とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

終章-1

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ryuichi

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「え、っと。ここでいいのかな」
 目を覚ましてから何日か経った午後、私は見知らぬ中学校に来ていた。
 普段は多目的ホールに使われているらしいその部屋の中からは、人の騒ぐ声が聞こえる。
 木山さんは部屋にいるのは私と同い年の子たちと言っていた。確かに、騒ぎ声は自分とそう変わらない年の子たちのもののようだ。
 しばらく扉の前でうろうろしていた私だったが、
「よし!」
 と気合を入れると多目的ホールの扉をえいっ、と開けた。
 騒ぎ声が止まり、中にいた子たちの視線が一斉にこちらに集まる。
「え、あ、あの、私、垣根姫垣って言います。今日からみんなと一緒に補習を……」
「ヒメちゃんが来た!」
「待ってたよー!」
 全てを言い終える前に、私はみんなに囲まれてしまった。
「ねぇ、木山先生の家に住んでるってホント?」
「え、あ、うん。木山さんが、面倒を見てくれて……」
「先生ちゃんと家事とか出来るの? 面倒くさがってほったらかしとか」
「な、ないよ。私もお手伝いするけど、ほとんどやることなくて」
「見栄張ってんじゃないの、先生」
「あー、ありそう」
「ヒメちゃん中学一年生の一学期までは勉強してるんだよね?」
「う、うん、そうだよ」
「わ、じゃあ私たちよりも進んでるなー」
「だねー、私ら中学校行きながら放課後はここで小学生の内容から補習だもんねー」
 みんなと上手く仲良くなれるかな、と思っていたけれど……大丈夫だったみたい。
 そうしてみんなに囲まれてしゃべっているうちに、木山さんが部屋に入ってきた。
「ほら、座りなさい。授業を始めるよ……あぁ、良かった。ちゃんと辿りつけたみたいだね、姫垣。すまない、研究所に寄っていたせいで一緒に来れなくて。席は……そうだな、絆理の隣に座ってくれ」
 みんながそれぞれの席に戻っていく中、私もこちらに手を振ってくれているカチューシャをした女の子との隣の席に座る。
「初めまして。私は枝先絆理。よろしくね、ヒメちゃん」
「うん、こちらこそよろしく」
「私たちに合わせてあるから授業簡単かもしれないけど……あ、むしろ私の分からないところ教えてくれたりするとうれしいな」
「もちろん。って、ヒメ――私もそんなに自信ないけど」
 お互いに笑いあうと、ふと絆理ちゃんが私の髪を見て言った。
「その髪飾り、すごい綺麗だね!」
 絆理ちゃんが指差したのは、てーとにぃのくれた羽根を髪飾りにしたものだ。
「なんだか、天使の羽根みたい!」
 絆理ちゃんのその言葉に、
「えへへ」
 私は羽根に触りながら笑顔で答える。
「これはね、私の一番大切な人がくれた、私の一番大切な宝物なんだっ!」

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