「で、魔術ってのは一体なんなのかしら?」
某月某日某所、さらしにジャケット一枚というなんとも個性的な服装の少女が唐突に問いかけた。
彼女の名は標結淡希、学園都市の裏組織『グループ』のメンバーが一人である。
デフォルト装備の少し性格の悪そうな笑みを浮かべた標結の問が向かう先は一人の少年、海原光貴。
実にさわやかな笑みを浮かべた彼はほんの一瞬その笑みを凍らせ、しかし何でもないように逆に問い返す。
彼女の名は標結淡希、学園都市の裏組織『グループ』のメンバーが一人である。
デフォルト装備の少し性格の悪そうな笑みを浮かべた標結の問が向かう先は一人の少年、海原光貴。
実にさわやかな笑みを浮かべた彼はほんの一瞬その笑みを凍らせ、しかし何でもないように逆に問い返す。
「随分と唐突ですね、しかし何故自分に?」
海原、本名エツァリは魔術師だ。
アステカの秘術で本物の海原光貴の姿を少々借りてこの学園都市に潜入し、色々あって現在はこうして暗部で働いている。
だからまあ、魔術云々の問が海原に向けられるのは然程不自然ではないのだが
アステカの秘術で本物の海原光貴の姿を少々借りてこの学園都市に潜入し、色々あって現在はこうして暗部で働いている。
だからまあ、魔術云々の問が海原に向けられるのは然程不自然ではないのだが
(自分魔術師ですから、なんて面と向かって標結さんに言った事は無かったはずですが…あ)
と思った直後、少年院前でショチトルと対峙した際のやりとりを思い出した。
「自分と同じ魔術師です」の言葉やショチトルが彼女も見ている状況で変装を解くなど、こうして聞かれるのは当然の事かもしれない。
「自分と同じ魔術師です」の言葉やショチトルが彼女も見ている状況で変装を解くなど、こうして聞かれるのは当然の事かもしれない。
(うーん簡単な説明なら構わないかもしれませんが…)
細かく聞かれた場合説明が少々面倒だし、科学側の彼女が理解出来るのかも微妙なところだ。
何より科学サイドの人間にあまり魔術について詳しく知られるのも少し問題ではある。
だがまあその部分は別に気にしなくてもいいだろう、魔術師という存在が居るということは九月三〇日事件で知られているのだし。
自分の使う術式の種明かしさえしなければいいかと、少々迷いながら口を開こうとしたその時、
何より科学サイドの人間にあまり魔術について詳しく知られるのも少し問題ではある。
だがまあその部分は別に気にしなくてもいいだろう、魔術師という存在が居るということは九月三〇日事件で知られているのだし。
自分の使う術式の種明かしさえしなければいいかと、少々迷いながら口を開こうとしたその時、
「飯買ってたら少し遅れたぜー、すまんにゃー」
すっとぼけた間抜け口調で土御門元春が乱入する。
ちなみに土御門のすぐ後ろには缶コーヒーを手にした一方通行が居た。
2人の手には相変わらず栄養バランスを考えないファーストフード。
最も土御門の方は普段、栄養たっぷりの義妹の手料理を食べまくっているだろうから健康への影響は大したことは無いのかもしれない。
金髪にサングラス、アロハシャツというバカみたいな格好をした『グループ』のリーダーの姿に、海原は輝かんばかりの笑顔を見せる。
ちなみに土御門のすぐ後ろには缶コーヒーを手にした一方通行が居た。
2人の手には相変わらず栄養バランスを考えないファーストフード。
最も土御門の方は普段、栄養たっぷりの義妹の手料理を食べまくっているだろうから健康への影響は大したことは無いのかもしれない。
金髪にサングラス、アロハシャツというバカみたいな格好をした『グループ』のリーダーの姿に、海原は輝かんばかりの笑顔を見せる。
「標結さん、そういうのは彼の方が詳しいですし、自分より説明に向いていますので彼に聞いてはいかがですか?」
さわやか通り越して胡散臭さすら感じるその笑顔と突然自分に向けられた水に、土御門は良い予感はしなかったのか「え?」と一歩後ずさった。
当然の如く一方通行に邪魔くせえ、と足を蹴られる事になったのだが。
とにもかくにも、興味の視線よまっがーれと言わんばかりの海原の発言により標結は土御門を見やる。
当然の如く一方通行に邪魔くせえ、と足を蹴られる事になったのだが。
とにもかくにも、興味の視線よまっがーれと言わんばかりの海原の発言により標結は土御門を見やる。
「なンの話だァ?」
土御門を押しのけて室内に入った一方通行は缶コーヒーのプルタブを開けながら海原と標結に声をかけた。
「魔術ってなんなのかしら?って聞いてただけよ。
海原曰く土御門の方が詳しいみたいだけど」
海原曰く土御門の方が詳しいみたいだけど」
「魔術……」
標結の答えを聞いて一方通行もこの話題に興味を持ったらしく、赤い瞳が土御門に向けられる。
2人の視線を真っ向から受け、土御門はげんなりとため息を吐いた。
面倒な役が回ってきたものである。
2人の視線を真っ向から受け、土御門はげんなりとため息を吐いた。
面倒な役が回ってきたものである。
こうして第一回、土御門元春の『グループ』への魔術説明会は開始された。
ちなみに説明中は、
ちなみに説明中は、
「やっぱりゲームよろしくアギとかマハラギオンとかの一声で炎が出たりするのかしら?」
と素直にメラとかファイアの名前を出さないのが標結らしいというかなんというかな質問や
「”黄昏よりも暗きもの~”とかなンとか言ったりすんじゃねェの?」
という正直元ネタのアニメを見ている姿が想像つかない発言が飛んできたりと、中々素敵な光景になったりもした。
海原まで悪ノリをして2人を煽り、一時土御門は月の力でメイクアップしてセーラーモトハルになるとか安部清明と憑依合体してオーバーソウルで戦うとかいう
とんでも設定を付けられる事になりそうだったのはここだけの話である。
海原まで悪ノリをして2人を煽り、一時土御門は月の力でメイクアップしてセーラーモトハルになるとか安部清明と憑依合体してオーバーソウルで戦うとかいう
とんでも設定を付けられる事になりそうだったのはここだけの話である。
科学と魔術の相互理解はまだまだ遠いのかもしれない。
End