出てきたのは修道服を着た神父だった。
金髪の白人なのだがパサパサに乾いた髪と皮膚から生気が感じられず、眼がこちらを伺うように見ている。
外国人で修道服を着ているのを除けばただの会社員と言われてもうなずけそうな風貌だった。
金髪の白人なのだがパサパサに乾いた髪と皮膚から生気が感じられず、眼がこちらを伺うように見ている。
外国人で修道服を着ているのを除けばただの会社員と言われてもうなずけそうな風貌だった。
「あんたが侵入者(ニコライ)?」
ジョーカーは友人にかけるような軽さで尋ねる。
「…えぇ、私がニコライ=トルストイです」
ニコライも見た目とは裏腹に軽薄そうな口調で答える。
「…そうか」
それだけ言うとジョーカーは右の3本の警棒を3丁の拳銃に持ち替え、ニコライに向けて放った。
有無を言わせない射撃。まるで話し合う気なんて初めから無いとでも言うような。
これに対しニコライは右手を前に出しただけだった。
すると手首からぶら下げた十字架(ロザリオ)が光り、前方に半透明の盾(バリアー)が現れた。
ジョーカーは打つのをやめない。力づくで破壊する気だ。
ニコライも負けじと叫ぶ。
「“十字架はその加護にて子羊の身を守る”!」
すると盾(バリアー)がより強固な物に変わる。恐らく銃撃では破壊できないだろう。
ジョーカーは銃による破壊をあきらめ、突っ込んだ。発条包帯(ハードテーピング)で強化した脚力で乗り越えるつもりだ。
(恐らくニコライは盾を出したまま後ろに下がろうとするだろう。だが機動力はこちらが上。すぐに追いつく)
だがニコライも盾を消して突っ込んできた。かなり速い、発条包帯で強化したジョーカーと同じくらいの速度だ。
(な!?)
後ろに下がると思っていたジョーカーは完全に不意を突かれた。とっさに左の警棒でガードしたが突撃をモロに喰らい、吹き飛ぶ。
「フフフ、私は神の子の模造品(レプリカ)…つまりは聖人なのです」
ニコライは嘲るように話す。
「簡単に倒れるようなもろい肉体(からだ)をしていないのですよ」
ジョーカーは倒れた体を起こしながら考える。今は不意を突かれたが単純な接近戦はこちらの方が有利だ。
6本腕というのは便利だ、敵の攻撃を防ぎながら反撃ができる。
(落ち着いて戦えば勝てない相手ではない)
ジョーカーは6本腕独特の構えをとる。
「洗脳、防御、肉体強化……ハ、魔術ってのはいいな、超能力じゃあ多重能力(デュアルスキル)は実現不可というのに」
ジョーカーはしゃべりながらも隙を窺っている。
「フッ、それこそが魔術と超能力最大の違いですからね」
ニコライも決して隙を見せようとしない。
「でも、私は2種類の魔術しか使ってませんよ?」
ニコライは楽しそうに話す。まるで出来の悪い生徒に説明するように。
「1つはさっきの盾『十字結界』。そしてもう1つは―――」
口を邪悪に歪めて笑いながら話す。
「―――『奇跡再現』。この学園都市を滅ぼす術式です」
ジョーカーは友人にかけるような軽さで尋ねる。
「…えぇ、私がニコライ=トルストイです」
ニコライも見た目とは裏腹に軽薄そうな口調で答える。
「…そうか」
それだけ言うとジョーカーは右の3本の警棒を3丁の拳銃に持ち替え、ニコライに向けて放った。
有無を言わせない射撃。まるで話し合う気なんて初めから無いとでも言うような。
これに対しニコライは右手を前に出しただけだった。
すると手首からぶら下げた十字架(ロザリオ)が光り、前方に半透明の盾(バリアー)が現れた。
ジョーカーは打つのをやめない。力づくで破壊する気だ。
ニコライも負けじと叫ぶ。
「“十字架はその加護にて子羊の身を守る”!」
すると盾(バリアー)がより強固な物に変わる。恐らく銃撃では破壊できないだろう。
ジョーカーは銃による破壊をあきらめ、突っ込んだ。発条包帯(ハードテーピング)で強化した脚力で乗り越えるつもりだ。
(恐らくニコライは盾を出したまま後ろに下がろうとするだろう。だが機動力はこちらが上。すぐに追いつく)
だがニコライも盾を消して突っ込んできた。かなり速い、発条包帯で強化したジョーカーと同じくらいの速度だ。
(な!?)
後ろに下がると思っていたジョーカーは完全に不意を突かれた。とっさに左の警棒でガードしたが突撃をモロに喰らい、吹き飛ぶ。
「フフフ、私は神の子の模造品(レプリカ)…つまりは聖人なのです」
ニコライは嘲るように話す。
「簡単に倒れるようなもろい肉体(からだ)をしていないのですよ」
ジョーカーは倒れた体を起こしながら考える。今は不意を突かれたが単純な接近戦はこちらの方が有利だ。
6本腕というのは便利だ、敵の攻撃を防ぎながら反撃ができる。
(落ち着いて戦えば勝てない相手ではない)
ジョーカーは6本腕独特の構えをとる。
「洗脳、防御、肉体強化……ハ、魔術ってのはいいな、超能力じゃあ多重能力(デュアルスキル)は実現不可というのに」
ジョーカーはしゃべりながらも隙を窺っている。
「フッ、それこそが魔術と超能力最大の違いですからね」
ニコライも決して隙を見せようとしない。
「でも、私は2種類の魔術しか使ってませんよ?」
ニコライは楽しそうに話す。まるで出来の悪い生徒に説明するように。
「1つはさっきの盾『十字結界』。そしてもう1つは―――」
口を邪悪に歪めて笑いながら話す。
「―――『奇跡再現』。この学園都市を滅ぼす術式です」