。もし誘拐などであればそれこそ戦争です。それに貴方は何者です?学園都市の者にしては魔術(こちら)について詳しそうですね」
「…っう!学園都市傘下の乗り物ですか。ならば逆にお聞きしたい。何故その学園都市の物に我らが最大主教が乗っているのです?とぼけでも無駄ですよ。その船に乗っているのは確認が取れてます。最大主教の魔力(マナ)を検索班が調べた結果この場所から出ているとの事。もし誘拐などであればそれこそ戦争です。それに貴方は何者です?学園都市の者にしては魔術(こちら)について詳しそうですね」
睨み合い互いの行動に神経を尖らす。
唯閃を打ち消すなど学園都市の能力者に出来るはずがない。科学側と装い魔術側の介入を阻止するのが目的か或いは他の目的があるのか。この少年が能力者ではないのは確かだろう。
折れたのは少年の方だった。世間話をするように話し出した。
唯閃を打ち消すなど学園都市の能力者に出来るはずがない。科学側と装い魔術側の介入を阻止するのが目的か或いは他の目的があるのか。この少年が能力者ではないのは確かだろう。
折れたのは少年の方だった。世間話をするように話し出した。
「まぁ、俺は科学側、魔術側どちらでも属してはいないが、今回一応は科学側になるのかな?コレに乗っていることだし」
「わけのわからぬ事を。おとなしく最大主教を開放しなさい!あんな人間ですが居なくては何かと不自由ですので」
「……。気持ちは良く分かるけどもう少し心配とかしたらどう?」
「何時も何時も周りの人間に迷惑をかけて今回も置手紙一枚で行方を晦まして!!もう少し分かりやすく誘拐されればいいものを!」
「いや誘拐というか不法侵入された側だし。と言うか持ち帰って欲しいのだけど」
「わけのわからぬ事を。おとなしく最大主教を開放しなさい!あんな人間ですが居なくては何かと不自由ですので」
「……。気持ちは良く分かるけどもう少し心配とかしたらどう?」
「何時も何時も周りの人間に迷惑をかけて今回も置手紙一枚で行方を晦まして!!もう少し分かりやすく誘拐されればいいものを!」
「いや誘拐というか不法侵入された側だし。と言うか持ち帰って欲しいのだけど」
ツッコミを入れても神裂さんは聞いていない。どうやらかなりお怒りの様だ。とそこに止せばいいのにローラが出できた。
「ふふふ、神裂火織よ今日こそその生意気な口をききしその性根を叩き直してくれるわ!!」
「唯閃!!!!!!」
「唯閃!!!!!!」
ローラの長い髪を唯閃が少しかすめた。あまりの速度に少年は軌道を変えるのがやっとだったのだ。しかし、そうでなければローラは真っ二つになっていただろう。
「か、神裂!?仮にも最大主教である私になんたる事をしてくる!?髪が!髪が!!」
「何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も!!バカみたいな事ばかりしてその反動を私たちが受けているというのに何故貴女はそんな下着姿でそんな馬鹿みたいな事を言っているのです!?」
「何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も!!バカみたいな事ばかりしてその反動を私たちが受けているというのに何故貴女はそんな下着姿でそんな馬鹿みたいな事を言っているのです!?」
どうやら俺の事はもうどでもいいらしい。完全に怒りがローラに向かっている。無数の斬撃の後(船に当たらぬよう防ぐのが大変だった)ワイヤーでグルグル巻きにされたローラを真冬のケルト海に沈め説教を開始し始めた。
「まぁ落ち着いてね?ほらそんな頭ごなしじゃローラだって混乱しちゃうしね?」
「貴方は黙っててください!!これはイギリス清教の問題です!」
「貴方は黙っててください!!これはイギリス清教の問題です!」
途中、あまりにもローラが可哀そうになったので仲裁に入るが神裂さんの怒りは収まらない。ローラの顔はもう水死体のようになっている。
「わ、私が悪かったからそろそろ許して欲しいと思うたるのだけど?」
「いいえ。今日はとことん言わせてもらいます」
「せめて船の中でやったらどうかな?でないとローラ本当に死にそうだよ」
「大丈夫。こんな事で最大主教が風邪をひくわけありませんから」
「いいえ。今日はとことん言わせてもらいます」
「せめて船の中でやったらどうかな?でないとローラ本当に死にそうだよ」
「大丈夫。こんな事で最大主教が風邪をひくわけありませんから」
まぁローラなら死にはしないだろうが風邪はひくだろうなと思う。その後三時間みっちり神裂に絞られたローラは死人状態で毛布で包まって神裂に連行されて行くことになった。帰り際に神裂がこんな事を言っていった。
とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅳ
第四章 十二月のとある日 最大主教と第一王女と魔神に元女教皇Ⅳ
「今回は貴方の素情を探りませんがもし貴方がイギリス清教にあだなす時は容赦しません」
「別に隠すような者じゃないけどな。ただローラとは長い付き合いというだけだ」
「そうですか。そういう事にしときましょう」
「一つ聞いていいか?」
「何でしょう」
「禁書目録の事は後悔してないのか?」
「別に隠すような者じゃないけどな。ただローラとは長い付き合いというだけだ」
「そうですか。そういう事にしときましょう」
「一つ聞いていいか?」
「何でしょう」
「禁書目録の事は後悔してないのか?」
冷静にみえる神裂だか(普段は)顔にでるタイプのようだ。苦く悲しい顔になる。
「最大主教から何を言われたのか。そして何故貴方がそれを気にするかは存じませんがそれがあの子の為なら私達は敵だろうが悪魔にすらなってみせます」
禁書目録は一年しか記憶を保てない。教会が仕組んだ首輪の一つだ。その為一年ごとにパートナーを変えてきた。今年のパートナーが神裂達だった。
今年の夏にインデックスの記憶の消去した後、インデックスは逃亡……いや、逃げ出した。元パートナーである神裂達を敵とみなし逃げたのだ。その後の足取りは途絶え途絶えになっている。何故今回こんな事が起きたかは教会内でも答えを出せない。インデックス保護の為、神裂達は自らを魔術結社(マジックキャバル)…つまりは敵として彼女を救おうとしているのだ。
禁書目録は一年しか記憶を保てない。教会が仕組んだ首輪の一つだ。その為一年ごとにパートナーを変えてきた。今年のパートナーが神裂達だった。
今年の夏にインデックスの記憶の消去した後、インデックスは逃亡……いや、逃げ出した。元パートナーである神裂達を敵とみなし逃げたのだ。その後の足取りは途絶え途絶えになっている。何故今回こんな事が起きたかは教会内でも答えを出せない。インデックス保護の為、神裂達は自らを魔術結社(マジックキャバル)…つまりは敵として彼女を救おうとしているのだ。
「そうか…」
少年の表情は分からない。しかし、何を噛みしめるように強い意志の表情だった。
「では私達はこれで失礼します」
神裂とローラを見送りながら少年は思う自分のした事を。インデックスのシステムを創ったのは自分だしそれが彼女の為であるのだ。しかし、それは誰かを悲しめている。友だった錬金術師もそのせいで消息を絶ったし神裂達も心を傷付けている。
少年とローラしか知らないインデックスの秘密。何故彼女の記憶を消さなければいけないのか。彼女は何者なのか。禁書目録という役割りの下にある彼女の本当の役目。それは少年とローラしか知らない。
少年とローラしか知らないインデックスの秘密。何故彼女の記憶を消さなければいけないのか。彼女は何者なのか。禁書目録という役割りの下にある彼女の本当の役目。それは少年とローラしか知らない。
「000 00 0 (神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの)」
それが何を意味するのかもローラと少年しかわからない。少年はその意味を噛みしめ前に進む。『宇宙の箱船』が動きだす。少年の儚(ゆめ)に向かいながら。
神裂とローラを乗せた船の上ローラは自分の長い髪に長方形の箱が絡まっている事に気づいた。箱を開けると奇麗な髪飾とメッセージカードが入っていた。カードには『MaryChristmas』としか書かれていなかったが誰が送ったのかは言わなくても分かるだろう。
「素直じゃなきにつきね…」
船はゆっくり港へと進んでいく。今度はたっぷりと時間を作って遊びに行こう。そう思いながらもどうやってここから抜け出すかを考えるローラである。空を見上げると雪が降ってきた。クリスマスまであと僅かな日の出来事だった。
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