軽くメルブラクロスオーバーショートストーリー [恐怖、タタリ発症] 作者:空白の人
すさまじいまでの魔力が場に収束してだんだんと人型をとっていく。
間に合わなかった、このままでは『恐怖』と『噂』を媒介にもっともらしい『災厄』の形をして『タタリ』が現れてしまう。
「人々のもっとも恐れる存在の形を借りて一夜限りの固有結界として現れる現象、『タタリ』、やはりこうなるのですか」
「ッくッ!!」
悔しげな声を上げる魔術師達。
だが諦めていない人間が居た。
その少年は右手を握り締めて立ち上がり、立っているのも困難な魔力嵐の中を突き抜ける。
そしてあらん限りの声で叫ぶ。
「まだだ、まだ俺は諦めてなんかいないッ!」
大きく息を吸い込んで少年の目が魔力嵐の中心を見据えた。
間に合わなかった、このままでは『恐怖』と『噂』を媒介にもっともらしい『災厄』の形をして『タタリ』が現れてしまう。
「人々のもっとも恐れる存在の形を借りて一夜限りの固有結界として現れる現象、『タタリ』、やはりこうなるのですか」
「ッくッ!!」
悔しげな声を上げる魔術師達。
だが諦めていない人間が居た。
その少年は右手を握り締めて立ち上がり、立っているのも困難な魔力嵐の中を突き抜ける。
そしてあらん限りの声で叫ぶ。
「まだだ、まだ俺は諦めてなんかいないッ!」
大きく息を吸い込んで少年の目が魔力嵐の中心を見据えた。
『優しい御坂美琴が……恐いッ!!むしろ恐怖!!』
場の空気が魔力嵐も含めて止まった。
「は?……上条当麻、アナタは一体なにを……」
「上条さん、はッ、そうか。人々の『恐怖』や『噂』を媒介に発生するのなら我々の『恐怖』も例外では……」
「は?……上条当麻、アナタは一体なにを……」
「上条さん、はッ、そうか。人々の『恐怖』や『噂』を媒介に発生するのなら我々の『恐怖』も例外では……」
『噛み付かないインデックスが恐ろしい!! 鞘で突っ込まない聖人が恐ろしい!! 何も企まない黒幕が恐ろしい!!
他人を欺かない隣人に激しい不安を覚えるッ!! ぶん殴らないクラスメイトなんて見ただけで気を失いそうだ!!
丸くなって誰も傷つけない学園最強とか――』
他人を欺かない隣人に激しい不安を覚えるッ!! ぶん殴らないクラスメイトなんて見ただけで気を失いそうだ!!
丸くなって誰も傷つけない学園最強とか――』
「……」
「これはもしや……」
互いの顔を見合わせて頷く。
考えてることは一緒。
ならば先に行動したほうの勝ち。
二人の魔術師は己の抱く『恐怖』をさらけ出す。
カラン……神崎と五和の後ろで七天七刀(しちてんしちとう) と海軍用船上槍(フリウリスピア)が軽い音を立てて倒れた。
走り出す少女達の手に武器は無い。
必要無いし、何よりわずかな差ですら惜しいのだ。
「これはもしや……」
互いの顔を見合わせて頷く。
考えてることは一緒。
ならば先に行動したほうの勝ち。
二人の魔術師は己の抱く『恐怖』をさらけ出す。
カラン……神崎と五和の後ろで七天七刀(しちてんしちとう) と海軍用船上槍(フリウリスピア)が軽い音を立てて倒れた。
走り出す少女達の手に武器は無い。
必要無いし、何よりわずかな差ですら惜しいのだ。
『ポニーテール萌えの上条当麻が恐いッ! 堕天使メイドで篭絡される上条当麻が恐ろしいッツ! 』
『おしぼりだされてあっさりと五和に転ぶ上条さんが心底恐い!! 尽くすタイプの女性に弱い上条さんに激しい不安を覚える!」
五和と神裂まで魔力嵐の中心に向かって叫び始め、取り残された形になる土御門は
「カミやん……苦労してるんだにゃー(ほろり)」
と憐れむように呟くのだった。
『おしぼりだされてあっさりと五和に転ぶ上条さんが心底恐い!! 尽くすタイプの女性に弱い上条さんに激しい不安を覚える!」
五和と神裂まで魔力嵐の中心に向かって叫び始め、取り残された形になる土御門は
「カミやん……苦労してるんだにゃー(ほろり)」
と憐れむように呟くのだった。
『不幸体質が恐くて髪の毛が真っ白になりそうだぁぁぁぁ!』
『上条当麻とラブラブな神裂火織が――』
『五和とデートする上条さんが――』
『上条当麻とラブラブな神裂火織が――』
『五和とデートする上条さんが――』