窓のないビル。
核兵器ですら壊すことは不可能なその要塞の中で一人の人間が逆さに浮かんでいた。
核兵器ですら壊すことは不可能なその要塞の中で一人の人間が逆さに浮かんでいた。
アレイスター=クロウリー
世界最低の魔術師であり世界最高の科学者。
かつて魔術の頂点に立ち、今は科学を統べる者。
そんな男の前で一人の人間が立っていた。
世界最低の魔術師であり世界最高の科学者。
かつて魔術の頂点に立ち、今は科学を統べる者。
そんな男の前で一人の人間が立っていた。
本名不明、性別不明、年齢不明の肉体変化(メタモルフォーゼ)の大能力者。
裏の世界に生き、彼の存在を知る者はこう呼ぶ。
『ジョーカー』
ありとあらゆる数(ひと)に化け、切り札を意味する名。
主な任務は学園都市の内外を問わず危険人物の監視。
裏の世界に生き、彼の存在を知る者はこう呼ぶ。
『ジョーカー』
ありとあらゆる数(ひと)に化け、切り札を意味する名。
主な任務は学園都市の内外を問わず危険人物の監視。
その者の前でアレイスターは口を開く。
「・・・任務はどうだ?」
ジョーカーは答える。
「幻想殺し(イマジンブレイカー)と多角スパイの監視の事か?問題は無い」
アレイスターは押し黙る。
彼はこの能力者が御せない。
ジョーカーが悪人や善人だからではない。彼はこの二つの違いは切るカードが異なる程度にしか考えない。
どちらでもないからだ。奴に大切の物がないからだ。
だが無いのならば作ればいい。
土御門に日常を与えたように、一方通行(アクセラレータ)に打ち止め(ラストオーダー)を与えたように。
彼は奴に友人という宝を与えようとした。しかし彼らのように成功しない。依然どちらでもないままだ。
(・・・まぁ構わない)
アレイスターにとってこの程度の事は余興に過ぎない。
(例えここでジョーカーが裏切ったとしても問題は無い。動き出した歯車(プラン)は止まらない)
前置きはこの程度にして本題に入る。
「・・・任務はどうだ?」
ジョーカーは答える。
「幻想殺し(イマジンブレイカー)と多角スパイの監視の事か?問題は無い」
アレイスターは押し黙る。
彼はこの能力者が御せない。
ジョーカーが悪人や善人だからではない。彼はこの二つの違いは切るカードが異なる程度にしか考えない。
どちらでもないからだ。奴に大切の物がないからだ。
だが無いのならば作ればいい。
土御門に日常を与えたように、一方通行(アクセラレータ)に打ち止め(ラストオーダー)を与えたように。
彼は奴に友人という宝を与えようとした。しかし彼らのように成功しない。依然どちらでもないままだ。
(・・・まぁ構わない)
アレイスターにとってこの程度の事は余興に過ぎない。
(例えここでジョーカーが裏切ったとしても問題は無い。動き出した歯車(プラン)は止まらない)
前置きはこの程度にして本題に入る。
「ジョーカー、やって貰いたい任務がある」
「ジョーカー、やって貰いたい任務がある」
アレイスターは続ける。
「二週間前、一人の魔術師がこの学園都市に侵入した」
ジョーカーは黙ったまま次の言葉を待つ。
「その魔術師の討伐及び回収をして貰いたい」
そこでジョーカーはやっと口を開いた。
「魔術師の討伐?そういう任務なら『ヤツ』や『グループ』の魔術師を使えばいいだろう。
科学側の能力者の俺が手を出したらマズいんじゃないのか?」
ジョーカーはまくし立てるが焦ってるようには見えない。むしろ冷静に分析しているようだ。
「もうすでに魔術側との争いはおきている。今更問題を起こしたところで衝突することには変わらない」
アレイスターは一言区切って続ける。
「『ヤツ』も『グループ』の連中も別件で手が空いていない。それに『グループ』を使わないのには訳がある」
ジョーカーは口を出さずに聞いている。
「三日前、イギリス清教の魔術師が数人派遣され、この任に就いた。そして・・・」
一瞬だけ口をつぐんでアレイスターは話す。
「・・・全滅した」
ジョーカーの表情が少し動いた。さすがに少し驚いたらしい。
「わかったな?『ヤツ』ならともかく能力(ハンデ)を負った土御門が勝てる相手ではない」
「二週間前、一人の魔術師がこの学園都市に侵入した」
ジョーカーは黙ったまま次の言葉を待つ。
「その魔術師の討伐及び回収をして貰いたい」
そこでジョーカーはやっと口を開いた。
「魔術師の討伐?そういう任務なら『ヤツ』や『グループ』の魔術師を使えばいいだろう。
科学側の能力者の俺が手を出したらマズいんじゃないのか?」
ジョーカーはまくし立てるが焦ってるようには見えない。むしろ冷静に分析しているようだ。
「もうすでに魔術側との争いはおきている。今更問題を起こしたところで衝突することには変わらない」
アレイスターは一言区切って続ける。
「『ヤツ』も『グループ』の連中も別件で手が空いていない。それに『グループ』を使わないのには訳がある」
ジョーカーは口を出さずに聞いている。
「三日前、イギリス清教の魔術師が数人派遣され、この任に就いた。そして・・・」
一瞬だけ口をつぐんでアレイスターは話す。
「・・・全滅した」
ジョーカーの表情が少し動いた。さすがに少し驚いたらしい。
「わかったな?『ヤツ』ならともかく能力(ハンデ)を負った土御門が勝てる相手ではない」