とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 2-393

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匿名ユーザー

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炎天下の道中、あまりに生気の無い顔の少年が歩いていた。
頭に歯型がある以外変哲の無い少年。
「ふ・・・不幸だ・・・」
その一言があまりに定着している不幸少年、基、上条当麻は朝の出来事を思い返していた。


「朝飯は無い」
お玉を片手に腕組みをしている当麻の一言は、ある人物に致命的ダメージを与えていた。
三毛猫とじゃれ合っていた銀髪碧眼の少女が固まっていた。
予想外の事に対処出来ていないのか、かなり戸惑っている。
「ど・・・どういう事かな・・・?」
震える唇で少女は言う、少女の名はインデックス、魔道書の原点を10万3000冊脳内に所有する人間図書館、そして絶対記憶能力の持ち主、
明らかに偽名のこの少女はとある事情から上条のマンションに居候している。
その事情は上条の記憶には無いのだが・・・上条当麻は記憶喪失でインデックスに初面識の記憶が無い。
「それはこっちの台詞だー!!」
叫びながら思いっきりお玉をカーペットに投げつける。
クワワァァンという間の抜けた音が部屋に響いた。
「何!?どういう事ですか!?昨日の夜にはまんぱんだった冷蔵庫が何故一夜にして神隠しに会うのですか!?上条さんは突然の事にめっちゃテンパッてますよ!?」
朝起きていつもの様に冷蔵庫を開けると、昨日買い込んだ食糧が無い、1ヶ月分の食料は綺麗に消えていた。
「…………不思議な事もあるもんだねー」
インデックスの目が泳いでいた。
それを上条は、見逃さない。
「・・・時に姫、一つよろしいか?」
目を瞑って上条は腕組みをする。
「な、何かな?」
突然の礼儀正しい言葉にインデックスは若干ビクッと震える。
「私、上条当麻は11時に寝床に付いており、11時前には冷蔵庫はまんぱんだった確証があります」
「ふんふん」
律儀に頷く少女は確実に上条から目を逸らしている。
「では犯人は11時から6時半までに食料隠蔽を図った、私はバスルームから出ておらず、スフィンクスは重い冷蔵庫は開ける事は出来ない」
スフィンクスとはインデックスが三毛猫に名付けた名前だ、何故上条はバスルームで寝ているのかは、健全な精神の持ち主ならお解かりだろう。
「という事は犯人は・・・」
そこで目を開けた、インデックスとばっちり目が合う。
だらだらと冷や汗の垂れるインデックスを見た時、核心に触れた。
「お前しか居ないんじゃボケえええええええええぇぇぇえ!!」
上条がインデックスの眉間に向かってチョップを振り下ろす。
スパーン!!という音と共にインデックスの眉間にチョップが炸裂。
「イッタぁ!?」
「イッタあ!?じゃねーよ!!俺の財布はもっと傷ついてるわ!!さぁ言いなさい!あの大量の食料は何処に隠したの!?お母さん怒んないから言って見なさい!!!」
額を両手で抑えたインデックスは上目使いで上条を見る。
「ほんとに怒んない?」
怒んないと上条は頷く。
「・・・・全部食べちゃった」
スパーン!!と再びチョップ炸裂。
「怒んないって言ったのにー!ハッ!!まさかこれはローマに伝わる誘導尋問!?」
また額を抑えて涙混じりに言った。
「場合によるわぁぁ!!後、誘導でも無いから!!深読みしすぎだから!!」
上条の叫びを無視してインデックスが反論を返す。
「だって!!だって!!昨日の晩御飯がカップラーメンだよ!?愛が無いよ!!」
思い返してみれば昨日は毎度の事ながら色々な事に巻き込まれてろくな晩飯を作っていない。
「でも冷蔵庫の中身全部食べなくてもよくね!?てか生の肉や大根も食ったのか!?愛とか知るかー!!!」
「だってだって!いっぱい食べたら大きくなると思ったんだもん!!」
「は!何を言いますか!その幼児体系がそんなすぐに変わりますか!世界中のロリコン達に今も貢献するがいい!!」
ビキッ何かが切れたような音がした。
「え?待って!!待って!!何で口いっぱい開けてんの!?」
カパァッと開けた口の歯がギラッと輝くと標準セットと言わんばかりに大きく上条と向かい合う。
「待って待って!!今のは違うの!!ちょっと本音が・・・じゃなくて!!やめて!!やめて!!ちょっとした比喩表現で別にインデックスさんが子供みたいな体系で、全国のロリっ子ファンに請け合い!!じゃなくて!!嫌々嫌々!!こっちこないで!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさっギャァアァアアァアァアァア!!!」
腹減りと上条が優位だったのとで見事にストレスの溜まったインデックスは言い訳から最後謝罪になっていた上条に情も何も無しで景気良い音を立てた


「はぁ・・・・」
上条は深い深いため息を付いた。
秘蔵のカップラーメンを全部持って行かれ朝から何も食べていない腹は今も鳴る。
財布はスッカラカンで小銭すら無い、


涙目のまま顔を上げると、目の前に何か倒れていた。
「・・・・・・」
何処かで見た様な光景(過去2回)
上条は考えた、今はお腹も減っていて人にかまかける程じゃないし、もしも似たような境遇でも無いもんは無い。
倒れているものはこの炎天下の中真っ白いズボンに真っ白い長袖の服を着込み見た目酷く暑苦しい。
服に付いたパーカーを被っているのとうつ伏せで大の字になっているので顔は見えない。
道路の真ん中で大の字になっている事典でかなり変である。ただ隣に置いてある物だけは右手ではっしと大事そうに持っているそれは、同じく真っ白な布で覆われた2Mはある長い棒であった。
「腹減った」
低い声から男と思える。
「・・・・・・・・・・・」
上条は考えた、ここで逃げたら多分人として最低だがフラグ王(自覚無し)にとって男であるのは以外であった。
「おい」
上条は深い深い深いため息を付く。
(話掛けられちゃったよ・・・・)
話掛けられたとあっては流石に無視するわけにも行かない。
「何だよ」
めんどくさそうに紙状はしゃがみこんで男を見る。
「悪いが・・・金、渡すから・・・そこの自販機で何か買ってくれ」
震える手で男が指差した先には自販機が2つある、指差された方は全てがあっつあつのお汁粉。
「何で!?何でお汁粉!?」
「貴様の分も買っていいぞ」
男は上条の叫びを無視して小銭を道路に置く。
「いらねーよ!!それよりも隣の自販機にしろよ!!何でわざわざお汁粉!?」
「餅」
簡単な一言に上条は呆れた。
「餅だけの為に熱々を選ぶのか・・・・」
いい加減回りに変人ばかりだと結構上条は順応が早く、サッサと小銭を取って自販機に入れる。
一瞬躊躇するがそのまま赤く点滅する熱々を押した。ガコンッという音で缶が出たのが解った。
缶の端を持って男の前に缶を置いてやった。
「じゃぁ俺はもう行くぞ?いいんだな?」
上条の言葉に男がわずかに頷く。
それを見届けた上条はサッサと歩き出す。これ以上の面倒は御免だと言いたげに。
男はわずかに顔を上げて上条の後姿を見送った。
「あれが・・・・・・・インデックスの付き人か」
男の目は純白の目であった。目が見えていないのかと思われたがその目は確かに上条を捉えていた。


上条が男と会う数日前の話、


まずいことになった―
赤髪の身長2Mはある大男は黒い神父の格好えおしているがその手には何個もの指輪に目の下にバーコードの様なタトゥーはあまりにも神父らしくない。
その男の名はステイルネセサリウス(必要悪)に所属している。
ステイルは早足でイタリアの町を歩く、急ぎの場所はイタリア教会ネセサリウスの本部。
教会に付くと怒鳴り声の様な口論が響き渡っていた。
「私に行かせて下さい!!奴は私にしか止められません!!」
女性の声は恐怖と心配が入り混じっていた。
「それはなりけるぬのよ、もしあなたが相打ちになれば、うちの大切な戦力が減ってしまう」
淡々と返す女性の日本語は何処か可笑しい。
ステイルが近づくのが解り二人の女性が同時にことらを向く。
叫んでいた女性の名は神崎火織。後ろで束ねた長い黒髪、しなやかな筋肉を覆う白い肌
搾った半そでののティーシャツに片足だけを強引に断ち切ったジーンズとウエスタンブーツ、腰に巻いた革ベルトには2M超える日本刀『七点七刀』が収められている。
もう一人はネセサリウスのアークビショップ(最大主教)ローラ=スチュアート簡単なベージュの修道服に髪を一度折り返すほどに長い髪は一度見れば忘れることは無い。
世界にも20人しかいない『聖人』神崎火織が負けるとは言われないが相撃ちになると簡単に言われているのにステイルは歯噛みする、相手の力量が目に見えてしまう。
「やはり・・・本当にだったのか]
ステイルの言葉に神崎が目を伏せる。
ローラは表情を変えない。
「で、本当に『腐敗子』がインデックスを狙っているのですか?」
ステイルの声は緊張が走っている。
ローラは小さく頷く、それを見てステイルの顔が真っ青になった。
「ですから!!今回だけはあの子でも不可能です!!」
神崎の脳裏に上条の顔が浮かぶ。今まで沢山の事を解決して来た男だ。
「私が止めに行きます!!これは私の責任です!!」
神崎の声にローラは微動だにせず黙り込んでいる。
そのれを見て神埼は俯く。
ローラが口を開いた。
「わかりたもうた、この任神崎に任す」
神崎が顔を上げた。
「正し、負ける、または相撃ちとわかりたもうてばすぐに逃げる事、そして、ステイルと土御門、そして例の子と協力する事!!」
ステイルは軽く舌打ちした。またあの男かと、苦い思いを振り返る。神崎はまたあの子を巻き込むのか、と独り言を漏らすが、すぐに日本へ向けて旅立つ準備に走る。


長い戦いが始まろうとしている―

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