科学の街であるこの学園都市ではありとあらゆる研究が行われている。
時にはその危険性から闇の中にてひっそりと進行する研究も少なくない。
最近では『一方通行(アクセラレータ)』と呼ばれる『超能力者(レベル5)』の『絶対能力者(レベル6)』への進化。
この研究はまだ見ぬ『絶対能力者(レベル6)』を人間の手で作り上げるというものであった。
当然そういった『不可能に近い研究』には多大なる犠牲が必要となった。その犠牲となったのか『妹達(シスターズ)』である。
『妹達(シスターズ)』とは学園都市に7人しかいない現時点では最強の能力者『超能力者(レベル5)』の中の一人である
『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴の体細胞から作り出されたクローンである。
『絶対能力者(レベル6)』への進化にはこの『妹達(シスターズ)』とよばれるクローン体を2万人殺害する必要があるという
研究結果が出たために研究者達はすぐにこれを実践した。
しかし結論からいうと、この研究は失敗した。ある『邪魔者(イレギュラー)』が介入してきたために・・・。
その『邪魔者(イレギュラー)』は無謀にも学園都市に7人しかいない『超能力者(レベル5)』の中でも最強と言われていた
『一方通行(アクセラレータ)』に戦いを挑んだのだ。『邪魔者(イレギュラー)』とされる少年は学園都市の能力検定では
『無能力者(レベル0)』という能力者の中でも最弱の部類に入るものだった。ようするに一般人となんら変わりないということである。
だれしも『一方通行(アクセラレータ)』の敗北など考えもしなかった。当然のことだ。
核ミサイルの直撃を受けてもその能力によって傷一つ付かないというのに『無能力者(レベル0)』である少年が勝てるはずがない。
だが蓋を開けてみるとまったく逆の結果になっていた。『一方通行(アクセラレータ)』が敗北した。
この研究は絶対条件としてまず『一方通行(アクセラレータ)』がこの学園都市で最強でならなければならない。
しかしその条件はこの一件によって無残にも崩れ去った。最強の能力者が最弱の能力者・・・いや能力者ですらない者に負けたのである。
当然この研究は中止となった。前提条件が崩れた時点で研究など無意味だからだ。
この少年がどうやって『一方通行(アクセラレータ)』と倒したのかは不明だが、もうそんなことはどうでもいい事だ。
結果的に負けたことには変わらない。これが『絶対能力者(レベル6)』に関する研究の詳細である。
時にはその危険性から闇の中にてひっそりと進行する研究も少なくない。
最近では『一方通行(アクセラレータ)』と呼ばれる『超能力者(レベル5)』の『絶対能力者(レベル6)』への進化。
この研究はまだ見ぬ『絶対能力者(レベル6)』を人間の手で作り上げるというものであった。
当然そういった『不可能に近い研究』には多大なる犠牲が必要となった。その犠牲となったのか『妹達(シスターズ)』である。
『妹達(シスターズ)』とは学園都市に7人しかいない現時点では最強の能力者『超能力者(レベル5)』の中の一人である
『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴の体細胞から作り出されたクローンである。
『絶対能力者(レベル6)』への進化にはこの『妹達(シスターズ)』とよばれるクローン体を2万人殺害する必要があるという
研究結果が出たために研究者達はすぐにこれを実践した。
しかし結論からいうと、この研究は失敗した。ある『邪魔者(イレギュラー)』が介入してきたために・・・。
その『邪魔者(イレギュラー)』は無謀にも学園都市に7人しかいない『超能力者(レベル5)』の中でも最強と言われていた
『一方通行(アクセラレータ)』に戦いを挑んだのだ。『邪魔者(イレギュラー)』とされる少年は学園都市の能力検定では
『無能力者(レベル0)』という能力者の中でも最弱の部類に入るものだった。ようするに一般人となんら変わりないということである。
だれしも『一方通行(アクセラレータ)』の敗北など考えもしなかった。当然のことだ。
核ミサイルの直撃を受けてもその能力によって傷一つ付かないというのに『無能力者(レベル0)』である少年が勝てるはずがない。
だが蓋を開けてみるとまったく逆の結果になっていた。『一方通行(アクセラレータ)』が敗北した。
この研究は絶対条件としてまず『一方通行(アクセラレータ)』がこの学園都市で最強でならなければならない。
しかしその条件はこの一件によって無残にも崩れ去った。最強の能力者が最弱の能力者・・・いや能力者ですらない者に負けたのである。
当然この研究は中止となった。前提条件が崩れた時点で研究など無意味だからだ。
この少年がどうやって『一方通行(アクセラレータ)』と倒したのかは不明だが、もうそんなことはどうでもいい事だ。
結果的に負けたことには変わらない。これが『絶対能力者(レベル6)』に関する研究の詳細である。
以上
「・・・まさかこの研究が失敗するとはな。」
すべての文書と見終えてそう呟く。
「まぁ私としては失敗してくれて助かっているがね。くっく。」
男は特徴的な笑い方でそう吐き捨てると急に背後の扉が開いた。
すべての文書と見終えてそう呟く。
「まぁ私としては失敗してくれて助かっているがね。くっく。」
男は特徴的な笑い方でそう吐き捨てると急に背後の扉が開いた。
キィィ〜バタン
「・・・・・」
「・・・・・」
入ってきた者とその場にいた者はなぜか揃って黙り込んでしまう。しかしいよいよ沈黙に耐えられなくなったのか一人が口を開いた。
「おい、なぜ黙ってる。ふざけてるのか?」
「へ?あ、いや〜ただなんとなくね〜。たまには静かにしてみようかな〜ってさ。」
「いい心構えだなフォーゼ。普段からお前は五月蝿くてしょうがない。」
「まぁね〜あたしだって成長するんだよ〜。」
『フォーゼ』と呼ばれる者はそう答えた。喋り方からすると幼い少女のようだが外見はその喋り方からはまったく想像できない姿だった。
驚くことに老人の姿をしていたのである。年齢は80〜90くらいで白髪交じり。しわがれた声で話していた。
男は振り返ってこう言う。
「・・・お前はまた別の姿になって。私ならともかく他の者が見たら確実につまみ出されるぞ。」
男は半分呆れながらそう言い放つ。だが当の本人は
「まぁまぁいいじゃん!人生たまには息抜きも必要だって!」
「いや・・・まったく納得いかないんだが。とりあえず老人の声で女の子みたいな喋り方はやめてくれないか?」
確かに気分がいいものではない。
「おーけーおーけー。ほい!」
そういうとフォーゼの体は一瞬ブレたかと思うとすでに少女の姿になっていた。
「これでおkでしょ?」
どうだと言わんばかりに胸を張る。
「別に威張ることではないのだがな・・・。それにしても相変わらず便利な能力だ。」
「でしょ〜?欲しいって言ってもあげないからね!」
そう言いフォーゼは胸の前で腕をクロスさせてガードする。
「いや、そんなこと一言も言ってないが・・・。」
こいつと話すと疲れると言わんばかりに溜め息を付く。
「冗談に決まってんでしょ〜?それよりなんか用事があったから呼びつけたんじゃないの?」
「ああ、そのとおりだ。例の研究を進め始めるぞ。」
「!?」
フォーゼは驚いた。いやそれよりも喜びの方が強かったのかもしれない。
「・・・・・」
入ってきた者とその場にいた者はなぜか揃って黙り込んでしまう。しかしいよいよ沈黙に耐えられなくなったのか一人が口を開いた。
「おい、なぜ黙ってる。ふざけてるのか?」
「へ?あ、いや〜ただなんとなくね〜。たまには静かにしてみようかな〜ってさ。」
「いい心構えだなフォーゼ。普段からお前は五月蝿くてしょうがない。」
「まぁね〜あたしだって成長するんだよ〜。」
『フォーゼ』と呼ばれる者はそう答えた。喋り方からすると幼い少女のようだが外見はその喋り方からはまったく想像できない姿だった。
驚くことに老人の姿をしていたのである。年齢は80〜90くらいで白髪交じり。しわがれた声で話していた。
男は振り返ってこう言う。
「・・・お前はまた別の姿になって。私ならともかく他の者が見たら確実につまみ出されるぞ。」
男は半分呆れながらそう言い放つ。だが当の本人は
「まぁまぁいいじゃん!人生たまには息抜きも必要だって!」
「いや・・・まったく納得いかないんだが。とりあえず老人の声で女の子みたいな喋り方はやめてくれないか?」
確かに気分がいいものではない。
「おーけーおーけー。ほい!」
そういうとフォーゼの体は一瞬ブレたかと思うとすでに少女の姿になっていた。
「これでおkでしょ?」
どうだと言わんばかりに胸を張る。
「別に威張ることではないのだがな・・・。それにしても相変わらず便利な能力だ。」
「でしょ〜?欲しいって言ってもあげないからね!」
そう言いフォーゼは胸の前で腕をクロスさせてガードする。
「いや、そんなこと一言も言ってないが・・・。」
こいつと話すと疲れると言わんばかりに溜め息を付く。
「冗談に決まってんでしょ〜?それよりなんか用事があったから呼びつけたんじゃないの?」
「ああ、そのとおりだ。例の研究を進め始めるぞ。」
「!?」
フォーゼは驚いた。いやそれよりも喜びの方が強かったのかもしれない。
「ついにやるのね。楽しみ〜♪」
ランラン♪とまるで子供が新しいおもちゃを買ってもらったときのように飛び跳ねて喜ぶ。
「それにはお前の能力が大いに役に立つ。手伝ってくれるな?」
「もっっちろん!!」
「くっく。そう言ってもらえて嬉しいよ。」
「で?まずなにすればいいの?」
フォーゼは待ち切れないとばかりに早口で聞いてくる。
「まぁそう焦るな。確実にかつ迅速にことを進めていこうじゃないか。」
男はそう言いながらなにやらパソコンを操作し始めた。そして大スクリーンに先ほどの『絶対能力者(レベル6)』に関する
説明が映し出された。
「この研究は知っているな?」
パソコンを操作しながらそう尋ねる。
「さすがのあたしだってこれくらい知ってるわよ。なんか学園都市最強の能力者がただの一般人に負けたらしいじゃない。」
知ってて当然でしょ?という感じでフォーゼは答える。
「まぁ簡単に言ってしまうとそういうことだな。だがこれには謎がある。」
謎?とフォーゼが聞き返すと男はさらにこう続けた。
「この詳細を見たら一番に気づくことだ。一体『一方通行(アクセラレータ)』にただの一般人がどうやって勝ったのだ?」
ああ!と今気づいたかのようにフォーゼが叫ぶ。
「お前・・・。本当に気づいてなかったのか。」
「テヘ♪」
とかわいらしくフォーゼは自分の頭を小突いたが男はそれを無視し続けた。
「つまりこの『邪魔者(イレギュラー)』と書かれている少年は『一方通行(アクセラレータ)』をも退ける何かを
持っていたということだ。」
「なるほどね〜。で、それとあたしたちの研究になんの関係が?」
さっぱり意味がわからないといった感じで尋ねる。
「くっく。『一方通行(アクセラレータ)』の能力は最強のものだ。それは私も認める。」
男がそう言うとフォーゼの顔が少し陰る。だが男は気づいてないようだった。
「このあらゆるベクトルを変えて相手の攻撃を無効化する相手に対抗するにはどうすればいい?簡単なことだ。」
そして男は少し息を吸い今までとは大きめの声でこう言う。
「その能力を相殺するか無効化すればいい。そうすれば『一方通行(アクセラレータ)』にも攻撃は通る。」
「!? じゃ、じゃあもしかして・・・。」
「おそらくその『邪魔者(イレギュラー)』という少年は『相手の力を無効化、もしくは相殺する能力』を持っていることになる。」
「それって今あたしたちが一番欲しい力じゃない!」
「ああ、正直確証はないが調べてみる価値は十分にある。」
「なるほどね〜。ようするにあたしはその少年について調べてくればいいのね。」
「そのとおりだ。お前の能力を使えば情報収集など簡単なものだろう?」
「まっかせない!!」
どん!と思い切り自分の胸を叩く。だが少し強すぎたためかフォーゼは咳き込んでしまった。
「げほ、げほ・・・。あたしにま、まかせなさい〜・・・。」
「・・・はぁ、少し心配だがしょうがない。」
とまたもや呆れ気味に言う。
「まぁまぁ気にせずに!それで、なんか今わかってる情報とかはあるわけ?」
フォーゼは少し顔を赤くして誤魔化しながら問いかける。
「ああ、そうだったな。とりあえずこの研究資料によると御坂美琴という人物が関わってるらしい。」
そう言いながら画面の『妹達(シスターズ)』に関する部分と指差す。
「ああ、あの『超電磁砲』ね。この学園都市ではちょっとした有名人よね〜。」
少し気に食わないといった感じでそう答える。
「そうだ。とりあえずその御坂美琴という人物に聞くのが一番早いだろう。確か常盤台中学の生徒だったな。」
美琴は学園都市に7人しかいない『超能力者(レベル5)』という存在であって知らない者はなかなかいない。
当然常盤台のエースだということも知っててなんら不思議はない。
「おーけーおーけー。じゃあちゃっちゃと行ってきま〜す。」
まるで遠足に行くみたいな軽いノリで答える。
「おいおい。あまり油断するじゃないぞ?相手は第3位の『超能力者(レベル5)』なんだからな。」
「ふふーん。あたしの能力の前じゃどんなやつも無力よ。あんただって分かってんでしょ?」
自信満々にフォーゼは答える。
「くっく、確かにそうだな。私もお前だけは敵に回したくはないよ。」
それはお世辞でもなく素直な意見だった。フォーゼの能力はそれほど恐ろしいものなのだ。
「んじゃあ。行って来ま〜す。」
「ああ、頼んだぞ。」
手をこれでもかというほど振りながらフォーゼは部屋をあとにした。
ランラン♪とまるで子供が新しいおもちゃを買ってもらったときのように飛び跳ねて喜ぶ。
「それにはお前の能力が大いに役に立つ。手伝ってくれるな?」
「もっっちろん!!」
「くっく。そう言ってもらえて嬉しいよ。」
「で?まずなにすればいいの?」
フォーゼは待ち切れないとばかりに早口で聞いてくる。
「まぁそう焦るな。確実にかつ迅速にことを進めていこうじゃないか。」
男はそう言いながらなにやらパソコンを操作し始めた。そして大スクリーンに先ほどの『絶対能力者(レベル6)』に関する
説明が映し出された。
「この研究は知っているな?」
パソコンを操作しながらそう尋ねる。
「さすがのあたしだってこれくらい知ってるわよ。なんか学園都市最強の能力者がただの一般人に負けたらしいじゃない。」
知ってて当然でしょ?という感じでフォーゼは答える。
「まぁ簡単に言ってしまうとそういうことだな。だがこれには謎がある。」
謎?とフォーゼが聞き返すと男はさらにこう続けた。
「この詳細を見たら一番に気づくことだ。一体『一方通行(アクセラレータ)』にただの一般人がどうやって勝ったのだ?」
ああ!と今気づいたかのようにフォーゼが叫ぶ。
「お前・・・。本当に気づいてなかったのか。」
「テヘ♪」
とかわいらしくフォーゼは自分の頭を小突いたが男はそれを無視し続けた。
「つまりこの『邪魔者(イレギュラー)』と書かれている少年は『一方通行(アクセラレータ)』をも退ける何かを
持っていたということだ。」
「なるほどね〜。で、それとあたしたちの研究になんの関係が?」
さっぱり意味がわからないといった感じで尋ねる。
「くっく。『一方通行(アクセラレータ)』の能力は最強のものだ。それは私も認める。」
男がそう言うとフォーゼの顔が少し陰る。だが男は気づいてないようだった。
「このあらゆるベクトルを変えて相手の攻撃を無効化する相手に対抗するにはどうすればいい?簡単なことだ。」
そして男は少し息を吸い今までとは大きめの声でこう言う。
「その能力を相殺するか無効化すればいい。そうすれば『一方通行(アクセラレータ)』にも攻撃は通る。」
「!? じゃ、じゃあもしかして・・・。」
「おそらくその『邪魔者(イレギュラー)』という少年は『相手の力を無効化、もしくは相殺する能力』を持っていることになる。」
「それって今あたしたちが一番欲しい力じゃない!」
「ああ、正直確証はないが調べてみる価値は十分にある。」
「なるほどね〜。ようするにあたしはその少年について調べてくればいいのね。」
「そのとおりだ。お前の能力を使えば情報収集など簡単なものだろう?」
「まっかせない!!」
どん!と思い切り自分の胸を叩く。だが少し強すぎたためかフォーゼは咳き込んでしまった。
「げほ、げほ・・・。あたしにま、まかせなさい〜・・・。」
「・・・はぁ、少し心配だがしょうがない。」
とまたもや呆れ気味に言う。
「まぁまぁ気にせずに!それで、なんか今わかってる情報とかはあるわけ?」
フォーゼは少し顔を赤くして誤魔化しながら問いかける。
「ああ、そうだったな。とりあえずこの研究資料によると御坂美琴という人物が関わってるらしい。」
そう言いながら画面の『妹達(シスターズ)』に関する部分と指差す。
「ああ、あの『超電磁砲』ね。この学園都市ではちょっとした有名人よね〜。」
少し気に食わないといった感じでそう答える。
「そうだ。とりあえずその御坂美琴という人物に聞くのが一番早いだろう。確か常盤台中学の生徒だったな。」
美琴は学園都市に7人しかいない『超能力者(レベル5)』という存在であって知らない者はなかなかいない。
当然常盤台のエースだということも知っててなんら不思議はない。
「おーけーおーけー。じゃあちゃっちゃと行ってきま〜す。」
まるで遠足に行くみたいな軽いノリで答える。
「おいおい。あまり油断するじゃないぞ?相手は第3位の『超能力者(レベル5)』なんだからな。」
「ふふーん。あたしの能力の前じゃどんなやつも無力よ。あんただって分かってんでしょ?」
自信満々にフォーゼは答える。
「くっく、確かにそうだな。私もお前だけは敵に回したくはないよ。」
それはお世辞でもなく素直な意見だった。フォーゼの能力はそれほど恐ろしいものなのだ。
「んじゃあ。行って来ま〜す。」
「ああ、頼んだぞ。」
手をこれでもかというほど振りながらフォーゼは部屋をあとにした。