そんなこんなで、場所を移すことにした上条さん&美琴さん。
このまま裏路地にいるとまた人が通った場合いらぬ誤解を招きそうなので、早いところ裏路地を後にした。
そして今いる場所はどこかの公園。(土御門&青髪ピアスと遭遇した所とは別の)
人のいなさそうな所人のいなさそうな所と歩き回った結果辿り着いた場所がここである。
全く人がいないというわけではないのだが、今の今まで散々頭を抱えたり走り回されたりと色々あり、いいかげん疲れてきたので少しここで休憩する事にしたのだ。
「はぁー……」
公園のベンチにドカッと座ると、上条は開口一番大きく息を吐いた。
なんというか、もう上条さんはクタクタです。
「とうみゃ、ちゅかれてるね……」
「あー、まー、色々あったからな……色々……」
原因の大半はあなた、酔っ払いの美琴さんなのですがね……。
まあそんな事口には出せませんけど……。
「じゃあ、げんきわけて……」
「それは結構です……」
とりあえず不穏な事をされる前に先手を打って断りを入れる。
美琴は『えーっ』と不服そうな声を上げ、
「とうみゃはわたちのきしゅじゃあ、げんきでにゃいの?」
となんだかもの凄く悲しそうな顔をされた。
「うぅ……」
その顔は反則です。
そんな顔をされては、否定なんてできるはずもなく、
「い、いや……そ、そういうわけじゃなくてだな……」
何かしら適当な言い訳を考えていると、
このまま裏路地にいるとまた人が通った場合いらぬ誤解を招きそうなので、早いところ裏路地を後にした。
そして今いる場所はどこかの公園。(土御門&青髪ピアスと遭遇した所とは別の)
人のいなさそうな所人のいなさそうな所と歩き回った結果辿り着いた場所がここである。
全く人がいないというわけではないのだが、今の今まで散々頭を抱えたり走り回されたりと色々あり、いいかげん疲れてきたので少しここで休憩する事にしたのだ。
「はぁー……」
公園のベンチにドカッと座ると、上条は開口一番大きく息を吐いた。
なんというか、もう上条さんはクタクタです。
「とうみゃ、ちゅかれてるね……」
「あー、まー、色々あったからな……色々……」
原因の大半はあなた、酔っ払いの美琴さんなのですがね……。
まあそんな事口には出せませんけど……。
「じゃあ、げんきわけて……」
「それは結構です……」
とりあえず不穏な事をされる前に先手を打って断りを入れる。
美琴は『えーっ』と不服そうな声を上げ、
「とうみゃはわたちのきしゅじゃあ、げんきでにゃいの?」
となんだかもの凄く悲しそうな顔をされた。
「うぅ……」
その顔は反則です。
そんな顔をされては、否定なんてできるはずもなく、
「い、いや……そ、そういうわけじゃなくてだな……」
何かしら適当な言い訳を考えていると、
ぐぅきゅるるるるぅ……!
ちょうどこのタイミングで上条の腹の虫が鳴いた。
「あ……」
「うにゅ? おにゃかしゅいてるの、とうみゃ?」
「あ……あー、空いてる…かもな……。散々動き回ったりしたからな……」
嘘ではない。
先程までのいざこざで運動量やらが半端ではなかった事もあるが、お昼から大分時間も経っているので、少々小腹が空いてきたのは確かだった。
「しょうだったんだ……」
今の腹の音で、上条が元気ないのはお腹が空いているからと思ってくれたようだ。
「あ、とうみゃ、あしょこあしょこ~♪ くりぇーぷうってりゅよ~♪ くりぇーぷたべにゃい?」
美琴が指差す方向にクレープ屋の屋台が。
どうやらキスの話題からは離れてくれたらしい。
「クレープか……まあ、なんか甘い物食べたい気分だし、いいんじゃないか?」
小腹も空いていたので、特に反対する理由はない。
素直にOKした。
「ほんと~♪ じゃあいこう、はやきゅいこう~♪ わたちもくりぇーぷたべたい~♪」
早く行こうと上条の腕を取り、むぎゅっとしがみ付きながら急かす。
「(……待てよ。簡単にOKしちまったけど、こいつ店員の前とかで変なことしないだろうな?)」
今更ながら不安がよぎる。
今の状況、今までの行動から考えると充分有り得る。
しかし、もうOKしてしまったわけで今更退けなくなってしまった。
「はやきゅ、はやきゅ~♪」と急かす美琴に引っ張られ、上条は一抹の不安を抱えながらクレープ屋の屋台へと向かった。
「あ……」
「うにゅ? おにゃかしゅいてるの、とうみゃ?」
「あ……あー、空いてる…かもな……。散々動き回ったりしたからな……」
嘘ではない。
先程までのいざこざで運動量やらが半端ではなかった事もあるが、お昼から大分時間も経っているので、少々小腹が空いてきたのは確かだった。
「しょうだったんだ……」
今の腹の音で、上条が元気ないのはお腹が空いているからと思ってくれたようだ。
「あ、とうみゃ、あしょこあしょこ~♪ くりぇーぷうってりゅよ~♪ くりぇーぷたべにゃい?」
美琴が指差す方向にクレープ屋の屋台が。
どうやらキスの話題からは離れてくれたらしい。
「クレープか……まあ、なんか甘い物食べたい気分だし、いいんじゃないか?」
小腹も空いていたので、特に反対する理由はない。
素直にOKした。
「ほんと~♪ じゃあいこう、はやきゅいこう~♪ わたちもくりぇーぷたべたい~♪」
早く行こうと上条の腕を取り、むぎゅっとしがみ付きながら急かす。
「(……待てよ。簡単にOKしちまったけど、こいつ店員の前とかで変なことしないだろうな?)」
今更ながら不安がよぎる。
今の状況、今までの行動から考えると充分有り得る。
しかし、もうOKしてしまったわけで今更退けなくなってしまった。
「はやきゅ、はやきゅ~♪」と急かす美琴に引っ張られ、上条は一抹の不安を抱えながらクレープ屋の屋台へと向かった。
「いらっしゃいませ~♪」
クレープの屋台へやってきた二人を、若い女性店員が迎える。
二人は腕を組んだ状態で、「おい、あんまりくっ付くなよ……」「いいじゃん~♪(ムギュッ~♪)」といった感じで、いかにも『カップルでーす♪』という空気を醸し出しながらカウンターに立つ。
というかこの状況はどう見てもカップルだろう……。
上条さんは激しく否定するだろうが……。
女性店員はこういった光景に慣れていないのか、少々営業スマイルが崩れ苦笑いしているが、対応マニュアルに従ってきちんと応対する。
女性店員に「何になさいますか?」と尋ねられ、二人はざっとメニューに目を通すが、なんていうか無駄に種類が多い。
普通の甘い物系クレープだけでも種類が大量にあり、またそれプラス惣菜クレープも置いていたりしていた。
とりあえず甘い物系を食べようと思っていたので、惣菜系はスルーする。
しかしそれでも上条には「え、何これ? 何が入ってんの?」といった感じに、名前だけ見ても何が入ってるかわからないようなメニューが大量にあったりした。
「……えっと、美琴は何にするんだ?」
参考までに美琴は何にするのか聞いてみるが、
「むぅ……」
何かすっごく悩んでいた。
「え、にゃに?」
「いや、美琴は何にするのかって聞いたんだが……」
「んー、ちょっと、なやんでりゅの~♪ にゃんとかふたちゅにまではしばりこめたんだけど……」
と言って悩んでいるという二つのメニューを教えてくれる。
一応、惣菜系ではなかった。
「えっと……だったら二つとも頼んだらどうだ?」
「え、でも……」
「いや、両方全部食うってわけじゃなくて、俺は何にするか決められないからさ、美琴が頼んだやつを半分ずつ食べようぜってこと」
と上条が提案する。
美琴としては願ってもない申し出だったので、表情がパッと明るくなるが、
「でも、とうみゃはしょれでいいにょ?」
上条は本当にそれでいいのかと心配になる。
自分のために無理をしてるのではないかと思ってしまう。
「ああ、別にかまわねえよ」
別に無理した様子もなく、上条はあっさりと承諾する。
無自覚に行ったこの行為が、好感度アップに繋がっているとも知らずに……。
「ありがとう、とうみゃ~♪ だいちゅき~♪」
美琴は満面の笑顔でお礼を言うと、組んでいた上条の腕を引き、
クレープの屋台へやってきた二人を、若い女性店員が迎える。
二人は腕を組んだ状態で、「おい、あんまりくっ付くなよ……」「いいじゃん~♪(ムギュッ~♪)」といった感じで、いかにも『カップルでーす♪』という空気を醸し出しながらカウンターに立つ。
というかこの状況はどう見てもカップルだろう……。
上条さんは激しく否定するだろうが……。
女性店員はこういった光景に慣れていないのか、少々営業スマイルが崩れ苦笑いしているが、対応マニュアルに従ってきちんと応対する。
女性店員に「何になさいますか?」と尋ねられ、二人はざっとメニューに目を通すが、なんていうか無駄に種類が多い。
普通の甘い物系クレープだけでも種類が大量にあり、またそれプラス惣菜クレープも置いていたりしていた。
とりあえず甘い物系を食べようと思っていたので、惣菜系はスルーする。
しかしそれでも上条には「え、何これ? 何が入ってんの?」といった感じに、名前だけ見ても何が入ってるかわからないようなメニューが大量にあったりした。
「……えっと、美琴は何にするんだ?」
参考までに美琴は何にするのか聞いてみるが、
「むぅ……」
何かすっごく悩んでいた。
「え、にゃに?」
「いや、美琴は何にするのかって聞いたんだが……」
「んー、ちょっと、なやんでりゅの~♪ にゃんとかふたちゅにまではしばりこめたんだけど……」
と言って悩んでいるという二つのメニューを教えてくれる。
一応、惣菜系ではなかった。
「えっと……だったら二つとも頼んだらどうだ?」
「え、でも……」
「いや、両方全部食うってわけじゃなくて、俺は何にするか決められないからさ、美琴が頼んだやつを半分ずつ食べようぜってこと」
と上条が提案する。
美琴としては願ってもない申し出だったので、表情がパッと明るくなるが、
「でも、とうみゃはしょれでいいにょ?」
上条は本当にそれでいいのかと心配になる。
自分のために無理をしてるのではないかと思ってしまう。
「ああ、別にかまわねえよ」
別に無理した様子もなく、上条はあっさりと承諾する。
無自覚に行ったこの行為が、好感度アップに繋がっているとも知らずに……。
「ありがとう、とうみゃ~♪ だいちゅき~♪」
美琴は満面の笑顔でお礼を言うと、組んでいた上条の腕を引き、
チュッ~♪
上条の頬にキスをした。
「って、おい!?」
またこの状況で何をなさいますか、この酔っ払いは。
店員さんが目の前にいるんですけど……。
いや、この状況だからこそ頬にキスで済んだのか?
で、当の女性店員は二人のやり取りを見せ付けられて呆気に取られていた。
「うにゅ? くちびりゅのほうがよかった?」
「いや、そうじゃなくてですね……!」
無闇やたらとキスするのはやめてください、と言いたいのですが、店員さんも目の前にいるし、ここで言い合っても仕方がない(言っても聞いてくれないだろうから)ので、大人しくする事にした。
「って、おい!?」
またこの状況で何をなさいますか、この酔っ払いは。
店員さんが目の前にいるんですけど……。
いや、この状況だからこそ頬にキスで済んだのか?
で、当の女性店員は二人のやり取りを見せ付けられて呆気に取られていた。
「うにゅ? くちびりゅのほうがよかった?」
「いや、そうじゃなくてですね……!」
無闇やたらとキスするのはやめてください、と言いたいのですが、店員さんも目の前にいるし、ここで言い合っても仕方がない(言っても聞いてくれないだろうから)ので、大人しくする事にした。
「……とりあえず、それとそれお願いします……」
「あ……は、はぁ……少々お待ちください……」
注文を受けて女性店員が調理に移るのですが、なんていうか非常にやりにくそうです。
カウンター越しに二人の目の前でクレープを作るわけだが、上条さんと美琴の事が気になるようで、時折チラチラと二人に視線を向け、作業に集中できない様子。
まあ、目の前でいちゃつきまくってキスまでされては気にするなというのが無理だろう。
そんな感じで女性店員の手付きは少々おぼつかなかったが、それでもキチンとクレープ二つを作り上げた。
「……お待たせしました、こちら商品の方になります」
完成した二つのクレープを差し出すと、美琴が待ってましたと言わんばかりに嬉しそうな顔をしてそれを受け取る。
予想に反して結構デカイ。
結構なボリュームがありそうだ。
さすがにこれは二つは食えないか。
「っと、いくらですかね?」
代金を支払おうと財布を取り出した上条だったが、
「あ、とうみゃ、わたちがはりゃうよ」
美琴が自分が払うと言い出した。
しかし、
「いいよ。このくらい俺が出す」
と上条も引かなかった。
「でもしゃあ……」
「こういうのは男の方が払うもんだろう。だから気にするな。それに、お前今両手塞がってるだろうが」
「あ……」
美琴の両手には今渡された二つのクレープが握られているので、財布を取り出す事ができない。
「そんなわけで俺が払う。素直に奢られろ」
そう言って財布かお金を取り出すと、上条は代金を支払う。
で、上条は全く意識していないが、やっぱりこれも好感度アップに繋がるわけで……、
「ありがとう、とうみゃ~♪ だいちゅき~♪」
お釣りを待ってる上条の頬に「チュッ~♪」と軽くお礼のキスをした。
「って、おい!?」
「いまはりょうてがふしゃがってりゅから、こりぇでがみゃんしてね~♪ あとでもっといいことして、あ・げ・りゅ~♪ ふふっ~♪」
何やら意味深な事を言って離れる美琴さん。
いい事って、あなたは一体これ以上何をするつもりですか?
ある意味、後が相当怖いんですけど……。
で、また目の前の出来事に女性店員はお釣りを渡すために出していた手そのままの状態で固まっていた。
「あ……」
今更ながら、店員が呆気に取られている事に気付く。
今のやり取りもバッチリ見られていたわけで、そうなると今の美琴の意味深な発言もバッチリ聞かれていたという事に……。
「……えっと……」
「えっと……お釣り……です……」
硬直が解除された店員がお釣りを渡す。
こんな状況にもめげず、店員はしっかり対応していた。
態度はよそよそしいが……。
やっぱり相当変な目で見られてるのだろうなと上条は思った。
「あ……ど、どうも……」
お釣りを受け取ると、美琴が「はやくあっちでたべよう~♪」と急かすので、すぐにそれに続いた。
一刻も早くこの場を立ち去りたいと思っていたので。
もう二度とここの屋台を利用する事はないだろうなと上条は思った。
「あ……は、はぁ……少々お待ちください……」
注文を受けて女性店員が調理に移るのですが、なんていうか非常にやりにくそうです。
カウンター越しに二人の目の前でクレープを作るわけだが、上条さんと美琴の事が気になるようで、時折チラチラと二人に視線を向け、作業に集中できない様子。
まあ、目の前でいちゃつきまくってキスまでされては気にするなというのが無理だろう。
そんな感じで女性店員の手付きは少々おぼつかなかったが、それでもキチンとクレープ二つを作り上げた。
「……お待たせしました、こちら商品の方になります」
完成した二つのクレープを差し出すと、美琴が待ってましたと言わんばかりに嬉しそうな顔をしてそれを受け取る。
予想に反して結構デカイ。
結構なボリュームがありそうだ。
さすがにこれは二つは食えないか。
「っと、いくらですかね?」
代金を支払おうと財布を取り出した上条だったが、
「あ、とうみゃ、わたちがはりゃうよ」
美琴が自分が払うと言い出した。
しかし、
「いいよ。このくらい俺が出す」
と上条も引かなかった。
「でもしゃあ……」
「こういうのは男の方が払うもんだろう。だから気にするな。それに、お前今両手塞がってるだろうが」
「あ……」
美琴の両手には今渡された二つのクレープが握られているので、財布を取り出す事ができない。
「そんなわけで俺が払う。素直に奢られろ」
そう言って財布かお金を取り出すと、上条は代金を支払う。
で、上条は全く意識していないが、やっぱりこれも好感度アップに繋がるわけで……、
「ありがとう、とうみゃ~♪ だいちゅき~♪」
お釣りを待ってる上条の頬に「チュッ~♪」と軽くお礼のキスをした。
「って、おい!?」
「いまはりょうてがふしゃがってりゅから、こりぇでがみゃんしてね~♪ あとでもっといいことして、あ・げ・りゅ~♪ ふふっ~♪」
何やら意味深な事を言って離れる美琴さん。
いい事って、あなたは一体これ以上何をするつもりですか?
ある意味、後が相当怖いんですけど……。
で、また目の前の出来事に女性店員はお釣りを渡すために出していた手そのままの状態で固まっていた。
「あ……」
今更ながら、店員が呆気に取られている事に気付く。
今のやり取りもバッチリ見られていたわけで、そうなると今の美琴の意味深な発言もバッチリ聞かれていたという事に……。
「……えっと……」
「えっと……お釣り……です……」
硬直が解除された店員がお釣りを渡す。
こんな状況にもめげず、店員はしっかり対応していた。
態度はよそよそしいが……。
やっぱり相当変な目で見られてるのだろうなと上条は思った。
「あ……ど、どうも……」
お釣りを受け取ると、美琴が「はやくあっちでたべよう~♪」と急かすので、すぐにそれに続いた。
一刻も早くこの場を立ち去りたいと思っていたので。
もう二度とここの屋台を利用する事はないだろうなと上条は思った。
「んじゃ食うか。美琴、どっちかくれ」
「あ、うん~♪」
クレープ購入後、足早にベンチまで戻り腰を下ろした二人は、早速クレープを食べようとするわけだが、
「……美琴?」
どういうわけか、美琴がクレープを渡してくれません。
美琴は交互に両手に持ったクレープを見てから、
「んとね、とうみゃはどっちがたべたい~?」
と上条に尋ねてきた。
「へ? いや、まあどっちでもいいんだが……」
実際上条は買ったクレープがどんなものかよくわかっていなかった。
作っているところを見てはいたが、正直どんな味か想像できなかったりする。
そんなわけで本当にどちらでもよかった。
「美琴が先に食べたいの選んでいいぞ。俺は残った方を食べるから」
よくわからないので、美琴に選ばせる事にした。
元々美琴が選んだものなので、先に選ばせるのが筋だろう。
「しょう? じゃあ……」
と言って、再び美琴は両手に持ったクレープを交互に見比べると、
「まずとうみゃはこっちね~♪」
美琴は右手に持ったクレープを上条にくれる事にしたらしい。
「それじゃあ、はい……」
美琴がクレープを差し出したので、それを受け取ろうと上条も手を差し出したのだが、何故か美琴は上条の出した手をスルーして、
「あーん~♪」
と上条の口元にクレープを持ってくると、にこやかに満面の笑顔を浮かべて、そんな言葉を口走った。
「……はい?」
この状況に固まる上条さん。
もしかしなくても、これが意味する事はやはりアレでしょうか?
ものすごーく嫌な予感がしてきました。
何の反応もない上条に、美琴は不思議そうな顔をして、
「うにゅ? たべにゃいの、とうみゃ?」
と言った。
予感的中。
どうやら美琴さんは上条さんとカップルの定番『あーん~♪』をやりたいらしい。
「……えっと…ですね……美琴さん……」
はっきり言って、絶対無理です。
そんな恥ずかしい事できません。
人前で散々キスやらかして(されて)おいて、何を今更と思うかもしれないが、無理なものは無理です。
当然、『無理!』と拒否したいところが、この酔っ払いはきっと何を言っても聞いてくれないだろう。
しかし、やってみる前から諦めては駄目だと一念発起し、言うだけ言ってみようと思ったのですが、
「あーん~♪」
美琴さんはやる気満々、満面の笑顔で上条さんがかぶり付くのを今か今かと待ち構えていた。
そんな無垢な笑顔を向けられると、強く否定なんてできるはずもなく、
「あー……えっと…その……やらなきゃだめですかね?」
弱気に尋ねてしまった。
「だめ~♪」
そんな上条の問いを美琴は満面の笑顔で却下しました。
「……マジ?」
「うん♪ まじ~♪」
「……はぁー……」
逃げるという選択もあるにはあるのだが、もし逃げ出した場合、捕まった時に何をされるかわかったものではないし、それ以前に今の美琴から逃げきれる自信がない。
そんなわけで選択の余地はないようです。
結局上条さんは折れて腹をくくるのだった。
「あ、うん~♪」
クレープ購入後、足早にベンチまで戻り腰を下ろした二人は、早速クレープを食べようとするわけだが、
「……美琴?」
どういうわけか、美琴がクレープを渡してくれません。
美琴は交互に両手に持ったクレープを見てから、
「んとね、とうみゃはどっちがたべたい~?」
と上条に尋ねてきた。
「へ? いや、まあどっちでもいいんだが……」
実際上条は買ったクレープがどんなものかよくわかっていなかった。
作っているところを見てはいたが、正直どんな味か想像できなかったりする。
そんなわけで本当にどちらでもよかった。
「美琴が先に食べたいの選んでいいぞ。俺は残った方を食べるから」
よくわからないので、美琴に選ばせる事にした。
元々美琴が選んだものなので、先に選ばせるのが筋だろう。
「しょう? じゃあ……」
と言って、再び美琴は両手に持ったクレープを交互に見比べると、
「まずとうみゃはこっちね~♪」
美琴は右手に持ったクレープを上条にくれる事にしたらしい。
「それじゃあ、はい……」
美琴がクレープを差し出したので、それを受け取ろうと上条も手を差し出したのだが、何故か美琴は上条の出した手をスルーして、
「あーん~♪」
と上条の口元にクレープを持ってくると、にこやかに満面の笑顔を浮かべて、そんな言葉を口走った。
「……はい?」
この状況に固まる上条さん。
もしかしなくても、これが意味する事はやはりアレでしょうか?
ものすごーく嫌な予感がしてきました。
何の反応もない上条に、美琴は不思議そうな顔をして、
「うにゅ? たべにゃいの、とうみゃ?」
と言った。
予感的中。
どうやら美琴さんは上条さんとカップルの定番『あーん~♪』をやりたいらしい。
「……えっと…ですね……美琴さん……」
はっきり言って、絶対無理です。
そんな恥ずかしい事できません。
人前で散々キスやらかして(されて)おいて、何を今更と思うかもしれないが、無理なものは無理です。
当然、『無理!』と拒否したいところが、この酔っ払いはきっと何を言っても聞いてくれないだろう。
しかし、やってみる前から諦めては駄目だと一念発起し、言うだけ言ってみようと思ったのですが、
「あーん~♪」
美琴さんはやる気満々、満面の笑顔で上条さんがかぶり付くのを今か今かと待ち構えていた。
そんな無垢な笑顔を向けられると、強く否定なんてできるはずもなく、
「あー……えっと…その……やらなきゃだめですかね?」
弱気に尋ねてしまった。
「だめ~♪」
そんな上条の問いを美琴は満面の笑顔で却下しました。
「……マジ?」
「うん♪ まじ~♪」
「……はぁー……」
逃げるという選択もあるにはあるのだが、もし逃げ出した場合、捕まった時に何をされるかわかったものではないし、それ以前に今の美琴から逃げきれる自信がない。
そんなわけで選択の余地はないようです。
結局上条さんは折れて腹をくくるのだった。
「あーん~♪」
改めて美琴が上条の口元にクレープを差し出す。
「うぅ……」
腹をくくったとはいえ、やはりまだ抵抗があります。
「(やるしかないのか……?)」
チラッと辺りの様子を窺う。
「(……誰も見ていないだろうな?)」
パッと見たところ、現在都合のいい事に人の気配はなし。
今なら目撃者ゼロです。
「(……よし!)」
やるなら今だと意を決し、
「あ、あーん……」
口元に差し出されたクレープにかぶり付いた。
「あむっ……!」
「おいちい~?」
美琴は嬉しそうな笑顔で尋ねてくるが、味なんて全然わからないというのが正直な意見だった。
しかし、美琴が上条の感想を期待の眼差しを向けて待っているので、とりあえず適当に、
「……甘いな……」
とだけ口にした。
まあ、ある意味間違ってないだろう。
味がというより、この空気が。
美琴はその一言に満足したようで笑顔で喜んでいた。
「んじゃ、はい、とうみゃ~♪」
『あーん~♪』の一口目を終えた上条に、美琴はもう一方の手に握られていたクレープを差し出す。
早速次ですか?と思ったが、今度は上条の口元に持ってこなかった。
意外にも、クレープを手渡そうとしていたのだ。
「うにゅ? どうちたの、とうみゃ?」
「え? あ、いや…えっと……」
言われて上条は戸惑いながらクレープを受け取る。
また『あーん~♪』をやらされると思っていたので、少々どころかかなり予想外の展開だった。
「(……どういう事だ?)」
『あーん~♪』はこれでもう終わりという事なのだろうか?
もっとやらされると思っていた上条さんとしては肩透かしを食らった気分だったが、これで終わりというなら肩の荷が下りるというものだった。
ホッとした上条は手渡されたクレープを食べようとしたのだが、
「あー、まだそっちたべちゃだめだよ~、とうみゃ~」
美琴さんに止められてしまいました。
「あ?」
「そっちはまずわたちがたべるんだきゃら~♪」
と言うと美琴は口をあーんと開ける。
「……はい?」
間抜け面丸出しでキョトンする上条さん。
上条の反応に美琴は、「ん? どうちたの、とうみゃ?」という不思議そうな顔をしている。
「(えっと……これはもしかしなくても、そういうことなんでしょうか……?)」
嫌な予感がプンプンします。
この状況が意味するものは、やはり食べさせろという事でしょうか?
「あーん~♪」
可愛く口をあーんと開けて美琴は待っている。
やはりこれはもしかしなくても、美琴さんは上条さんに食べさせて欲しいという事のようです……。
「(ええーっ!? マジですか!? 今度は上条さんがやるんですか!?)」
上条当麻の不幸(?)はまだまだ終わらないようだ……。
改めて美琴が上条の口元にクレープを差し出す。
「うぅ……」
腹をくくったとはいえ、やはりまだ抵抗があります。
「(やるしかないのか……?)」
チラッと辺りの様子を窺う。
「(……誰も見ていないだろうな?)」
パッと見たところ、現在都合のいい事に人の気配はなし。
今なら目撃者ゼロです。
「(……よし!)」
やるなら今だと意を決し、
「あ、あーん……」
口元に差し出されたクレープにかぶり付いた。
「あむっ……!」
「おいちい~?」
美琴は嬉しそうな笑顔で尋ねてくるが、味なんて全然わからないというのが正直な意見だった。
しかし、美琴が上条の感想を期待の眼差しを向けて待っているので、とりあえず適当に、
「……甘いな……」
とだけ口にした。
まあ、ある意味間違ってないだろう。
味がというより、この空気が。
美琴はその一言に満足したようで笑顔で喜んでいた。
「んじゃ、はい、とうみゃ~♪」
『あーん~♪』の一口目を終えた上条に、美琴はもう一方の手に握られていたクレープを差し出す。
早速次ですか?と思ったが、今度は上条の口元に持ってこなかった。
意外にも、クレープを手渡そうとしていたのだ。
「うにゅ? どうちたの、とうみゃ?」
「え? あ、いや…えっと……」
言われて上条は戸惑いながらクレープを受け取る。
また『あーん~♪』をやらされると思っていたので、少々どころかかなり予想外の展開だった。
「(……どういう事だ?)」
『あーん~♪』はこれでもう終わりという事なのだろうか?
もっとやらされると思っていた上条さんとしては肩透かしを食らった気分だったが、これで終わりというなら肩の荷が下りるというものだった。
ホッとした上条は手渡されたクレープを食べようとしたのだが、
「あー、まだそっちたべちゃだめだよ~、とうみゃ~」
美琴さんに止められてしまいました。
「あ?」
「そっちはまずわたちがたべるんだきゃら~♪」
と言うと美琴は口をあーんと開ける。
「……はい?」
間抜け面丸出しでキョトンする上条さん。
上条の反応に美琴は、「ん? どうちたの、とうみゃ?」という不思議そうな顔をしている。
「(えっと……これはもしかしなくても、そういうことなんでしょうか……?)」
嫌な予感がプンプンします。
この状況が意味するものは、やはり食べさせろという事でしょうか?
「あーん~♪」
可愛く口をあーんと開けて美琴は待っている。
やはりこれはもしかしなくても、美琴さんは上条さんに食べさせて欲しいという事のようです……。
「(ええーっ!? マジですか!? 今度は上条さんがやるんですか!?)」
上条当麻の不幸(?)はまだまだ終わらないようだ……。
「あーん~♪」
美琴はあーんと口を開けて、餌を待つ雛鳥のように上条がクレープを口元に持ってきてくれるのを待っている。
「(……やるしかないんだろうな……)」
正直なところ拒否したいのですが、きっと今度も前回のように言っても聞いてくれないだろうと思い、諦め気味の上条さん。
しかし、何だかんだであきらめの悪い上条さんは、駄目元で言うだけ言ってみようと思った。
もしかしたらの可能性があるかもしれないので……。
「えっと……やらなきゃ……」
「だ・め♪」
間髪入れず上条が言い終わる前に、笑顔で即行却下されました。
「はやきゅはやきゅ♪」
「はぁー……」
やはりやるしかないようです。
「(まあ、食べさせられるよりはマシか……? どっちかっていうと、あっちの方が恥ずかしいと思うしな……)」
どっちも変わらんと思うが、そう思い込むことによって少しでも気を楽にしたかった。
大きく溜め息を一つ吐くと、とりあえず先程と同じように辺りの様子を窺う。
「(……まだ誰もいないな?)」
パッと辺りを見渡した限り、今もまだ周りに人の気配はない。
今なら目撃者ゼロなので、やるなら今の内だ。
下手に時間をかけて人が来たら面倒である。
「(……よし! 今の内にとっととやって終わらせよう! その方がいい!)」
腹を決めた上条はさっさと行動に移る。
「美琴」
「うにゅ?」
「その……いくぞ……あ、あーん……」
多少躊躇いがちながらも、美琴にクレープを差し出した。
「あーん♪」
待ってましたと美琴が口を可愛らしく開く。
ゆっくりながらも、両者の距離は少しずつ縮まり、
「あーん……」
「あーん……あむっ~♪」
射程範囲内に入ったクレープに美琴はかぶり付いた。
「(うぅ……ほんとにやちまった……)」
腹をくくったとはいえ、恥ずかしいものはやっぱり恥ずかしい。
そんな苦悩中の上条さんを余所に、美琴はクレープを堪能中。
モキュモキュと口を動かした後、
「おいちいね~♪」
と嬉しそうに満面の笑顔で感想を述べた。
「そうか……よかったな……」
「んじゃ、こんどはとうみゃのばんだね~♪」
一口目を食べ終えた美琴は、早速次を上条の口元に差し出す。
やはりまだやる気らしい。
「あーん~♪」
「(……やっぱりまたやるんですね……)」
一度やった事とはいえ、やはり恥ずかしい。
こういうものは、一度やったからといって慣れるものではない。
とはいえ、やらないわけにはいかないだろう。
結局その後も、上条が食べたら美琴が、美琴が食べたら上条がを繰り返すことになるのだった。
美琴はあーんと口を開けて、餌を待つ雛鳥のように上条がクレープを口元に持ってきてくれるのを待っている。
「(……やるしかないんだろうな……)」
正直なところ拒否したいのですが、きっと今度も前回のように言っても聞いてくれないだろうと思い、諦め気味の上条さん。
しかし、何だかんだであきらめの悪い上条さんは、駄目元で言うだけ言ってみようと思った。
もしかしたらの可能性があるかもしれないので……。
「えっと……やらなきゃ……」
「だ・め♪」
間髪入れず上条が言い終わる前に、笑顔で即行却下されました。
「はやきゅはやきゅ♪」
「はぁー……」
やはりやるしかないようです。
「(まあ、食べさせられるよりはマシか……? どっちかっていうと、あっちの方が恥ずかしいと思うしな……)」
どっちも変わらんと思うが、そう思い込むことによって少しでも気を楽にしたかった。
大きく溜め息を一つ吐くと、とりあえず先程と同じように辺りの様子を窺う。
「(……まだ誰もいないな?)」
パッと辺りを見渡した限り、今もまだ周りに人の気配はない。
今なら目撃者ゼロなので、やるなら今の内だ。
下手に時間をかけて人が来たら面倒である。
「(……よし! 今の内にとっととやって終わらせよう! その方がいい!)」
腹を決めた上条はさっさと行動に移る。
「美琴」
「うにゅ?」
「その……いくぞ……あ、あーん……」
多少躊躇いがちながらも、美琴にクレープを差し出した。
「あーん♪」
待ってましたと美琴が口を可愛らしく開く。
ゆっくりながらも、両者の距離は少しずつ縮まり、
「あーん……」
「あーん……あむっ~♪」
射程範囲内に入ったクレープに美琴はかぶり付いた。
「(うぅ……ほんとにやちまった……)」
腹をくくったとはいえ、恥ずかしいものはやっぱり恥ずかしい。
そんな苦悩中の上条さんを余所に、美琴はクレープを堪能中。
モキュモキュと口を動かした後、
「おいちいね~♪」
と嬉しそうに満面の笑顔で感想を述べた。
「そうか……よかったな……」
「んじゃ、こんどはとうみゃのばんだね~♪」
一口目を食べ終えた美琴は、早速次を上条の口元に差し出す。
やはりまだやる気らしい。
「あーん~♪」
「(……やっぱりまたやるんですね……)」
一度やった事とはいえ、やはり恥ずかしい。
こういうものは、一度やったからといって慣れるものではない。
とはいえ、やらないわけにはいかないだろう。
結局その後も、上条が食べたら美琴が、美琴が食べたら上条がを繰り返すことになるのだった。
が、この事態はこんなもの程度では終わらなかった。
上条当麻の不幸(?)、いや、酔いどれ美琴を甘く見てはいけない。
「あ、とうみゃ」
「ん?」
「くりーむちゅいてるよ」
「ん、どの辺だ?」
言われた上条は空いている方の手で拭おうとするが、「あー、ちがうそこじゃないよ~」
実際付いている所とは、全然違うところを拭っていた。
「……ここか?」
「そこでもないよ~」
「……どこだ?」
「もー、しょうがにゃいな~……」
そんなわけで、
「じゃあ、わたちがとってあげりゅね~♪」
というお約束の展開になる。
「へっ?」
美琴の言葉に上条は嫌な予感がしまくった。
上条の嫌な予感というものは、不幸な事に当たってしまうわけで、『待て!』と止めようとしたのだが、もうすでに遅かった。
上条の返答を待たずに動いた美琴は、顔を間近に接近させると、
上条当麻の不幸(?)、いや、酔いどれ美琴を甘く見てはいけない。
「あ、とうみゃ」
「ん?」
「くりーむちゅいてるよ」
「ん、どの辺だ?」
言われた上条は空いている方の手で拭おうとするが、「あー、ちがうそこじゃないよ~」
実際付いている所とは、全然違うところを拭っていた。
「……ここか?」
「そこでもないよ~」
「……どこだ?」
「もー、しょうがにゃいな~……」
そんなわけで、
「じゃあ、わたちがとってあげりゅね~♪」
というお約束の展開になる。
「へっ?」
美琴の言葉に上条は嫌な予感がしまくった。
上条の嫌な予感というものは、不幸な事に当たってしまうわけで、『待て!』と止めようとしたのだが、もうすでに遅かった。
上条の返答を待たずに動いた美琴は、顔を間近に接近させると、
ぺロッ~♪
とチロっと出した舌で上条の口元に付いていたクリームを舐め取った。
「……えろっ……ちゅっ……はい、とれたよ~、とうみゃ~♪」
「なっ!?」
美琴が『わたちがとってあげりゅね~♪』と言った辺りから、何かしでかすなとは思っていたが、まさか舌で舐め取るとは思わなかった。
まさかの出来事に驚いた上条は、手にしていたクレープをグチャっと握り潰してしまう。
「わっ!」
「あーあー……」
クレープを握り潰した事により、上条の手はクリーム塗れでベトベトになる。
「あー、どうするか……」
とりあえず今は美琴の奇行については後回しだ。
クリーム塗れの手の件が先である。
ベトベトになった手を眺めながら、どうにかしなければならないなと思い、『なんか拭くものあったけ?』とか『これ舐めちまうか?』などと考えていると、
「とうみゃ、かして~♪」
美琴がクリーム塗れの上条の手を取り、
「わたちがきれいにしてあげりゅね~♪」
「……は?」
「……えろっ……ちゅっ……はい、とれたよ~、とうみゃ~♪」
「なっ!?」
美琴が『わたちがとってあげりゅね~♪』と言った辺りから、何かしでかすなとは思っていたが、まさか舌で舐め取るとは思わなかった。
まさかの出来事に驚いた上条は、手にしていたクレープをグチャっと握り潰してしまう。
「わっ!」
「あーあー……」
クレープを握り潰した事により、上条の手はクリーム塗れでベトベトになる。
「あー、どうするか……」
とりあえず今は美琴の奇行については後回しだ。
クリーム塗れの手の件が先である。
ベトベトになった手を眺めながら、どうにかしなければならないなと思い、『なんか拭くものあったけ?』とか『これ舐めちまうか?』などと考えていると、
「とうみゃ、かして~♪」
美琴がクリーム塗れの上条の手を取り、
「わたちがきれいにしてあげりゅね~♪」
「……は?」
ぺロッ~♪
とクリーム塗れ上条の手を舌で舐め始めた。
「ちょ!?」
思いもよらぬまさかの行動に固まる。
さすがにここまでやるとは思わなかった上条の驚きは先程の比ではなかった。
「ちょ!?」
思いもよらぬまさかの行動に固まる。
さすがにここまでやるとは思わなかった上条の驚きは先程の比ではなかった。
「(ちょっと待てー! こいつ何しやがりましたか!?)」
なんて事を上条さんが心の中で叫びつつ大混乱真っ最中な間も、美琴さんはクリーム塗れの上条さんの手を丹念に舐めています。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……あむっ……」
指を一本一本丁寧に舌を這わせて舐め回していき、そして口に咥え込むと『ちゅうちゅう~♪』と吸う。
「ちょ、待て、美琴……!」
大混乱真っ最中の上条だったが、美琴の舌使いの感触と音、そして何より口に咥えられて吸われるという衝撃的なの行動により我を取り戻す。
一心不乱に指を吸っていた美琴の口から指を引き抜く。
「……あっ」
なんとか指を美琴の口から解放させる事はできたが、まだ手はガッチリと掴まれたままで放してくれない。
「もー、うごいちゃだめだよ、とうみゃ。まだきれいになってないんだから~」
「いやいやいやいや、もう結構です! っていうかやめてください!」
「だ~め♪」
上条の訴えを美琴は笑顔で却下する。
そして再び舐めるのを再開しようとするが、上条がもがいて舐める事が出来ない。
「もー、じっとしててよ~、とうみゃ」
「嫌です!」
何としてもやめさせたい上条さんは必死に阻止&手を放させようとするが、美琴もなかなか強情で諦めない&放してくれない。
まあ、諦めるという事は今までのパターンから絶対にないだろう。
やると言ったら絶対にやる奴だ。
しかし、こればかりは絶対にやめさせたい上条さんも徹底抗戦の状態だ。
まあ傍から見ると、バカップルのじゃれ合いにしか見えないが……。
「は~な~せ……!」
「い~や~だ~♪」
「(くそー……本当にどうにかしないとな……)」
キスを阻止しようとしていた時もこんな感じだったので、このままだと今までのように押し切られそうだという危機感が募る。
しかし、今回は意外な展開が待っていた。
「本当に……いいかげんに……しろー!!!」
「ああー……!」
なんと奇跡的にも上条が力技で美琴の強固な拘束を打ち破り、自らの手を解放させたのだ。
「やったー!」
まさかの勝利の喜ぶ上条。
しかし喜びも束の間、力づくで引き剥がしたため勢い余った身体はひっくり返りそうになる。
「うぉっ!? とっ、とっ、ととと……」
なんとかバランスを保ち転倒せずには済んだ。
が、
なんて事を上条さんが心の中で叫びつつ大混乱真っ最中な間も、美琴さんはクリーム塗れの上条さんの手を丹念に舐めています。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……あむっ……」
指を一本一本丁寧に舌を這わせて舐め回していき、そして口に咥え込むと『ちゅうちゅう~♪』と吸う。
「ちょ、待て、美琴……!」
大混乱真っ最中の上条だったが、美琴の舌使いの感触と音、そして何より口に咥えられて吸われるという衝撃的なの行動により我を取り戻す。
一心不乱に指を吸っていた美琴の口から指を引き抜く。
「……あっ」
なんとか指を美琴の口から解放させる事はできたが、まだ手はガッチリと掴まれたままで放してくれない。
「もー、うごいちゃだめだよ、とうみゃ。まだきれいになってないんだから~」
「いやいやいやいや、もう結構です! っていうかやめてください!」
「だ~め♪」
上条の訴えを美琴は笑顔で却下する。
そして再び舐めるのを再開しようとするが、上条がもがいて舐める事が出来ない。
「もー、じっとしててよ~、とうみゃ」
「嫌です!」
何としてもやめさせたい上条さんは必死に阻止&手を放させようとするが、美琴もなかなか強情で諦めない&放してくれない。
まあ、諦めるという事は今までのパターンから絶対にないだろう。
やると言ったら絶対にやる奴だ。
しかし、こればかりは絶対にやめさせたい上条さんも徹底抗戦の状態だ。
まあ傍から見ると、バカップルのじゃれ合いにしか見えないが……。
「は~な~せ……!」
「い~や~だ~♪」
「(くそー……本当にどうにかしないとな……)」
キスを阻止しようとしていた時もこんな感じだったので、このままだと今までのように押し切られそうだという危機感が募る。
しかし、今回は意外な展開が待っていた。
「本当に……いいかげんに……しろー!!!」
「ああー……!」
なんと奇跡的にも上条が力技で美琴の強固な拘束を打ち破り、自らの手を解放させたのだ。
「やったー!」
まさかの勝利の喜ぶ上条。
しかし喜びも束の間、力づくで引き剥がしたため勢い余った身体はひっくり返りそうになる。
「うぉっ!? とっ、とっ、ととと……」
なんとかバランスを保ち転倒せずには済んだ。
が、
バチバチィィン!!!
「んが!?」
そちらに気を取られている隙に、美琴がそっと上条の身体に触れて零距離で電撃を身体に流されてしまう。
「み…みこ……と? な、なにを……?」
「ふっふっふ……これでしばりゃくはうごけないよね~♪」
「お、おま…え……!」
「……とうみゃがおとなしくしてくりぇないのがわりゅいんだからね~♪」
そう言って美琴は動けない上条の手を取ると、
「あむっ♪」
と上条の指を咥え、ペロペロと舐め始めた。
そちらに気を取られている隙に、美琴がそっと上条の身体に触れて零距離で電撃を身体に流されてしまう。
「み…みこ……と? な、なにを……?」
「ふっふっふ……これでしばりゃくはうごけないよね~♪」
「お、おま…え……!」
「……とうみゃがおとなしくしてくりぇないのがわりゅいんだからね~♪」
そう言って美琴は動けない上条の手を取ると、
「あむっ♪」
と上条の指を咥え、ペロペロと舐め始めた。
「んっ……ちゅむっ……んむっ……」
「ちょ……やめ……」
やめさせようとするが、美琴は耳を貸さないし、電撃を食らった影響で身体は動かない。
今まで散々やらせてくれなかった鬱憤を晴らすかの如く、妙にうまい舌使いで咥えた上条の指を丹念に舐め、ちゅうちゅうと吸う。
その姿が妙にエロかった。
「あぅっ!」
あまりの感触に思わず声が出てしまう。
先程も舐められたが、あの時はこんな事はなかった。
しかし今度のは先程までとは明らかに違う。
舐められてる指に何かが流れているかのような気分、ゾクゾクと電流が流れるような快感が上条の身体を襲う。
「(……なんだよ、これ……? うぅっ……)」
やめさせなければと思っても、身体が動いてくれない。
いや、たとえ電撃を食らっていなかったとしても、身体は言う事を聞いてくれただろうか?
今感じた快感は、そんな魔力を秘めていた。
動く事ができない上条は美琴にされるがままで、このままでは快感に身を委ねてしまいそうだった。
そんな上条の状況に気付いたのか、美琴は黙って黙々と上条の指を舐め続け、ジワジワと快感を与える。
ゆっくり、ゆっくりと丹念に舐め回し、そしてちゅぱちゅぱと音を立てながら、妙にエロくしゃぶる。
上条もなんとか抗おうとするが、快感が少しずつ上条の身体に浸食していく。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……」
「んんっ……み、みこ…と……!」
「んっ……ちゅむっ……んむっ……ねぇ……えろっ……とうみゃ~……ん……」
「んぁ……?」
「もっとしてほちい?」
ちゅぽっと咥えていた指をしゃぶるのをやめると、美琴は妖艶な微笑みを浮かべながらそんな事を口にした。
「な、何を言って……」
「してほしくにゃいの?」
そう言うと、『ぺロ~♪』っと再び上条の指に軽く舌を這わせる。
「うぅっ……!」
痺れるような快感が再び上条の身体を襲う。
快感に身を委ねそうになっていた上条はすぐには答えられなかった。
クリームを舐め取るという行為だったはずだが、どうにも趣旨が変わってきている。
「ねぇ、とうみゃ、どうしてほちい?」
再び美琴が妖艶に微笑みながら囁きかけるように問いかける。
「ちょ……やめ……」
やめさせようとするが、美琴は耳を貸さないし、電撃を食らった影響で身体は動かない。
今まで散々やらせてくれなかった鬱憤を晴らすかの如く、妙にうまい舌使いで咥えた上条の指を丹念に舐め、ちゅうちゅうと吸う。
その姿が妙にエロかった。
「あぅっ!」
あまりの感触に思わず声が出てしまう。
先程も舐められたが、あの時はこんな事はなかった。
しかし今度のは先程までとは明らかに違う。
舐められてる指に何かが流れているかのような気分、ゾクゾクと電流が流れるような快感が上条の身体を襲う。
「(……なんだよ、これ……? うぅっ……)」
やめさせなければと思っても、身体が動いてくれない。
いや、たとえ電撃を食らっていなかったとしても、身体は言う事を聞いてくれただろうか?
今感じた快感は、そんな魔力を秘めていた。
動く事ができない上条は美琴にされるがままで、このままでは快感に身を委ねてしまいそうだった。
そんな上条の状況に気付いたのか、美琴は黙って黙々と上条の指を舐め続け、ジワジワと快感を与える。
ゆっくり、ゆっくりと丹念に舐め回し、そしてちゅぱちゅぱと音を立てながら、妙にエロくしゃぶる。
上条もなんとか抗おうとするが、快感が少しずつ上条の身体に浸食していく。
「えろっ……ん…ちゅっ……んん……」
「んんっ……み、みこ…と……!」
「んっ……ちゅむっ……んむっ……ねぇ……えろっ……とうみゃ~……ん……」
「んぁ……?」
「もっとしてほちい?」
ちゅぽっと咥えていた指をしゃぶるのをやめると、美琴は妖艶な微笑みを浮かべながらそんな事を口にした。
「な、何を言って……」
「してほしくにゃいの?」
そう言うと、『ぺロ~♪』っと再び上条の指に軽く舌を這わせる。
「うぅっ……!」
痺れるような快感が再び上条の身体を襲う。
快感に身を委ねそうになっていた上条はすぐには答えられなかった。
クリームを舐め取るという行為だったはずだが、どうにも趣旨が変わってきている。
「ねぇ、とうみゃ、どうしてほちい?」
再び美琴が妖艶に微笑みながら囁きかけるように問いかける。
「……」
上条が何か言おうとしたその時、
上条が何か言おうとしたその時、
ガブッツ!!!
「んぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
突然脳天から走った激痛に絶叫した。
「何してるのかな、とうま!!!」
「い、インデックスー!?」
激痛をもたらしたモノの正体は、彼の部屋の居候、銀髪純白シスターだった。
「ひどいよ、とうま! 私に黙って短髪なんかと何か食べてたでしょ! 何か甘い匂いがプンプンするんだよー!!!」
今の発言からすると、どうやら今し方行われていた妙にエロいやり取りには気付いていないらしい。
単純に自分に黙って何か食ってた事に怒っているようだ。
「お、落ち着け、インデックス……!」
頭に噛み付いている銀髪純白シスターを説得しようとしていると、
突然脳天から走った激痛に絶叫した。
「何してるのかな、とうま!!!」
「い、インデックスー!?」
激痛をもたらしたモノの正体は、彼の部屋の居候、銀髪純白シスターだった。
「ひどいよ、とうま! 私に黙って短髪なんかと何か食べてたでしょ! 何か甘い匂いがプンプンするんだよー!!!」
今の発言からすると、どうやら今し方行われていた妙にエロいやり取りには気付いていないらしい。
単純に自分に黙って何か食ってた事に怒っているようだ。
「お、落ち着け、インデックス……!」
頭に噛み付いている銀髪純白シスターを説得しようとしていると、
「この類人猿がァァあああああああ!!!」
と今度は空間移動で急速接近した白井黒子が、上条さんの胸板にドロップキックを叩き込んだ。
「へぶっ!?」
直撃を食らった上条の身体は、轟音とともに激しく後方へ十メートルくらい吹っ飛ばされた後ゴロゴロと転がり、地面に突っ伏した。
ちなみの頭に噛り付いていたインデックスは、上条が吹っ飛んだ際に頭から離れてしまって、その場に座り込んでいた。
インデックスも突然の出来事に今の状況が分かっていないようで、キョトンとしている。
「おおおおお姉様ー!!! ごごごごご無事ですかー!?」
吹っ飛んで行った上条の事などそっち除けで、愛しのお姉様の安否を気遣う黒子。
「偶然にもお姉様の姿を見かけたと思いましたら、何やらあの殿方との間に不穏な気配を感じましたので……」
「ちょっと、突然何するんだよー! 危ないじゃないのさー!」
そんな黒子の台詞に割り込むインデックス。
突然の乱入に相当ご立腹のようだ。
って、お前も人の事を言える立場か?
「ああん!? ちょっと黙っててくださいます、このチビガキ! 私は今お姉様と大事な話をしてますのよー!」
「ち、チビガキって、あなたにだけは言われたくはないかも!」
「ぬわんですって!?」
「なによー!」
何やら二人の口喧嘩がヒートアップしてきたが、突然、
「へぶっ!?」
直撃を食らった上条の身体は、轟音とともに激しく後方へ十メートルくらい吹っ飛ばされた後ゴロゴロと転がり、地面に突っ伏した。
ちなみの頭に噛り付いていたインデックスは、上条が吹っ飛んだ際に頭から離れてしまって、その場に座り込んでいた。
インデックスも突然の出来事に今の状況が分かっていないようで、キョトンとしている。
「おおおおお姉様ー!!! ごごごごご無事ですかー!?」
吹っ飛んで行った上条の事などそっち除けで、愛しのお姉様の安否を気遣う黒子。
「偶然にもお姉様の姿を見かけたと思いましたら、何やらあの殿方との間に不穏な気配を感じましたので……」
「ちょっと、突然何するんだよー! 危ないじゃないのさー!」
そんな黒子の台詞に割り込むインデックス。
突然の乱入に相当ご立腹のようだ。
って、お前も人の事を言える立場か?
「ああん!? ちょっと黙っててくださいます、このチビガキ! 私は今お姉様と大事な話をしてますのよー!」
「ち、チビガキって、あなたにだけは言われたくはないかも!」
「ぬわんですって!?」
「なによー!」
何やら二人の口喧嘩がヒートアップしてきたが、突然、
ッパァァン!!!
という音が鳴り響くと同時に、黒子の身体がインデックスに向かって飛んできた。
「……えっ?」
突然の事にインデックスは避ける事もできず、二人は絡まるように地面に突っ伏す。
「な、なんだよ、いきなり……」
「つっっ……な、何事ですの……?」
地面に突っ伏していた二人顔を上げ辺りを見回すと、美琴が吹っ飛ばされた上条のもとに駆け寄ろうとしていた。
「ああ、お姉さ……」
黒子が声をかけようとしたその時、
「……えっ?」
突然の事にインデックスは避ける事もできず、二人は絡まるように地面に突っ伏す。
「な、なんだよ、いきなり……」
「つっっ……な、何事ですの……?」
地面に突っ伏していた二人顔を上げ辺りを見回すと、美琴が吹っ飛ばされた上条のもとに駆け寄ろうとしていた。
「ああ、お姉さ……」
黒子が声をかけようとしたその時、
ッパァァン!!!
と電撃の槍が黒子の顔面スレスレ真横を通り過ぎ、数メートル後方の地面に着弾した。
「……え?」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
「ちょっと、黙っててくれる……」
相当ご立腹の美琴さんが不機嫌そうに静かに言い放った。
「……え?」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
「ちょっと、黙っててくれる……」
相当ご立腹の美琴さんが不機嫌そうに静かに言い放った。