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「おお!朝からエライ事してるなー。って思ったけどやっぱりそういうオチだったかー、つーまーんーなーいーぞー」
「いやつまんないとかつまんなくないとかの話じゃないだろ!大体なんだよつまんないって!?」
「あのまま私を引きとめなければ様々なパラレルワールド(妄想世界)に行けたのにーっ、て話だぞー。例えば……」
「どわぁあああ!まて待て!!ここから先は妄想車立ち入り禁止の通行止めです!危険な幻想を頭に抱いてる人は入る事が出来ません!!」
「えー!?私はあの時の立ち位置から「メイドは見た!とある御主人様の秘密!!」と「未来系メイド、○比奈○○くのご奉仕」のセリフのどっちが何事も無かったかのように先に進んでもらえるかですっごく悩んでたんだぞー!要は気を聞かせてあげようとしてたのにー!」
「先に進むって何!?それに○○って伏せ字するんだったら出すな!!つーかなんですかそのマニアック全開のテレビ番組は!!?」
「む!「マニア必見!100人メイドのご奉仕TV」をマニアックとは心外だなー。ちゃーんと「ザ・チデジジョン!」にも載っている由緒ある局で、メイドの、メイドによる、メイドとその系統のマニアの為の……」
「冒頭から「マニア」って言ってんじゃねーか!?それに「ザ・チデジジョン!」には殆ど全部の局と番組の放送内容が載ってるだろーが!!」
「いつにも増して激しいツッコミだなー。じゅうぶん漫才師として通用すると思うぞー」
「人の話を聞けぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「………………きぃ?」
「いやつまんないとかつまんなくないとかの話じゃないだろ!大体なんだよつまんないって!?」
「あのまま私を引きとめなければ様々なパラレルワールド(妄想世界)に行けたのにーっ、て話だぞー。例えば……」
「どわぁあああ!まて待て!!ここから先は妄想車立ち入り禁止の通行止めです!危険な幻想を頭に抱いてる人は入る事が出来ません!!」
「えー!?私はあの時の立ち位置から「メイドは見た!とある御主人様の秘密!!」と「未来系メイド、○比奈○○くのご奉仕」のセリフのどっちが何事も無かったかのように先に進んでもらえるかですっごく悩んでたんだぞー!要は気を聞かせてあげようとしてたのにー!」
「先に進むって何!?それに○○って伏せ字するんだったら出すな!!つーかなんですかそのマニアック全開のテレビ番組は!!?」
「む!「マニア必見!100人メイドのご奉仕TV」をマニアックとは心外だなー。ちゃーんと「ザ・チデジジョン!」にも載っている由緒ある局で、メイドの、メイドによる、メイドとその系統のマニアの為の……」
「冒頭から「マニア」って言ってんじゃねーか!?それに「ザ・チデジジョン!」には殆ど全部の局と番組の放送内容が載ってるだろーが!!」
「いつにも増して激しいツッコミだなー。じゅうぶん漫才師として通用すると思うぞー」
「人の話を聞けぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「………………きぃ?」
あの状況の目撃者である「土御門舞夏」
彼女はとなりの部屋に住んでいる上条の同級生、土御門元春の義理の妹で、よく兄のいるこの寮に遊びに来る。(泊る事もある)
メイドの格好をしているがこれは決してコスプレをしている訳では無く、彼女が「繚乱家政女学校」というメイド育成学校の生徒だからだ。聞いた所によると、現地研修に行けるのは優秀な者だけらしく、それから推測するに舞夏もその部類に入るのだろう。だが……
メイドの格好をしているがこれは決してコスプレをしている訳では無く、彼女が「繚乱家政女学校」というメイド育成学校の生徒だからだ。聞いた所によると、現地研修に行けるのは優秀な者だけらしく、それから推測するに舞夏もその部類に入るのだろう。だが……
(勝手にベランダから主人の部屋に不法侵入するメイドが優秀なのかよ?)
数秒の間が空いた後、ニッコリ微笑んで自分の部屋に戻ろうとした舞夏を必死の思いで引きとめ、状況を説明したら(インデックス不在の理由、この子は誰か、なぜこんな状況になっているのかetc)何故かブツクサ文句を言われた。が、とりあえずはこれで良い。
もし、誤解されたままお喋りな舞夏をあのまま自分の部屋に返したら…………考えただけで背筋が凍り、寒気がする。
「どうした?顔色が悪いぞー」
「い、いや、何でも無いって!(ここで理由を行ったらまた漫才の様な架け合いをさせられる……)それより悪かったな、部屋の掃除やらせちまって」
「気にするな、何時もやってる事だからどうってことないぞー。掃除はメイドの基本なのだー!でも兄貴には言わない方が良いと思うぞ?呪われるかもしれないからなー」
「嫌ってほど理解してるよ……」
状況を説明し終えた後、一番早く動いたのは舞夏だった。
上条に着ている服を洗濯機に出し、シャワーを浴びて着替えてくるように指示し、きぃの服を脱がせ、体をタオルで拭いたあと上条のTシャツとズボンを着せ、すぐさま雑巾で床の掃除を始めたのだ。
「い、いや、何でも無いって!(ここで理由を行ったらまた漫才の様な架け合いをさせられる……)それより悪かったな、部屋の掃除やらせちまって」
「気にするな、何時もやってる事だからどうってことないぞー。掃除はメイドの基本なのだー!でも兄貴には言わない方が良いと思うぞ?呪われるかもしれないからなー」
「嫌ってほど理解してるよ……」
状況を説明し終えた後、一番早く動いたのは舞夏だった。
上条に着ている服を洗濯機に出し、シャワーを浴びて着替えてくるように指示し、きぃの服を脱がせ、体をタオルで拭いたあと上条のTシャツとズボンを着せ、すぐさま雑巾で床の掃除を始めたのだ。
上条が着替えを終え、急いで駆け付けた時にはあれだけ散らかっていた物体TGは影も形も無く、散らかしっぱなしの食器は綺麗に洗われていて、その他部屋の色々な場所が綺麗になっていた。
その光景を見て思わず涙が溢れそうになる。
自分が家事をやらなくて良い…………それは普段なら100%。天と地がひっくり返っても上条にとってあり得ない状況だ、と言うか奇跡に近い。
その光景を見て思わず涙が溢れそうになる。
自分が家事をやらなくて良い…………それは普段なら100%。天と地がひっくり返っても上条にとってあり得ない状況だ、と言うか奇跡に近い。
(か、上条さんは感動で目から汗が流れ落ちてしまいそうです!!つ、土御門が羨ましい!インデックスはこんな素晴らしい幻想を一回も見せてくれた事が無いと言うのにっ!!…………俺もこんな義妹が欲しい!シスコンって罵り続けてすみませんでした!!)
この後に待っていたのが先程の漫才もどきでその幻想が一気に殺されるという事はこの時の上条には予想できなかった事だった。
「ところで話を戻すけど…………このパソコン、本当に「きぃ」しか喋らないのかー?」
「きぃ?」
急に入ってきてあれこれやった舞夏に上条は最初、きぃが怯えるんじゃないかとも思ったが、きぃはなんの敵意ももたずあっさり舞夏の存在を受け入れてしまったようだった。
「きぃ?」
急に入ってきてあれこれやった舞夏に上条は最初、きぃが怯えるんじゃないかとも思ったが、きぃはなんの敵意ももたずあっさり舞夏の存在を受け入れてしまったようだった。
「ああ、壊れてるんじゃないかと思ってさ。朝飯食べたらどこか専門のとこに行って調べてもらう予定だったんだけど…………」
「OSとCPUは確認したかー?」
「ま、まだ……」
「……なあ上条当麻〜。もしかして「OSとかCPUとか、聞いた事あるけど詳しくは知りませーん」って言う、いわゆる「パソコン使用歴はそこそこ長いけど、深くまで潜った事は無い」人かー?」
「…………はい」
図星だ。自分の心理状態を100%そのまんま言い当てられた。
我ながらよく……
「OSとCPUは確認したかー?」
「ま、まだ……」
「……なあ上条当麻〜。もしかして「OSとかCPUとか、聞いた事あるけど詳しくは知りませーん」って言う、いわゆる「パソコン使用歴はそこそこ長いけど、深くまで潜った事は無い」人かー?」
「…………はい」
図星だ。自分の心理状態を100%そのまんま言い当てられた。
我ながらよく……
「よく科学の街の学園都市で生きてこられたなー。」
「……………………………………」(情けなくなるので思考をストップさせたらしい)
「と、無駄話はここまでだな。そこのディスプレイ借りるぞー。きぃー、ちょっとこっち来なー」
「き?」
「ディスプレイ?……ああなんだ、テレビの事か」
「ビデオ3の状態にしてっと、そしてここに……ちょっと耳借してなー」
「きぃ?」
テレビの電源を入れ、パソコン(きぃ)を自分の横に座らせ、機械で出来た大きな耳の蓋っぽい物をパカッ!と開き、その中からコードを1本引き伸ばしてテレビにつなぐ。
「……………………………………」(情けなくなるので思考をストップさせたらしい)
「と、無駄話はここまでだな。そこのディスプレイ借りるぞー。きぃー、ちょっとこっち来なー」
「き?」
「ディスプレイ?……ああなんだ、テレビの事か」
「ビデオ3の状態にしてっと、そしてここに……ちょっと耳借してなー」
「きぃ?」
テレビの電源を入れ、パソコン(きぃ)を自分の横に座らせ、機械で出来た大きな耳の蓋っぽい物をパカッ!と開き、その中からコードを1本引き伸ばしてテレビにつなぐ。
少し慣れた人からしてみれば簡単な事なのだろうが、上条にとってはもうプロの業者がやっている作業みたいで、その一連の作業をボ〜っと眺めていた。
…………だからかもしれない。
「こうすると、このテレビ画面にOSのバージョンとかCPUの速度とか色んな情報が表示され…………」
上条自慢の不幸を予想するセンサーが働かなかったのは…………
「舞夏くん?」
「なんだー?」
「どうしてテレビの電源がいきなり切れたのかな?」
「さあー……何でだろうなー……」
「舞夏くん?」
「どうしたー?」
「なんでテレビから煙が出ているのかな?」
「うーん……分からないなー……」
「なんだー?」
「どうしてテレビの電源がいきなり切れたのかな?」
「さあー……何でだろうなー……」
「舞夏くん?」
「どうしたー?」
「なんでテレビから煙が出ているのかな?」
「うーん……分からないなー……」
「きぃ?」
ボンッ!!
という音と共に、昨日まで現役だったはずのテレビは、急転直下の死を迎えた。
「いやー、面白いオチが付いて良かったなー」
「ちっとも良くねえし面白くもねえっ!!!」
「ちっとも良くねえし面白くもねえっ!!!」