「えーと、お前が姫神、でいいんだよな?」
「そうだけど。何しに来たの」
上条当麻と吸血殺し――姫神秋沙は怪我人の処置を終え、スタンガンを取り出して話していた。
何故スタンガンなのかは当麻には分からない。魔法のステッキには到底見えない。
「そうだけど。何しに来たの」
上条当麻と吸血殺し――姫神秋沙は怪我人の処置を終え、スタンガンを取り出して話していた。
何故スタンガンなのかは当麻には分からない。魔法のステッキには到底見えない。
「何しにって……いや、お前、帰りたくないの?」
きょとんとして聞くと、姫神が少し不思議そうな顔をした。
「別に。私は自分の意思で。ここにいるから」
「……え?」
囚われてる――と思ったお姫様は自らそこに留まっていた。
なんて言われたらちょっと頭に空白ができてもしょうがないと思う。
きょとんとして聞くと、姫神が少し不思議そうな顔をした。
「別に。私は自分の意思で。ここにいるから」
「……え?」
囚われてる――と思ったお姫様は自らそこに留まっていた。
なんて言われたらちょっと頭に空白ができてもしょうがないと思う。
「私はこの力を消すために。此処にいる」
「力……って吸血殺し?」
「力……って吸血殺し?」
「そう。君は。吸血鬼を知っている?」
知らない、と素直に首を振ると、吸血殺しの力を持つ少女は三沢塾の窓から遠くを見つめて呟いた。
「私達と変わらない。泣いて。笑って。怒って。喜んで。誰かの為に笑い。誰かのために行動できるような人達」
当麻には、彼女にかけられる言葉が浮かばなかった。だって。
知らない、と素直に首を振ると、吸血殺しの力を持つ少女は三沢塾の窓から遠くを見つめて呟いた。
「私達と変わらない。泣いて。笑って。怒って。喜んで。誰かの為に笑い。誰かのために行動できるような人達」
当麻には、彼女にかけられる言葉が浮かばなかった。だって。
彼女の瞳にははっきりと傷ついた光が宿っていて。
それは過去を持たない当麻には分からないものだとしか思えなかったから。だから、何にも言えなかった。
それは過去を持たない当麻には分からないものだとしか思えなかったから。だから、何にも言えなかった。
「あの錬金術師は。私の力を消すことができる。衣服をつくることができると。そういったから」
「……でも、じゃあこれは?こいつらが傷ついたのは」
「…………直せる。でも。これは」
「……でも、じゃあこれは?こいつらが傷ついたのは」
「…………直せる。でも。これは」
「厳然。侵入者、ここにいたのか」
振り向けば、人がいた。
上条当麻は記憶喪失だ。だが。
振り向けば、人がいた。
上条当麻は記憶喪失だ。だが。
直感で、ヤバイ、と感じた。