とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 3-897

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匿名ユーザー

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長点上機学園の第3グラウンド。
能力者の身体測定の為に作られた運動場であり、砲丸投げのようなメモリなど、様々なラインが引かれている。地面はアスファルトでは無く、クッション性を高めた芝生で覆われている。面積も広大であり、大覇星祭の際には多くの大規模な競技が行われていた。しかし昼休みとなるとそこはただの遊戯場と化す。そこいる生徒たちはサッカーや野球やバスケットボール、または部活のランニングなどに少ない休憩時間を惜しむように励んで汗を流していた。
サッカーボールが途中で火だるまになったり、文字通り「消える魔球」を放つピッチャーがいたりと、所々に長点上機学園の能力開発の優秀さが垣間見える平凡な一場面でもある。
そんな中、人気のない来客用の階段型の観客席に上条当麻と土御門元春はいた。生徒が集まる噴水のある大広場を避けて話を進めていたのだ。そこで、




吹き飛ばされた土御門は野球場のような階段型の観客席を勢いよく転がっていき、フェンスに当たって派手な音をたてた。
元いた場所から軽く二十メートルはある。唖然とする上条当麻だったが
「無礼者っ!」
目の前に立っている金髪ロングヘアーの女子生徒は両手を腰に手をあてて叫んだ。後ろ姿で顔は見えないが、彼女が発するオーラに上条は声をかけられない。

「我が校が誇る『絶対能力者(レベル6)』にして、私の上司たる上条様に危害を加えようとするとは!!」
ローラースケートで滑ることも無く二段ほど階段を下りる。階段の一番下にいる土御門に向けて告げた。
「貴方、一体何者?」
どうやら左肩を痛めたらしく、右手で抑えながら上半身だけ立ち上がると
「お、俺は高等部二年の…」

「嘘言いなさい」

「私は学園全員の生徒の顔と名前は覚えてますの」
土御門の表情が固まると同時に、彼女は犬笛のような銀色の笛を口にすると、
ピ―――――ッ!と大音量で鳴らした。
うわっ、と上条は耳を押さえながらうずくまった。
その音が鳴った途端、グラウンドで遊んでいた生徒はこっちも方に目を向けると、突如として校舎に走り出した。
何だ何だ?と上条が状況把握を行いながら、ふと金髪ロングヘアーの少女に目をやると―――
絶句した。後ろ姿からでも彼女の怒気がどれ程ものか、察することが出来たからだ。

「ステージ3のエマージェンシーコールを申請しました…我が校の生徒に扮し、上条様に近づくとは…いい度胸です」

ガガガガガッ!!
突然、十人近くの長点上機学園の制服姿の生徒たちが眼前に現れた。
腕を組みながら仁王立ちする大柄な男。二メートル以上ありそうな長い棒を持つ少女など。

「貴方が何者で、何の目的で此処を訪れたのかは知りません。ですが―――」

ガガガガガガッ!!
さらに十人近くの生徒たちが上条の眼前に出現した。
バタフライナイフをチラつかせる女子生徒。メガネをかけた長身の男子生徒など。

「如何なる理由があろうとも、上条様には指一本触れさせません」

ガガガガガガガッ!!
そしてさらに十人以上の生徒たちが上条の眼前に現れた。
携帯を弄りながら退屈そうな女子生徒に手をつなぎ合ったままのカップル。皆、漆黒の制服を纏い、そして右腕には『盾』モチーフにした腕章。


「我ら――――――――――『風紀委員(ジャッジメント)』がいる限り」


つい先ほどまで、上条と土御門しかいなかった観客席は30人以上の長点上機学園の生徒がいる。半数の生徒たちは何らかの武器を所持しており土御門を覆い囲むような形で円陣をつくっていた。
予想外の出来事に肩を震わす土御門。開いた口が塞がらない上条。
唐突に羽平くるるの声がかかる。
「お怪我はありませんか上条様!?…っ!頬が腫れているでありませんか!まさか、あの無礼者に殴られたのですか!?」
視界一杯にくるるの顔が迫る上条は彼女の気迫に押され気味に答えた。
「あー、まあ、それは、そうなんだけど、でも――――――――」

「ひっ捕えなさい!!!」

彼女の大声と共に他の生徒が一斉に動き出した。30人以上の『大能力者(レベル4)』相手に『無能力者(レベル0)』の土御門は成す術は無く、彼らの手に墜ちたのは言うまでも無い。

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