とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 6-145

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匿名ユーザー

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御坂美琴は病院を訪れていた。
別に彼女の体調が悪いというわけではない。
単純にお見舞いである。
ツンツン頭の少年・上条当麻がまた入院したという話をどこからともなく聞き付け、見舞いに来たというわけなのだが、
「……か、感謝しなさいよ! 入院してるって聞いたからお見舞いに来てやっ……」
開口一番照れ隠し交じりのセリフを口にしながら病室に入った美琴だったが、
「zzz……」
生憎と上条は睡眠中であった。
病室に入るまでアレコレといろんな状況を想定して、色々考えていた美琴としては肩透かしを食らったような気分だったが、まあ病人は寝る事が仕事のようなものなのでこればっかりはしょうがない。
なんとなく電撃ぶっ放したい衝動に駆られたが、なんとか気持ちを抑えると、とりあえずボーっと突っ立っていてもしょうがないので見舞いの品をその辺に置く。(ちなみの見舞いの品は、以前お見舞いに来た際に所望していたボロボロの手作りクッキーではなく、それなりによさげな店で買ってきたお菓子の詰め合わせである)
眠っている顔色を少々窺ってみると、だらしのない顔をして気持ち良さそうに眠っている。
さすがに起こすのは悪い気がしたので、近くに置いてあった折り畳み椅子を引っ張り出してベッドの横に腰を下ろした。
身体中の所々に包帯を巻かれている事から、病気でなく怪我による入院であるようだ。
まあそれはある程度予想していた事なのだが、
「(……今度は一体どこの誰(女の子)を助けてこんなことになってんのよ……またあのシスター? それともあの地味っぽい胸のおっきい娘? それともまた別の……?)」
怪我の原因が物凄く気になって気になって仕方がなかった。
心配とイラつきがゴッチャになった妙な気分でモヤモヤとしている美琴の心情など露知らず、上条さんは相変わらずだらしのないアホ面丸出しで気持ち良さそうに眠っている。
「(全く……人の気も知らないで……こいつは……)」
「んん………………むにゃ…むにゃ……」
上条が何やら寝言を呟いた。
とはいえ何を言っているのか全く分からない。
眠っている表情からすると、それなりにいい夢でも見ているのだろうか?
「一体どんな夢見てんだか……」
と美琴がぼやいていると、
「んん……み……さ…か……」
上条が寝言でそう呟いた。
「えっ……!?」
一瞬聞き間違いかとも思ったが、
「……み…さか……むにゃむにゃ……」
もう一度呟いたのを聞いてしまったことからすると、先程呟いた寝言も聞き間違いではないようだ。
「(なに!? こいつ私の夢を見てるって事……?)」
寝言で名前を呟かれたという事はそういうことになるのだろうか?
それを確認するには上条に聞くしかないわけだが、生憎と彼は寝ているので無理である。
「(ど、どんな夢見てんのよ……!? 夢の中で私に変な事とかしてないでしょうね……!?)」
先程までのモヤモヤなんてすべて吹き飛び、今度は上条の見ている夢の事が気になり、悶々とする事になるのであった。
とりあえず、少しでも情報が欲しい美琴は上条の寝言がもっとよく聞こえるようにと顔(正確には耳)を近付けるが、
「zzz……」
そうすると今度はなかなか寝言を口にしない。
「(ちょっと、なんで急に何も言わなくなるのよー! こっちはあんたの寝言が気になってしょうがないっていうのにー……!)」
何も言わなくなった事に少しイラっとしていると、
「んん……」
ゴロンと上条が寝返りをうち、二人の顔が急接近する。
「---っ!?」
突然の事にびっくりする美琴だったが、
「……み…さか……」
この状況で寝言を呟かれた事により、恥ずかしさが一気に爆発した。
「ふ、ふにゃー」
バギバヂバヂバヂッィィィィン!!! と派手な電撃音が病室内に響いた。

その後、上条の入院期間が延びた事は言うまでもない……。


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