とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 6-151

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匿名ユーザー

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「あっ」
小さく声を上げた後、不幸だぁ!と思い、上条はその場で立ち止まった。
その相手は、学園都市№3の、御坂美琴がいた。
前方を見て、このまま前に進むべきか、それとも、静に違う道を通って帰るべきか少し迷っていた。
そして悩んだ結果、もし、相手が気づいていないみたいだったら、違う道を通って帰ろう。そんな軽い気持ちで、気づかれないようにそっと見た。
………そして、見てしまった。



「はぁ…………」
その日、美琴は、朝から、ずーとため息ばかりついていて、体中から負のオーラが出したまま歩いていた。

そもそも、そうなった原因というのは、今回の能力測定の結果が原因だ。
なんとか以前の測定値をキープしたというものの、自分が思っていたよりも結果が延びなかった。
たしかに、学園都市№3という実力を持ちながら、そんなことを言うのは、わがままだと言われればその通りだが、
それでも、自分はもっと強くなりたい……。
誰かを確実に守れるぐらいに。
そう、今も瞳を閉じればでて来る彼を……守れるぐらいに。

彼には大切な人を守ってもらったから、自分はその恩返しをしたいのだ。
でも、それだけじゃない。
自分は、彼の事が…………っだから。

「はぁ…………。」

また、ため息をついてしまう。
こんな自分では彼に合わないと思ってしまった。
何回も彼に挑んだ。
しかし、負けた。
能力測定でも良い結果が出せなかった。

まったく、イヤになってしまう。

こんな自分では、彼の傍にいる事なんてできない。
そんな、落ち込む美琴その姿は、まだ秋にもかかわらず、木枯らし吹き荒れる晩秋のそれと似た、むなしさと、寂しさが漂っていた。

それがまるで、彼と美琴を隔てる空間のようだった。
どうしても、自己嫌悪になってしまう。
彼と自分の間には越えられない空間が………。


「‥‥‥ぁ。」
何で、こんなに悲しんだろう、何で、こんなに辛いだろう‥‥。
自然と、涙がこぼれ落ちてきた。



せっかく、気を紛らわせようとしているのに、

せっかく、後輩の黒子にも、
「・・・お姉様、どこか気分転換にいってらっしゃいな。」
と、気を遣ってくれているのに。


少し、むっとした声で黒子が言ったその言葉。
その言葉を聞いて、美琴は驚きながら黒子見る。
しかし、黒子はそっぽを向いたまま、それ以上言わなかった。


黒子にとっての美琴は大切な人だ。
そんな大切な人が困っていたら助けてあげたい!力になってあげたい!
でも、
彼女は、自分ではなく、彼を求めていることを、知っている。
だから、だから、………
あなたに、譲りますの。
あのとき、言った言葉を守って頂くために、

………そう、約束だ。
御坂美琴と彼女の世界の周りの世界を守るってな。

その約束を守っていただくたくために、


「………うん。」
美琴は小さく頷いた。


御坂出かけた後、
「………はぁ、私もお人好しですわね。
でも、それが一番いいのですよね。いいえ、いいに決まってます。」
静に、優しく微笑んで、見送った。

当麻が見た物は今にも壊れてしまいそうな、そんな、目に涙をため込んだ顔をしている御坂の姿だった。
ただ、声をかけるべきか一瞬迷った。
だが、それよりも先に勝手に体が動いた。
目の前の、苦しんでいる少女を救うために、
超能力者とか関係なく、ただ助けたい、と思った。
ただ、それだけ………


「………、………、……か、御坂、」
誰かに呼ばれた気がした。
でも、今はほっといて欲しい時、無視ればいい。
それでもしつこいようだったら電撃食らわしてやればいい(もちろん手加減はするが)、そんな気分だった。

誰かに肩を掴まれ引っ張られた。
「おい、御坂!」
そこにいたのは、
唯一負けた男、
唯一泣き顔を見せた男、
唯一この状況救ってくれる男、



「アンタ、なんで!?それよりも、な、何か用?」

美琴は少し驚き、気恥ずかしくて、思わずキツイ言葉で返してしまう。


「あー、別に用はないんだけど………な。」


当麻はしどろもどろに言う。


「よ、用もないのに、話しかけないでよね!」
思わず叫んでしまう。


「仕方がねぇだろ?御坂を見かけたら、なんとなく、ほっとけなくなったんだから。」
真剣な目で、答える

「………なっ!」


当麻の言葉に美琴は顔を真っ赤にした。
彼は今、何て言った?
自分を見かけたら………ほっとけなくなった?


いつも私のこと無視しているくせに!
なんで、なんでアンタは私が本当に困った時、助けて欲しい時、そうやって救ってくれるのよ。
私の気持ちも、気づいてくれないのに!


「あ、御坂は、もしかして、俺に声を掛けられて、迷惑だったか?それだったら………」


「そ、そんなわけないでしょ!」


頭の中でいろんな事が駆けめぐっている中で、美琴は当麻の言葉に反射的に答えた。
答えてから気付いた。
自分の、本当の『気持ち』

その言葉に当麻はとても嬉しそうな顔をしている事に。
そして、美琴は自分の言った言葉に、自分で恥ずかしくなってしまった。


「じゃあ、問題なしだな!」

そう言って、当麻はまた、美琴に手を差し出した。


「暇だったらさ、一緒に遊ぼうぜ。」
彼が、やさしく笑って言った。


少し、目を閉じて、
あぁ、そうだ、そんなんだ。
最初から隔てる物なんかなかった。
それは、自分で勝手に作っていたもの。


美琴は当麻の手を力強く握った。
手の感触に心臓がうるさくなる。
何かが心から溢れ出した。
それは、とても暖かく大切なもの。


「うん!」
そう、元気な声で答えた。



言葉にできない
素直になれない


……でも、だからこそ、
不器用な私なりに、
未熟でもいいから、
前に進め!一歩でも多く、
後悔しないためにも、
私らしく、あるために。






ただ何となく、アイツ(あいつ)の笑顔が、元気な姿が見ていたい!

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