現状況。
超能力者(レベル5)のリンク率。
聴覚潜り(ノイズキラー)。精神状況不安定により、自身にしかその能力を適用できていない。
視覚潰し(ライトメーター)。安定して能力をリンクさせている。
触覚壊し(センサーブレイク)。同じく安定して能力をリンクさせている。
精神操作(メンタルコントロール)。精神状況崩壊により、核たる彼女は崩壊状態。それにより、全体的なリンク率そのものが下がっている。
聴覚潜り(ノイズキラー)。精神状況不安定により、自身にしかその能力を適用できていない。
視覚潰し(ライトメーター)。安定して能力をリンクさせている。
触覚壊し(センサーブレイク)。同じく安定して能力をリンクさせている。
精神操作(メンタルコントロール)。精神状況崩壊により、核たる彼女は崩壊状態。それにより、全体的なリンク率そのものが下がっている。
各超能力者の戦闘状況。
聴覚潜り。学園都市第7位を破り抹消しかけるまでに至ったが、謎の人物の介入により戦況は逆転。現状では勝利は絶望的と言える。
視覚潰し。原因不明の瞬間的な空間の移動により、心理掌握(メンタルアウト)との戦いを離れて、肉体変化(メタモルフォーゼ)たちとの戦闘を展開する。状況は不明だが、五分五分だと思われる。
触覚壊し。謎の衝撃を謎の少年の防御によって免れ,そして唐突に現れた学園都市第4位、原子崩し(メルトダウナー)と交戦状態にある。視覚潰しと自身の能力、そして銃を酷使して何とか現状を保っている。
精神操作。肉体変化戦の最中、唐突な瞬間移動により心理掌握と交戦、敗れる。身体状況に異常はないが、精神状況が崩壊しており、能力の使用は当分不可能化と思われる。
聴覚潜り。学園都市第7位を破り抹消しかけるまでに至ったが、謎の人物の介入により戦況は逆転。現状では勝利は絶望的と言える。
視覚潰し。原因不明の瞬間的な空間の移動により、心理掌握(メンタルアウト)との戦いを離れて、肉体変化(メタモルフォーゼ)たちとの戦闘を展開する。状況は不明だが、五分五分だと思われる。
触覚壊し。謎の衝撃を謎の少年の防御によって免れ,そして唐突に現れた学園都市第4位、原子崩し(メルトダウナー)と交戦状態にある。視覚潰しと自身の能力、そして銃を酷使して何とか現状を保っている。
精神操作。肉体変化戦の最中、唐突な瞬間移動により心理掌握と交戦、敗れる。身体状況に異常はないが、精神状況が崩壊しており、能力の使用は当分不可能化と思われる。
絶対能力者(レベル6)。
否定事項(ノットアクション)が、現在クローン大能力者(レベル4)と模擬戦闘中。負傷する確立は限りなく0。
希望現実(リアルホープ)。特にすることもないかのようにゴロゴロしているのみ。特に問題もないようだ。
原子変換(ナノチェンジャー)。大能力者との交戦の支障も無く、通常通りの体勢を保っている。
否定事項(ノットアクション)が、現在クローン大能力者(レベル4)と模擬戦闘中。負傷する確立は限りなく0。
希望現実(リアルホープ)。特にすることもないかのようにゴロゴロしているのみ。特に問題もないようだ。
原子変換(ナノチェンジャー)。大能力者との交戦の支障も無く、通常通りの体勢を保っている。
垣根聖督。
超能力者たちの力を解放するも、それが元の超能力者たちには届かないことを悟り作戦を変更。精神操作を中核に添え、情報を様々なところから入手。絶対能力者で叩くつもりでいるらしい。
超能力者たちの力を解放するも、それが元の超能力者たちには届かないことを悟り作戦を変更。精神操作を中核に添え、情報を様々なところから入手。絶対能力者で叩くつもりでいるらしい。
敵勢力
グループA。学園都市第3位の御坂美琴が原因不明の消失を遂げており、戦力は大幅に減る。が、謎の巨大な剣を持った大男の出現により、一気にそれを回復。学園都市第7位の戦力を失うものの、その他のメンバーで補っている模様。赤紙煙草の神父とも思えないような男は、一時は彼らと行動を共にするも現在は行方をくらましている。
グループB。長谷田鏡子は無事精神操作との戦いに勝利し、一方通行(アクセラレータ)は「魔術サイド」と言われている者たちを置き去りにしてどこかへ向かう。負傷はないと予想される。
グループC。考えられないほどの身体能力を持つ女と学園都市第4位の麦野沈理により負傷者は0。現在は触覚壊しとの戦いは原子崩しが引き受けているため、垣根聖督本拠地へと向かおうとしている。だがそこが分からず、グループDとコンタクトを取り、合流を図る。
グループD。各々の圧倒的な戦闘力を機能し、精神操作の攻撃を土御門元春の腕一本のみの負傷で防ぐ。現在は肉体変化と視覚潰しが交戦中。その他の者はグループCとの合流を図るため移動中。
グループA。学園都市第3位の御坂美琴が原因不明の消失を遂げており、戦力は大幅に減る。が、謎の巨大な剣を持った大男の出現により、一気にそれを回復。学園都市第7位の戦力を失うものの、その他のメンバーで補っている模様。赤紙煙草の神父とも思えないような男は、一時は彼らと行動を共にするも現在は行方をくらましている。
グループB。長谷田鏡子は無事精神操作との戦いに勝利し、一方通行(アクセラレータ)は「魔術サイド」と言われている者たちを置き去りにしてどこかへ向かう。負傷はないと予想される。
グループC。考えられないほどの身体能力を持つ女と学園都市第4位の麦野沈理により負傷者は0。現在は触覚壊しとの戦いは原子崩しが引き受けているため、垣根聖督本拠地へと向かおうとしている。だがそこが分からず、グループDとコンタクトを取り、合流を図る。
グループD。各々の圧倒的な戦闘力を機能し、精神操作の攻撃を土御門元春の腕一本のみの負傷で防ぐ。現在は肉体変化と視覚潰しが交戦中。その他の者はグループCとの合流を図るため移動中。
「神」と名乗った存在
どうやらこの状況を「面白い」と感じているようで、「現実殺し(リアルブレイカー)たちは泳がせる」という言葉を言い放っている。狂乱能力(バーサークスキル)に引っかかった者がいるらしいが、それについては聞かされていない。
どうやらこの状況を「面白い」と感じているようで、「現実殺し(リアルブレイカー)たちは泳がせる」という言葉を言い放っている。狂乱能力(バーサークスキル)に引っかかった者がいるらしいが、それについては聞かされていない。
「………………」
その情報を得た土御門は、絶句した。
「……一体」
サングラス越しでも分かる。彼が動揺しているのが。
その情報を得た土御門は、絶句した。
「……一体」
サングラス越しでも分かる。彼が動揺しているのが。
「神……だ、と」
そのままパタンと倒れそうな幹事で、土御門は呆然と呟いた。
(…………神)
彼はその意味を考える。
(生命の起源、全ての始まり。創造主であり絶対主。幾人もの天使たちを従える、絶対的な力を所持する存在)
彼が陰陽道を学ぶ上で得た知識が、その頭を駆け巡る。
(……確か、ローマ清教の再暗部、神の右席が目指している存在。だがしかし、そこに辿りついた者は一人として存在しない。あの右方のフィアンマさえも)
その頬を、生温い汗が伝った。
(……そんな、本当にいるのかも分からない、確認もされてない存在が……この件に、関わっている?)
ゾクッとした悪寒が、その背中を駆け巡る。
(……指先ひとつ動かすだけで世界を滅ぼすことの出来る、考えられないほどの力を所持した天使……だったら)
考えたくもないが、考えなければならない。
(…………神)
彼はその意味を考える。
(生命の起源、全ての始まり。創造主であり絶対主。幾人もの天使たちを従える、絶対的な力を所持する存在)
彼が陰陽道を学ぶ上で得た知識が、その頭を駆け巡る。
(……確か、ローマ清教の再暗部、神の右席が目指している存在。だがしかし、そこに辿りついた者は一人として存在しない。あの右方のフィアンマさえも)
その頬を、生温い汗が伝った。
(……そんな、本当にいるのかも分からない、確認もされてない存在が……この件に、関わっている?)
ゾクッとした悪寒が、その背中を駆け巡る。
(……指先ひとつ動かすだけで世界を滅ぼすことの出来る、考えられないほどの力を所持した天使……だったら)
考えたくもないが、考えなければならない。
(……それを絶対服従させる、神とは……一体なんだ?)
得体の知れない感覚が、彼の身体を支配する。
(天使は、その指先で世界を滅ぼすことが出来る。全力を出せばどうなるかなんて、考えたくもない。だがしかし……ならば、神は……?)
想像を絶する世界。
そんな領域に、自分は足を踏み入れてしまったのだろうか。
思わず土御門は、そう思ってしまう。
(……真偽はともかくとして、問題は『それ』を名乗っている奴が、この件に関わっているということ)
考えても仕方がなかったのか。
いや、考えたらもはや後戻りが出来ない、と感じてしまったのか。
果たしてどちらなのかは分からないが、土御門は『それ』に関する思考を打ち切った。
(そして、そいつが発した言葉……現実殺し《リアルブレイカー》とは……何なんだ)
だがしかし、結局『それ』が関わっていることのことは、土御門には全く分からなかった。
(……リアルブレイカー……? ……待て、なん……だ、と?)
現実殺し。
それを考えた土御門は、とある不幸な少年を思い浮かべた。
(……カミ、やん……?)
幻想殺し(イマジンブレイカー)。
正確には、彼に宿る不思議な能力を、だろうか。
(……ハッ。わっけ分かんねぇぜ)
自嘲するかのように彼は笑い、そして、
(天使は、その指先で世界を滅ぼすことが出来る。全力を出せばどうなるかなんて、考えたくもない。だがしかし……ならば、神は……?)
想像を絶する世界。
そんな領域に、自分は足を踏み入れてしまったのだろうか。
思わず土御門は、そう思ってしまう。
(……真偽はともかくとして、問題は『それ』を名乗っている奴が、この件に関わっているということ)
考えても仕方がなかったのか。
いや、考えたらもはや後戻りが出来ない、と感じてしまったのか。
果たしてどちらなのかは分からないが、土御門は『それ』に関する思考を打ち切った。
(そして、そいつが発した言葉……現実殺し《リアルブレイカー》とは……何なんだ)
だがしかし、結局『それ』が関わっていることのことは、土御門には全く分からなかった。
(……リアルブレイカー……? ……待て、なん……だ、と?)
現実殺し。
それを考えた土御門は、とある不幸な少年を思い浮かべた。
(……カミ、やん……?)
幻想殺し(イマジンブレイカー)。
正確には、彼に宿る不思議な能力を、だろうか。
(……ハッ。わっけ分かんねぇぜ)
自嘲するかのように彼は笑い、そして、
(……どうやら、この土御門元春様も……本気出さなきゃならないらしいな)
その自嘲気味な笑みは、確信的な笑みに変わる。
そして彼は、
「神なんて大仰な存在、知ったこっちゃねぇ。どうせばかげてるチカラ持ってんだから、今更どう考えても無駄無駄。だったら、俺たちは俺たちの世界を生きるだけだ」
まるで自分にそう言い聞かせるようにした土御門は、
そして彼は、
「神なんて大仰な存在、知ったこっちゃねぇ。どうせばかげてるチカラ持ってんだから、今更どう考えても無駄無駄。だったら、俺たちは俺たちの世界を生きるだけだ」
まるで自分にそう言い聞かせるようにした土御門は、
「……我ラヲ繋ギシ運命ハ今此処ニ(バカどもをたすけてやる)。ソレヲ展開シ時、己ノ心ハ世界ヲ轟カセルッ!(だからテメェはだまってオレについてこい!)」
次の瞬間、
『クッソがぁぁぁぁぁぁッ!!?』
彼は叫ぶ。死の叫びを。
本来ならば、たったそれだけで周囲の人間は死滅する。
だがしかし、彼の言葉で死ぬ人間はいない。
何故ならば、
彼は叫ぶ。死の叫びを。
本来ならば、たったそれだけで周囲の人間は死滅する。
だがしかし、彼の言葉で死ぬ人間はいない。
何故ならば、
「ンだァコラ。超能力者(レベル5)のネタってェのは、これだけなのかよォ?」
その場に存在しているのは、人間などではないのだから。
バケモノ。
それが、その場に存在しているものだ。
さっきから全く自分の能力を受け付けない、本物のバケモノが。
(なんだヨコイツッ!? なんでさっきかラ俺ノ能力ガ効かネぇッ!!?)
聴覚潜り(ノイズキラー)は焦る。
全くもって歯が立たない。
彼の能力が効かないのだ。
いや、能力だけではない。
予備にとっておいた拳銃の弾を放っても、あのバケモノは傷一つつかずにニヤニヤ笑っていただけ。
おかしい。確実におかしい。
あんなもの、人間などでは―――
「ほォらほらほら! なンだよ、マジでネタ切れかァ!? ッたく、面白くねェなァ!」
―――人間などではッ!!
バケモノ。
それが、その場に存在しているものだ。
さっきから全く自分の能力を受け付けない、本物のバケモノが。
(なんだヨコイツッ!? なんでさっきかラ俺ノ能力ガ効かネぇッ!!?)
聴覚潜り(ノイズキラー)は焦る。
全くもって歯が立たない。
彼の能力が効かないのだ。
いや、能力だけではない。
予備にとっておいた拳銃の弾を放っても、あのバケモノは傷一つつかずにニヤニヤ笑っていただけ。
おかしい。確実におかしい。
あんなもの、人間などでは―――
「ほォらほらほら! なンだよ、マジでネタ切れかァ!? ッたく、面白くねェなァ!」
―――人間などではッ!!
『―――ぁ、ぁぁぁぁぁ、アアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!』
叫んだ。
聴覚潜りのその叫びは、それだけで周囲の建物の崩壊を招いた。
先ほどまで普通に建っていた建物が、何かの冗談かのようにズドンズドン! と一気に崩れていく。
これが、超能力者の本気。全力。
ただの叫びだけで、景色を一片させるほどの莫大なチカラ。
そして、
聴覚潜りのその叫びは、それだけで周囲の建物の崩壊を招いた。
先ほどまで普通に建っていた建物が、何かの冗談かのようにズドンズドン! と一気に崩れていく。
これが、超能力者の本気。全力。
ただの叫びだけで、景色を一片させるほどの莫大なチカラ。
そして、
「だァァ。クソったれが、いちいち物とか壊してンじゃねェぞコラ」
その超能力者の本気の一撃を、何事もないかのように受け止めるバケモノ。
(――――――ッ!!?)
自分の全力が全く効かないことを悟り、聴覚潜りはその場に崩れ落ちる。
そしてその目が、巨大なアスファルトの塊がそのバケモノに落下していくのを捉えた。
それにそのバケモノは、何もしない。微動だにしない。
だがしかし、そのアスファルトは彼に触れた瞬間、バラバラに砕け散った。もちろんバケモノには傷一つついていない。
(……なんなんダヨ。なんなんダヨ、コイツ)
もはや戦闘の気力を失った聴覚潜りは、思わず聞いた。
「……なんなんダ、テメェ」
自分の気持ちを正確に表した言葉。
それを聞いたバケモノは、
(――――――ッ!!?)
自分の全力が全く効かないことを悟り、聴覚潜りはその場に崩れ落ちる。
そしてその目が、巨大なアスファルトの塊がそのバケモノに落下していくのを捉えた。
それにそのバケモノは、何もしない。微動だにしない。
だがしかし、そのアスファルトは彼に触れた瞬間、バラバラに砕け散った。もちろんバケモノには傷一つついていない。
(……なんなんダヨ。なんなんダヨ、コイツ)
もはや戦闘の気力を失った聴覚潜りは、思わず聞いた。
「……なんなんダ、テメェ」
自分の気持ちを正確に表した言葉。
それを聞いたバケモノは、
「なンでもねェよ。ただ壊すことしか出来ねェ馬鹿がそれに抗ってる、ッつーだけだ」
そしてそのバケモノは、
崩落していく景色の中、それを全く気にしない速度を持って、聴覚潜りに突撃した。
それに聴覚潜りは、反応できていない。いや、反応していないのか。
バケモノはそれを見て、笑った。
そして、その腕を伸ばし―――
崩落していく景色の中、それを全く気にしない速度を持って、聴覚潜りに突撃した。
それに聴覚潜りは、反応できていない。いや、反応していないのか。
バケモノはそれを見て、笑った。
そして、その腕を伸ばし―――
「ったァく。ヤワにも程があンだろ」
気絶させた聴覚潜り(ノイズキラー)の服の襟首を掴み、それを摘み上げる。
(聴覚系の能力者、なンてのは珍しィがな。ただそれだけだ)
そしてそれをそこら辺に投げ捨て、学園都市最強の能力者、一方通行(アクセラレータ)は思った。
気絶させた聴覚潜り(ノイズキラー)の服の襟首を掴み、それを摘み上げる。
(聴覚系の能力者、なンてのは珍しィがな。ただそれだけだ)
そしてそれをそこら辺に投げ捨て、学園都市最強の能力者、一方通行(アクセラレータ)は思った。
とりあえず、目の前に二人の超能力者(レベル5)を並べてみた一方通行。
「……だからなンだってンだ」
むさ苦しい男と、ヒョロッちいキチガイを眺めていても面白くともなんともない。
(念動砲弾《アタッククラッシュ》の方は……休ンでりゃ大丈夫、ってとこか。……ンで)
軍覇の厚い胸板が上下しているのを確認した一方通行は、次に細い聴覚潜りを見つめる。
(……コイツ、なンて名前なンだ? まァ、俺が言えた義理じゃねェが)
とりあえずあの機械よろしく、反乱勢力一とでも名づけようかと思った一方通行だったが、
「……だからなンだってンだ」
むさ苦しい男と、ヒョロッちいキチガイを眺めていても面白くともなんともない。
(念動砲弾《アタッククラッシュ》の方は……休ンでりゃ大丈夫、ってとこか。……ンで)
軍覇の厚い胸板が上下しているのを確認した一方通行は、次に細い聴覚潜りを見つめる。
(……コイツ、なンて名前なンだ? まァ、俺が言えた義理じゃねェが)
とりあえずあの機械よろしく、反乱勢力一とでも名づけようかと思った一方通行だったが、
『ああ、そいつは聴覚潜り(ノイズキラー)って言うらしいぜぃ? の前に、反乱勢力一はないと思うがにゃー』
苦笑混じりの猫撫で声ボイスが、一方通行の頭脳を駆け巡った。
瞬間、
「土御門だァ? テメェ、何だこの通信手段はァ?」
基本的に、頭脳や精神、五感に関することはすべて『反射』してある一方通行。もちろんスイッチを入れている時に限るが。
それを聞いた、どうやってこの通信を行っているのか、一方通行には見当もつかない土御門がこう言った。
『俺のことを甘く見てもらっちゃ困るな。とりあえず分かりやすく言うと、俺は魔術サイドで言う大能力者(レベル4)、ってところだ』
……マジュツ、と一方通行が呟く。
確かにあのウザッたらしい機械の説明時には、確か土御門はそんな感じで紹介されていた。あのロリコンなら魔術でも科学でもなんにでも手を出しそうだからスルーしていたが。
だがしかし、今はそうともいかない。
「で? その大能力者が、どうやって俺にたてついてる」
『簡単な話だにゃ』
そう言った土御門は、あからさまにニヤリと笑っていそうな声で、
瞬間、
「土御門だァ? テメェ、何だこの通信手段はァ?」
基本的に、頭脳や精神、五感に関することはすべて『反射』してある一方通行。もちろんスイッチを入れている時に限るが。
それを聞いた、どうやってこの通信を行っているのか、一方通行には見当もつかない土御門がこう言った。
『俺のことを甘く見てもらっちゃ困るな。とりあえず分かりやすく言うと、俺は魔術サイドで言う大能力者(レベル4)、ってところだ』
……マジュツ、と一方通行が呟く。
確かにあのウザッたらしい機械の説明時には、確か土御門はそんな感じで紹介されていた。あのロリコンなら魔術でも科学でもなんにでも手を出しそうだからスルーしていたが。
だがしかし、今はそうともいかない。
「で? その大能力者が、どうやって俺にたてついてる」
『簡単な話だにゃ』
そう言った土御門は、あからさまにニヤリと笑っていそうな声で、
『確かにお前、一方通行は科学の世界においては一位だ。が、それは魔術の世界にゃ通用しないんだよ』
黙り込んだ一方通行。
『と言っても、お前が強力な存在なのは変わりがないけどにゃー。まぁなんだ、ようは「コイツ、A分野はありえねぇほど力を持ってるが、B分野はそこまでじゃねぇ。Bじゃ俺のほうが上だから付け込む隙があるぜ」ってところか?』
ちょっとこっちの世界でも、そういうのは多いしな、と笑う土御門。
正直一方通行には、その言葉はあまり噛み砕けなかったのだが、とりあえず無理やり納得してみることにしたらしい。
「ンじゃ次だ。コイツの名前は、ノイズキラーッてンのか?」
『ああ、そうらしい。そしてお前も分かっていることだろうが、聴覚系の能力者だな。学園都市第1位にはまったく届かなかったようだが』
ッたりめェだ、と一方通行が吐き捨てた。
『と言っても、お前が強力な存在なのは変わりがないけどにゃー。まぁなんだ、ようは「コイツ、A分野はありえねぇほど力を持ってるが、B分野はそこまでじゃねぇ。Bじゃ俺のほうが上だから付け込む隙があるぜ」ってところか?』
ちょっとこっちの世界でも、そういうのは多いしな、と笑う土御門。
正直一方通行には、その言葉はあまり噛み砕けなかったのだが、とりあえず無理やり納得してみることにしたらしい。
「ンじゃ次だ。コイツの名前は、ノイズキラーッてンのか?」
『ああ、そうらしい。そしてお前も分かっていることだろうが、聴覚系の能力者だな。学園都市第1位にはまったく届かなかったようだが』
ッたりめェだ、と一方通行が吐き捨てた。
簡単に聴覚潜り(ノイズキラー)の能力の説明をすると、こんな感じだ。
まず一つ目の基本能力として、周囲の音―――と言っても、基本的には自分が発するもののみだが―――の振動を、自在に操ることができる。
つまりは空気の振動を大きくさせたり、振動そのものを無くしたりすることができるのだ。やはり他人の音に干渉する場合には、それなりに労力が必要なのであまりやらないそうだが。
だがしかし、自分が発する音ならば基本的に自在に操ることができる。声はもちろんのこと、足音や自分の行動によって起きた音さえも操れるのだ。
といっても、この程度では超能力者(レベル5)には及ばない。大能力者(レベル4)程度のものだろう。
彼の能力の真髄は、これだ。
まず一つ目の基本能力として、周囲の音―――と言っても、基本的には自分が発するもののみだが―――の振動を、自在に操ることができる。
つまりは空気の振動を大きくさせたり、振動そのものを無くしたりすることができるのだ。やはり他人の音に干渉する場合には、それなりに労力が必要なのであまりやらないそうだが。
だがしかし、自分が発する音ならば基本的に自在に操ることができる。声はもちろんのこと、足音や自分の行動によって起きた音さえも操れるのだ。
といっても、この程度では超能力者(レベル5)には及ばない。大能力者(レベル4)程度のものだろう。
彼の能力の真髄は、これだ。
自分の放った『声』の振動に、脳に影響させる振動を加えることができる。
どういうことだかあまり分からないだろうから、少し例を挙げよう。
聴覚潜りが、自身の声を上げる。
何もしなければそれはただの『音』だが、彼の能力を使うと様々なことを引き起こせる。
たとえば、
その声に体の動きを麻痺させる振動を加えるとか、
たとえば、
その声に体の一部を破裂させるような振動を加えるとか、
たとえば、
その声自体に、破壊能力を与えたりするとか。
そして最終的なところに至れば、
その声を、殺人兵器にすることも可能なのだ。
もちろんそれは彼の声を聞いた者に限るが、それは彼の最初の能力を使えば問題ない。
なぜ声に振動を加えるだけで、そんなことができるのか?
簡単な話だ。
音は人間の耳にまず伝わり、そして鼓膜まで届く。
普通はそこで『どんな音か』を判断するのだが、聴覚潜りの能力を使えば、鼓膜のみではそれを判断できなくなる。振動が複雑すぎて、鼓膜などという部位では処理しきれなくなるのだ。
結果として、その振動は脳にまで伝わる。
そうなれば、聴覚潜りの作り出した『振動』が、その効果を発揮する。
その振動は鼓膜で捉えるだけではなんでもないのだが、それが脳に届くと同時に複雑に、かつ激しく振動し始める特徴がある。
それによって大脳や小脳、右脳左脳が揺さぶられ、様々な効果を及ぼすのだ。
代表的な例としてはめまいや吐き気、神経の麻痺などが挙げられるが、超能力者はそこに留まらない。
複雑に振動させることによって脳からの電気信号を特別に発生させ、血液を逆流させることだって可能になる。心臓も脳からの信号を受けて働いているのに過ぎないのだから。
さらに、筋肉の動きを異様に発達させることで、身体を部分的に破壊することも可能だ。
人間は通常、筋肉の30%程度しか使用できていない。限界まで使用してしまえば、身体のほうがその動きに応え切れずに破壊されてしまうからだ。
だがしかし、脳からの信号によってその『ストッパー』が外れ、筋肉が100%の動きを見せれば、人間の柔らかい肉など簡単に引き千切れるものだ。
もちろんそれは強大すぎる力なのだが、同じ超能力者ならば同じような強大な力を所持している。
削板軍覇の場合は、常に念動砲弾(アタッククラッシュ)の念動壁を周囲に張り巡らせておいて特殊な振動を察知し、さらにそれによって強烈なめまいを感じた。そこから超能力者の頭脳を駆使し、相手が聴覚系の能力者だと判断したのだ。
そこからは話は簡単。彼の耳の回りに、小さく念動壁を張り巡らせれば良いだけだ。小さくとも彼の能力を駆使すれば、それなりの強度を誇るようになる。それは聴覚潜りの、拡大された声を防げるほどに。
一方通行(アクセラレータ)の場合は、もはや論じる必要もないだろう。先ほどまでの戦闘を観察し、やはり彼を聴覚系の能力者だと判断した彼は、鼓膜に反射を適用させただけだ。
さらに彼のその反射は、特異な振動のみを受け付けないように設定してある。普通の声ならば、普通に彼には届くのだ。
聴覚潜りはそうして彼らの前に屈服し、今一方通行の手によって行動不能とされている。
聴覚潜りが、自身の声を上げる。
何もしなければそれはただの『音』だが、彼の能力を使うと様々なことを引き起こせる。
たとえば、
その声に体の動きを麻痺させる振動を加えるとか、
たとえば、
その声に体の一部を破裂させるような振動を加えるとか、
たとえば、
その声自体に、破壊能力を与えたりするとか。
そして最終的なところに至れば、
その声を、殺人兵器にすることも可能なのだ。
もちろんそれは彼の声を聞いた者に限るが、それは彼の最初の能力を使えば問題ない。
なぜ声に振動を加えるだけで、そんなことができるのか?
簡単な話だ。
音は人間の耳にまず伝わり、そして鼓膜まで届く。
普通はそこで『どんな音か』を判断するのだが、聴覚潜りの能力を使えば、鼓膜のみではそれを判断できなくなる。振動が複雑すぎて、鼓膜などという部位では処理しきれなくなるのだ。
結果として、その振動は脳にまで伝わる。
そうなれば、聴覚潜りの作り出した『振動』が、その効果を発揮する。
その振動は鼓膜で捉えるだけではなんでもないのだが、それが脳に届くと同時に複雑に、かつ激しく振動し始める特徴がある。
それによって大脳や小脳、右脳左脳が揺さぶられ、様々な効果を及ぼすのだ。
代表的な例としてはめまいや吐き気、神経の麻痺などが挙げられるが、超能力者はそこに留まらない。
複雑に振動させることによって脳からの電気信号を特別に発生させ、血液を逆流させることだって可能になる。心臓も脳からの信号を受けて働いているのに過ぎないのだから。
さらに、筋肉の動きを異様に発達させることで、身体を部分的に破壊することも可能だ。
人間は通常、筋肉の30%程度しか使用できていない。限界まで使用してしまえば、身体のほうがその動きに応え切れずに破壊されてしまうからだ。
だがしかし、脳からの信号によってその『ストッパー』が外れ、筋肉が100%の動きを見せれば、人間の柔らかい肉など簡単に引き千切れるものだ。
もちろんそれは強大すぎる力なのだが、同じ超能力者ならば同じような強大な力を所持している。
削板軍覇の場合は、常に念動砲弾(アタッククラッシュ)の念動壁を周囲に張り巡らせておいて特殊な振動を察知し、さらにそれによって強烈なめまいを感じた。そこから超能力者の頭脳を駆使し、相手が聴覚系の能力者だと判断したのだ。
そこからは話は簡単。彼の耳の回りに、小さく念動壁を張り巡らせれば良いだけだ。小さくとも彼の能力を駆使すれば、それなりの強度を誇るようになる。それは聴覚潜りの、拡大された声を防げるほどに。
一方通行(アクセラレータ)の場合は、もはや論じる必要もないだろう。先ほどまでの戦闘を観察し、やはり彼を聴覚系の能力者だと判断した彼は、鼓膜に反射を適用させただけだ。
さらに彼のその反射は、特異な振動のみを受け付けないように設定してある。普通の声ならば、普通に彼には届くのだ。
聴覚潜りはそうして彼らの前に屈服し、今一方通行の手によって行動不能とされている。
「ぶっちゃけ、俺は殺したいンだがなァ?」
『まぁまぁ。そこは抑えてくれ』
一方通行(アクセラレータ)の発言に、土御門が漏らすのは苦笑。
『こっちもこっちで、いろいろと事情があるんだよ。それが終わったら、存分にやってもらって構わない』
クソッたれだな、と一方通行が吐き捨てた。
「……で? なンだよ、その事情ってのは?」
『……まぁ、お前も協力者、だしなぁ……』
一方通行の言葉に、土御門は少し唸ってから、こう言った。
『まぁまぁ。そこは抑えてくれ』
一方通行(アクセラレータ)の発言に、土御門が漏らすのは苦笑。
『こっちもこっちで、いろいろと事情があるんだよ。それが終わったら、存分にやってもらって構わない』
クソッたれだな、と一方通行が吐き捨てた。
「……で? なンだよ、その事情ってのは?」
『……まぁ、お前も協力者、だしなぁ……』
一方通行の言葉に、土御門は少し唸ってから、こう言った。
『簡単な話だ。超能力者(レベル5)の全員の打倒、及びそれ以外の反乱勢力の情報収集。ただそれだけだ』
「逆算……か?」
モニタを見つめ、垣根聖督がそう呟いた。
「逆算? なんでまた?」
希望現実(リアルホープ)が、あまり興味のなさそうな瞳で聖督に言うが、彼はそれを無視する。
(……精神操作《メンタルコントロール》のAIM拡散力場が一気に弱まってから、彼女の脳に何者かが侵入している……? しかし、どうやって)
自問自答気味に鳴っている彼に、今度は原子変換(ナノチェンジャー)が語りかけた。
「相手には、超能力者の第5位もいるという話だったが。その能力を使えば、脳の中を『見る』ことも可能なのではないか?」
その前に、お前はどうやって私の思考を読み取った、と言いかけた聖督。
だがしかし、彼女が絶対能力者(レベル6)であることを思い出した。
そんな頭脳を持ってすれば、思考など読めなくともそれくらいは想像できるものなのだ。
「確かにそうだな。心理掌握(メンタルアウト)……と言ったか。精神操作に打ち勝った者ともなれば、それくらい造作もないことだろうな」
ふぅ、と彼はため息をつく。
モニタを見つめ、垣根聖督がそう呟いた。
「逆算? なんでまた?」
希望現実(リアルホープ)が、あまり興味のなさそうな瞳で聖督に言うが、彼はそれを無視する。
(……精神操作《メンタルコントロール》のAIM拡散力場が一気に弱まってから、彼女の脳に何者かが侵入している……? しかし、どうやって)
自問自答気味に鳴っている彼に、今度は原子変換(ナノチェンジャー)が語りかけた。
「相手には、超能力者の第5位もいるという話だったが。その能力を使えば、脳の中を『見る』ことも可能なのではないか?」
その前に、お前はどうやって私の思考を読み取った、と言いかけた聖督。
だがしかし、彼女が絶対能力者(レベル6)であることを思い出した。
そんな頭脳を持ってすれば、思考など読めなくともそれくらいは想像できるものなのだ。
「確かにそうだな。心理掌握(メンタルアウト)……と言ったか。精神操作に打ち勝った者ともなれば、それくらい造作もないことだろうな」
ふぅ、と彼はため息をつく。
「ならば、これ以上の逆算は防がなければならないな……」
ピクン、と彼女の指が動いた。
「は?」
思わず長谷田鏡子は、それに驚いた表情を作ってしまう。
(もう、意識回復するっての? 速すぎるわよ、そんなの……たとえ超能力者の精神系能力者だとしても、自分だけの現実《パーソナルリアリティ》を崩されているのだから、関係ないはずなのに……)
彼女の目に写るのは、全くの無表情な精神操作。
『世界』とは全く関係のない彼女。
だがしかし、『世界』で深刻なダメージを受けている彼女は、最低限の生命維持活動しか出来ない状態なのだ。
それなのに、
とその時、
「は?」
思わず長谷田鏡子は、それに驚いた表情を作ってしまう。
(もう、意識回復するっての? 速すぎるわよ、そんなの……たとえ超能力者の精神系能力者だとしても、自分だけの現実《パーソナルリアリティ》を崩されているのだから、関係ないはずなのに……)
彼女の目に写るのは、全くの無表情な精神操作。
『世界』とは全く関係のない彼女。
だがしかし、『世界』で深刻なダメージを受けている彼女は、最低限の生命維持活動しか出来ない状態なのだ。
それなのに、
とその時、
「……ぅぁ……?」
彼女の唇が、ほんの少しだが、確実に動いた。
「ちょっ……!?」
今度の鏡子のリアクションはさらに激しくなり、思わず能力を使用してしまう。
(……彼女の脳は、依然変わらずに、最低限の活動しかしていない……なのに、何故……?)
土御門も彼女の脳に入り込んでいるのだが、超能力者にはそんなことは関係ない。
そして、
「……ま、さか……」
その言葉を発したのは、鏡子ではない。
精神操作だ。
「…………に、げ……」
その現象を目の当たりにし、彼女はその顔面を蒼白に染めた。
「……言葉を、発している……?」
おそらくそのワードは、
「……逃げて……?」
鏡子がそう呟いたと同時、精神操作は目をカッ! と見開いた。
次の瞬間、
「ちょっ……!?」
今度の鏡子のリアクションはさらに激しくなり、思わず能力を使用してしまう。
(……彼女の脳は、依然変わらずに、最低限の活動しかしていない……なのに、何故……?)
土御門も彼女の脳に入り込んでいるのだが、超能力者にはそんなことは関係ない。
そして、
「……ま、さか……」
その言葉を発したのは、鏡子ではない。
精神操作だ。
「…………に、げ……」
その現象を目の当たりにし、彼女はその顔面を蒼白に染めた。
「……言葉を、発している……?」
おそらくそのワードは、
「……逃げて……?」
鏡子がそう呟いたと同時、精神操作は目をカッ! と見開いた。
次の瞬間、
ドバンッ!
と、まるで『世界』での出来事を現実に映し出したような音が響き、彼女が『破裂』した。
と、まるで『世界』での出来事を現実に映し出したような音が響き、彼女が『破裂』した。
「……クク」
……あァ? と一方通行(アクセラレータ)が、その赤い瞳を言葉を発した人物に向ける。
彼の視線を受けているのは、
一方通行の攻撃を受け、気絶しているはずの、聴覚潜り(ノイズキラー)。
「……ダメだナぁ」
彼の身体を構成する各パーツは、その口しか動いてはいない。もはや心臓の動きも怪しいというのに。
「……なンの話だ」
「こっちノ話ダよ」
相変わらず、目も開けないまま口のみを動かしている聴覚潜り。
「……流石ダ、っテな。俺モ随分トアレな思考ヲするようニプログラムされタようダが……アイツハ、素デそれヲ越してルらしいぜぇ?」
と、今度は顔を嘲笑するかのように歪めた。
「だから、なンの話だっつってンだよ。殺されてェのか」
少々聴覚潜りの態度にキレかけの、一方通行の言葉。
だがしかし、彼はそれすらも笑って返した。
何故ならば、
……あァ? と一方通行(アクセラレータ)が、その赤い瞳を言葉を発した人物に向ける。
彼の視線を受けているのは、
一方通行の攻撃を受け、気絶しているはずの、聴覚潜り(ノイズキラー)。
「……ダメだナぁ」
彼の身体を構成する各パーツは、その口しか動いてはいない。もはや心臓の動きも怪しいというのに。
「……なンの話だ」
「こっちノ話ダよ」
相変わらず、目も開けないまま口のみを動かしている聴覚潜り。
「……流石ダ、っテな。俺モ随分トアレな思考ヲするようニプログラムされタようダが……アイツハ、素デそれヲ越してルらしいぜぇ?」
と、今度は顔を嘲笑するかのように歪めた。
「だから、なンの話だっつってンだよ。殺されてェのか」
少々聴覚潜りの態度にキレかけの、一方通行の言葉。
だがしかし、彼はそれすらも笑って返した。
何故ならば、
「殺されタい? ハハッ、今更命ガ一秒長引いタところデなんになル」
今度は、一方通行の顔は怪訝そうに歪んだ。
そしてさらに質問を追加しようとしたのだが、それは成し得なかった。
「じゃあな、最強。せいぜい俺ノ主ヲ殺せルようニ足掻け」
聴覚潜りの目が開き、そしてその口がその言葉を発した。
それに一方通行が何かを感じる暇もなく、
そしてさらに質問を追加しようとしたのだが、それは成し得なかった。
「じゃあな、最強。せいぜい俺ノ主ヲ殺せルようニ足掻け」
聴覚潜りの目が開き、そしてその口がその言葉を発した。
それに一方通行が何かを感じる暇もなく、
グジュリ、
と、聴覚潜りの身体が『潰れた』。
と、聴覚潜りの身体が『潰れた』。
ダァン!
土御門の拳が、地面を殴りつける音だ。
「くそっ!」
彼は俯き、その拳を見つめる。
(……まさか、超能力者《レベル5》をあっさり殺すとは思っていなかったが……チッ、相手に利用されるんならあっさり『破棄』かよッ!?)
彼の中に渦巻いているのは、様々な激情。
それは垣根聖督に向いているものであり、無力な彼自身にも向いているものだった。
(……また、俺のミスだ……)
確かに、彼の行った行動は非道なものだった。
造られたとはいえ、れっきとした『人間』の頭脳を、無断で覗き見るようなことをしたのだから。
だがしかし、それはあくまで『仲間を傷つけたくない』という気持ちからきている行動。
決して、自分のための行動ではない。
(……垣根聖督)
しかし、
彼の場合はどうなのであろうか?
(おそらく、あいつら《超能力者》の体内に何か埋め込んでいたのだろう……精神操作《メンタルコントロール》の頭脳を常に把握できるような科学者だったら、それを能動的に起動することなど造作もない)
彼が精神操作の頭脳を垣間見たとき、何か不自然なものを発見したのだ。
それは、小さな機械のような物。
おそらくそれで脳の振動を読み取り、その振動の揺れから彼女の頭脳を解析しているのであろう。
そんなことを出来る科学者が、自分が『造った人間』に爆弾やら何やらを埋め込むなど、様々な意味で可能だ。
(……良いだろう)
そう考えた土御門は、地面から拳を浮かせる。
そして、それを強く握り締めた。
土御門の拳が、地面を殴りつける音だ。
「くそっ!」
彼は俯き、その拳を見つめる。
(……まさか、超能力者《レベル5》をあっさり殺すとは思っていなかったが……チッ、相手に利用されるんならあっさり『破棄』かよッ!?)
彼の中に渦巻いているのは、様々な激情。
それは垣根聖督に向いているものであり、無力な彼自身にも向いているものだった。
(……また、俺のミスだ……)
確かに、彼の行った行動は非道なものだった。
造られたとはいえ、れっきとした『人間』の頭脳を、無断で覗き見るようなことをしたのだから。
だがしかし、それはあくまで『仲間を傷つけたくない』という気持ちからきている行動。
決して、自分のための行動ではない。
(……垣根聖督)
しかし、
彼の場合はどうなのであろうか?
(おそらく、あいつら《超能力者》の体内に何か埋め込んでいたのだろう……精神操作《メンタルコントロール》の頭脳を常に把握できるような科学者だったら、それを能動的に起動することなど造作もない)
彼が精神操作の頭脳を垣間見たとき、何か不自然なものを発見したのだ。
それは、小さな機械のような物。
おそらくそれで脳の振動を読み取り、その振動の揺れから彼女の頭脳を解析しているのであろう。
そんなことを出来る科学者が、自分が『造った人間』に爆弾やら何やらを埋め込むなど、様々な意味で可能だ。
(……良いだろう)
そう考えた土御門は、地面から拳を浮かせる。
そして、それを強く握り締めた。
(テメェのケリは、テメェでつける。このミスは、絶対に俺が取り返してやる)