Fight for Justice 一方通行×193その1
廃ビルの中に入ると、そこに集まっていた数人のスキルアウトが一方通行を見て乾上がったもの、睨みつけたもの、様々な反応を見せた。
「これはこれは『第一位』。何の用だ!」
「ちっ……先制攻撃か」
数瞬の後、スキルアウト達が鉄パイプや廃材を手に殴りかかり始めた。狭いビルの一室での戦闘。能力をフル稼働させればものの数秒でまさに瞬殺が可能なのだが、いくらバッテリー使用可能時間が延びたといえ、頼りにする程バカではない。
「舐めやがって!」
「…あれを使うぞ」
単調な攻撃を身軽に交わし、一方通行は狙いを探す。
「この力、『一方通行』に耐えられるか?」
しかし、急に攻撃する手を止めたスキルアウト達は懐からそれぞれ同じようなUSBメモリに似たものを取り出し、スイッチを押した。
『マスカレイド!』
首筋、腕、手首、一人一人違う場所にそれを差し、姿が変わった。
不気味な仮面を付け、黒いスーツ姿と変わり果てたのである。
(なンだ…?)
再開される攻撃。だが、先程と打って変わり、一撃の重さが増している。その証拠に、埃まみれの床に凹みが乱産されていく。
「っ、と…危ねェ…!」
Fight for Justice 一方通行×193その2
砕けた床の破片が腹部に当たり、一方通行はバランスを崩してよろけてしまった。
「もらった!」
「…おらよ!」
右手の杖で、鉄パイプを防ぐ。
「そんなもの!」
「なンだと!?」
杖は一撃で粉砕されてしまった。鉄パイプの方の強度すげぇ、と思わないように。
「シャレになンねェぞ……」
「チェックメイトだ」
じわり、とスキルアウト達が距離を詰める。
一方通行の手には、一丁の銃と破壊された杖のグリップ部しか無い。
「……丁度良い機会だ。…おい三下共。その命、神に還しやがれ」
『レ・ディ・イー』
両腕を胸の前に出し、左の掌に杖のグリップだった、イクサナックルを打ち付け、そのイクサナックルから適合者と認識されたことを証明する電子コールが鳴り、一方通行の腰に専用ツール、イクサベルトが現れ、
「イクサ……爆現…!」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
イクサナックルを装着し、金色の十字架と共に強化装甲服が形成されて一方通行は変身した。
「な、何だ!」
「ざわ…ざわ…!」
白を基調とし、聖職者の法衣に似たパワード・スーツ『仮面ライダーイクサ』は、同じく白の一方通行にはぴったりであった。
Fight for Justice 一方通行×193その3
「くっ…怯むな! 相手は一人だ!!」
「うるせェ、黙ってろ」
今一度迫る相手に、一方通行はイクサのフェイスカバーを開き、その際に生まれた風圧で吹き飛ばす。
「イクサ…バースト・モード!」
起き上がったマスカレイドを蹴り飛ばし、背後から近寄るマスカレイドには専用銃、イクサカリバー・ガンモードを放ち迎撃する。
「…ったく、しゃらくせェなァ!」
ぞろぞろと迫るマスカレイドを前に、イクサカリバーのマガジン部を収納し、赤い刀身を出現させ、手にした鉄パイプと廃材を切り落とし、更に剣撃をお見舞いさせる。
「まずい!」
「逃げるぞ!」
「逃がさねェよ」
イクサベルト横から、七種ある中のひとつ、金色の電子キー・モジュールを『フエッスル』をベルトのフエッスル・リーダーに読み込ませる。
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
手にするイクサカリバーが光を纏い、燃え盛る太陽を背に、マスカレイドに斬りかかる。
「うわぁあああ!」
「つ…強い…」
「やめ…」
「まっ、待てぇぇ!」
「ぐわあぁああーっ!」
Fight for Justice 一方通行×193その4
これこそまさにイクサの必殺技、『イクサ・ジャッジメント』。一方通行は初めてイクサを装着したのだが、それを見事に使いこなした。
「………、」
目的を忘れたわけではない。
戦闘の爪痕を残す部屋には、先程のメモリが体内から排出され、破壊されて破片が散乱し、強制排除された際の痛みでスキルアウト達は床に転がっている。その中から、資料にあったスキルアウトを見つけ出し、射殺 した。命乞いなどは聞かない。それだけ重大なことをしでかしてくれたのだから。
「クソったれが…」
今回の仕事で一方通行には不可解な点が残った。
ひとつはあのUSBメモリ。調べようと思ったが、どれも粉々に砕け散っていてそれどころでは無かった。
もうひとつは………、
「うおっまぶし」
仕事を終え、外に出てすぐに呟いた。
廃ビルの中は薄暗く、そこから出て来てすぐの日差しは眩しすぎて思わず目を細めてしまった。
「あー、杖どうすっかなァ……」
イクサナックルを仕込むのは実に大変だった。スペアを大量に用意しておくか、と一方通行は頭の中に留め、廃ビルの近くにあった自販機へと足を向けた。
ー糸冬われー
廃ビルの中に入ると、そこに集まっていた数人のスキルアウトが一方通行を見て乾上がったもの、睨みつけたもの、様々な反応を見せた。
「これはこれは『第一位』。何の用だ!」
「ちっ……先制攻撃か」
数瞬の後、スキルアウト達が鉄パイプや廃材を手に殴りかかり始めた。狭いビルの一室での戦闘。能力をフル稼働させればものの数秒でまさに瞬殺が可能なのだが、いくらバッテリー使用可能時間が延びたといえ、頼りにする程バカではない。
「舐めやがって!」
「…あれを使うぞ」
単調な攻撃を身軽に交わし、一方通行は狙いを探す。
「この力、『一方通行』に耐えられるか?」
しかし、急に攻撃する手を止めたスキルアウト達は懐からそれぞれ同じようなUSBメモリに似たものを取り出し、スイッチを押した。
『マスカレイド!』
首筋、腕、手首、一人一人違う場所にそれを差し、姿が変わった。
不気味な仮面を付け、黒いスーツ姿と変わり果てたのである。
(なンだ…?)
再開される攻撃。だが、先程と打って変わり、一撃の重さが増している。その証拠に、埃まみれの床に凹みが乱産されていく。
「っ、と…危ねェ…!」
Fight for Justice 一方通行×193その2
砕けた床の破片が腹部に当たり、一方通行はバランスを崩してよろけてしまった。
「もらった!」
「…おらよ!」
右手の杖で、鉄パイプを防ぐ。
「そんなもの!」
「なンだと!?」
杖は一撃で粉砕されてしまった。鉄パイプの方の強度すげぇ、と思わないように。
「シャレになンねェぞ……」
「チェックメイトだ」
じわり、とスキルアウト達が距離を詰める。
一方通行の手には、一丁の銃と破壊された杖のグリップ部しか無い。
「……丁度良い機会だ。…おい三下共。その命、神に還しやがれ」
『レ・ディ・イー』
両腕を胸の前に出し、左の掌に杖のグリップだった、イクサナックルを打ち付け、そのイクサナックルから適合者と認識されたことを証明する電子コールが鳴り、一方通行の腰に専用ツール、イクサベルトが現れ、
「イクサ……爆現…!」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
イクサナックルを装着し、金色の十字架と共に強化装甲服が形成されて一方通行は変身した。
「な、何だ!」
「ざわ…ざわ…!」
白を基調とし、聖職者の法衣に似たパワード・スーツ『仮面ライダーイクサ』は、同じく白の一方通行にはぴったりであった。
Fight for Justice 一方通行×193その3
「くっ…怯むな! 相手は一人だ!!」
「うるせェ、黙ってろ」
今一度迫る相手に、一方通行はイクサのフェイスカバーを開き、その際に生まれた風圧で吹き飛ばす。
「イクサ…バースト・モード!」
起き上がったマスカレイドを蹴り飛ばし、背後から近寄るマスカレイドには専用銃、イクサカリバー・ガンモードを放ち迎撃する。
「…ったく、しゃらくせェなァ!」
ぞろぞろと迫るマスカレイドを前に、イクサカリバーのマガジン部を収納し、赤い刀身を出現させ、手にした鉄パイプと廃材を切り落とし、更に剣撃をお見舞いさせる。
「まずい!」
「逃げるぞ!」
「逃がさねェよ」
イクサベルト横から、七種ある中のひとつ、金色の電子キー・モジュールを『フエッスル』をベルトのフエッスル・リーダーに読み込ませる。
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
手にするイクサカリバーが光を纏い、燃え盛る太陽を背に、マスカレイドに斬りかかる。
「うわぁあああ!」
「つ…強い…」
「やめ…」
「まっ、待てぇぇ!」
「ぐわあぁああーっ!」
Fight for Justice 一方通行×193その4
これこそまさにイクサの必殺技、『イクサ・ジャッジメント』。一方通行は初めてイクサを装着したのだが、それを見事に使いこなした。
「………、」
目的を忘れたわけではない。
戦闘の爪痕を残す部屋には、先程のメモリが体内から排出され、破壊されて破片が散乱し、強制排除された際の痛みでスキルアウト達は床に転がっている。その中から、資料にあったスキルアウトを見つけ出し、射殺 した。命乞いなどは聞かない。それだけ重大なことをしでかしてくれたのだから。
「クソったれが…」
今回の仕事で一方通行には不可解な点が残った。
ひとつはあのUSBメモリ。調べようと思ったが、どれも粉々に砕け散っていてそれどころでは無かった。
もうひとつは………、
「うおっまぶし」
仕事を終え、外に出てすぐに呟いた。
廃ビルの中は薄暗く、そこから出て来てすぐの日差しは眩しすぎて思わず目を細めてしまった。
「あー、杖どうすっかなァ……」
イクサナックルを仕込むのは実に大変だった。スペアを大量に用意しておくか、と一方通行は頭の中に留め、廃ビルの近くにあった自販機へと足を向けた。
ー糸冬われー