「ん? あれ御坂じゃないか?」
上条当麻は帰宅途中の公園で御坂美琴を発見した。
普段の上条なら、彼女と出会うと大体ビリビリやられるので触らぬ神に祟りなしとスルーしたいところなのだが、どうも美琴の様子がおかしい。
気分でも悪いのかベンチに座り込んでいる。
基本的に優しい上条さんは、もし本当に気分でも悪いのであればほおっておくわけにはいかないので、声をかけるために近付く事にした。
美琴の足元に何本かの空き缶が散らばっていたのだが、上条は特にその辺は気にも止めなかった。
「どうした、御坂? 気分でも悪いのか?」
「……ふみゃ?」
上条の声に反応はしたが、やはり何やら様子がおかしい。
美琴らしからぬ奇妙な口調の反応だったような……。
そんな事を思っている間に、美琴が顔を上げ二人の目が合う。
「……」
「おい、大丈……」
「ああー、とうまだ、とうまだ、とうまだ~♪ とう~みゃ~♪」
「……はい?」
上条当麻は帰宅途中の公園で御坂美琴を発見した。
普段の上条なら、彼女と出会うと大体ビリビリやられるので触らぬ神に祟りなしとスルーしたいところなのだが、どうも美琴の様子がおかしい。
気分でも悪いのかベンチに座り込んでいる。
基本的に優しい上条さんは、もし本当に気分でも悪いのであればほおっておくわけにはいかないので、声をかけるために近付く事にした。
美琴の足元に何本かの空き缶が散らばっていたのだが、上条は特にその辺は気にも止めなかった。
「どうした、御坂? 気分でも悪いのか?」
「……ふみゃ?」
上条の声に反応はしたが、やはり何やら様子がおかしい。
美琴らしからぬ奇妙な口調の反応だったような……。
そんな事を思っている間に、美琴が顔を上げ二人の目が合う。
「……」
「おい、大丈……」
「ああー、とうまだ、とうまだ、とうまだ~♪ とう~みゃ~♪」
「……はい?」
ポスッ……
美琴の予想外の反応に驚いて固まっていた上条の身体に軽く柔らかな衝撃が走る。
美琴が上条の胸に飛び込んできた。
「(えっ? なに? なんですか、これは?)」
ただいま上条さん混乱中。
はっきり言って何が何だかわかりません。
なんでしょうかこれは?
なんでしょうか、この状況は?
そんな上条の心情などお構いなく、胸の中でスリスリゴロゴロしている美琴さん。
「とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ とうみゃ~♪」
なんだかとっても嬉しそうで、舌足らずなしゃべりで上条さんの名前を連呼しています。
明らかに上条の知る御坂美琴とはかけ離れています。
いや、そもそもこの人物は本当にあの名門常盤台中学のお嬢様、学園都市第三位の超能力者、『超電磁砲』の異名を持つビリビリ中学生こと御坂美琴なのだろうか?
以前あった『御使堕し』みたいに中身と外見がが入れ替わっている可能性も……。
「(『御使堕し』!? まさかまた……!?)」
「にゅっ? どうちたの、とうみゃ?」
美琴の姿をした謎の人物が上条の顔を心配そうに見つめている。
まさかまたあの時のような事態になっているのではと、目の前の御坂美琴の姿をした人物の肩にガシっと手を置くと、意を決して尋ねてみる。
「……つかぬことを聞くが、お前の……」
「名前は?」と続くはずだったのだが、
美琴が上条の胸に飛び込んできた。
「(えっ? なに? なんですか、これは?)」
ただいま上条さん混乱中。
はっきり言って何が何だかわかりません。
なんでしょうかこれは?
なんでしょうか、この状況は?
そんな上条の心情などお構いなく、胸の中でスリスリゴロゴロしている美琴さん。
「とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ とうみゃ~♪」
なんだかとっても嬉しそうで、舌足らずなしゃべりで上条さんの名前を連呼しています。
明らかに上条の知る御坂美琴とはかけ離れています。
いや、そもそもこの人物は本当にあの名門常盤台中学のお嬢様、学園都市第三位の超能力者、『超電磁砲』の異名を持つビリビリ中学生こと御坂美琴なのだろうか?
以前あった『御使堕し』みたいに中身と外見がが入れ替わっている可能性も……。
「(『御使堕し』!? まさかまた……!?)」
「にゅっ? どうちたの、とうみゃ?」
美琴の姿をした謎の人物が上条の顔を心配そうに見つめている。
まさかまたあの時のような事態になっているのではと、目の前の御坂美琴の姿をした人物の肩にガシっと手を置くと、意を決して尋ねてみる。
「……つかぬことを聞くが、お前の……」
「名前は?」と続くはずだったのだが、
チュッ……
何か唇に柔らかな感触が押し当てられ、口を塞がれてしまいました。
「(……えっ?)」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
「(……何? 何ですか、これは?)」
今の状況がはっきり言って理解できなかった。
上条当麻は混乱している。
「(落ち着け……落ち着け……落ち着いて今のこの状況を整理しよう)」
ただいま絶賛大混乱中の上条さんは状況整理を開始する。
目の前には女の子の姿。
一応知り合いの人物、御坂美琴という少女。
しかし、今のこの美琴は様子がおかしく、外見は御坂美琴だが中身が入れ替わっているのではないかと勝手に推測中。
で、今その御坂美琴もどきは何をしているか?
上条さんの顔に自らの顔を接近させて、上条さんの唇に彼女の唇を押し当てています。
つまり、『キス』してます。
以上、状況整理終了……。
あまりにも簡潔すぎるが、現状は充分確認された。
状況整理終了と同時に、ちょうどタイミングよく重なっていた唇が離れる。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
「(……何? 何ですか、これは?)」
今の状況がはっきり言って理解できなかった。
上条当麻は混乱している。
「(落ち着け……落ち着け……落ち着いて今のこの状況を整理しよう)」
ただいま絶賛大混乱中の上条さんは状況整理を開始する。
目の前には女の子の姿。
一応知り合いの人物、御坂美琴という少女。
しかし、今のこの美琴は様子がおかしく、外見は御坂美琴だが中身が入れ替わっているのではないかと勝手に推測中。
で、今その御坂美琴もどきは何をしているか?
上条さんの顔に自らの顔を接近させて、上条さんの唇に彼女の唇を押し当てています。
つまり、『キス』してます。
以上、状況整理終了……。
あまりにも簡潔すぎるが、現状は充分確認された。
状況整理終了と同時に、ちょうどタイミングよく重なっていた唇が離れる。
「はぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!??????」
上条はただ絶叫するしかなかった。
そしてそんな上条とは対称的にとってもにこやかな笑顔を浮かべる美琴さん(?)。
「えへへっ、とおみゃと~きしゅしちゃった~♪」
顔を赤くしてモジモジと悶えてます。
とても嬉しそうで、そして幸せそうです。
なんかもうキャーキャー言って喜んで飛び跳ねています。
「な、な、な、な、な、ななな……」
『なにしてんだー!?』『なんですかこれはー!?』と、とにかく上条の何かしらの絶叫が続くはずだったのだが、
そしてそんな上条とは対称的にとってもにこやかな笑顔を浮かべる美琴さん(?)。
「えへへっ、とおみゃと~きしゅしちゃった~♪」
顔を赤くしてモジモジと悶えてます。
とても嬉しそうで、そして幸せそうです。
なんかもうキャーキャー言って喜んで飛び跳ねています。
「な、な、な、な、な、ななな……」
『なにしてんだー!?』『なんですかこれはー!?』と、とにかく上条の何かしらの絶叫が続くはずだったのだが、
「もっとするの~♪」
もう一度というかもっとキスする気満々の美琴さん(?)が、上条さんに叫ばせる暇も与えず宣言すると、再び唇を奪いに飛び込んで来るのだった。
「んー……!」
「えっ……ちょ、ちょっと待てちょっと待て……!」
何とか止めさせようとするのだが、美琴(?)は聞いてくれず上条さんに迫って来ます。
上条さん的には決死の防衛戦なのですが、傍から見るとカップルがじゃれ合ってるようにしか見えません。
なかなかキスさせてくれない上条さんにだんだんご立腹気味になっていく美琴(?)だったが、じゃれ合いがおもしろくなったのか楽しそうに迫っている。
「ちょ、もういいかげんに……」
「しゅきあり~♪」
「んあ!?」
「んー……!」
「えっ……ちょ、ちょっと待てちょっと待て……!」
何とか止めさせようとするのだが、美琴(?)は聞いてくれず上条さんに迫って来ます。
上条さん的には決死の防衛戦なのですが、傍から見るとカップルがじゃれ合ってるようにしか見えません。
なかなかキスさせてくれない上条さんにだんだんご立腹気味になっていく美琴(?)だったが、じゃれ合いがおもしろくなったのか楽しそうに迫っている。
「ちょ、もういいかげんに……」
「しゅきあり~♪」
「んあ!?」
ドスゥゥゥン!!!
一瞬の隙を突かれて、美琴(?)のダイブを許してしまい、上条は地面に押し倒されるのであった。
「っ……」
「とうみゃ~♪」
上条さんの上に乗っかって、嬉しそうに胸にスリスリ顔を埋める。
そして、
「っ……」
「とうみゃ~♪」
上条さんの上に乗っかって、嬉しそうに胸にスリスリ顔を埋める。
そして、
チュッ……
再び唇が重なるのだった。
「ん……」
「んぐ……」
「んん……」
「んん……! ちょ、ちょっと待て!」
上条は強引に唇を離し、上に乗っかかる美琴(?)の身体を引き剥がした。
「な、な、な、何してんだよ、おま……」
倒された身体を起こすと、少し怒鳴るような感じの声を上げ、目の前の少女にこの一連の行動を問い質そうとしたのだが、
「うぅぅぅぅ……」
なんだかとっても悲しそうな顔、というか涙目で上条さんの顔を見ています。
なんでしょうか、こんな視線を向けられると罪悪感が募って心が痛いです。
女の子の涙は反則です。
「……え-っと、あの……御坂さん?」
この御坂もどきの正体は未だ不明だが、正体がわからない以上ミサかと呼ぶ以外にない。
とはいえ、なんと言葉をかければいいのかと迷っていると、
「……みこと」
「へ?」
「みしゃかじゃなくて、みことってなまえでよんでよ、とうみゃ……」
御坂もどきさんは名前でと呼んで欲しいと訴えてきます。
そんな目で見つめられると、頷くしかないのですけど……。
「あ、ああ……わかった……み、みこ…と……」
「!」
名前で一応呼んであげると、美琴の顔が急に変わったかと思った次の瞬間、物凄い勢いで上条の胸に飛び込んで来て再び押し倒されるのだった。
「う、うわぁぁっ!? ちょ……!」
「とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ もっと、もっと、もっとよんで~♪」
なんだかものすごーく喜ばれてます。
「(ってあれ? ってことは、こいつは御坂本人という事ですか?)」
今の言葉からすると、このおかしな御坂美琴は本当に御坂美琴本人のようだ。
これは一体どういうことだろう?
再び混乱してきて頭を抱える上条を無視して、美琴は嬉しそうに上条の胸の中でゴロゴロしています。
ふと地面にに手をついた際に何かが手に当たる。
「ん? なんだこれ?」
触れたものは缶、ジュースの空き缶だ。
しかし、注目すべきはそこではない。
缶のラベルをよく見ると……。
「んぐ……」
「んん……」
「んん……! ちょ、ちょっと待て!」
上条は強引に唇を離し、上に乗っかかる美琴(?)の身体を引き剥がした。
「な、な、な、何してんだよ、おま……」
倒された身体を起こすと、少し怒鳴るような感じの声を上げ、目の前の少女にこの一連の行動を問い質そうとしたのだが、
「うぅぅぅぅ……」
なんだかとっても悲しそうな顔、というか涙目で上条さんの顔を見ています。
なんでしょうか、こんな視線を向けられると罪悪感が募って心が痛いです。
女の子の涙は反則です。
「……え-っと、あの……御坂さん?」
この御坂もどきの正体は未だ不明だが、正体がわからない以上ミサかと呼ぶ以外にない。
とはいえ、なんと言葉をかければいいのかと迷っていると、
「……みこと」
「へ?」
「みしゃかじゃなくて、みことってなまえでよんでよ、とうみゃ……」
御坂もどきさんは名前でと呼んで欲しいと訴えてきます。
そんな目で見つめられると、頷くしかないのですけど……。
「あ、ああ……わかった……み、みこ…と……」
「!」
名前で一応呼んであげると、美琴の顔が急に変わったかと思った次の瞬間、物凄い勢いで上条の胸に飛び込んで来て再び押し倒されるのだった。
「う、うわぁぁっ!? ちょ……!」
「とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ とうみゃ~♪ もっと、もっと、もっとよんで~♪」
なんだかものすごーく喜ばれてます。
「(ってあれ? ってことは、こいつは御坂本人という事ですか?)」
今の言葉からすると、このおかしな御坂美琴は本当に御坂美琴本人のようだ。
これは一体どういうことだろう?
再び混乱してきて頭を抱える上条を無視して、美琴は嬉しそうに上条の胸の中でゴロゴロしています。
ふと地面にに手をついた際に何かが手に当たる。
「ん? なんだこれ?」
触れたものは缶、ジュースの空き缶だ。
しかし、注目すべきはそこではない。
缶のラベルをよく見ると……。
『未成年のためのノンアルコール風アルコール飲料』
というわけのわからんフレーズが銘打っていた。
「(ノンアルコールでアルコール? わけわからん……)」
また学園都市の怪しい実験試作品か、と今はこんな事どうでもいい、と思ったのだが、
「(ん? まて、アルコールだって?)」
もしやと思い、他に転がっている空き缶を手に取ってみる。
思った通り他の空き缶にも上条が予想していた事が書かれていた。
頭の中でバラバラだったパズルのピースが組み合わさっていく。
「(ま、まさか……)」
あまり考えたくはないが、間違えないだろう。
「(こいつ、酔っ払ってるのか!?)」
「(ノンアルコールでアルコール? わけわからん……)」
また学園都市の怪しい実験試作品か、と今はこんな事どうでもいい、と思ったのだが、
「(ん? まて、アルコールだって?)」
もしやと思い、他に転がっている空き缶を手に取ってみる。
思った通り他の空き缶にも上条が予想していた事が書かれていた。
頭の中でバラバラだったパズルのピースが組み合わさっていく。
「(ま、まさか……)」
あまり考えたくはないが、間違えないだろう。
「(こいつ、酔っ払ってるのか!?)」