とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 5-330

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匿名ユーザー

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『君が変わっても~いつか君が変わるとしても~』


「ねえ、ちょっと私の話を聞いてくれない?」
「う~ん……今日は良い天気だな」


「朝、目が覚めて……気づいたら体が小さくなってたの」
「昨日が雨だったから空は青くて綺麗だし」


「黒子がすぐに目を覚まして抱きつかれて――まあ、その瞬間に電撃浴びせたから
 名前通りに真っ黒に焼いておいたけど」


「やべぇ、授業中に寝ちまいそうだな……」
「10万ボルトしか流せなかったのよね。やっぱり知識と経験があっても
 体が変化してる分、能力の制御の仕方が違うのよね」


「居眠りしてまたまた補習なんてパターンは避けたいしな……
 しばらくトラブルに巻き込まれてないとはいえ、どうなるか分からないから
 普通に授業を受けられるときはちゃんと受けないと進級もできなくなるくらい
 単位がやばくて大変なのが上条さんの現状なのですよ」
「あんた、気づいてるんだったらこっち向いて話してくれない?」


「うう……せっかくの晴天が早くも曇りのち雨になりそうで
 当然ながら上条さんは傘など一本も持っていないのです」
「ついでに雷注意報も出てるわよ」


「――おい、ちゃんと制御できないんだろ。無闇に使うなよ……ほれ」
「ちょ…何すんのよ!な、撫でるなー!」


「癖っ毛を直してやったんだよ……って直ってねえ」
「――――馬鹿、ちゃんと直してよ。……わわ、クシャクシャにしないで!」


「おお、本当に小さいな。十歳ぐらいか?
 あの子にそっくり――というか、あっちがそっくりなのか。
 その服はどうしたんだ?」
「黒子から借りたのよ。勝手にだけど。幸い変な服とか下着はなかったわ」


「?……でも、おまえが白井の服の着ることなんて(サイズ的に)まずないから
 返したら永久保存するんじゃないか?こう、家宝にして崇めるとか」
「うう――本当にやりそうだから怖いわね。焼却処分するわけにもいかないし。
 余計な問題が一つ増えたわね」


「それとさ」
「何よ」


「途中まで歩かせて悪かったけど、靴が合わないんだったら先に買った方がいいだろ」
「え……あ、うん。そうね」


「まだどこも店が開いてないから、それまでどっかで休むか」
「――ってあんた、単位がやばいんじゃなかったの?」


「何言ってんだよ。それどころじゃないだろ?
 俺が右手で触っても元に戻らなかったんだ。
 どうなるか分からないし……とりあえず、いつもの病院に行ってみるか」
「……ありがと」


「じゃあ、行きますか。ほら」
「べ、別に手を握る必要ないんじゃ……」


「どこかの腹ペコシスターさんみたいに迷子なられちゃ困るしな。
 あと歩くのが早かったら早めに言えよ。体力も落ちてるんだろ?」



「うげェ……」
「羨ましいなぁってミサカはミサカは瞳を輝かせてあなたに期待したり」


「おまえ、今自分がガキじゃねェって状況が分かってんだよなァ?」
「分かってるよってミサカはみ…えっと」


「無理して他の妹達の真似なんざしなくてもいいだろォ」
「そ、そうかなってミサカはミサカは子供っぽくないかなって不安だったり」


「何馬鹿なこと言ってンだよォ。さっさと行くぞ、――――」
「……うん!ってミサカはミサカはあなたと手を繋いで歩けてとても嬉しかったり」


「くっつくな!歩き辛ェだろ、このクソ……」
「何かなってミサカはミサカはあなたの瞳を覗き込んでみたり」


「何でもねェよ。前見て歩きやがれ」
「♪」


「――見慣れない靴なのですが、これはもしや……お姉様の物ですの?」
「ん?そうよ。ちょっとした記念ってことで残しておいてあるの」


「この頃からゲコ太が――にしてはほとんど汚れていませんわ。
 新品同様……よほど大切な物でしたの?」


「そうね。これは魔法が解けても残ってる――『ガラスの靴』みたいなものだから」
(今はもう――二度と履けない靴だけどね)


「ところでお姉様。私の古着は何処へ?」
「そうそう……それだけど、知り合いが欲しがってて――」


「はあ、つまり。戻ってこないのですね」
「代わりにだけど、今度ショッピング行くときに新しい服買ってあげるわよ」


「――そ、それはつまり……お姉様からのプレゼント、と解釈してよろしいんですの!?」
「え?」


「嬉しいですわ……ああ、どうしましょう。永久保存して家宝にしたいくらいですわ!!」


 完。

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