「・・・・・・・は?」
ふと気が付いた時、上条当麻は真っ白な空間の中にいた。
白い地平がどこまでも続き、地平線の果てからはやはり真っ白な壁が空まで繋がって世界を覆っている。
それ以外には建物はおろか人っ子一人居らず、自分だけがただ立ち尽くしていた。
彼は、唐突に寂しさでも感じたのか、ひとりごちる。
ふと気が付いた時、上条当麻は真っ白な空間の中にいた。
白い地平がどこまでも続き、地平線の果てからはやはり真っ白な壁が空まで繋がって世界を覆っている。
それ以外には建物はおろか人っ子一人居らず、自分だけがただ立ち尽くしていた。
彼は、唐突に寂しさでも感じたのか、ひとりごちる。
「あー。夢か、夢だな、夢ですよねこんなもん。
こんなまっさらな夢見るなんて上条さんてば日常に疲れちゃってるのでせう?
今日もインデックスには噛まれたしビリビリには追われるし
最近学校でも土御門や青髪ピアスが馬鹿やると何故か俺が吹寄に怒られるし。
あーもー最近言わなかったけど折角広いし言いますよ?不幸だー!」
こんなまっさらな夢見るなんて上条さんてば日常に疲れちゃってるのでせう?
今日もインデックスには噛まれたしビリビリには追われるし
最近学校でも土御門や青髪ピアスが馬鹿やると何故か俺が吹寄に怒られるし。
あーもー最近言わなかったけど折角広いし言いますよ?不幸だー!」
「うん、君がそんなだからここに来てもらったんだよ。上条君」
その声は唐突に。誰も居ない空間から、誰も居なかった筈の空間から聞こえてきた。
(・・・・・ッ!!現実逃避してる場合じゃねぇ、これは魔術か何かか!?)
慌てて声の主の方に振り向くと
(・・・・・ッ!!現実逃避してる場合じゃねぇ、これは魔術か何かか!?)
慌てて声の主の方に振り向くと
「上条君、イエーイ☆
あれ、上条君どうして脱力するように四つん這いなのかね?
バレンチヌスさびしいよ」
あれ、上条君どうして脱力するように四つん這いなのかね?
バレンチヌスさびしいよ」
「・・・いやね、いい加減悟ってきてまた何か巻き込まれたかとカミジョウ-シリアススタイルに移行したら
いきなりイエーイ☆とか軽く来られて上条さんはお疲れなんです!
ていうかバレンチヌスってなんだその名前!?お前はお菓子会社のマスコットかっつーの!」
いきなりイエーイ☆とか軽く来られて上条さんはお疲れなんです!
ていうかバレンチヌスってなんだその名前!?お前はお菓子会社のマスコットかっつーの!」
激しく突っ込んだは良いが詳しく聞いてみると本当にバレンタインの元になった名前の人らしかった。
「つーとアレか?神裂みたいに聖人って奴なのか?
おいおい俺はそんな凄い奴のしかも恋愛で有名な奴に何かした覚えはないですよ?」
おいおい俺はそんな凄い奴のしかも恋愛で有名な奴に何かした覚えはないですよ?」
「バレンチヌス忠告しに来たんだよ。上条君はなんでも色んな女の子に手を出しては
放置してるので来る次の2月14日に刺されたりしまs」
「うおい!ちょっと待て!俺は色んな女の子に手を出したりしてません!!
立つのは駄フラグばっかですと上条さんは切に訴えますよ!?」
放置してるので来る次の2月14日に刺されたりしまs」
「うおい!ちょっと待て!俺は色んな女の子に手を出したりしてません!!
立つのは駄フラグばっかですと上条さんは切に訴えますよ!?」
「そんな風だから刺されるんだけど。とにかく、それだとあんまりなので
バレンチヌスどうすればいいか考えました。刺されなくても済む方法」
バレンチヌスどうすればいいか考えました。刺されなくても済む方法」
そこで、バレンチヌスは一拍止め・・・
「上条君、全員まとめてヤッチャイナー」
…その一言で世界が漂白された。
正確に言えば元々真っ白だったので上条当麻から一切の色が失われた。
正確に言えば元々真っ白だったので上条当麻から一切の色が失われた。
「上条君はちょっとかなりやり過ぎてるからそれくらいやらないと。
大丈夫、皆も君もお互い好意的に思ってるから。偽りの愛にはならないよ」
大丈夫、皆も君もお互い好意的に思ってるから。偽りの愛にはならないよ」
バレンチヌスの話は続いていたがそれは当麻の頭には届かなかった。
「・・・ふふふ、これは夢ですよやっぱりだってバレンタインの偉い人がハーレムルート行けとか行ってるし
よーし上条さん夕日の向こうまで走っちゃうぞー。夕日とかないけど!」
よーし上条さん夕日の向こうまで走っちゃうぞー。夕日とかないけど!」
「だからもう全員まとめてラブ&ピース・・・ってあれ、上条くーん?」
だが上条当麻の走りは止まらない。
「夢だこれは夢なんだよチクショウ、ほら何かちょっと走っただけで地平線まで来れたし!
ていうか地平線までこれるとか夢だよこれ絶対。 そーれピリオドの向こう
ていうか地平線までこれるとか夢だよこれ絶対。 そーれピリオドの向こう
パギン
「へ?」
地平線を越えようとした瞬間、世界が爆ぜた。
「ごぼらごぶげべばぶ!」
目が醒めた時、そこは何時の間にか部屋で最も見慣れてしまったユニットバスの中だった。
バレンチヌスなんて居ないし何もかも真っ白でもない。精々湯船の中くらいである。
バレンチヌスなんて居ないし何もかも真っ白でもない。精々湯船の中くらいである。
「はー、やっぱ夢じゃんかよ全く・・・。
・・・で、何かねこの白いのは。妙に甘いにおいがするけど・・・ホワイトチョコか?」
・・・で、何かねこの白いのは。妙に甘いにおいがするけど・・・ホワイトチョコか?」
とりあえずそう推測し、そして傍らに居た居候と隣人の妹-何故かどちらも水着着用-を睨み付けた。
「と、とうまとうま。違うんだよ別にとうまを溺れさせようとしたとかじゃなくて
まいかが疲れには牛乳風呂がいいーって言ったからどうせなら美味しい方が
いいと思ってチョコレートでとうまを労わろうとしたんだよ!」
「ちなみに水着なのは、サービスの一環で一緒に入るー
あ、兄貴は今日帰らないらしいからちょっとくらい煩くしてもへいきー」
まいかが疲れには牛乳風呂がいいーって言ったからどうせなら美味しい方が
いいと思ってチョコレートでとうまを労わろうとしたんだよ!」
「ちなみに水着なのは、サービスの一環で一緒に入るー
あ、兄貴は今日帰らないらしいからちょっとくらい煩くしてもへいきー」
「・・・ああ、そうですか。食べ物を粗末にしてはいけませんとか
なんで二人とも顔がべったべたになってるかとか
そこに落ちてる異様にぺらくなった上条さんのサイフは何なのかとか
色々注意したいことはあるがその前に!」
なんで二人とも顔がべったべたになってるかとか
そこに落ちてる異様にぺらくなった上条さんのサイフは何なのかとか
色々注意したいことはあるがその前に!」
一度、思い切り空気を取り込んで
「人が寝てるとこに何なみなみ注ぎ込んでんだ!お前等はァ!!」
…そんなこんなで、初秋の夜は更けていったのだった。 終