とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 2-6

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匿名ユーザー

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◇◇◇

ねぇ?わたし最近思うんだけど、御坂美琴は上条に冷たい目線を送りながら囁いた。

「何で!?何で!?何で美琴の周りの大気が不穏な感じに帯電してんの!?」

「アンタってやつは!!アンタってやつは!!そんなに[後輩]って響きが大好きな人だったのかぁぁこのボンクラァぁぁぁぁぁあああああ!!」

 不機嫌少女の前髪が一瞬バチィと火花を散らし、必殺の雷撃の槍となって目の前の少年へと飛来する。

「お、おわぁ!?」

ブンブン!!バチィ!!

 彼女の前髪から光速で飛来する10億ボルトが炸裂したが少年は右拳をぐるんぐるんと回して防御する。そんな事を二回、三回と繰り返す。

「だぁームカつく!! 何なのよその耐久性!? こういう時は適当にぶっ飛ばされてそっちの方にでも転がってりゃいいのよ!!」

「だからなんでキレてんだよお前、あとそのリクエスト受けたら死にますけどね俺!!」

さらに10回、20回と回数を重ねていくとようやく不毛だと思い知らされたのか、美琴は肩で息をしながら雷撃を止める。 ちなみに

上条は腰が抜ける寸前であり、さきほどの上条と白井の作り上げていた甘い桃色空間は一変し

「警備員(アンチスキル)とか風紀委員(ジャッジメント)呼ぶ?」「いや、巻き込まれたくねぇな」といった不穏な空気で満ちており、白井はこっそりと自分の制服

についた[風紀委員]の腕章を外してスカートのポケットにしまい込んでいる。

 先ほどまで真っ赤にしていた顔を一気に冷却して白井は美琴の方を見て、

「お、お姉様、き、奇遇ですわね。お、おあ、お会いしたかったですわ。」

「黒子、アンタ入院中じゃなかったっけ?」

ビクゥ、白井の肩が大きく震えた。

元々美琴に会いに来ていた筈なのにちっともうれしくなさそうに、美琴の刺すような目線から目を逸らすと、

「あ、あの、退屈な入院生活を見かねた風紀委員の同僚が見かねて病院を連れ出してくれたのですが、途中で車椅子が壊れてしまってそこから
いろいろありましてこういう状況なわけで別にやましいこととかラブラブなこととかハプニング的におさわりイベントが発生したりなんかしてませんわ」

早口で一気に喋りきる。

「思いっきり端折ってるわねその説明、しかもなんか後半が聞き捨てなら無い。大体!!アンタコイツのこと嫌いなんじゃなかったの!?」

ビシィ!!と効果音を立てて美琴の人差し指が上条の顔を指す。

「き、嫌いだなんて別にその・・・ちょっと気に入らないところもあっただけですわ・・・・い、いまはそんなに」

ごにょごにょと言い訳を言いながら上条と美琴を交互にチラチラ

(あ゛~腹立つ・・・アイツはアイツでなんか照れて頭ポリポリしてるし、黒子も黒子でいつもと雰囲気が違うし、なんていったらいいのかしらこの気持ち
          • とりあえずムカつく)

『―――♪♪』

突然、美琴の携帯電話が鳴る。電話を耳にあてて、ウン、ウン、すぐ行くと返事をしてすぐパタンと閉じる。

どうやらそろそろ自分の学校の仲間と合流しなければならないようだ。美琴にも次の競技が控えている。

「とにかく、後で詳しく聞くから!!ちゃんと整理しときなさいよ」

 心底不機嫌そうに美琴が去って行った。途中で何度も振り返って、いい?絶対に聞くからね!!、と何度も念を押して走っていった。

「なぁ?なんであいつあんなにキレてるんだ?お前何か知ってる?」

「それを本気で言ってるとしたらお姉様も救われませんわねぇ、わたくしもですけど」

大量の?マークを浮かべながらとりあえず上条は

(なにが悪かったんだろう?)答えが用意されていない問題を思い浮かべた。

◇◇◇

「で。あれはなに?」

上条と美琴の一部始終を見ていた姫神はクリップボードになにやら書き込んでいるクラスメート―吹寄制理に聞いてみた。

「知らない、上条がまたなにかやったんでしょ。 アイツは普通の学園生活というものができないのかしら」

クリップボードから決して目を離さずに吹寄は右手に持ったボールペンで姫神の右脇に抱えられたモノを指して、

一言

「で、それなに? 新しいマスコットキャラ?」

姫神の脇に小荷物よろしく抱えられたやんちゃな少女―[打ち止め]の事を聞いた。

うーん、考え込む仕草をした後に何かを思い出したように短パンのポケットからくしゃくしゃになった紙切れを吹寄に見せて、

「これ。私の[妹]」と[打ち止め]を指差して言い放つ。

「条件は問題ないかな、完走おめでと」

 右手の親指をグッ!!と立てて激励すると姫神も無表情にグッ!!と応えた。

脇に抱えられた[打ち止め]も真似をして親指をグッ!!と立てている。気に入ったようだ。

「みーさかーみーさかーたっぷりみーさかー♪とミサカはミサカは新曲を披露してみたりする、うまい?」

何の前触れもなく元気に歌いだす[打ち止め]だが

いやそれパクリだからとげんなりした様子で吹寄がクリップボードに視線を置いたまま右手だけであしらう。

「8着か・・・姫神さんは表彰関係ないから戻ってもいいよ、その子どうするの?」

「この子。迷子らしいから」、迷子センターまで連れて行く、と姫神はそう伝えた。

「そう、それじゃ迷子の呼び出しをしてもらわなくちゃならないわね、迷子センターの場所わかる?」

「大丈夫。問題ない」

無表情に片手だけガッツポーズして離れていく。

「さよーならー、ミサカはミサカは別れを惜しんでみたりしてみる」

 [打ち止め]を抱えた姫神は近くにいた運営委員からスポーツ飲料のペットボトルを受け取り、迷子センターがある会場を目指した。

「みーさかーみーさかーみーさかみさみさみーさかー♪ ミサカはミサカは懲りずに続きを歌ってみたりするー」

「歌うまいね。喉渇いてない?これ飲む?」

「わーい、飲むーグビグビグビ、ミサカはミサカは苦しゅうないって感じなってきたー」

◇◇◇

 「なんか疲れるな、表彰なんて普段されないからなぁ」

大量のフラッシュで疲労した目をこすりながら上条当麻は街を歩いていた。

 この辺りは特に人込みが激しい。 地下鉄や自律バスの停留所など、交通の要所が集中してるが原因らしい。 電車からバスへ、バスから電車へ、

バスの路線Aからバスの路線Bへ、といった感じでさまざまな交通手段を利用する人々が溢れている。

 表彰の後に吹寄に聞いた話だと学校の仲間はいま別の競技をしているから、応援に言ってくるようにといわれたがこちらは別行動でオリアナ=トムソン達

を捜索している土御門やステイルから連絡があれば即座に動かなければならないのだが、困ったな、どうしようとか上条が一人で悩んでいると

「どうなされたんですの?さっきからブツブツと、男の独り言は嫌われますわよ」

 オレンジ色のスポーツ車椅子に座った白井黒子が車椅子の背もたれから後ろの上条を見上げるように言って来た。

 あん?と上条が眉をひそめると、

「さっきからなにやら考え事をしているようですが、もしかしてお姉様のことですの?」

ビクゥと上条が、うわ、そういえばそんな問題もあった的な顔をすると

「大丈夫ですわ、お姉様にはわたくしが上手くごまかしておきますから」

実際には全然別のことで考え込んでたのだが、自分の前にいる少女は何かの雰囲気の変化みたいなものを感じ取ったのだろう。

 上条が表彰台でフラッシュの嵐を浴びてる間に初春が壊れたスポーツ車椅子の代わりに明るいオレンジ色のスポーツ車椅子を調達してきた

のだが初春はそのまま[風紀委員]の仕事に呼び出されて支部に戻ってしまった。

 おまえはいかなくていいのか?と上条が聞くと自分の体に巻かれた包帯を見せて、わたくしこう見えても怪我人ですのと答えて風紀委員の

仕事はお休みすることを上条に伝えた。

 そのあと無言で右手を上条に差し出して、運んでもらえます?とか言って来たのでオレンジ色のスポーツ車椅子へと白井を移動させ上条も会場を移動しようとしたのだが。

「あら?レディを置いてけぼりですの?ひどい殿方ですわね」

とまあ、そんなことを言われてしまったので現在に至るといったところである。

 白井にはてっきり嫌われてるとばかり思っていたのだが今日の彼女はやたらと上条に絡んでくる。 まるでお気に入りのおもちゃを手に入れた子供のようだ。

しかし彼女は知らない。 大覇星祭で賑わうこの街とそれを楽しむ学生達、そんなささやかな幸せすら自分達の欲望の為に利用しようとしている魔術師の存在、

そして霊装[刺突杭剣(スタブソード)の取引を行う為に暗躍し、学園都市の内外では様々な思惑が交錯していることを

 させるものか―上条当麻はそう思った。

白井だけではなく美琴や上条のクラスメイト、外部から来た観客だって美しい思い出を作りたいに決まっている。 だからこそ、がんばらないと、と思う。

そんな上条の顔を怪訝そうに見つつ

「なにやら隠し事をしている気配がしますわ(ムカ)」

「は!?いや違うって、上条さんはすごくやる気ですよ、隠し事なんて滅相も無いですよ、なにをいきなり機嫌わるくなってるんですか!?」

 不機嫌のムカムカで輝きが失われつつある白井に、慌てた上条はスポーツ車椅子の取っ手から手を離して彼女の前に回りこんで彼女の顔を覗き込むように答えた所で

ドンっ、と背中を押された。

混雑している歩道で誰かの肩がぶつかったらしい。

 予期してない衝撃に対処できずに上条はおっと、と思わず一歩前に進んでしまう。

そのため覗き込むように見ていた白井との顔の距離が極端に縮めてしまう。

 というか元々顔と顔の距離は30センチほどしかない。



「「え・・・・」」



まったく同じ言葉をそろぞれ吐き出して、2人の唇は触れ合った。


◇◇◇

↓おまけ


おまけ座談会その1

白井「きゃああああああああああああ、わたくしのファーストキスがぁぁぁ!!??」
上条「不可抗力だーーーーー!?」
美琴「へぇ・・・二人はなんかあったんだ・・へぇ・・そう・・(バチバチ)
吹寄「あれぐらいの衝撃に耐えれないなんてきっと骨よ!カルシウムが足りないんだわ、ほら姫神さん捕まえて」
姫神「ガシ。観念しやがれベイベー」
上条「うわ!?なに、この状況なにぃぃ!?」

ザザザザザザァァァ   カランカラン

吹寄「さあ、あとはこの豆乳でかんぺっきよ!?ほら!飲みなさい!!?」
上条「もがーーーもがーーーー」



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           「Festival of large star IF前編」
                  次回予告


突然のハプニングで白井フラグを進行させてしまう上条

そんなとき偶然ぶつかった女性のやさしさに心を打たれその

手を握ったとき

あらゆる異能を打ち消す『幻想殺し』が発動する。

まさか!彼女が!?

     次回 Festival of large star IF第××話

         「追跡殺し Route Disturb」

まずはその[幻想]をぶち殺す―!!

                        To Be Continued

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