とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 4-455

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匿名ユーザー

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「……え」

 当麻が気がついたのは、見た事もない塾の前だった。

「三沢塾、?」

 ていうか、ここ数時間の記憶がない。全くもってない。
 やばいな、定期的に記憶飛ぶ病気にでもなっちまったのか? と考えて頭を抱えた。

 その瞬間、その消えた記憶は頭になだれ込む。

「……い」

 インデックス、と少年は叫ぶ。
 叫んで、なぜこんなに鼓動が速くなるのかも分からずに、ただ。

 さっきまでいた、血まみれの非日常に向かって走り出した。



 騎士は、こちらへ向かって来る少年を見て、少しばかり顔をしかめた。

 さきほど戦場より帰還した一般人。何故ここへ。
 逃げろと言ってるのに、聞きもしない。

 そんな不快な少年を半ば無視して、敵地への攻撃を開始した。

 音楽とともに、崩れ落ちてゆく塔。

 少年が顔色を変えて叫ぶ。そして、塔に向かって駆けだした。

 馬鹿なことを、爆撃に巻き込まれて死ぬ可能性すらあるのに。


「……っ! 姫神、ステイル……インデックスっ」

 煙をかき分け、当麻は走った。
 そして、見た。


 まるで、生き物のようにビルが巻き戻って立ち上がる瞬間を。

 さすがにその光景に絶句して呆然と突っ立っていると、後ろの方で、呻き声が聞こえてきた。
 自分は魔術のことがよく分からないが、あれは確かにすごい一撃なのだろう。

 その「すごい一撃」を無かったことにしてしまうなんて、そんな敵に勝てるのか。

 しかし、当麻は進むしかない。退路があったとしても、そんなもの、必要ない。
 あの少女は、当麻と一緒にいると言ったのだ。記憶の無い、少女のことすら忘れてしまった上条当麻と、それでも一緒にいると言ってくれた白き少女。

 それに、もう人を殺したくない、と言っていた姫神秋沙。

 誰かを助けるために、力を間違って振るってしまった錬金術師。

 助けなければならない。

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