「あ、……いつ」
言葉が出なくなった上条当麻。
三沢塾にもう一回入り込んだ。インデックス達を探さなきゃいけない。
言葉が出なくなった上条当麻。
三沢塾にもう一回入り込んだ。インデックス達を探さなきゃいけない。
そうして硬い床を踏みしめて歩いている途中、さっき、姫神を庇った少女を見つけたのだ。
普通に過ごしているようだった。そう、あくまでも普通に。当麻達のいる「今」――人殺しのあった非日常のことなど知らぬように。
……自分が、無理矢理魔術を使わされ、大怪我を負った事など、「無かった」かのように。
普通に過ごしているようだった。そう、あくまでも普通に。当麻達のいる「今」――人殺しのあった非日常のことなど知らぬように。
……自分が、無理矢理魔術を使わされ、大怪我を負った事など、「無かった」かのように。
その教室の人間に眼をはしらせる。
何人か、あの魔術を使わされ倒れているのをしっかりと見た。血だらけで、なのに顔だけは真っ青で。
けれど、今は『普通』に動き、話し、笑う。
何人か、あの魔術を使わされ倒れているのをしっかりと見た。血だらけで、なのに顔だけは真っ青で。
けれど、今は『普通』に動き、話し、笑う。
顔が引きつってすっと血の気が引いて行くような気がする。
恐ろしくないとは言えない。それでも、向かわなければならない理由が当麻にはあったから。
当麻は、その廊下を無言で走り抜けた。
インデックス達を探して、駆けて行く。
恐ろしくないとは言えない。それでも、向かわなければならない理由が当麻にはあったから。
当麻は、その廊下を無言で走り抜けた。
インデックス達を探して、駆けて行く。
まぁ、三人を探していたのだ。そのうちの一人に巡り合えたことにはほっとした。
しかし、こいつには突き落された恨みがある。
なのに記憶を失っているというおまけつき。記憶がないのに殴られたら理不尽な気がするものであろう。
しかし、こいつには突き落された恨みがある。
なのに記憶を失っているというおまけつき。記憶がないのに殴られたら理不尽な気がするものであろう。
「……この術式……どこかで」
「ところでステイルさっきまで何処にいたんだ。っ、インデックスは!?」
気がついた。彼女の姿が見えないことに。
「あの子、が……どうした」
その名前が出た瞬間、ステイルが驚きから焦りの表情になるのがみえ、分かっていないことに当麻が若干苛立った。
「ステイル、説明してやるからちょっと分かりやすくするために眼を瞑って舌出せ」
「……? 何故だい」
「いいから」
かなり不審そうなものを見る目で見つつも、渋々当麻の言うとおりにした彼に向かって当麻はにっこり微笑んでやると
「祝☆ よくも人様を囮に使って二人で逃げやがったな記念ッ!」
「は?」
当麻は恨みをこめてアッパーカットをくりだした。
ステイルは記憶を取りもどすのと同時に、吹っ飛んだ。
「ところでステイルさっきまで何処にいたんだ。っ、インデックスは!?」
気がついた。彼女の姿が見えないことに。
「あの子、が……どうした」
その名前が出た瞬間、ステイルが驚きから焦りの表情になるのがみえ、分かっていないことに当麻が若干苛立った。
「ステイル、説明してやるからちょっと分かりやすくするために眼を瞑って舌出せ」
「……? 何故だい」
「いいから」
かなり不審そうなものを見る目で見つつも、渋々当麻の言うとおりにした彼に向かって当麻はにっこり微笑んでやると
「祝☆ よくも人様を囮に使って二人で逃げやがったな記念ッ!」
「は?」
当麻は恨みをこめてアッパーカットをくりだした。
ステイルは記憶を取りもどすのと同時に、吹っ飛んだ。
「よし、これでいい。で、インデックスはどこに行ったんだよっ」
「……ああ、アウレオルスの目的も分かった」
苦い顔つきになっているのは別に顎の痛みだけではないだろうと思う。
「目的? それにインデックスが関わるのか」
「ああ。いや、あの子自体が目的なんだよ」
ステイルはそういうと駆けだす。当麻も慌てて後を追った。
「インデックスが……? 何でだよ」
「あの子が一年ごとに記憶を消していたのは覚えているだろう。アウレオルスは、三年前の彼女のパートナーだ」
塾内に響く、日常を生きる者には聞こえない足音。
その二つの足音が一つになった。
不審に思ってステイルが振り返ると、当麻が呆然と立ち尽くしていた。
「どうした……あぁ、気にしているのだったね。でも今はそんな場合じゃない」
ステイルは煙草の煙と共に溜息をつくと、前を向いて呟いた。
「僕達は、彼女に思い出してもらいたいとは願う。しかし、記憶が消すのが非道なら、記憶を改ざんするのもまた非道だろう。それに、あいつにあの子は救えない」
「え?」
ステイルは、皮肉っぽい笑みを浮かべた。
実際に助けた『上条当麻』はいない。それでもこいつは上条当麻なのだろう。
「台無しにしたのは君自身だよ。だってあの子は君が救ったんだ。たとえ覚えてなくとも」
「そうか……後それと質問だ」
そして、何故アウレオルスがあそこまで強い魔術を扱えるのか、という話を持ち出すが、ステイルも分からないようだ。
アルス=マグナではないだろう、という事でひとまず落ち着くが、どうも何かが引っ掛かる。
「……ああ、アウレオルスの目的も分かった」
苦い顔つきになっているのは別に顎の痛みだけではないだろうと思う。
「目的? それにインデックスが関わるのか」
「ああ。いや、あの子自体が目的なんだよ」
ステイルはそういうと駆けだす。当麻も慌てて後を追った。
「インデックスが……? 何でだよ」
「あの子が一年ごとに記憶を消していたのは覚えているだろう。アウレオルスは、三年前の彼女のパートナーだ」
塾内に響く、日常を生きる者には聞こえない足音。
その二つの足音が一つになった。
不審に思ってステイルが振り返ると、当麻が呆然と立ち尽くしていた。
「どうした……あぁ、気にしているのだったね。でも今はそんな場合じゃない」
ステイルは煙草の煙と共に溜息をつくと、前を向いて呟いた。
「僕達は、彼女に思い出してもらいたいとは願う。しかし、記憶が消すのが非道なら、記憶を改ざんするのもまた非道だろう。それに、あいつにあの子は救えない」
「え?」
ステイルは、皮肉っぽい笑みを浮かべた。
実際に助けた『上条当麻』はいない。それでもこいつは上条当麻なのだろう。
「台無しにしたのは君自身だよ。だってあの子は君が救ったんだ。たとえ覚えてなくとも」
「そうか……後それと質問だ」
そして、何故アウレオルスがあそこまで強い魔術を扱えるのか、という話を持ち出すが、ステイルも分からないようだ。
アルス=マグナではないだろう、という事でひとまず落ち着くが、どうも何かが引っ掛かる。