とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 6-24

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

行間2


学園都市最強のレベル5「一方通行」は、学園都市暗部の組織「グループ」が集う「休憩所」で昼寝をしていた。今この休憩所に居るのは自分と同じグループのメンバーの1人「海原光貴」だけだ

ここ暫く、グループのメンバーには仕事が回ってきていなかった。

上からの指令が無いというのは肉体的にも精神的にもありがたい。暗部にまで堕ちてきた自分たちに仕事が無いと言う事は、それだけ光の世界が落ち着いていると言う事だ。
願わくば、光の世界しか似合わない騒がしすぎるあの少女にも、平穏な時が流れている事を……………………

「…………あ~……………しっかし、やる事がネぇならねェで退屈だなァおい……」

昼寝はし飽きたし、射撃練習もとうに限界最高得点を越え、食事はついさっきとったばかり。元々闇の住人である一方通行には常識的な暇のつぶし方は、分かるが実行できないし楽しめないのだ。

「トランプでもしますか?古くから受け継がれているゲームっていうのは、単純ですが、そう早く飽きは来ませんよ?」
「…………パスだ。そういうのは2人でやっても面白くねえだろ。それにテメェと一対一でそういうゲームはやりたくねえ」

一方通行がそう言ったのには二つほど訳がある。

1つ目に、この「海原光貴」は本人ではないらしい。らしい、と言うのは一方通行が海原の事をあまりよく知らないからなのだが、海原はとある能力で人の顔を借りる事が出来る……らしい。
それ故か、ポーカーフェイスがグループのメンバーではトップで、こういうゲームが結構得意だったりするからだ。

二つ目は一方通行の個人的事情で、海原の近くにいると、まるで静電気を浴びているかのような少々嫌な感覚に襲われるのだ。満足に昼寝が出来なかったのも、少しばかりそれが原因だったりする。

九月某日。自分の背中に黒い翼の様な物が生えた時からその感覚がある。
科学では証明できないのではないかとも思う、不思議な力を浴びている様な感覚が………………

「そうですか、じゃあ……」
「四人での対抗戦なら文句はないにゃー、一方通行?」


いつの間にか休憩室の入り口にグループのリーダー、土御門元春と、同じくグループの構成員、結標淡奇が立っていた。
ニヤついている土御門に対し、結島は溜息をついている。

「ハッ!おいおい、学園都市暗部の組織の一組がみんなで仲良くトランプたァどういう事だ?笑い話にしかなんねえぞ」

鼻で笑う一方通行が寝ているソファーの近くにある別のソファーに、土御門と結島は腰を下す。

「まあまあ偶にはいいぜよ、ゲームで仕事を選ぶってのも」
「…………どういう事だ?」
「仕事よ…………ちょっと特殊な、ね」

結島は手に持っていた資料らしきものをパラパラとめくると、面倒臭そうにそれを床に投げ捨てた。

「今回の仕事は、はっきり言って俺達のうち誰かが圧倒的戦力になる……なんて事が無いんだにゃー。一方通行のベクトル変換も、結標の座標移動も、海原の誰かに化ける能力も、俺の肉体再生も………そこまで役に立たないぜい」
「あぁン?だったらンなもん別の所に回しゃあ良いだろうが。上のお偉いさんも、厄介事が早く無くなる方が良いんじゃネェのか?」

別に暗部の組織はグループだけでは無い。それこそ、掃いて捨てるほどある筈だ。

「それがそうもいかないらしのよ。私達以外に適応する人たちがいないんですって。それが本当かどうかはさておきね。」
「んでもって今回の仕事は…………四人全員がバラバラに動く必要があるんだにゃー。しかも、それぞれの仕事内容は楽が出来る簡単なものから、何でこんな事を……って言うようなめんどくせぇものまである。………だけどさっき言った通り、誰がどこに就こうが成果は大して変わんねぇ………」
「…………つまり、誰がどの役割に就くかをゲームで決めようと言う訳ですか?」
「私は反対したんだけどね……」

結島は溜息をつきながらも、土御門が海原から奪い取ったトランプをシャッフルしている。
自分ではイカサマを仕掛けたと思われかねないから代わりにやれ、との事らしい。

(クククッッ、おいおい、なんだこりゃあ?)

一方通行は笑っていた。

学園都市暗部。闇の中の闇に生きる者たちが仕事の優越を決める為にトランプで勝負。
そんなどうでも良く、馬鹿馬鹿しい事が今ここで繰り広げられようとしているのだ。

それは憐れみか、可笑しすぎて笑えてくる物なのか。
それとも、こういう時こそが安らぎの時間なのだという認識を少しばかり持ちそうになっている自分への嘲りか。

「どうします一方通行?やりますか?やりませんか?」

挑発するような海原の声に対し、口元に少しばかりの笑みを浮かべ、一方通行はゆっくりとその体を起こす。

嵐の前の静けさが終わる……その一歩前に出来た、少しばかりの暇を潰すために…………

「良いんじゃねーのか?…………退屈だしよォ」
「…………よーし、それじゃあ………………………………………………」





「ダウトで勝負だぜぃ!!」
「はぁ!?ババ抜きだろクソッたれがァ!!」
「トランプと言ったら七並べでしょ!?」
「インディアンポーカーなんてどうです?」


この後、どのゲームをやるかで四人が三〇分ほど揉めるのはどうでもいい話。
結局4つ全部やり、勝敗が決した後も勢いでゲームを続け、結果として三時間以上もトランプをし続けたのもどうでもいい話。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー