学園都市『超能力者(レベル5)』第三位、御坂美琴は何やら考え込みながら第七学区を歩いていた。
その理由はほんの30分前のコンビニでの会話が原因である……
その理由はほんの30分前のコンビニでの会話が原因である……
美琴は毎週月曜日恒例の漫画の立ち読みの為にコンビニに居た。
「げっ…また休載?いい加減普通に連載始めなさいよねーこんなんじゃファンも離れるわよ」
等とブツブツつぶやきながら週刊誌に没頭する漫画大好き美琴センセーに声をかける人物が二人。
「あれ?御坂さんじゃないですか」
「おっ、お久しぶりです!」
『風紀委員(ジャッジメント)』初春飾利とその親友、佐天涙子である。
「久しぶりー、学校の帰り?」
「はいー今日は風紀委員の仕事もないので」
「お菓子でも買って宿題しようって話になったんです」
そう言う二人が持っていた袋の中にはポテチやらペプシやらといった比較的普通のお菓子やジュースが入れられていた。
「(まっ、敢えて外の自販機で冒険する人なんかなかなかいないわよねー)」
いつも回し蹴りを喰らわす自販機の事を思い浮かべる。
「御坂さんはどうしてコンビニに?あっ、もしかして立ち読みですか?」
「う~ん……やっぱり常盤台の人がコンビニで立ち読みって違和感あるな~」
そう言いながら二人も美琴の隣に立ち、雑誌をパラパラとめくり始める。
「げっ…また休載?いい加減普通に連載始めなさいよねーこんなんじゃファンも離れるわよ」
等とブツブツつぶやきながら週刊誌に没頭する漫画大好き美琴センセーに声をかける人物が二人。
「あれ?御坂さんじゃないですか」
「おっ、お久しぶりです!」
『風紀委員(ジャッジメント)』初春飾利とその親友、佐天涙子である。
「久しぶりー、学校の帰り?」
「はいー今日は風紀委員の仕事もないので」
「お菓子でも買って宿題しようって話になったんです」
そう言う二人が持っていた袋の中にはポテチやらペプシやらといった比較的普通のお菓子やジュースが入れられていた。
「(まっ、敢えて外の自販機で冒険する人なんかなかなかいないわよねー)」
いつも回し蹴りを喰らわす自販機の事を思い浮かべる。
「御坂さんはどうしてコンビニに?あっ、もしかして立ち読みですか?」
「う~ん……やっぱり常盤台の人がコンビニで立ち読みって違和感あるな~」
そう言いながら二人も美琴の隣に立ち、雑誌をパラパラとめくり始める。
「初春、初春、こんなの着てみない?」
「どれですか?ってこんなの着れるわけないじゃないですか!冬着なのに露出度高過ぎでしょう!」
騒ぐ二人が見ている服を横目で見てみる。
「(うわっ……あんなの絶対寒いでしょ……着る奴なんかいるの?)」
そう思う美琴の胸に『どぉ~?似合う~?』と笑いかけてくる母の姿が一瞬浮かんだのは気のせいである。いや、あって欲しい。
「どれですか?ってこんなの着れるわけないじゃないですか!冬着なのに露出度高過ぎでしょう!」
騒ぐ二人が見ている服を横目で見てみる。
「(うわっ……あんなの絶対寒いでしょ……着る奴なんかいるの?)」
そう思う美琴の胸に『どぉ~?似合う~?』と笑いかけてくる母の姿が一瞬浮かんだのは気のせいである。いや、あって欲しい。
「御坂さんはどうです?着てみたいと思いませんか!?」
「へ?あ、あたし?私はそういうのはちょっと……もっと明るい色の方が好きかな~みたいな?」
「え~似合うと思うのになぁ……でも確かに御坂さんには明るい色が似合いますよね。この色だと物静かな感じがありますし」
雑誌の件の服と睨めっこする佐天の言葉を聞いて『似合いますか、とミサカは頬を少し赤らめながら訊ねてみます』と言ってくる御坂妹の姿が浮かんだのも気のせいであると信じたい。
「へ?あ、あたし?私はそういうのはちょっと……もっと明るい色の方が好きかな~みたいな?」
「え~似合うと思うのになぁ……でも確かに御坂さんには明るい色が似合いますよね。この色だと物静かな感じがありますし」
雑誌の件の服と睨めっこする佐天の言葉を聞いて『似合いますか、とミサカは頬を少し赤らめながら訊ねてみます』と言ってくる御坂妹の姿が浮かんだのも気のせいであると信じたい。
美琴はこのまま直接初春の寮に向かう二人と別れ、もう少し街をぶらつくことにした。
ここで冒頭のシーンに戻ることになる。
「(あの服凄かったわね……私と母とあの子と三人であれを着てアイツの前に立ったらアイツは誰を選ぶかしら……って、何考えてんのよ!?)」
顔を急に真っ赤にしたり髪の毛をガシガシと掻いたり、結構不審な超電磁砲である。
そんな彼女の視界が見慣れた黒いツンツン頭を捉える。
「(変な事考えたからって恥ずかしがる事ないのよ……平常心で……)」
気合いを入れる為に両頬をバチンと叩き駆け出す。
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
どこかで言った事のある台詞と共に……
ここで冒頭のシーンに戻ることになる。
「(あの服凄かったわね……私と母とあの子と三人であれを着てアイツの前に立ったらアイツは誰を選ぶかしら……って、何考えてんのよ!?)」
顔を急に真っ赤にしたり髪の毛をガシガシと掻いたり、結構不審な超電磁砲である。
そんな彼女の視界が見慣れた黒いツンツン頭を捉える。
「(変な事考えたからって恥ずかしがる事ないのよ……平常心で……)」
気合いを入れる為に両頬をバチンと叩き駆け出す。
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
どこかで言った事のある台詞と共に……
今日の上条当麻はすこぶる機嫌がよかった。なぜならいつも買い物しているスーパーで『学生財政救済セール』と謳った値引き祭りが開催されており、大量の戦利品が獲得出来たのである。
「いや~これで暫く我が家の暴飲暴食シスターさんに対抗出来るだけの戦力が整いましたな、俺の頭も当分の間噛み付かれる心配はなさそうですよ~」
もう鼻歌を歌ってしまいそうな彼に聞き覚えのある台詞が飛んできた。
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
「いや~これで暫く我が家の暴飲暴食シスターさんに対抗出来るだけの戦力が整いましたな、俺の頭も当分の間噛み付かれる心配はなさそうですよ~」
もう鼻歌を歌ってしまいそうな彼に聞き覚えのある台詞が飛んできた。
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
ギギギと首をひねって後ろを向くと、これまた見覚えのある常盤台のお嬢様が視界に飛び込んできた。
「あ、今日は不幸が後から来るパターンか」
「顔を見るなり不幸ってなんなのよアンタはー!!」
ビリビリィ!と最早時節の挨拶が如く定番となった雷撃が上条当麻に降り注ぐ。
「ぬぉぉ!お前こそいきなりビリビリはどうかと思うぞ!もしこのスーパーの袋に当たってお得パックの卵が全部固ゆで卵になったらどうしてくれんだコンチキショー!!』
「どうせ当たらないんだからいいでしょ!むかつくのよアンタの耐久力にはー!」
「あ、今日は不幸が後から来るパターンか」
「顔を見るなり不幸ってなんなのよアンタはー!!」
ビリビリィ!と最早時節の挨拶が如く定番となった雷撃が上条当麻に降り注ぐ。
「ぬぉぉ!お前こそいきなりビリビリはどうかと思うぞ!もしこのスーパーの袋に当たってお得パックの卵が全部固ゆで卵になったらどうしてくれんだコンチキショー!!』
「どうせ当たらないんだからいいでしょ!むかつくのよアンタの耐久力にはー!」
[雷撃→幻想殺し]の流れを10分程やった後、美琴が話を切り出す。
「ねぇ、アンタうちの母と妹……どっちが好み?」
「はぁ?なんだそのたった今思いついた感100%の質問は……」
「い・い・か・ら!答えなさいよ!」
ビリビリィ!と無限ループに再突入しかけた事に慌てた上条は
「わかったわかった!ただカミジョーさんにも考える時間が欲しいのでありますよ!」
「ならさっさと考えなさい。制限時間は60秒ね」
60秒というあまりの理不尽さに文句を言いたかったがここでタイムロスをするのももったいないと思い、カミジョーブレインをフル稼働させる。
「(美鈴さんか御坂妹だろ……美鈴さんは2回しか会った事ないけどいい人だよな、何よりあの胸が……いやいや!そんなやましい事は抜きで!御坂妹は何回も会ってるし何か放っておけない感じがするんだよな、最近表情も豊かになってきたし……でもこんなこと言うと『そんなに妹が好きかぁぁ!!』って御坂が怒りそうだし……え~と、え~と!)」
この問答の唯一にして最大の失敗点は何か……それは回答者が旗男上条当麻だった事に他ならない。
「ねぇ、アンタうちの母と妹……どっちが好み?」
「はぁ?なんだそのたった今思いついた感100%の質問は……」
「い・い・か・ら!答えなさいよ!」
ビリビリィ!と無限ループに再突入しかけた事に慌てた上条は
「わかったわかった!ただカミジョーさんにも考える時間が欲しいのでありますよ!」
「ならさっさと考えなさい。制限時間は60秒ね」
60秒というあまりの理不尽さに文句を言いたかったがここでタイムロスをするのももったいないと思い、カミジョーブレインをフル稼働させる。
「(美鈴さんか御坂妹だろ……美鈴さんは2回しか会った事ないけどいい人だよな、何よりあの胸が……いやいや!そんなやましい事は抜きで!御坂妹は何回も会ってるし何か放っておけない感じがするんだよな、最近表情も豊かになってきたし……でもこんなこと言うと『そんなに妹が好きかぁぁ!!』って御坂が怒りそうだし……え~と、え~と!)」
この問答の唯一にして最大の失敗点は何か……それは回答者が旗男上条当麻だった事に他ならない。
「お前……かな」
「え……ええぇぇえええ!!!?」
学園都市最新の瞬間湯沸かし器真っ青の速さで顔を真っ赤にする美琴。
「(い、今コイツあたしを選んだ!?そもそも選択肢に出してないじゃない!いや、決して嫌な訳じゃないけども!だけど私あの子みたいに静かでも大人しくもないし……母みたいにむ、胸も大きい訳じゃないし……でも私を選んでくれた……どうしよう、嬉しいかも)」
怪人二十面相もびっくりする程コロコロ表情を変え続ける。そしてニヘラァ~と幸せそうに笑ったまま固まってしまった。
学園都市最新の瞬間湯沸かし器真っ青の速さで顔を真っ赤にする美琴。
「(い、今コイツあたしを選んだ!?そもそも選択肢に出してないじゃない!いや、決して嫌な訳じゃないけども!だけど私あの子みたいに静かでも大人しくもないし……母みたいにむ、胸も大きい訳じゃないし……でも私を選んでくれた……どうしよう、嬉しいかも)」
怪人二十面相もびっくりする程コロコロ表情を変え続ける。そしてニヘラァ~と幸せそうに笑ったまま固まってしまった。
「(あれ……?御坂のやつ、どうしたんだ?)」
変なスイッチが入った美琴を心配して目の前で手を振ってみる。今の彼女にとっては禁忌とも呼べる台詞を添えて……
「御坂~大丈夫か?冗談のつもりだったんだが……お~い?」
その後も暫くの間御坂美琴の精神は還ってこなかった。
変なスイッチが入った美琴を心配して目の前で手を振ってみる。今の彼女にとっては禁忌とも呼べる台詞を添えて……
「御坂~大丈夫か?冗談のつもりだったんだが……お~い?」
その後も暫くの間御坂美琴の精神は還ってこなかった。
「はっ……ここは?」
「さっき立ってた場所から1mmも動いてねぇよ。まったく……呼びかけても返事しないんだもんな~何回も冗談って言ってるのに」
「だ、だってアンタにそんなこと言われるなんて思ってなかったからつい気が動転して……だから、その……」
トリップした理由をゴニョゴニョと答える美琴の耳に聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「いま……アンタ何て?」
「あ?だから冗談って言ってるのにお前が全然返事しないって……あの~つかぬ事をお伺いしてよろしいでせうか?」
「なに?手短にね」
「なんで御坂さんはバッチンバッチンいわせてるんでせう?」
上条がそう問いたくなるのも無理はない。さっきまで幸せの絶頂にいる様な表情をしていたのに今は阿修羅如き表情で全身から殺気が溢れ出ているのだから。
「ア~ン~タ~は~!どこまでも人の心を弄んでぇぇ!!」
「ちゃんと質問に答えたじゃん!やっぱり選択肢になかったお前を選んだのがマズかったのか!?御坂妹って答えればよかったのかぁ!」
「なっ……やっぱりアンタは『妹』って言葉がそんなに好きなのかぁ!」
「結局こうなる運命だったのか!?ちくしょーやっぱり今日も不幸だぁぁ!!」
叫びながら命を懸けた(主に上条当麻の)鬼ごっこは日が沈んでまた昇るまで続けられたいう……
「さっき立ってた場所から1mmも動いてねぇよ。まったく……呼びかけても返事しないんだもんな~何回も冗談って言ってるのに」
「だ、だってアンタにそんなこと言われるなんて思ってなかったからつい気が動転して……だから、その……」
トリップした理由をゴニョゴニョと答える美琴の耳に聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「いま……アンタ何て?」
「あ?だから冗談って言ってるのにお前が全然返事しないって……あの~つかぬ事をお伺いしてよろしいでせうか?」
「なに?手短にね」
「なんで御坂さんはバッチンバッチンいわせてるんでせう?」
上条がそう問いたくなるのも無理はない。さっきまで幸せの絶頂にいる様な表情をしていたのに今は阿修羅如き表情で全身から殺気が溢れ出ているのだから。
「ア~ン~タ~は~!どこまでも人の心を弄んでぇぇ!!」
「ちゃんと質問に答えたじゃん!やっぱり選択肢になかったお前を選んだのがマズかったのか!?御坂妹って答えればよかったのかぁ!」
「なっ……やっぱりアンタは『妹』って言葉がそんなに好きなのかぁ!」
「結局こうなる運命だったのか!?ちくしょーやっぱり今日も不幸だぁぁ!!」
叫びながら命を懸けた(主に上条当麻の)鬼ごっこは日が沈んでまた昇るまで続けられたいう……
ちなみに夕食・朝食が抜きになった上に鬼ごっこの最中に特売品を全て駄目にしてしまい次の支給日まで第2次素麺生活の突入することをインデックスに告げた上条当麻の頭に悲劇が訪れたのは別のお話……