小ネタ
『もし土御門が愛に散るならば…』
馬鹿野郎、上条は涙声で呟いた。
目の前には友人であり、かけがえのない仲間、土御門元春が息も絶え絶えに倒れていた。
「にゃー、カミやん。ちょっと無理しちまったんだぜい」
しかし、そんな状態にも関わらず飄々と喋る彼の肉体は今にも崩れ落ちてもおかしくないくらいに、ボロボロだった。
「土御門……話すな…話さなくていい…!」
霞む視界。
上条は引きつりそうな喉でやっと声を出している。
「敵の数はまだ多い…。だが勝ち目が無いってわけじゃあない。どんなに余裕綽々だろうが、隙は必ずある。そこを叩け、カミやん」
本来は魔術師である土御門が、能力者になるということは、魔術を使えば即死の場合もあり得る体でもあった。それでも彼は愛に生きた。
例えその身が砕け散ることになっても。
例え愛する者を欺いてでも、守りたい世界があったのだ。
「カミやん。最後に俺の願いを聞いてくれるかにゃー?」
「…ああ。何でも聞く」
「そうか…。…舞夏に伝えてくれ…馬鹿兄貴はいつでもどこでもお前を見守り続ける、って…ぐっ…」
「土御門!」
崩壊を迎える肉体。
威力は高いが、対価は自らの肉体の最高位魔術を使用した土御門。
「必ず伝える!だから…もう話さなくていい…話さないでくれ……」
上条の瞳から涙が零れ落ちた。
「泣くな、カミやん。お前は『幻想殺し』だろう?…もしかしたら『このふざけた世界の時間』をぶち壊すことも出来るかもにゃー…。…そろそろ、あばよ…カミやん」
静かに、土御門元春は逝った。右手でサムズアップをしながら。
「…土御門」
上条は天を見た。
そびえ立つ黄金の城。そこに討つべき敵がいる。
「………、」
上条は振り返らない。彼の拳に宿る勇気の炎が、燃え盛るーーー。
魔術師であり、能力者である土御門は、舞夏の住む世界を守る為に、命を懸けて彼は散っていった。
『もし土御門が愛に散るならば…』
馬鹿野郎、上条は涙声で呟いた。
目の前には友人であり、かけがえのない仲間、土御門元春が息も絶え絶えに倒れていた。
「にゃー、カミやん。ちょっと無理しちまったんだぜい」
しかし、そんな状態にも関わらず飄々と喋る彼の肉体は今にも崩れ落ちてもおかしくないくらいに、ボロボロだった。
「土御門……話すな…話さなくていい…!」
霞む視界。
上条は引きつりそうな喉でやっと声を出している。
「敵の数はまだ多い…。だが勝ち目が無いってわけじゃあない。どんなに余裕綽々だろうが、隙は必ずある。そこを叩け、カミやん」
本来は魔術師である土御門が、能力者になるということは、魔術を使えば即死の場合もあり得る体でもあった。それでも彼は愛に生きた。
例えその身が砕け散ることになっても。
例え愛する者を欺いてでも、守りたい世界があったのだ。
「カミやん。最後に俺の願いを聞いてくれるかにゃー?」
「…ああ。何でも聞く」
「そうか…。…舞夏に伝えてくれ…馬鹿兄貴はいつでもどこでもお前を見守り続ける、って…ぐっ…」
「土御門!」
崩壊を迎える肉体。
威力は高いが、対価は自らの肉体の最高位魔術を使用した土御門。
「必ず伝える!だから…もう話さなくていい…話さないでくれ……」
上条の瞳から涙が零れ落ちた。
「泣くな、カミやん。お前は『幻想殺し』だろう?…もしかしたら『このふざけた世界の時間』をぶち壊すことも出来るかもにゃー…。…そろそろ、あばよ…カミやん」
静かに、土御門元春は逝った。右手でサムズアップをしながら。
「…土御門」
上条は天を見た。
そびえ立つ黄金の城。そこに討つべき敵がいる。
「………、」
上条は振り返らない。彼の拳に宿る勇気の炎が、燃え盛るーーー。
魔術師であり、能力者である土御門は、舞夏の住む世界を守る為に、命を懸けて彼は散っていった。