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事態が一旦安定したので念願の昼食にありつけることになり上条、御坂ファミリーはそれぞれテーブルにお弁当を出していた。
「今日は当麻さんがいっぱい食べると思って母さんいっぱい作ってきたの、しっかり食べてね」
「こら当麻!シーチキンマヨは父さんのだ。 お前は梅干おかかでも食べてなさい」
「私だってキチンと用意してきたわよ、いっぱい食べてね美琴ちゃん。ほらどーんとね!」
どーん、どーん、どーん・・・どすん
喫茶店のボックス席のテーブルに所狭しと並べられた弁当郡。
綺麗に三角形に握られて海苔を張られたおにぎり、タコ、カニなどの形のウインナー(魚肉)、眩いばかりに黄色い玉子焼き
プラスチックのフォークが刺さったミートボール、千切りにされたキャベツの上に盛り付けられた大量のから揚げ、ウサギさんカットされたリンゴ
絵に描いたような運動会風のお弁当、その中に異様な存在感を放ついくつかの物体があった。
「どーんって・・・丸ごとのチーズ?」
「それに寸胴鍋・・・どうやって持ってきたのよ」
「ちゃんとガスボンベとコンロも持ってきてるわーッ痛!
せっかく美琴ちゃんの為にチーズフォンディを作ろうと思って持ち込んだのに!?ねぇねぇ当麻くん、娘が反抗期なのー助けてちょうだい」
学園都市に持ち込めないはずの危険物―ガスボンベを大きいドラムバックから取り出したところで美琴の突っ込みが美鈴を襲う。
上条に対するような電撃は使用せず純粋に鉄拳制裁なのだが見た目にはすごく痛そうだ。
少しも懲りずに美琴はしつこく大量の乳製品を摂取させようとする美鈴を無言でシバキ倒すと当然のように上条の右手の元に戻ってくる。
「ふん、乳製品を取っても別に変化は無いわよ!!」
「いや・・背は伸びるんじゃないか?アレぐらい大量に取れば。」
美琴の肩をぽんぽんと叩きながら言う上条に美琴が火に掛けられた寸胴鍋で溶けるチーズをプラスチックの器に取ってこれまたプラスチックのスプーンで
上条の口へと運ぶ。 湯気が立ち昇るチーズはとっても熱そうだ、っていうかこのまま口に突っ込まれたら絶対火傷する、そんな次元の熱さだった。
「ほほう・・・じゃあいっつもいっつも大怪我して病院通いなあんたにはピッタシねぇ・・・さぞ骨も丈夫になるんでしょう!!ほら!!ほら!!
ほらあ~ん、ってしなさいよぉぉぉ!!」
「ちょ・・・もがぁぁ熱々のチーズを無理やり食わせようとするなぁぁ」
口を閉じて断固拒否の構えを取る上条と湯気の出るチーズフォンディを無理やり流し込もうとする美琴。
すでにその体勢は先ほどまでのラブラブ体勢から向かい合う獲物と狩人と言った感じの戦闘体勢へと移行している。
「いいからさっさと口あけなさいよ!!冷めちゃうでしょうが!冷めたらおいしくないでしょう!!」
「嫌です!!断固拒否します!そんな熱々のチーズ流し込まれたら上条さんのデリケートなお口の中が大惨事ですけどね!!女の子なら普通フーとか言って
熱いものは冷ましてから食べさせるだろ普通!?そういう優しさは微塵もなしですか!?」
美琴は自分の手に持ったスプーンを少し眺めてしばらくブルブルと震えた後、おもむろにそのスプーンを自分の口の前に持ってきて。吹く。
「ふー・・・ふー・・・ふー・・・」
美鈴と美琴以外の時間がピタリと止まった。上条もマジデスカ、と呻く。周囲の雑音は全て止まり美琴がスプーンをフーフー吹く音だけが支配する。
湯気が立ち昇る熱々のチーズフォンディは美琴の息を吹きかけられてお口に入れても大丈夫な温度に変化しなお一層おいしそうな香りを漂わせる。
「こ、これでいいんでしょ!さ、さっさと口開けなさいよ。」
人目で分かるぐらいに顔を真っ赤に染めて美琴がスプーンを上条の口の前まで持ってくる。
流石にここまでやられては、と観念したように上条が
「あ~ん」と大口を開けてみると途端に口の中いっぱいのチーズの風味が広がる。トローリと舌で程よい熱さのチーズが上条の味覚を激しく刺激する。
ほんのりとして柔らかいそれでいてまったくしつこくない後味。上条はしばらくそのチーズの味を楽しむと一言
「うまい」と言った。
「今日は当麻さんがいっぱい食べると思って母さんいっぱい作ってきたの、しっかり食べてね」
「こら当麻!シーチキンマヨは父さんのだ。 お前は梅干おかかでも食べてなさい」
「私だってキチンと用意してきたわよ、いっぱい食べてね美琴ちゃん。ほらどーんとね!」
どーん、どーん、どーん・・・どすん
喫茶店のボックス席のテーブルに所狭しと並べられた弁当郡。
綺麗に三角形に握られて海苔を張られたおにぎり、タコ、カニなどの形のウインナー(魚肉)、眩いばかりに黄色い玉子焼き
プラスチックのフォークが刺さったミートボール、千切りにされたキャベツの上に盛り付けられた大量のから揚げ、ウサギさんカットされたリンゴ
絵に描いたような運動会風のお弁当、その中に異様な存在感を放ついくつかの物体があった。
「どーんって・・・丸ごとのチーズ?」
「それに寸胴鍋・・・どうやって持ってきたのよ」
「ちゃんとガスボンベとコンロも持ってきてるわーッ痛!
せっかく美琴ちゃんの為にチーズフォンディを作ろうと思って持ち込んだのに!?ねぇねぇ当麻くん、娘が反抗期なのー助けてちょうだい」
学園都市に持ち込めないはずの危険物―ガスボンベを大きいドラムバックから取り出したところで美琴の突っ込みが美鈴を襲う。
上条に対するような電撃は使用せず純粋に鉄拳制裁なのだが見た目にはすごく痛そうだ。
少しも懲りずに美琴はしつこく大量の乳製品を摂取させようとする美鈴を無言でシバキ倒すと当然のように上条の右手の元に戻ってくる。
「ふん、乳製品を取っても別に変化は無いわよ!!」
「いや・・背は伸びるんじゃないか?アレぐらい大量に取れば。」
美琴の肩をぽんぽんと叩きながら言う上条に美琴が火に掛けられた寸胴鍋で溶けるチーズをプラスチックの器に取ってこれまたプラスチックのスプーンで
上条の口へと運ぶ。 湯気が立ち昇るチーズはとっても熱そうだ、っていうかこのまま口に突っ込まれたら絶対火傷する、そんな次元の熱さだった。
「ほほう・・・じゃあいっつもいっつも大怪我して病院通いなあんたにはピッタシねぇ・・・さぞ骨も丈夫になるんでしょう!!ほら!!ほら!!
ほらあ~ん、ってしなさいよぉぉぉ!!」
「ちょ・・・もがぁぁ熱々のチーズを無理やり食わせようとするなぁぁ」
口を閉じて断固拒否の構えを取る上条と湯気の出るチーズフォンディを無理やり流し込もうとする美琴。
すでにその体勢は先ほどまでのラブラブ体勢から向かい合う獲物と狩人と言った感じの戦闘体勢へと移行している。
「いいからさっさと口あけなさいよ!!冷めちゃうでしょうが!冷めたらおいしくないでしょう!!」
「嫌です!!断固拒否します!そんな熱々のチーズ流し込まれたら上条さんのデリケートなお口の中が大惨事ですけどね!!女の子なら普通フーとか言って
熱いものは冷ましてから食べさせるだろ普通!?そういう優しさは微塵もなしですか!?」
美琴は自分の手に持ったスプーンを少し眺めてしばらくブルブルと震えた後、おもむろにそのスプーンを自分の口の前に持ってきて。吹く。
「ふー・・・ふー・・・ふー・・・」
美鈴と美琴以外の時間がピタリと止まった。上条もマジデスカ、と呻く。周囲の雑音は全て止まり美琴がスプーンをフーフー吹く音だけが支配する。
湯気が立ち昇る熱々のチーズフォンディは美琴の息を吹きかけられてお口に入れても大丈夫な温度に変化しなお一層おいしそうな香りを漂わせる。
「こ、これでいいんでしょ!さ、さっさと口開けなさいよ。」
人目で分かるぐらいに顔を真っ赤に染めて美琴がスプーンを上条の口の前まで持ってくる。
流石にここまでやられては、と観念したように上条が
「あ~ん」と大口を開けてみると途端に口の中いっぱいのチーズの風味が広がる。トローリと舌で程よい熱さのチーズが上条の味覚を激しく刺激する。
ほんのりとして柔らかいそれでいてまったくしつこくない後味。上条はしばらくそのチーズの味を楽しむと一言
「うまい」と言った。