とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 2-365

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匿名ユーザー

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「腹減った」
その言葉に合わせるかのようにお腹がハーモニーを奏でている。
現在は昼の1時を過ぎたところ、周りでは好き勝手に昼休みを楽しんでいる。
そんな中、上条当麻は机に突っ伏して一人死んでいた。
いや、実際死んでいた訳ではないが、空気が死んでいた。


「かーみやーん、昼やのに何か食わへんの? 」
青髪ピアスが上条の隣の席に座り込んだ。


のっそりと頭だけ動かして上条の目が青髪ピアスの方に向く。
「お! おお! 」
上条は青髪ピアスを目を輝かせて見ていた。
実際見ていたのは青髪ピアスの持っているおにぎり。
そのおにぎりは黄金のように輝いていた。いや、腹の減り過ぎの錯覚なのだろうが上条には確かに神々しい光が見えた。
(これは展開的に俺の様子を見ていたこいつは、きっと朝から何も食っていないのを察しておにぎりを持ってきてくれたのか!!!ビバ親友って素晴らしい!! )
珍しくプラス思考の上条は腹減りで脳内に異変が起こりつつあった。
その目の前で青髪ピアスはそのおにぎりを簡単に口にほおりこんだ。
その瞬間上条の目がショックで見開かれる。
「何やしょぼいおにぎりやなー、
かみやーんボク実はこの前に食堂でめっちゃ食ってんねーん、あーしんどい思いして食うもんちゃうなー」


「わざとか? わざとだよな? ここまで殺意が沸いたのもちょっと無いぞ」
上条はぐったりしながらも結構な怒りを青髪ピアスに注いでいる。
「この野郎、腹が減ってなきゃ上条さんのお怒りパンチがお前の顔面をクリーンヒットさせているだろう」
「? そんなお腹減ってんのやったらこれやるわ」
そう言うとポケットから缶を取り出すと上条に投げた。
慌てて受け取った缶は熱かったが、上条はさっきの殺意が綺麗さっぱり消えて輝かしい笑みを浮かべていた。
「俺、お前の事信じてた」
上条はとうとう精神的に色々来ているようだ。
上条はいそいそと缶を開けるとそのまま一気に缶を口に付ける。
最早熱々だろうがとにかく腹を満たしたかった。
きっとコーンポタージュだろうと思っていた缶の中身は


甘かった。


ぶぼぁ!? という勢いで口に入れた液体が噴出、青髪ピアスの頭にへと降りかかった。
黒っぽい液体は噴出される中に黒い豆のような物が混じっている。



「こ……これは、」
缶にプリントされている絵は昔懐かしの


お汁粉


「テメェェェ!! 」
殺意再来
上条は怒りに任せて青髪ピアスの襟首を掴む。
「何でお汁粉なんだよ!! 腹減ってる時にこれは地獄だ!! しかも2回目かよ! 流行ってんのか!? 」
「かみやん……とりあえず口から入れたもん人の頭に噴出さしといて言う事はあらへんの?」
「チッキショォォォ!! 不幸だこの野郎ーーーー!! 」
上条は叫び声と共に教室のドアに向かい乱暴に閉めた。


「ッフ、かみやん、毎度毎度おいしい想いしてる罰やで~?」
青髪ピアスは最早居ない上条に向けてあまり綺麗で無い笑顔を浮かべた。
何人かのクラスの男子が青髪ピアスに親指を立てていた。


続けざまにドアが開くと上条が戻ってきたのかな?と青髪ピアスは思ったが、それは女の子であった。この学校とは違う制服は名門の常盤台の制服だろう、肩まである茶色い髪をした女の子はクラスの何人かはため息を漏らす。


「あのー…」
遠慮がちな少女はドアから顔だけを出して誰かを探していた。
逸早く反応した青髪ピアスは光の速さで少女の所に向かった。
「何?どうしたん?誰か探してんの?」
お汁粉をかぶったまま青髪ピアスは歯を光らし、とてもいい笑顔を浮かべる。あわよくば知り合いになろうという魂胆が見え隠れしている。
少女は軽く引きながらも探し人の特徴を言った。
「ツンツン頭でアホ面な男の子って・・・知らない? 」
「ボクもツンツンでアホ面やでー! 何? もしかしてボクの事? 」
フラグ立ての為に青髪ピアスは自分を犠牲にしながらも少女に詰め寄る。
「……あー、頼んでも居ないのに足突っ込んできたり、女の子に見境無い馬鹿」
しかし青髪ピアスの努力虚しくすでにその少女には旗が立てられている。
登山家はどんな凄い山を登っても、頂上に別の旗があればすごすごと引き返さなければならない。
解っているが青髪ピアスは聞いた。「その馬鹿とはどういう関係で?」
言葉に反応した少女は、頬を薄らと染めて「別に…」と目を下に向ける。
それだけで青髪ピアスの心に直下型ボムが放たれた。効果はてきめんだ。


またか、あのやろう、


とクラス中の空気が不穏に暗くなる。
青髪ピアスは、さっき出て行ったと、少女に伝えると少女は革バック片手にすぐに引き返す事にした様だ。
軽く会釈して少女はすぐにドアを閉める。
青髪ピアスは閉めたと同時に体育座りで端っこで「なんでかみやんなんや…」とぶつぶつ言い続けていた。
一矢報いたはずの青髪ピアスはすぐに大打撃を食らった。
クラスの男子達が哀愁の漂う青髪ピアスの背に同情の目を送る。

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