とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 1-258

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十分後。
「まぁ、今日のところはこれ位にしといたるわカミやん」
「ここまでやっといて、まず第一声がそれか!?」
もみくちゃにされた挙句、その顔に『私は性犯罪者です』と落書きされた上条は青髪ピアスに食って掛かった。
「ハッ、何を言うとるねんカミやん。マジックで書いたっても良かったんやで?」
ちなみに何で書いたかというと、
「だからってわざわざ筆と墨汁で書くんじゃねぇ!お前はあれか、書道の時間に何かに目覚めた中学生かー!」
しかもやけに達筆だ。
「どの口でほざくかなぁカミやん!そんなにされて、まだ見せ付けてる時点でカミやんは何されても文句は言えん筈やんか!」
その上条の右手は、今でも姫神の左手をしっかりと握っていた。
余談ではあるが、上条が押さえつけられて落書きされている最中、姫神に離れるように促すクラスメイトはいなかった。後日、クラスメイト(女子)は語る。
「あの時の姫神さん、どこか嬉しそうだったし。そんな事言える雰囲気じゃなかったの」
閑話休題。
青髪ピアスに痛いところを突かれて、上条は言葉を詰まらせた。
事情が事情だけに軽々しく説明する訳にも行かないし、よしんば説明できた所で、クラスメイトがそれを信じるかどうかはまた別の問題だ。
何も言えずに唸っている上条を見て、青髪ピアスは上条の肩に腕を回して耳元でささやく。
(まぁ今の状況でカミやんが右手を離さん理由は何となく判るけど。あれやろ、姫神さんの能力に関係しとるんとちゃうのん?)
そう言われ、はっとした表情で青髪ピアスの顔を見返す。
上条当麻は学園都市内では何の能力もない無能力者(レベル0)として認識されているが、それでも月詠小萌や御坂美琴のように、その特性を知っている人間は少数ながら居る。
青髪ピアスもその中の一人だ。
(状況から察するに、感情の昂ぶりによって誘発するようなイヤボーンタイプやね?)
正解は能力を封じていたものを壊してしまったから、です。とは言えない。
(あー、まぁそんな感じだ)
(ならしゃーないなぁ)
そう言って青髪ピアスは上条から腕を離し、
「よーし、じゃあ後は若い二人に任せよかー?」
「待てやテメェ!今までの流れから言って『ここは協力するで』とか言い出す場面じゃないのかよ!」
「寝言は寝て言うべきやね、カミやん。そんなアツアツっぷりを見せ付けられて絡めるほどボクは人間できてへんわ!」
言いながら青髪ピアスはくるくる回って上条の間合いから離脱し、
「ほらほら皆ー、馬に蹴られる前に退散するでー?」
そのまま教室から出て行ってしまった。その言葉に従ってと言う事ではないだろうが、他のクラスメイトたちも次々に教室から出て行ってしまい、
「…………」
「…………」
後には上条と姫神、二人だけが残されてしまっていた。二人は顔を見合わせて、
「えーと……、どうする?」
「とりあえず。その顔を洗った方が良いと思うけど」

上条の顔に書かれた落書きを消す為に、二人は食堂の手洗い場までやってきた。
校舎の中にはまだ他の生徒が残っていて、それらとすれ違うたびに上条は仮面の、もとい落書きの下の涙をぬぐった。
左手一本で難儀をしたが、それでも墨を洗い落とし、備え付けのタオルで顔を拭こうとした所、
「君。こっち向いて」
姫神に声を掛けられた。その声に従い姫神の方へ顔を向け、
「何だ姫、ぶっ」
「動かないで。拭いてあげるから」
姫神はどこから出したのか、フェイスタオルで上条の顔に付いている水滴を拭き取った。
(何なんですかこのシチュエーションは!?)
年頃の女の子に顔を拭いて貰うと言う、これまたクラスの男子が見たら嫉妬の炎が再燃しそうな状況の中で、上条はこの現状に軽いパニックを起こしていた。
「はい。綺麗になった」
「あ、ああ。ありがとな、姫神」
上条の顔を拭き終わった姫神は、右手だけでフェイスタオルを折り畳みそれをスカートのポケットへと仕舞う。それを見て、
「……姫神さん、ひょっとしてそのタオルはそこから出したのでせう?」
「そうだけど」
(えーとつまりあそこに仕舞っていたモノで俺の顔を拭いた訳であの匂いはつまりいや深く考えるな上条当麻!)
一瞬脳裏をよぎった不埒な幻想を殺し、
「と、ところで姫神。これからインデックスの所へ行って、その十字架の事をどうするか相談しようと思うんだけど」
と、これからどうするかを説明する。と言うより、それしか選択肢は無い。
「それは良いけど」
上条の意見を聞いて、姫神は一度頷いたあと。
「君は。お腹は空かない?」
姫神の問いに、
「あー、そうだなー。家に帰ってから食べようにもこのままじゃ用意できないし、どこかで食べてから行くか」
元よりそのつもりだった事ではある。二人きりで、と言うのは想定外のことだったが。
「ただ、どこで食べるかだよなー」
と言って、上条は周りを見回す。この食堂は土日は開いてないので、ここでは食事は取れない。
「別に。どこでも。ファミレスとか。ファーストフードとか」
「そっか、じゃあとりあえず学校から出るか」

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