19090「財布を落としてしまったようです、とミサカは現在の危機的状況を伝えます。」
10039「ありえねぇ、とミサカは同じ遺伝子を分けた姉妹の間抜けさが何を示すかに気が付き落胆します。」
10032「それはあくまでに生まれた個性であって私は19090号のような間抜けではありません、とミサカは強く信じます。」
13577「身内で罵り合うのはやめて、速やかに事件解決を目指すべきではないでしょうか、とミサカは自分の聡明さを見せつけます。」
10032「財布には何円入っていたのですか、とミサカは呆れながらも事情聴取を始めます。」
19090「…」
10032「さっさと白状しやがれ、とミサカは刑事ドラマを意識し怒鳴ります。」
10039「いや、声のトーン変わってねぇじゃん、とミサカは感情表現に不自由な10032号を同情の目で見つめます。」
10032「ミサカより上条当麻とのかかわりが希薄なあなたが何を言っても妬みにしかきこえません、とミサカは嫌な女テク①を駆使します。」
13577「だからケンカすんな、そして19090号は黙るな、とミサカは青筋を浮かべつつ不穏な笑顔で圧力をかけます。」
19090「…17円。」
10032「え……。」
13577「聞き間違えにちがいないとミサカは自分に言い聞かせます。」
10039「聴覚に欠陥が発生したようです、とミサカは調整の不備の可能性を指摘します。」
10032「もう一度聞きます。いくら所持していたのですか、とミサカは再三にわたり問いかけます。」
19090「…17円。」
ミサカ×3「「「…プッ」」」
19090「こうなると予想できたから言いたくなかったのです、とミサカは顔から火がでそうな感覚を抱きます。」
13577「しかし、それなら落としたところで何の問題もありませんね、とミサカは胸を撫で下ろします。」
19090「ところがしかし一つ懸念があります、とミサカは提言します。」
10032「それはなんですか、とミサカは一応の杞憂を聞いてやります。」
19090「それはですね…」
10039「さっさと言えよ、とミサカは舌打ちをします。」
19090「キャッシュカードが入っているのです、とミサカは重大事実を発表します。」
10032「なんだ、そんなもの…とミサ…って、えっ!!」
13577「そんなこと先に言えとミサカはまともに叱責します」
10039「19090号にはやはり重大な欠陥があるようですとミサカは可哀想な子を見る目を向けます」
10032「19090号をコケにしても何も始まらないので、速やかに行動を起こしましょう、とミサかは提案します。」
13577「それでは早速カードを利用停止して再発行するべきですとミサカは的確に指示を出します。」
15分後
19090「申請が終了しました、とミサカは説明口調でご都合主義な台詞を棒読みします。」
「何ひとりごと言ってんだコイツ?とミサカは19090号は欠陥確定であることを理解します。」
13577「利用停止と再発行の申請が済んだなら、通帳を持ってATMに向かいカードが使用されていないか確認するべきでしょう、とミサカは次の指示を出します」
19090「…残高0」
10032「」
10039「」
13577「」
ミサカ×3「御愁傷様です」
19090「もうおしまいですとミサカは…」
10039「元気だせよと、ミサカは柄にもなく慰めます。」
13577「終わったことを言ってもしょうがありません、前を向いて生きなさい、とミサカは諭します」
10032「金は無くてもミサカ達という仲間がいつでもあなたの側にいます、とミサカは良い言葉のようで安い台詞を言い放ちます」
19090「…みんな、ありがとう」ウルウル
13577(それにしても、犯人はどうやってあの短時間で暗証番号を見破ったのでしょうか?……まぁ、いいか。)
その後事件に展開はなく、妹達は平穏な日々を暮らした。
事件は時と共に妹達の記憶から葬り去られていった。
財布の中に検体番号を示す身分証明が入っていたことと、9090という口座の暗証番号との関連性について指摘するものも最早いないであろう。
事件は時と共に妹達の記憶から葬り去られていった。
財布の中に検体番号を示す身分証明が入っていたことと、9090という口座の暗証番号との関連性について指摘するものも最早いないであろう。
終