とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 6-560

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匿名ユーザー

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 嘘予告『とある二人の切札遊戯(アクセラレーション)』

 状況は絶望的だった。
 自軍の陣地は無残にも焼け爛れ、石ころ一つ残っていない。屈強な兵士達も、神秘の魔術師達も、魔具も罠も全て白き龍の一撃で消し飛んでしまった。
“彼”は絶望に霞む目で、せめてもの抵抗をと正面を睨んだ。
 そこには白く、白く、どこまでも白い軍団がいた。
 己の剣に魔力を付加させる聖騎士が。
 奇襲を得意とする獣人が。
 輝く翼をもつ天使が。
 あらゆる防護を無にする武僧が。
 そして、神々しさと荒々しさを兼ね備えた白き龍が。
 理不尽なまでの暴力で吹き飛ばされておきながら、なお薄れることのない畏敬の念。
『光の正道』を名乗る最強の軍団。
“彼”はようやく理解する。
 それらは持久戦に持ち込めばとか、入念に対策を用意しておけばとか、そのような浅知恵でどうにかなる相手ではなかったのだ。
 それらに勝つには、理不尽を上回る不条理を以って戦うか、運を天に任せるかのどちらかしかない。
 後者は自分には絶望的である。
 ならば、もし次があるのなら、この身に許される最大限の不条理を掲げて立ち向かおう。
 白き龍が高く首を持ち上げ、最後の攻撃を放とうとしているのを見届けながら、“上条当麻”は自身の敗北を受け入れた――


「《裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)》でとうまにダイレクトアタック! ジャッジメント・ブレス!!」
「ぎゃああぁぁぁぁぁ!!」
「これで今日の晩御飯もおすしーで決定だね!」


 これで十五連敗(一日三食五日分)。
 潔くサイフポイントを支払って食事を用意すればいいのか、それともデッキを強化するためにつぎ込む、いやいやそれでまた負けたらいっそう悲惨なことに……
 というか、俺はなんでこんなことをやってるんでせう?


                      ◇ ◇ ◇


「“決闘王国(デュエリスト・キングダム)”?」
「そう。それが今学園都市を……いや、世界を覆っている魔術の名前だ」


 いつかのように狂った世界。
 ただ今回は、“結果は何も変わっていない”。
 そこに至るまでの“過程”がまるっきり変化してしまっている。
 つまる所。
“ありとあらゆる物事をカードゲームで解決する世界になってしまったのだ”。


「来なさい、《双頭の雷龍》!」

「触るとだだじゃァすまねェぞ! 罠発動、《カウンターマシンガンパンチ》!」

「炎の真髄をみせてやろう。《真炎の爆発》……!」


 繰り広げられる決闘(デュエル)。
 舞い踊るカード。
 火花散る読み合い。


「《マインド・オン・エア》を召喚。あなたの手札は以後公開情報となります、とミサカは得意げに告げます」

「いつまで待っても通販で注文したあのカードは届かない……なら、“これ”で満足するしかない!」

「見とくれ! これがボクの嫁デッキや!」


 学園都市は決闘都市(デュエル・シティ)と化した。
 勝ち残るのは強者のみ。
 生き残るのは勝者のみ。


「第一の宣言ですが、《ピケル》と《クラン》はその業績を讃えられ、王女へと位を高めます」

「《身剣一体》。傭兵崩れには過ぎた力(カード)である」

「ここが正念場です……! 《究極・背水の陣》発動!」

「こっちのほうがわたしにはあってるかな。《王立魔法図書館》の効果で一枚ドローするよ」


 そして現れるカードの精霊。
“決闘者の王国”を止める方法はただ一つ。
『幻想殺し』が全ての決闘者の頂点に立つこと。


「って無理だろそれ! 俺の引き運のなさは知ってるだろ!?」
『それをカバーするのが構築力と応用力だ。なに、軽く一万戦ほどすれば嫌でも身につく』
「スパルタっ!?」


 右手にカードの剣を取り、左手にディスクの盾を持て。
 数多のカード、数多の決闘者。それらの運命がデッキという場所で交差する時、物語は始まる。


 とある魔術の禁書目録・異伝
  『とある二人の切札遊戯(アクセラレーション)』

 永遠に公開未定!


終わり。

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